東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です。
今回も、のんびりしていってね。


第31話 地下の少女②

此処はある屋敷の地下。そこには、激しい爆発音のような轟音と、少女の笑い声が響いていた。

 

「キャハハ、楽しいねぇ!琥珀!」

 

「いや、全然」

 

俺はフランから繰り出される激しい弾幕の群れを、右へ左へと移動しながら躱す。

 

「フフ、ならこれはどう?」

 

フランの手には、ねじ曲がった杖のような物が握られている。

すると、その杖のような物は炎を帯び大きな剣の様になる。

そしてフランは、その剣を振り回しながら俺へと飛び掛かって来た。

俺は即座に武器(物差し)を出して、フランの炎の剣を向かい撃つ。

ガキン!と金属がぶつかり合う音が響き渡る。

俺はそのまま右足を隙だらけのフランのボディに叩き込む。

グエッ!と苦しそうな声を上げながらフランは上へと吹っ飛んで行き、あまりの勢いに天井の壁にめり込んだ。

ガラガラと天井の壁が一部崩れ、フランは壁達と一緒に地に落ちる。

 

「おっと、いけないいけない」

 

俺は能力で、壁の破壊を(なかったこと)にする。

泊めてもらっている屋敷を壊す訳にはいかない。

 

俺が壁を直すと、フランはゆっくりと立ち上がり、鋭く紅い眼差しで俺を見据え言った。

 

「もう頭きた!お前何か要らない!壊してやる!」

 

すると右手を前に差し出した。

あの構えは、先程俺を一瞬にしてボロ雑巾に変えた技だ。恐らくフランの能力だろう。能力には能力で対応だ。俺はフランよりも早く能力を使った。

 

【あらゆる現象、事象、概念に干渉されない】嘘を【本当】に。

 

これは俺が西行妖の時にも使った(効力)だ。

これで俺には、如何なる現象だろうが事象、概念だろうが干渉されない。まあ、無敵状態という事だ。

基本的に一度吐いた嘘(使った能力)は、効果を持続させる事も消す事も出来る。西行妖の時に一度使って、その時に効果を消したのだが……。

今回のような事が起きない為にもこの効果は持続させるべきだな。

俺がそう決心し終わると、フランの右手は握りしめられた。

――が、俺に異状は無い。

するとフランは目を見開いて言う。

 

「……何で壊れないの?」

 

「“防いだ”からな」

 

俺が言うと、フランは口を尖らせ、不機嫌そうに言った。

 

「……あっそ。……気に入らないわね、貴方」

 

正直、今俺は滅茶苦茶傷付いた。

だって気に入らないって……。

だが、今は(ヘコ)んでいる暇は無い。

 

フランは異常だ。

狂気に満ちていると言っても過言では無い。

元々こんな感じなのか、普段は違うのか。

どっちにしろ、今のフランには少々“教育”が必要だ。

俺はフランに問いてみた。

 

「なあフラン、お前はさっきから“壊す”と頻繁に言っているが……壊すって何だ?」

 

俺が言うと、フランは変わらぬ面持ちで言った。

 

「別に、壊したいから壊すのよ。普通の事でしょ?」

 

「……お前は壊す事に罪悪感を感じるか?」

 

するとフランは不思議そうな顔をして言った。

 

「何で?感じた事なんて無いわ」

 

……これは難しいな。

俺が思うにフランは、純粋で無知、それでいて情緒不安定。

さて、どうしたものか……。

俺がどうしようか迷っていると、突如として声が聞こえてきた。

 

「琥珀……これはどういう事かしら?」

 

……やっべぇ。レミリアの事忘れてた。

俺がゆっくりと後ろを見ると、そこには明らかに怒った様子のレミリアの姿があった。

 

「えっと……これはだな……」

 

何て言えば良いんだ?

俺は必死に言葉を探す。

 

「あっ!お姉様!」

 

するとフランは、俺の事など忘れた様に嬉しそうにレミリアに駆け寄る――が、「駄目よ、フラン」

レミリアの言葉でフランは停止する。

 

「……ごめんなさい、お姉様」

 

そう言ってフランはベッドに戻って座ってしまった。

俺はレミリアに「行きましょう」と言われ、地下を後にした。

 

 

 

 

――此処は紅魔館のリビング。

長方形のテーブルの左右の背もたれ付きの椅子に美鈴やパチュリー、小悪魔といった紅魔館メンバーに琥珀、そして奥にはレミリアが座っていた。

 

 

「こうなってしまっては仕方ないわね……」

 

レミリアが口を開いた。

 

「貴方にも話しておくわ、私達姉妹の過去を」

 

そしてレミリアは語り出した。

 

 

 

 

 

 

 




はい、お疲れ様です。
次回ものんびりしていってね!

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