東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です
今日はプールに行って来たんですよ
そしたら日焼けが…
ゴホン、それでは今回も
のんびりしていってね


第19話 妹紅の苦悩と月の使者

どうも、琥珀だ

俺は今輝夜と雑談中だ。

これが最近の日課になっている。

俺が輝夜に聞いて分かった事は、俺は月では英雄らしい。

輝夜は月人だが、蓬莱の薬という薬を飲んで穢れをもたらしたため、罪として地上に追放されたって感じだ。

俺は旅の出来事を話しているだけだが

俺と輝夜が雑談していると人の気配が近付いて来る。

俺は気配を消して隠れた。

 

ガラッ

 

「かぐや姫!」

 

襖を開けて入ってきたのは確か……多治比嶋とか言う貴族だ。

 

「仏の御石の鉢を持って来ましたぞ!」

 

どうやら難題の品を持って来たらしい。

あれが本物ならあいつは輝夜と結婚出来る。<

……本物ならな。

 

「駄目ですね、これは偽物です、本物はもっと光り輝いている筈です」

 

「!」

 

はい、撃沈。

どんまい。

これで後四人になったな。

 

 

~数週間経過~

 

 

あれから、俺と輝夜が雑談していると偶に貴族が来るようになった。

ある者は

 

「かぐや姫!火鼠の皮衣です」

 

「着火」

 

あっさり燃えた。

 

不合格。

 

またある者は

何でも海に龍の頚の五色の玉を探しに行き、途中で大嵐に見舞われて捜索を断念したらしい。勿論、不合格。

 

さらにある者は

燕の子安貝を探す途中で足を滑らせ5m程の木から落下。

腰を打ってしまい断念。

腰はまだ治らないらしい。

 

という事で残るは藤原不比等のみ。

 

そしていつも通り輝夜と話をしていると。

 

「お、来たな」

 

「どうせまた偽物よ」

 

「もしかすると……かもよ?」

 

「変な事言わないでよ!」

 

俺は気配を消して隠れた。

暫くすると襖が勢い良く開かれた。

 

「かぐや姫!難題の品をお持ちしましたぞ!」

 

不比等の手には、蓬莱の玉の枝が。

その見た目はまさに、俺が輝夜から聞いたまんまだ。

根は白銀、茎は黄金、実は白玉(真珠)。

 

「こ、これは……」

 

輝夜も言葉を失っている。

……あれ?マジで?

 

「さあかぐや姫!私と結婚して下さい」

 

不比等の顔を見ると『勝った…計画通り』と言いそうなドヤ顔をしていた。

輝夜の顔は青ざめ、汗が激流の如く流れている。

そしてチラチラとこっちを見てくる、まるで

『どうしよう!琥珀!』と言ってるようだ。

いや、どうも出来ないんですけど……。

すると複数の気配がこちらに近付いて来る。

 

「不比等様!私達はお代を頂いていません」

 

まるで“自分職人やってます”という格好をした人が六人、部屋に入ってきた。

 

「お主等は……」

 

「なるほど、不比等殿、貴方はこの人達に偽物を造らせたのですね?」

 

「ぐぅ!」

 

すると不比等は走って屋敷の外へと逃げて行ってしまった。

 

「あぁ!お代!」

 

「貴方達、私からの些細なお礼です、助かりました」

 

輝夜は中々の大金を職人達にあげた。

 

「おぉ、ありがとうございます」

 

職人達はお礼を言って去って行った。

 

「お疲れだな?」

 

「本当よ……ヒヤヒヤしたわぁ」

 

「あっはは、お前めっちゃ焦ってたなw」

 

「だって本物かと思ったんだもん!」

 

こうして、五人の貴族の挑戦は終わった

さて、そろそろ帰りるか……。

 

「じゃあな輝夜」

 

「えぇ、またね琥珀」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今団子屋に向かっている。

というのも、私の友達に会う為だ。

その友達と言うのが琥珀だ。

私と琥珀は数週間前に知り合った。

私が犬に追われている所を助けてもらったのが始まりだ。

その日から、私と琥珀は団子屋で会うようになった。

この時の私はとても幸せだった。

私は友達と呼べる人が居なかった。

私は父上、藤原不比等の隠し子だ。

だから私の存在はあまり知られていない。

同じ貴族の子達からは“異端者”と呼ばれていた。

そんな私に出来た初めての友達。

それが琥珀だ。

琥珀はとても面白いし優しい。

私は琥珀に会うのが楽しみだった。

 

だが、最近は団子屋に行っても琥珀が居ない事が多くなった。

前は行けばほぼ確実に会えたのに、今では偶に会えるくらい。

そして琥珀が居ない時はある人の所に行ってるからだ……。

そいつの名は輝夜。

前に琥珀が話してくれた。

何処かで聞いたと思ったら、父上が求婚しに行った相手もかぐや姫……輝夜だ。

その時から、私は輝夜に不満を持つようになった。

私から琥珀を、父上を奪っていった輝夜に……。

 

そしてある日、琥珀と団子屋で別れた後、

私はこっそり琥珀を尾行してみる事にした。

暫くついてくと、琥珀は屋敷の中に入っていった。

私もバレないように屋敷の中に入り、

近くにあった茂みに身を隠した。

 

すると部屋に一人の男が入っていった。

父上!

少し驚いたが、暫く様子を見る事にした。

父上が凄い嬉しそうにしている。

求婚が成功したのだろうか……。

私が考えているとそこに六人の男達がやって来た。

すると父上は悔しそうな顔をして部屋を走り去って行った。

父上、失敗しちゃったのかな……。

私はこっそりと屋敷を後にした。

 

私は家に帰る途中、見てしまった

父上がさっきの六人の男達を殴ったり蹴ったりして、お金を奪うのを。

嘘だ……父上はこんな事しない!

私は何だかそこに居てはいけない気がして

無我夢中で走った。

家が遠回りになるように。

 

私は家の前まで来ていた。

家に入ろうとするとさっきの父上の姿がフラッシュバックする。

私は首を横にブンブンと振って扉を開けた。

きっとさっきのは悪い夢で、家にはいつもの優しい父上がいる。

そう思って家に入った。

 

「ただいま」

 

バチンッ!

 

瞬間、私の頬に衝撃が走る。

私は殴られたのだ………父上に。

 

「この馬鹿が!もう夕方じゃないか!どこほっつき歩いてんだ!」

 

「父上……?」

 

「ええい、五月蝿い!」

 

バキッドゴッ!

父上の拳が私の顔やら腕やらに強く当たる。

 

 

「痛い!止めてよ父上!」

 

「俺に口答えするな!」

 

バキッドゴッ!

父上の拳はさらに激しさを増した。

 

父上が座っていた所を見ると

酒の大瓶が3本程転がっていた。

父上はお酒なんて普段飲まないのに。

 

それから私は暫く父上に殴られたり蹴られたりした。

 

 

~数日後~

 

 

その日から父上は変わってしまった。

毎日酒を飲んでは私に暴言、暴行をするようになった。

以前の優しい父上はもう、そこには居なかった。

 

そして逃げるように団子屋へ向かった。

すると琥珀がいた。

私は嬉しくて堪らなかった。

しかし、団子を食べ終わると琥珀は言った。

 

「悪い妹紅、暫く会えそうに無い」

 

私が訳を聞くとどうにも輝夜絡みのようだ。

 

 

……輝夜。

 

 

――アイツのせいだ。

 

アイツが私の幸せを奪った。

 

アイツが私の日常を壊した。

 

アイツが父上をおかしくした。

 

アイツが琥珀を奪っていく。

 

アイツが……アイツが!

 

全部アイツが悪いんだ!!

 

この日から私は

輝夜を憎むようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はいつも通りに輝夜に会いに行った。

すると輝夜が話があると言い出した。

 

「で、話って何だ?」

 

「琥珀、貴方に頼みがあるのよ……」

 

「頼み?」

 

「ええ、実はね……次の満月の日に月から私を迎えに人が来るわ」

 

「……成る程、そいつ等からお前を守れって事か?」

 

「ええ、頼めるかしら?」

 

「……一つ気になるな、お前の話だとお前は罪を犯したから追放されたんだろ?何故わざわざお前を連れ戻すんだ?」

 

「……恐らくこの事は月の科学者達の独断よ、私は死なない……つまり彼奴等(科学者)にとって私は最高の実験体(モルモット)よ」

 

「……ok任せろ、俺が責任を持ってお前を守る。絶対にだ」

 

「……そ、そう、ありがとう」カァァ

 

「……?まぁ次の満月まで1週間ちょっとある、大丈夫だろ」

 

「そうね、でも月を舐めない方が良いわよ?」

 

「分かってるって、これでも元隊長さんだぜ?」

 

「そう言えばそうね」

 

さて、そう言う事なら準備を整え無くちゃな

っと、その前に行く所があったな。

 

 

俺が団子屋へ行くと

 

「琥珀!」

 

妹紅がいた。

……にしても、さっきまで凄い暗い感じだったが大丈夫か?

 

「よぉ妹紅、待たせたな」

 

俺と妹紅は雑談をしながら団子を食べた。

さて、此処で言わなくちゃな……。

 

「妹紅、あのな」

 

「?」

 

「すまないが暫く会えそうに無いんだ」

 

「え?」

 

すると妹紅は目に見えるように落ち込んでしまった。

 

「……何で?」

 

「うーん、輝夜を守る為さ」

 

「そう……」

 

めっちゃ落ち込んでる。

罪悪感に押し潰されそう……。

ごめんな、妹紅。

俺は妹紅と別れて、早速準備に取り掛かる。

 

「さてと、始めるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、お疲れ様でした
アドバイス、ご意見ご要望あれば気軽にどうぞ
それでは次回も、のんびりしていってね

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