東方転生録   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です
UA1000突破です!ありがとうございます!
評価してくれる方々ありがとうございます!
近いうちに記念企画で茶番をやろうかな?
アイディアがあれば気軽にどうぞ
それでは今回ものんびりしていってね



第16話 山を超えたら花畑

はいどうも、琥珀だ

うぅ、頭が痛い。

昨日鬼達に酒を大量に飲まされたからか……。

まったく散々だったぜ、鬼とはケンカとか酒飲み対決とか挑まれるし鴉天狗の(あや)とか言う奴からは質問攻めに遭うし……後は……後……あれ?俺が酔いしれてから記憶がない。

……ま、いいや。

俺は今空覇の家にいる。

昨日泊めてもらったからだ。

紫は目的は果たしたと言ってまたどっか行った。

 

「さーて、俺も旅を再開するか」

 

天狗に鬼とイレギュラーな存在があったが元々俺はこの山を通りたかっただけだ。

山通るだけでこんなに疲れるとはな。

さて、じゃみんなに挨拶していくか。

 

「おーい、空覇ー」

 

「ん?どうした?」

 

「早速だが俺は旅を再開するぜ」

 

「そうか……もうちょっとゆっくりしてけば良いのに」

 

「俺は思ったら行動に移す男だぜ」

 

「まったくその通りだ」

 

「またな、世話になった」

 

「あぁ、次来た時はゆっくりしていってよ」

 

「おう」

 

そして俺は空覇と別れた。

後は鬼達か……

俺は鬼達がいる場所に向かう。

 

「おーい、戦鬼ー」

 

「ん?おぉ琥珀、どうした?」

 

戦鬼の他に勇義と萃香もいた。

 

「旅に出るから挨拶しに来た」

 

「そうか……また会おうぞ!」

 

「あぁ」

 

「琥珀!また手合わせしような!」

 

勇義が嬉々として言う。

 

「良いぜ、精々腕を磨いとけよ?」

 

「また酒飲み対決やろうね!」

 

萃香も笑顔で言う。

 

「次も負けないぜ」

 

「「またね(な)!」」

 

「あぁ、またな」

 

こうして俺は妖怪の山を後にした。

 

「さーて、またのんびり旅と行きますか」

 

 

~少年ぶらり旅中~

 

 

「くるくる~時計の針~♪」

 

俺が歌を口ずさみながら歩いていると

 

「ん?おぉぉ、綺麗だなぁ」

 

目の前には、一面が向日葵で覆い尽くされた花畑が広がっていた。

 

「自然で出来た物じゃない、誰かが育ててるんだろう」

 

向日葵の一つ一つが活き活きとしていて、まるで輝いているようだった。

 

「これだけの数を誰が……ひょっとして君かい?」

 

「あら、気付いてたの?」

 

すると、緑の髪に日傘を持った少女が現れる。

 

「まぁな、さっきから見られてる気がしてな」

 

「……」

 

「俺は別に花畑を荒らしに来た訳じゃないぞ?殺気をしまってくれ」

 

「それは出来ない相談だわ」

 

「……何で?」

 

「だって貴方からは強者の匂いがするもの♪」

 

あぁ、コイツあれだ

鬼達と同じ戦闘狂(バトルジャンキー)パターンだ

 

「やれやれだぜ……」

 

「フフ、私は風見幽香(かざみゆうか)、精々楽しませて頂戴ね?」

 

「雨宮琥珀だ、よろしく頼むよ」

 

自己紹介が終わった瞬間、幽香が仕掛けた。

手に持っている日傘を琥珀に向かって降り下ろす。

が、琥珀はいつの間にか手に持っている六十cm程の物差し(でかい線引き)

で幽香の攻撃を受け止める。

 

「フフ、足下がお留守よ?」

 

幽香が言うと琥珀の足は植物の蔓に掴まれてしまった。

 

「!」

 

「もらった!」

 

幽香の日傘の先端から極太レーザーが琥珀に向かって放たれた。

轟音が響き、琥珀がいた場所は地面は小さなクレーターが出来ていて、地面が所々焼け焦げている。土煙で辺りは視界が悪い。

 

「次にお前は「案外呆気ないわね」と言う」

 

「案外呆気ないわね……ッ!?」

 

突如幽香の背後から声がする。

刹那、幽香の背中を強い衝撃が襲う。

 

「くっ!」

 

幽香は数十メートル吹き飛ばされるが空中で体制を整える。

幽香は先程まで自分がいた場所を見るが誰もいない。

疑問に思っていると。

 

「またまたやらせていただきました!」

 

今度は幽香の頭上から声がする。

 

「!」

 

幽香は咄嗟に頭の上で腕をクロスさせ防御の姿勢をとる。

すると幽香の頭上から琥珀のかかと落としが炸裂、幽香は地面に叩きつけられた。

 

(どういう事?あいつは二回も私に気付かれずに背後を取った……

姿を消せる能力?……いや、瞬間移動か)

 

「へぇ、当り」

 

「……貴方は心が読めるのかしら?」

 

「いや読めないさ、ただ予想しただけ」

 

「フフ、いい勘してるわね」

 

「ありがとうよ」

 

(瞬間移動か……厄介ねぇ……フフ)

 

「フフフ、アハハハハ!」

 

(楽しそうに笑いやがる……だから戦闘狂(バトルジャンキー)との闘いは苦手なんだ……そういや戦鬼が言ってたな、「お主も相当な闘い好きじゃな!だってお主、闘ってる時ずっと笑っておったぞ?」……俺も人の事言えないかもな)

 

「楽しいわね?琥珀」

 

「いいや、まったく」

 

「そんな顔して言われても説得力ないわよ?」

 

「……やれやれだぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

それから俺と幽香は笑いながら殴り合ったり蹴り合ったりしていた。

どれ程闘っていたか……。

最後は俺と幽香のレーザーの撃ち合いで幕を閉じた。

勝者は俺だ。

今気絶してしまった幽香を幽香の家に連れていっている。

 

「これか……」

 

幽香の家は花畑をしばらく歩くと辿り着いた。

この西洋の屋敷が幽香の家のようだ。

 

「勝手にお邪魔しまーす」

 

俺は家に入って幽香を近くのソファーに寝かせた。

 

「さて、どうするか……」

 

外を見るともう夕暮れ時だ。

俺が此処に来た時は昼間だったのに……。

どんだけ闘ってたんだよ……。

 

「うーん、今夜は野宿か……」

 

「家に泊まっていけば良いじゃない」

 

「え?」

 

いつの間にか起きてた幽香が言う。

 

「良いのか?」

 

「良いのよ」

 

「即答!?……じゃあお言葉に甘えて」

 

「良し!」

 

「?」

 

「ゴホン、じゃあ今ご飯にするわね」

 

「手伝おうか?」

 

「大丈夫よ、待ってて♪」

 

そう言うと幽香はキッチンへと向かった。

いやぁ、最初は唯の戦闘狂(バトルジャンキー)かと思ったがいい奴じゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日も暇ねぇ」

 

私は今日もいつも通りに起き、いつも通りに花の世話をしていた。

 

「面白い事の一つや二つ起きないかしら」

 

そんな事を言っていると花畑の入口辺りから気配がした。

 

「私の願い事が叶ったわね」

 

私は気配を消して入口へと向かった。

 

「くるくる~時計の針~♪」

 

入口へ行くと奇妙な歌を歌っている人間がいた。

 

(歌上手いわね……)

 

すると人間は花畑を見ると近付いていった。

 

「綺麗だなぁ」

 

人間は花畑に見惚れているようだ。

私も花達が誉められるのは嬉しい、花達も嬉しいようだ。

 

「これだけの数を誰が……ひょっとして君かい?」

 

人間が言う。

私は気配を消しているのに……気付くなんてそこらの奴等では無理だ。

フフ、そそるわねぇ。

私は気配を出して聞いてみる。

 

「気付いてたの?」

 

「まぁな」

 

やはり気付いていた。

フフ、いいわねぇ。

彼は強い。

私の勘が言っている。

 

「私は風見幽香、精々楽しませて頂戴ね?」

 

「雨宮琥珀だ、よろしく頼むよ」

 

私は琥珀と名乗った人間に向かって日傘を降り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから私は琥珀と長い間闘っていた。

楽しい。

その感情が私の心を満たしていた。

どんなに攻撃を受けても私の笑顔は絶えなかった。

最後に私の十八番(おはこ)、『マスタースパーク』を琥珀に撃つ。

すると琥珀も青白いレーザーを撃ってきた。

二つの光線はしばらく拮抗していたが、段々私が押され始めて最後は琥珀のレーザーに飲まれた。

 

 

次に目を覚ますと私は自分の家のソファーに寝ていた。

琥珀が運んでくれたのだろうか。

雨宮琥珀と名乗った人間。

私を初めて敗かした人。

私の心を満たしてくれた人。

そう考えると何だか動悸が早くなって顔が熱くなってきた。

私はどうしてしまったのだろうか……。

 

「さて、どうするか……」

 

琥珀の声が聞こえた。

何故か動悸はさらに激しくなり、顔は熱を帯びた。

 

「うーん、今夜は野宿か……」

 

――!琥珀が家を出て行ってしまう。

そう考えると何故だか途方もない喪失感が私を襲った。

もっと此処にいて欲しい……そう思った。

 

「家に泊まっていけば良いじゃない」

 

「え?良いのか?」

 

「良いのよ」

 

「即答!?……じゃあお言葉に甘えて」

 

「良し!」

 

私は琥珀に見えないようにガッツポーズをとる。

唯琥珀が家に泊まると言うことが堪らなく嬉しかった。

 

「ご飯にするわね」

 

「手伝おうか?」

 

「大丈夫よ、待ってて♪」

 

上機嫌な私は鼻歌を歌いながらキッチンへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、お疲れ様でした
幽香さんにも白羽の矢が立ちましたねぇ
では次回ものんびりしていってね

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