東方転生録   作:のんびり+

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どうも、のんびり+です
お気に入りありがとうございます
これからも宜しくお願いします
では今回も、のんびりしていってね


第3章 寄り道編~都で会った太子様~
第11話 別れと出会い


 俺と紫が出会ってどのくらい経ったか……。

 かなりの年月が経ったと思う。

 

 今の紫はもう出会った時のような少女ではなく、大人の女性という言葉が似合う程に成長した。

 

 言葉使いは胡散臭いけどな。……まぁ自分の意図を悟られるなって教えたの俺だけど。後俺には普通にタメ口だ。

 

 いやぁ成長したなぁ……。師匠として嬉しいぜ。

 

 という感じで今日も旅をしているぜ。

 

 昼食を食べ終わった時、紫が話しがあると言う。

 

「琥珀。私、そろそろ独り立ちするわ」

 

「そうか」

 

「あんまり驚かないのね」

 

「まぁ、いつかは来ると思ってたからなぁ」

 

「それで琥珀にお願いがあるの」

 

 紫が珍しく真剣な顔をして言う。

 

「ん? どうした、そんなに改まって」

 

「私の夢に協力して欲しいのよ」

 

「夢?」

 

「えぇ。いつか貴方と一緒に人と妖怪が共存する村へ行ったじゃない?」

 

「あぁ、懐かしいなぁ」

 

「それでね。私の夢はズバリ、人と妖怪が共存出来る場所を創る事よ」

 

「……またデカイ夢だな」

 

「琥珀……協力してくれる?」

 

 心配そうに俺の顔を覗く。

 

「ハハ、そんな不安そうな顔すんなよ。協力してやっから」

 

「そうよね、いくら貴方でもこんな……え?」

 

「いや、協力するよ」

 

「いいの!?」

 

 心機一転、紫は目を輝かせ頬を緩ませた。

 

「あぁ、確かにその夢は実現は難しい。そんなのは無理だって笑う奴もいるだろう。だがお前は真剣に考えている、覚悟もある。それにお前がそんな必死こいて頼んでんのに断るのも後味悪いからな」

 

「ありがとう! 貴方がいれば百人力よ!」

 

 えらく興奮した様子で言う紫に、俺もつられて微笑する。

 

「そんな大層なもんじゃねぇよ」

 

「じゃあ琥珀、早速お願い。私の式になって」

 

「だが断る」

 

「えー、何でよ~」

 

「俺は誰かの下に就いたり縛られるのが嫌いなのさ。お前が良く知ってるだろ?」

 

「ブー、琥珀のけち」

 

 紫はわざとらしく頬を膨らませ拗ねる素振りをとった。

 

「はいはい、ワロスワロス」

 

「じゃ別のお願いよ。貴方には私の理想郷に適していると思う“場所”と“人”。後は私の式になってくれそうな人を探して欲しいわ」

 

「多いな……まぁ良いぜ。後その“人と妖怪が共存出来る場所”って長いからそこの名前でも決めちゃおうぜ」

 

「確かにそうね。じゃ琥珀決めちゃって頂戴」

 

「俺かよ!? お前の夢なんだからお前が決めろよ」

 

「えぇー、良いじゃない。琥珀が決めてよ、お願い!」

 

「お願いし過ぎだろ……やれやれ」

 

 うーん、どうするか……。俺ネーミングセンス無いんだよ?

 えっと、まずキーワードを絞り出すんだ。

 人と妖怪の共存、夢、理想郷、夢のような場所……幻想的……理想郷……。お!

 ――きたこれ!

 

「フッフ、決まったぞ」

 

「何々?」

 

「人と妖怪が共存出来る理想郷。その名も……『幻想郷』だ!」

 

 紫は何度かその名を呟き、

 

「幻想郷……良いわね! 気に入ったわ♪」

 

 笑顔で賛同してくれた。良かった、どうやらお気に召したようだ。

 

「じゃあ私は行くわね」

 

「あぁ、またな」

 

「えぇ、また会いましょう」

 

 そう言い残すと、紫は目玉がギョロつく空間――紫はスキマと呼んでいた――を開いて入って行く。スキマは紫が入ると同時にきれいサッパリと消え去った。

 

 さて、久しぶりの独り旅か……。

 俺は特に行く宛てもなく歩き出した。

 

 

 

 ~少年ぶらり旅中~

 

 

 

 さて、紫と別れてから三日程経つが。俺は都(?)という場所に来ている。

 さっき偶々見つけた。

 

 で、俺は今団子屋に来ている。実は、お団子は私の大好物なのだよ。

 

「ハイよ、みたらし三本お待ちどう」

 

「ありがとうございます」

 

 俺は団子を一口……。うん、エクセレント!

 

「あのすみません、ここで有名な事とか場所はありますか?」

 

 俺は団子を堪能して、ついでに、都観光の為に何か情報を得られないか(こころ)みた。

 

「ん? あんた旅の人かい。有名って言ったら太子様だね」

 

「太子様?」

 

「あぁ、あそこに屋敷があるだろう? あそこに行くと会えるよ、あの御方はよく民の話を聞いてるからね」

 

 団子屋からでも見える大きな屋敷を指差しておじさんは言う。

 なるほど、早速行ってみようかな。

 

「ありがとうございました」

 

 団子を食べ終えた俺は、のんびり屋敷へと歩き始めた。

 

 屋敷に近付くと

 

「貴方も太子様に相談ですね」

 

 と半ば強引に中に連れられた。

 

 太子様とやらがいる部屋へ入ると、そこには老若男女が九人、異口同音に一人の少女に愚痴を溢すというかぶっかけている光景が広がっていた。

 

 俺は残された最後の座布団の上に腰を下ろし、その光景を眺めていた。

 

 あの人が例の太子様か?

 

 目の前には、床が一段上がったような所に座り心地が良さそうな座布団を敷いて座っている少女、耳にはヘッドホンのようなものを装備している。

 

 俺が来てから数十分。やっと気が済んだのか、人が続々と帰って行った。

 

 便乗して俺も帰ろうとすると、

 

「待って下さい」

 

 太子様と呼ばれる少女から声を掛けられた。

 

「はい?」

 

「貴方は終始黙って居ましたが、どうしてですか?」

 

「いや、俺は旅人でしてここに太子様って人がいると聞いて見に来たんです」

 

「そうでしたか。良ければ旅のお話、聞かせてはもらえませんか?」

 

「良いですけど……そんなに面白いもんじゃありませんよ?」

 

 俺はどこから話そうか迷ったが、取り敢えず話を始める事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 ――私の名は豊聡耳神子(とよさとみみのみこ)

 民達には太子様と呼ばれている。

 

 私は今日も国を少しでも良くしようと、民達の相談を聞いていた。

 

「もっと領地を~~」

 

「この前なんて~~」

 

 私が話(これ愚痴ですよね)を聞いていると、部屋にここらでは見かけない真っ黒な着物に赤い帯をした青年が入って来た。

 

 青年は腰を下ろすと、物珍しそうに辺りを見渡していた。

 

 一体彼は何がしたいんだろうか。

 

 そう思いつつ私は彼の“本質”を見てみた。

 

 すると驚いた事に、彼には欲がほとんど無かった。

 

 領地、金銭等、ここにいる者達が持っている欲を彼は持っていなかった。

 

 私は彼に興味を持った。

 

 彼なら参考になる考えを聞けるかも。

 彼なら私の話を聞いてくれるかも。

 

 するといつの間にか話は終わって民達は帰って行く。

 

 彼が腰を上げると私は彼に声を掛けた。

 

 話を聞くと彼は旅人らしい。

 

 彼はどんな旅をしてきたのか、気になったので聞いてみることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は自己紹介をして神子に旅の事を話している。

 因みに敬語はいいと言われたので今はタメだ。

 

「そんでさ、紫の奴何て言ったと思う?」

 

「何て言ったんですか?」

 

「「師匠、頭の中に爆弾が……!?」だってよ」

 

「あっはははは、紫さんは面白い方ですね」

 

 俺は旅の事を片っ端から話した。

 

 ふと外を見るともう日が暮れていた。

 

「やッべ、もうこんな時間だ」

 

「なら家に泊まれば良いですよ」

 

 神子が願ってもない提案を持ち出す。

 

「え、良いのか?」

 

「はい、勿論です」

 

「神子、ありがとう!」

 

「良いって事ですよ」

 

 今夜は神子の屋敷に泊めてもらう事になった。

 




乙です
太子様来ましたね
ここは短いと思いますが許してにゃん♪
琥珀「うっぷ、気持ち悪い事と声と顔すんなよ」
LP4000→LP0
琥珀「おえ、気持ち悪い」
もう止めて!私のLPはもう0だ!オーバーキル、ダメ絶対
琥珀「知らんな」
では次回も
「「のんびりしていってね」」

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