堕天使に愛された言霊少女   作:ひきがやもとまち

51 / 61
混沌回です。ただひたすらに混沌としております。久しぶりにハッチャけまくった感じの回です。
それだけしか無いのが微妙な回でもありますけどねー・・・。


40話「地球英雄伝説VS外宇宙英雄伝説」

「えーと・・・とりあえず、そこの君たちも我々の計画を邪魔しようとしている。故に戦い合う。ーーこれに異論はないと言うことでよいのかな?」

「肯定です」

 

 聞かれた(んでしょう多分。私いちおう代表者なので)私は短い答えで応じることで宣戦布告の代わりとさせていただきました。

 向こうが敵意を示し、他者に害を与えるテロリスト集団の一員であることを認めたのです。ならここはもう会談の場ではなく、裁きのための刑場として認識すべきでしょうからね。話し合うのは戦い終わった後で生き残ってさえいたら、幾らでも時間が手に入っているのでしょうから。

 

「では、レオナルド。悪魔用のアンチモンスターを頼む。あちらさんには恐らく堕天使用の奴が有効だと思うんだが・・・しばし待て。情報不足だから、出方を見てからにしたい」

 

 曹操さんの子孫さんが、隣に並んでいた小さな男の子君に話しかけて、彼が無言のまま「こくり」と小さくうなずくと、足下から不気味な陰が複数わき出だしてくるのが見えました。

 

 先ほどアザ・トースさんが説明してくれたところによると、英雄派と呼ばれる方々は人類の歴史で名を馳せた英雄たちの子孫やら生まれ変わりやらが力を継承した存在なのだと言う話でしたが・・・・・・陰に限らず『バケモノ召喚系』の逸話を持つ英雄なんてほとんどいないんですよね。ふつうの英雄が手を出す類の外法じゃないんで。

 

 思い当たるとするならば、ジル・ド・レェ伯とかの墜ちた元英雄か、あるいはソロモン王みたいに偉大な召喚魔法の権威かどちらかだと思うんですけど、その場合には『レオナルド』が合致しません。

 

 『バケモノ召喚』『レオナルド』・・・それにおそらく『情報不足』というワードも正体看破のためには重要な要素。だとするならばーーーーー

 

 

「・・・なるほど、レオナルド・ダ・ヴィンチさんの血を引くお方でしたか。確かに彼の逸話なら、オリジナルの化け物クリエイトぐらい出来るようになるロンギヌスになってもおかしくはない」

 

 私が前世でのFGOを思い出しながら推測を述べたところ男の子がわずかにたじろぎ、曹操さんは「ほう?」と面白そうに表情を綻ばせます。

 

「ご名答、よく分かったね。確かにこの子の先祖はレオナルド・ダ・ヴィンチで、この子が持つセイクリッド・ギアはロンギヌスのひとつ『アナイアレイション・メーカー』。

 使い手の念じるままに如何なる魔獣でも創り出すことができるロンギヌス、俺が持つトゥルー・ロンギヌスとは別の意味で危険視されし最悪のセイクリッド・ギアだ」

「世界を滅ぼすことも可能とする最悪の力が貴様等の手に・・・・・・っ!!

 各勢力の拠点に巨大怪獣クラスを送り込めていないところを見ると、所有者はまだ成長段階のようだ」

「さすが総督殿、仰るとおり。この子はまだそこまでには至っていない。

 でも、ただ一つ大変優れたところがありましてねぇ」

 

 そう言った曹操さんの言葉を証明したかったのか、レオナルドさんの子孫さんが創り出した不気味な陰さんの頭部が光だし、やがて槍となって発射されていき背後にあった霧で灰色に染まるお寺を吹き飛ばしてしまいます。

 

「光の攻撃!?」

「レオナルドの力は相手の弱点を突く魔物である、アンチ・モンスターを生み出すことに特化していましてねぇ」

 

 そのまま連続発射しまくってくる不気味な陰さんからの攻撃を交いくぐりながら、皆さんが応戦するのを天野さんに抱き抱えられて移動させられる私。

 もうすっかり馴染んで定位置になってしまっている、戦えない私の臨時指揮所な天野さんの腕の中。

 『原作美少女お姫様だっこされる、元男のTS転生者』・・・かつて、ここまで情けない主人公ポジションにいたかもしれない転生者が他にもいたのでしょうか・・・?

 ラノベ史上最弱と呼ばれている『イット』でさえ一巻目のヒロインによる骨折がなかったら今少し動けてたかもしれないと言うのに・・・・・・。

 

 

「・・・そう言えば、相手の弱点に突けるオリジナルモンスターを生み出すことに特化した才能と聞いて思い出したんですけど、子供の頃って変にプライドが高くて他人の欠点を突くことばかりに頭使ってた時期が私にもありましたねぇー・・・。

 見たところレオナルドさんも子供みたいですし、『他人への嫌がらせ能力』に特化した才能の持ち主と評されるからには子供時代の私と似た部分があるのかもしれませんね」

「御意。私などつい最近までソッチ系の思考をしていたので気持ち自体はよくわかると言うものです。

 ーー自分には特別な才能があると驕り高ぶり、それを認めようとしない周囲の他人を心の中で見下して、頭を下げて見せながらも心の中では罵倒する。

 殴り合えば必ず自分が負けるのに、知恵で戦う己は野蛮人ではないのだと正当化のための理屈を並べたて、相手からの攻撃が届かない位置からしか敵を攻めることができない。

 他人にバカにされる己の不遇さを嘆いて見せながら、自身もまた他人をバカにする大差ない醜さを発揮していることには気づいていない。気づこうとすらしない。気づいていたとしても目を逸らす・・・。そんな舐め腐ったガキの性根になっているなら、同じ場所から巣立った先達として直ると信じて殴りつける必要があると思うのですけれど」

 

 うん、すごくよく分かるお言葉です。・・・・・・おかげで耳が痛すぎる・・・。

 前世の黒歴史におそわれて心が痛みまくってる今このときの私です。

 

 あと、不気味な陰さんたちの向こうから聞こえてくる歯ぎしりする音って、もしかしなくてもレオナルドさん?

 

 

「ーー確かに悪魔にとって光は弱点属性だけど、当たらなければ問題はないんだよ!

 撃たれる前に倒すのみさっ!」

 

 ん? この声は木場さんですか? どうやら味方に先行して、切り込んでったみたいですねぇ。スピード重視の剣士系としては正しい判断です。

 

『木場! 聞こえるか!?』

 

 続いて聞こえてきたのは兵藤さんの声。

 くぐもって聞こえてみますし、変身完了したんですねぇ、いつも通りに。

 

『おまえの能力で光を食う剣を創って、みんなに渡してくれ!』

「了解!」

『ゼノヴィアはアーシアと九重の護衛! それと聖なるオーラを放って近づく敵を倒して欲しい! 頼めるか!?』

「構わないが、敵を倒すだけでいいならもっと楽な手段がある。そちらを使っても構わないのか? 正直、今の私に聖なるオーラは使い辛いのだが・・・・・・」

『なんだっていい! やってくれ!』

「わかった。任せておけ」

『恩に着るぜ!』

 

 ふむ。一応リーダーらしく皆さんの指揮はできてるみたいです。今の時点では大した穴は見つかりませんし、見守り続けるだけで良さそうなので部外者としては肩の荷が下りた気分ですね。

 

『イリナ! 悪いが木場と一緒に前衛を頼む! だいぶ前に天使の翼っぽいのを生やして戦ってたことのあるお前なら光は弱点じゃないよな!?』

「あー・・・ごめん、イッセー君。私たちってそもそも属性とか持ってないから、弱点となる属性もないのよね。攻撃食らったら普通にダメージ受けるだけで、光だろうと闇だろうと、軽減しなけりゃ増大もしない直撃するだけなんであんまし安全ってわけじゃないのよねー」

『・・・は!? そりゃ一体どういうなんだ事だ!?』

 

 当惑気味な兵藤さんの声。

 それに対して紫藤さんとゼノヴィアさんたちは、適当に敵を切りまくりながら普通の声で返事を返されてます。

 

「私たちにとって属性って言うのは、攻撃時に特定の敵を殺しやすくするためのウィルスみたいな認識になっててね。武器であり兵器であり、敵を殺し味方を生かすための道具でしかない訳よ。

 人殺しの道具に善悪も正邪もあるわけないでしょ? だから私たちの身体には属性という物それ自体が相性悪すぎたみたいで、いつ頃からか消滅しちゃってたのよ。だから今の私たちの属性は『無』属性ーー属性なしって意味での無属性ね」

「剣は考えず、主の意のまま敵を切り裂くのに。ーーそれ故に我らは武器に対しても己に対しても属性などというもので定義付けをしてこなかったのだ。

 所詮、軍人とは兵士であり、国のための道具、主のために敵を討つ道具に過ぎない。

 我らが考えるべき理とは、『如何にして効率よく任務を全うするか』という一点に置いてのみ。道理も善悪も不要。

 それらを考えるために上があり、頭がいるのだから任せて委ねて己が使命を全うするが武人の本懐というもの! 頭を信じず自分で考えようとする心得違いをした兵士には死あるのみ!」

 

『えー・・・・・・』

 

 おお、困っとる困っとる。ちょっとだけレオナルドさんの気持ちが分かりそうになった今この瞬間です。

 

「細かいことは気にするな! 襲い来る敵の全てを殺し尽くしてしまえるなら、属性による相性も守りも考える必要はなくなるのだからな! 考えるのは殺してからでも遅くはない!」

 

 ゼノヴィアさんの遠吠え。

 それに対して空でアザ・トースさんと戦ってたらしい曹操さんが評して一言。

 

「出来るかな? レオナルドの能力が最悪と呼ばれる所以のひとつは、望むままに大量の数をそろえられる点にあるのだと俺は思っているのだけれど?」

「問題ない! こうすれば良いのだからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 叫んで頭上に振り上げられる大剣・・・って、ヤベ。速く避難しなくっちゃ。

 

「天野さん。緊急脱出大ジャンプをお願いします」

「了解しました。しっかりとお掴まりください」

 

 ギュッと抱きしめ合いながら天高く飛び立つ二人の少女・・・・・・言葉尻と画的には美麗なんですけど高さがなぁ~。高度1000メートル近くまで一息で行くことの出来る大ジャンプにラブロマンスなどチリほども感じられません。

 

 眼下を見下ろしてみれば、紫藤さんが女性陣二人を救出して離脱するのが見え、木場さんはスピード重視なので自力でも何とかできるだろうと思います。

 兵藤さんは・・・・・・まぁ、敵味方識別機能付きの兵器なので大丈夫でしょう、たぶん。

 

「うおらぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 

 ズバァァァァァァァァァッッン!!!!!!

 

 

 ーー剣を振り下ろし足下へと叩きつけ、そのまま橋を粉砕させて上に乗っていた全てを諸共に川の中へと突き落としてしまいましたとさ。

 

『ぎ、ギャァァァァァァァァァッッ!?

 ちょ、ゼノヴィアてめぇ! なんて事するんだよー!?』

 

 瓦礫となった橋の残骸とともに落ちていきながら、兵藤さんが吠えて曹操さんが冷静な声で指摘してこられます。

 

「橋ごと敵を破壊・・・。限られた空間に高密度の敵勢力が集まっている状況では有効な手だ。だが、それはあくまで一般人を相手にするとき限定の有効性だよ? 水に落ちた程度でやられるモンスターだったら、最初からけしかけすらする気はなかった」

「はっ! そうだとしても、臆病な創造主の盾に使うため砲台として機能するこいつらに飛行能力は付与されていない。違うか?」

「・・・・・・」

「空が飛べない奴には、空中にいるときコイツからの攻撃を防ぐ術は存在しない。ーー終わりだ」

 

 彼女がそう言って「ニヤリ」と嫌な感じに笑んだとき、川の水面がわずかに揺らいで渦となり、霧で覆われ灰色に染まった川の水を黒く染め直していきながらーー“ナニカ”を無数に吐き出しまくります。

 

 ・・・ソレは極太のロープの束ーーいや、無数の蛇の群ーーいずれとも形容しがたい生物、いや生物の気管らしきナニカであり、レオナルドさんが創り出したモンスターたちへと全身くまなく巻き付いていき、有無を言わさぬ力でもって一瞬のうちに川の中へと引きずり降ろし。

 

 そしてーー魂切る気持ち悪い音の連鎖。無数の生物が一斉に舌を鳴らすかのような湿った音と、骨かなにかを砕き折る乾いた響き。

 なまじ様相が見えないだけに、より一層おぞましく想像力を刺激されるという、アレです。

 

 

 ーーその悪夢のような光景を、それぞれの勢力がそれぞれの態度と顔色で一言も発することができないまま沈黙とともに眺め下ろしておりました。

 

 

 

「「「・・・・・・・・・(サァー・・・(真っ青になってる女性陣が多い兵藤さんたち)」」」

 

「「「・・・・・・・・・(オエッ(個性にバラツキがあるのか反応が人数分の英雄派)」」」

 

「「「・・・・・・・・・(性能審査のため自軍兵器の力を冷静に精査している三幹部)」」」

 

「・・・・・・・・・・・・(フルフル・・・(頭痛を感じて頭を振ってる私一人だけです)」

 

 

 

 音が鳴り止んだ後も、しばらくの間は沈黙が途切れることはありませんでした。

 ・・・・・・・・・ちょっとした地獄絵図が、ここにあります。

 

 

 

「参ったな・・・グレモリー眷属相手に油断する気はなかったんだけど、君たちは君たちで厄介そうな技を使う。もう少し楽に戦えると思ってたんだが、意外にやってくれる」

「敵の力が自分たちの予想を上回っていたとするならば、それは想定自体が甘かったという事。つまりは敵を侮っていたという事実に相違ありません。

 作戦立案時に敵の強さを正当に計れていないまま『勝てる』と信じて挑んできただけならば、それは油断でしょうね。取り繕わなくても結構ですよ?」

「・・・・・・・・・」

 

 曹操さんが少しだけムスッとした目で私を睨んでこられました。

 ま、いつものことなので気にしませんけどね。誰に挑んでも勝てない弱者が他人に対して毒を吐くときは、殺される程度の覚悟はしておいて然るべきなのでね。自然と慣れるものなのです。

 

 

 ーーと、その時。

 

 

「はーい♪ はじめまして。私はヴァーリ・チームに属する魔法使いのルフェイ・ペンドラゴンです。ヴァーリさまからの伝言をお伝えしに参りました♪」

 

 空間が歪んだと思ったら、変なのが出てきましたね。魔女っ子です。内のミルたんさんに多少なりと似ていなくもなーーーいや、全然似ていませんね。普通に言語でコミュニケーション取れてる辺りなんか特に。

 

「じゃあ伝えますね、曹操さん! 『邪魔だけはするなと言ったはずだ』ーーだそうです♪ うちのチームに監視者を送った罰ですよ~」

 

 彼女が愛らしさを装ったような声で発言したすぐ後に、大地を揺らす振動。

 

 ガゴンッ!と、何かが割れる音がしたと思ったら、地面が盛り上がってきて巨大な何かが地下深くより浮上してこられるみたいです。

 

『ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 

 土から出てきて雄叫びをあげる、巨人らしき物体。・・・また変なのが一匹増えましたか・・・今回のバトルは敵の参加人数が無駄に多いなぁ~。原作だと新章突入の回なんでしょうか? 名前覚えるのが大変なので自重していただきたいですよマジで。

 

「ーーゴグマゴクか!」

「はい。私たちのチームのパワーキャラで、ゴグマゴクのゴッくんです♪」

 

 アザ・トースさんとルフェイさんの愉快そうなやり取り。

 それに続いて兵藤さんからの質問。

 

「先生、あの動く石巨人的なものは・・・」

「ゴグマゴク。次元の狭間に放置されたゴーレム的なものだ。希に次元の狭間に停止状態で漂ってるんだよ。

 なんでも古の神が量産した破壊兵器だったらしいが・・・全機が完全に機能停止だったはず。

「あんなのが次元の狭間にいるんですか!? 機能停止って、あれ動いてますけど!」

 

 二人のやり取りを聞き流しながら、私は別の疑問にとらわれそうになってました。

 

 ーー古の神が大量生産した、全機機能停止状態で次元の狭間に漂っているらしい石の巨人ゴーレム・・・・・・うん。ものすごーく身近なところに思い当たる神物がーーー

 

 

 

 

「ーーほぅ。なにやら変化する刻の流れを感じて来ただけだったのですが、懐かしい代物が再起動しておりますな。

 あれは間違いなく、私と友人である『大地の神々』の一柱とが共同製作して汲み上げたプロトタイプ蕃神です」

 

 やっぱりお前なのかよ、ノーデンスさん! ちょくちょく帰省気分でいきなり出てこられるの、いい加減やめてくれませんかね!? ノミの心臓に悪いですから!

 

「プロトタイプ番神マーク2《アルティメット・ゴグマゴク》・・・もともとは緻密な調査によって外宇宙から地球のドリームランドに『予算削減』という重大な危機が迫ってきている事を知った私が、地球と地球の神々とを守らせるために造っていたロボットの納期を間に合わせるため完成を急いで入力ミスし、『地球に住まうすべての知恵持つ生き物たちこそが地球を破壊し汚染させる、地球の敵だ』と認識するようになってしまった究極のロボット。その試作型です。

 救い主から悪魔にジョブチェンジしてしまいましたので、次元の狭間に放り込んでから後で直そうと思っていたらスッカリ忘れ果てておりましたよ」

「守らせるつもりで造ったロボットが一番の敵になっちゃった時点で壊しときなさいよ、一機残らず徹底的に・・・・・・っ!!!」

「・・・人ではない神でさえ、認めたくないものなのですよ。自分自身の若さ故に犯した過ちというものはね・・・・・・」

 

 やかましいわ! デビルじゃねぇか! デビルになっちまってるじゃねぇか! 地球再生のために造られたアルティメットが、デビルに自己進化しちまってるじゃないですか!

 しかも予算不足が原因で! 守らせるつもりで造って金勿体ないからって予算ケチった末に滅ぼしちまう代物になっちまうぐらいなら出してやれよ金をよぉ! 余計に金かかるだけで節約にも何にもなっちゃいませんからさぁっ!!

 

 どうせ金払うなら、ミカムラ博士かカッシュ博士でもヘッドハンティングしてきなさーい!

 

「地球をやらせる訳には参りませんからな・・・事態の中心は見えてきました。後は簡単です。あの様な道を誤った番神のなり損ないは粛正される運命にあるのだということを私が知らしめて御覧に入れましょう。

 この私が創り出してきた番神シリーズ中、過去最高の絶大なパワーを誇る究極の量産型番神である《番シオン》によってね!

 ーー予算をケチって納期を繰り上げするよう私に命じてきたた外なる神々の犯した過ちは、来月の予算増額を聞き入れてもらうためにもこの私『大いなる深淵の大帝』が粛正する! 予算不足によるクオリテ」ィの低下という終わらない負の連鎖を断ち切るためにも我に力をーーーーーーーっっ!!!」

  

 

 やっぱり『這いニャル』キャラは金目的なんですかーーーーーーっい(`Д´)!!!

 

つづく

 

 

嘘予告

 決戦の地《京都》において再会を果たす父(開発者)と子(発明品)。

 互いに譲らぬ思いを抱えた親子が互いにとっての正義をかけて激突しあう!!

 

 次回!『番神激突!大決戦!ゴグマゴクVS蕃シオン』にこうご期待!

 

 ・・・・・・君は、戦場に置き去られた子供が流す刻の涙を見る・・・・・・。

 

 

 

「生みの親なら子供に何したっていいなんて、そんな馬鹿なことがあるか! 生き方を選ぶ権利は誰にだってある! 親なんかに邪魔されるいわれなんて無いはずだ!」by異世界主人公。

 

「ーー不愉快ですな、この感覚は。生の感情丸出しで敵を攻撃するなど、これでは現代人に品性を求めるなど絶望的です。原始から人は一歩も進歩していない事実を証明することしか出来ません。

 やはり人は、正しく導かれねばならない・・・指導する絶対者が必要なようです。それをするのは、セレニア様。あなたかもしれませーーーーー」byパプテマス・ノーデンス

「イ・ヤ・で・す!」by銀髪魔王セレニア

 

 

「ふはははは! 怖かろう? これが地球技術により生み出された科学の脅威と言うものだ!

 時代を読み違えた愚かなる古き神々と蕃神と、その使い手たちよ!

 時代の変化にあわせて変わろうとしない自らの愚かしさによって滅びるがよい!

 世界が犯した過ちは、我ら混沌帝国によって裁かれるのだ! ぐはははは!!!」

 

 

 

 

おまけ『原作キャラとのアンチ会話シーン《アナイアレイション・メーカー》について』*本来ならこっちでも良かったけどボツったシーン

 

「たとえば、怪獣映画に出てくるような全長百メートル、口から火炎を吐く怪物。それを自分の意志でこの世に生み出すこともできる能力

 自分の想像力で好きな怪物を生みだせるなら、最悪きわまりないだろ?」

 

「それのどこが最悪な能力だと言うんです?

 どんな物でも生み出されるときに歩む最初の一歩目が、『自分の好きな物を作り出したい』と望み願う想像力なのは同じ事でしょう?」

「それは・・・・・・」

「道具とはそう言うものです。誰かが思い描いた夢の産物が形を得た物にすぎません。

 作り出された最強の道具が最悪に感じられるのは、あなたたち自然物の最強武具を『作り出さずに与えてもらった人たち』だからですよ。

 自分たちの権威を脅かしかねない、相性の悪い最強なんて都合が悪いから『最悪』と呼び習わしてるだけのこと。

 自分たちの治世を壊されたくない権力者側の都合も分かりますけど、戦場にまでレッテル張りを持ち込まなくても結構ですよ。ハッキリ言って邪魔なだけです」

 

 

 

「作りたいと願って想像するのが『始まり』。

 願いを叶えて作り出された結果が『終わり』

 同じ時系列に併存できないαとΩを二つ並べて、同一存在であるかのようにレッテル張りするのは現実的ではありませんよ。

 何より、誰かが新しく作り出した最強に自分たちの守り通してきた最強が脅かされようとしているならば、打ち破るのが最強と称される者の勤めであるはず。

 『相性悪くて勝てないから、その力は最強じゃなくて最悪だ』なんてレッテル張りで権威だけでも守ろうとする口先だけの最強に王座はふさわしくありません。

 負けて落ちぶれる覚悟も持たない臆病な王者が引きずり降ろされるのは必然的な帰結に過ぎません。負けた獣が勝者が生きるための糧となるのは戦における鉄則ですからね。

 なればこそ戦時下においては敵の正義を否定するより先に、自分が生き延びるための努力でもしていた方が少しはマシだと私は思っておりますよ」

 

 

「自分が生み出したいと願った想像上の怪物を努力して完成までこぎ着けたなら、それは正しい夢の叶え方です。

 生み出された物が他人から見て如何に危険きわまる物騒な代物だったとしても、苦難を乗り越えて生み出した偉業と、努力の過程を否定すべきではないでしょう?」

 

 

 

甘粕レイナーレの評価

 

「生まれながらに強大な力を有する神や悪魔を打倒するため、弱き生き者である人々が専用の道具に頼るのは自然な流れです。恥いるべき何者も存在してはおりません。

 むしろ、自分より強い相手を倒さなくてはならないときに正々堂々一対一に固執して負ける臆病者は、敵より先に自分のプライドに負けています。勝てるわけがない。

 ーー誘拐の件は別としても、今のところ戦闘において彼らに否定されるべき点は見いだせないと私は判断いたします」

 

「レイナーレ! お前って奴はどこまで・・・・・・っ!!」

 

「あなたもですよ、イッセー君。弱音を吐いてる暇があるなら、とっとと戦いなさい。情けない。

 英雄にとって最たる使命は化け物退治。その最高峰であり典型でもあるのが最強種族ドラゴンなんですから、早い所やるべき役目を果たしてきなさいよ。

 最強の座に君臨し、挑んでくる者たちを撃退するのが最強種族の果たすべき役割であり、最強に挑み続け、負けても立ち上がり続けるのが人の世が称える英雄の務め。

 種族の時点で敵対関係にある者同士が戦い合うなら、余計な差別感など必要としない分、後顧の憂いがなくて助かると言うものでしょう? 思いっきりぶつけてきなさい。

 ーー最強に挑んでくる者たちに力で応じず言葉で諭そうとするのは、思いと覚悟に対する侮辱ですよ? それ程までに弱く生まれた者たちにとって、強く生まれついた者共に挑むのは勇気と覚悟を要する偉業なのですからね・・・」

 

 

曹操からもコメントを。

 

「然り然り。世の理とは即ち『決めつけ』によって成り立っている。

 『壊してはいけません』『目上に逆らってはいけません』『自分以外の誰かを傷つけてはいけません』

 『生まれついて弱い人間は、生まれながらに強い異種族には敵わない』『最強ドラゴン、二天龍には誰も勝つことなど出来はしない』『世界の法則を覆すのは人の身では許されない』

 ・・・・・・これら「やる前から出来ない未来を確定させる」決めつけによって争いは減り、秩序と平和は保たれる。何も変わることがないままに、上からの支配は続けられていき、下の者たちは未来永劫に渡って下の地位に甘んじ続けさせられる。

 ーーその様な理は要らない。我が槍によって捻じ伏せるのみである」

 

 

「天に挑み、天を落とし、己こそが天だと吠えられずして何が英雄か。

 勝利など、強さなど、力など。天を落とすための道具でしかないではないか。

 種族に保証された勝利を手にしたところ成れるのは国家にとっての英雄のみ。

 真の英雄は常に、国家と歴史に貶められた側にいるものである。

 何故なら世を変える真の英雄とは、今の世を支配する者たちにとっての敵を指しているのだから」

 

 

「『勝てると信じて』相手に挑むのは英雄ではない。

 『お前を倒す』と約定を誓い、果たしてこその英雄なのだ。

 必勝の覚悟は常に己が内に在るべきものだ。今更する必要はない。敵を前にしてから覚悟を決めるのでは遅すぎる。

 敵を前に誓うべきは己に非ず。倒すべき敵に必勝を誓ってこその礼儀である」

 

 

「『たとえ負けても一矢報いる』などという逃げ道は必要ない。負けてから自分を正当化するための口実を戦う前にしているようでは話にならない、覚悟が足りない。

 戦うからには必ず勝ち、欲した物を手に入れろ。己が結果を求めることなく、誰かのためになればいいなどと愚者の戯言に他ならず。自己犠牲が貴いならば剣を捨てて、仏道にでも帰依すればいいではないか。

 力で成したいと願い、武の道を選んだからには選んだ道を貫き通せ。拳で語れる慈愛の心など無いと知れ」

 

 

「想いだけで戦って負けて、女に泣きつき慰められたがるマゾヒズムと俺との相性は良くないみたいでね。これもご先祖さまの薫陶よろしきって事なのかな?(苦笑)」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。