堕天使に愛された言霊少女   作:ひきがやもとまち

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オリジナルの新敵キャラ登場回です。
その名はニャルラトホテプ!・・・ではありません。

詳しくは話の終わった後に書いときました。


*諸事情あって書き忘れてましたが、途中で当初の予定になかったセレニアの独白なんかを入れてしまったためにジェークイズの出番が大幅に減ってしまい、書きたかった文章が四分の一も書けておりません。
ですので急いで続きも書こうと思ってます。

・・・どうでもいい話ですが、昨夜から始まった「グランクレスト戦記」でシルーカが可愛すぎてマジ萌えました。水野良先生に何があったのか・・・不思議です・・・。


25話「この世わずかな悪役の概念」

 ーーディオドラの死体の前で俺たちは全員無言のまま立ち尽くしていたけれど、その内に俺だけはアーシアの元に向かって装置を取り外そうとしていた。

 今さっき見た光景を忘れたかったってのもあるが、アイツに真実を知らされたアーシアが誰より傷ついてるのを知ってたからだ。

 

 だがーー

 

「・・・手足の枷が外れない!? なんでだよ!?」

『相棒、これはおそらくロンギヌスだ。それもブーステッド・ギアより高ランクの物だろう。カオス・ブリゲードめ、この様な物まで与えていようとは・・・』

 

 クソっ! なんとかできないのかよドライグ? お前もロンギヌスなんだろう?

 

『無理だ、無謀に等しい。ーー相棒、これだけはよく覚えておいてくれ。

 最強種ドラゴンにも不可能はあり、相性がある。ブーステッド・ギアは強力ではあるが万能でもなければ絶対でもない。世界には、より強大なロンギヌスも存在している。それを見誤り過信しすぎれば俺は、お前と、お前の守ろうとしていた者たち全てに破滅をもたらしてしまうかもしれない存在であることを』

「クソ! くそくそくそ! なんてことだ!・・・・・・どうすれば・・・」

 

 俺が・・・俺がもっとしっかりアーシアを守ってさえいれば・・・!

 

 ・・・いや、待てよ? もしかしたら・・・

 

「ドライグ、俺はお前を信じる」

『どういうことだ、相棒?』

 

 俺はあることに閃いたので実行するため、アーシアの枷に手を触れる。

 ドライグの力で高めた妄想の類から生じる特殊技なら通じるかもしれないと思ったから。

 

「高まれ、俺の性欲! 俺の煩悩! ーードレス・ブレイクッ! バランス・ブレイカーブーストバージョンッ!」

 

 バキンッ! バキンッ! ババババッ! ーーぷるるん♪

 

「いやっ!」

 

 やった! アーシア救出成功! おまけに白くて美しいおっぱいもポロリだぜ!

 

「イッセーさん! 信じてました・・・。イッセーさんが来てくれるって」

「アーシア!」

「アーシア先輩!」

『アーシアさん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーー後ろの方で、なにやら肌色成分多めの桃色青春白書が展開している頃、私たちはディオドラさんの死体を漁ってドロップアイテムの回収中でした。

 本当・・・人々を救うためにボスキャラ倒した勇者が敵の死体から武器防具を回収する行為ってRPGではよく見かけますけど、どうかとも思いました・・・。

 

「どう? ゼノヴィア。なんか見つかった?」

「ああ、思った通り所持していたぞ。『輝くトラペゾヘドロン』だ。確か今は星の智彗派教会が所蔵していたはずの物だが・・・今更といえば今更だな」

「だねー。カトリックの総本山からエクスカリバー盗み出されるご時世なんだし、石のひとつや二つは盗まれるし盗めるっしょ。ついでに言えば一度盗み出してしまいさえすれば模造品や偽造品も作り放題になる、と」

「そう言うことだ。『セラエノ断章』『ルルイエ異本』『エイボンの書』。オリジナルでもないのに似た力を持った偽造本なら事欠かないのがクトゥルーアイテムだからな。

 おおかたコイツも似せて造っただけのレプリカだろうよ。・・・誰の差し金かな?

 ランドルフ・カーター、リチャード・ビリンソン、ウェイトリ家。ジェームズ・モリアーティも重要な容疑者の一人だろう。やれやれ、捜査に手間と時間がかかりそうだよ・・・」

 

 ・・・なぜかアットホームなほのぼの時空の背後でミステリーな捜索活動を想定している私たち。これが天罰って言うものなのかなー・・・。

 

「で? その死体はどうするの? 燃やす? 切り刻んで土に還す? あるいは残滓が残ってるかもしれないし消滅させて終わらしちゃう?」

 

 嬉々としながら提案された紫藤さんの言葉にゼノヴィアさんは頭を振りながら「無益なだけだ。やめておけ」と冷たい声で言い放ち。

 

「今調べてわかった。死体そのものにも邪神の残り香が付着してはいたが、これは肉体等に染み着く類のモノではない。と言って、魂などのアストラル体に干渉するアストラル界との因果関係が成立しているとも思えない節が見られる。

 現時点での予測に過ぎないが・・・こいつもしかしたら実の母がマーシュ家の血に連なる者だったんじゃないのかな? ちょうど名字がアスタロトだし、ヨルダン川東岸にあったとされる都市アシュタロトと語呂だけは似てるだろ?」

「ああ、なるほど~・・・ファーストネームのディオドラは?」

「ギリシア神話のディオソニス。あれも自制心を失わせる葡萄酒の神だ。ディジタリアとも関連づけた可能性も・・・まぁ、無いことはないだろう。会ったことないし、妄想の範疇にある内は否定されん」

「一時期オカルティストやUFO信者たちを騒然としたアレか~。確かにクトゥルーも宇宙ではあるもんねー」

 

 ・・・いかん、専門知識が出始めた。素人にはついてけないんで帰っていいですか? 

 ーーできれば怒られる前に帰るという名目で逃げ出したいんですけども・・・。

 

「ーーってゆーか、今更になって教会所属時代に習ってたことが思い出されるとは想像もしていなかったわね。生きてると退屈しなくて済むから助かるわ~」

「全くだな。とにかく話を戻すが仮にコイツがマーシュ家の血に連なる者だったと仮定した場合、自身の成長と怪物化は同義だ。

 悪夢に悩まされるところから始まって、神経を病み、異形の先祖に連なる者たちから呼び戻され、迎え入れられる光景を毎日毎日何度も何度も夢見るようになり、精神は逆転し最後には自らもクトゥルフに仕えるため海底神殿へ行くことを願い出す。

 そうなったら終わりだ。自分自身など世界の片隅にさえ残されておるまい。名門悪魔故に覚醒が遅れたが、トラペゾヘドロンを手にしたことで活性化させられたのかもしれないな。

 そうだとしたらこの場合、コイツが成るのがインスマスかニュルラーーいや、性質的には別物だから、ナイアルホテプとでも名付けておくかーーナイアルホテプに成りかけてたかどうかだけなのだが・・・」

 

 スゴいですね~、この人たち。被害者の死体を前にして『次の殺人事件の犯人の正体』について語り出しちゃいましたよ。こんな刑事がミステリードラマに出てたらヤダなー。

 

「・・・と、大事なことを忘れていました。これについては陛下にちゃんと確認しておかなければなりませんでしたね。ご無礼の段、平にご容赦を」

 

 ギクリ。・・・な、なんのことかな~。記憶にないですけど~?

 

「陛下~♪ ご自分ではしゃべってるつもりでも、声出てませんよ~♪ ひたすら汗かいて顔を背けてるだけじゃ言い訳にはなりませ~ん♪」

 

 う、うぐぅ・・・。

 

「嘘つくの苦手なんですから、素直にゲロしちゃいましょうよ? ね? 吐いちゃったら楽になれますよ~?

 モ・チ・ロ・ン☆ 真実をゲロしちゃったらお仕置き確定ですけどね♪

 きゃはははっ★」

 

 う、ううぅぅ・・・サドのドSは怖いよ~・・・。

 あと、昔使ってたエクスカリバー・ミミックを鞭代わりに振り回して脅すのマジやめろ怖いから。・・・お願いですから止めて。マジで怖すぎるんですよぉ・・・。

 

「セレニア様」

 

 そして真打ち登場。天野さんです。

 

「反省」

「はい・・・」

 

 直ぐ様その場に正座してシュンとなる私です。

 いや、もう本当・・・今回の件ではすんませんでした・・・。

 

 天野さんは腕組みしつつ私を睥睨し、ため息混じりに裁定を下して頂きました。

 

「ディオドラ・アスタロトは今更手遅れだったにしても、陛下がご心労を抱えていて精神面が不安定になってきていることは素直に打ち明けていただきたかったです。

 そうすれば私たちも最近、陛下に甘えすぎていると自覚しやすかったものを・・・」

「ですよね~。陛下って何言っても言われても表面的には代わり映えしないから今が大丈夫なのかどうか判別できないんですよね~」

「鉄と同じですね。堅くて丈夫で長持ちしますし、殴っても叩いても悲鳴ひとつ上げません。それ故に我らも知らず知らず甘えてしまう。『この程度までなら許容範囲だろう』と。

 それが積み重なっていても、対象の見た目が変わらなければ判断基準は我々の胸先三寸で決めるしかない。間違えても気づく手段がないから間違い続ける。

 まぁ、要するにーー」

 

 ゼノヴィアさんがお三方を代表して一歩前へでてくると。

 

「偶には、陛下の方から我らに甘えていただきたかった」

「・・・・・・」

「自分は弱いから、守ってもらってばかりだからと我慢し続けるだけでは何れ限界に達します。そうなれば陛下に依存している我らも命運を共にするしかないのです。結果が同じであるなら早い内から巻き込んでいただけた方が都合がよろしいのですよ。

 この程度の基礎は、補給がお得意の陛下なら言わずともお分かりだったはずですが?」

「う、うぅぅ・・・」

「私からも申し上げさせて頂きますよ、陛下。ーー反省と謝罪のお言葉を」

「う、う、うううぅぅ・・・」

 

 お、おかしいですね変ですね。どうして無力な一般人である私が異世界に転生してから勇者エミリアと同じポジションに付く羽目に陥っているのでしょうか・・・?

 いや、弱さ的にはちーちゃんかな? それとも身内に謝罪を求められてるからライラさん? 個人的には真奥さん辺りを想定してたんですが、実は一番縁遠い場所に位置してたりしちゃったりんなんかしてーー

 

「「「謝罪のお返事は?」」」

 

 う、うううううう・・・・・・

 

「ーーご・・・」

「「「ご?」」」

「・・・・・・・・・・・・ごめんなさい、謝りますから許してください・・・・・・」

 

 生まれ変わってから初めて心から行う『私が間違ってました』の謝罪。

 あるいは前世も含めて生まれる前からずーっとやってこなかったのかもしれませんが、今私は初めて結果にではなく原因となった私自身の気持ちの間違いについて謝罪をしました。

 結果に対する謝罪でもありません。結果を招いてしまった気持ちに対してでもない。

 

 私が現実から眼を背け続けてきたことを皆が気づいて気を使ってくれていて、私もそれの気づいている。その居心地の良い環境に甘えて、甘え続けて招いてしまった自己矛盾による犠牲者。それを出してしまったことに対しての謝罪でした。

 

 省みるまでもなく天野さんたちの変身が原作設定に無い時点で、異分子としての私の存在が発端となっているのは考えるまでもありませんでした。

 その事実から目をそらして『自分は特別ではない。なんの力も持たない凡人に過ぎない』としていたのは、そうしていたかったから。自分が特別だと自惚れていた前世に対する反省が自己嫌悪となり、自己憎悪となっていたから。その憎悪に私は甘えて現実から眼を背けていました。

 今思うとバカだったなぁと分かるんですけどね。バカやってる最中って以外に気が付かなくて・・・。

 

「ごめんなさい、反省してます。今すぐは無理ですけど、帰ってから色々考えて直せるところは直したいなと思ってますのでお許しを・・・」

「「「ダメです。帰ったらお尻ペンペンのお仕置きです。改心はその後にでも」」」

 

 ダメなのかよ! そこは笑顔で許すところじゃん! 「いいんだ、分かってくれさえすればそれで良い」ってなる所じゃ・・・・・・

 

「人死にが出ていますので。帝国の司法を司るものとして黙認するわけには参りません。どうかご容赦願います」

「ですよねー」

 

 うん、本当は分かってましたけどね。そう言う国ですもん、混沌帝国って。ご都合主義が微妙に通じねぇのは今に始まったことではありません。

 

 仕方ないです・・・甘んじて罰を受けーー

 

 

 

 

「ーーふん、戯れで身を滅ぼすとはディオドラ・アスタロト。役に立たぬ奴。計画に再構成が必要だな」

「・・・何者!?」

 

 

 

 ーー今度はなんですか?

 

 なんかもう、疲れちゃったし帰りたいなーと思いながら振り向いた先に待っていた(私を待ってたわけじゃないでしょうけどね)のは、天井に浮かんでる魔法陣から降りてきた長髪のお兄さん。

 

「お初にお目にかかる、忌々しき偽りの魔王の妹よ。私の名前はシャルバ・ベルゼブブ。偉大なる真の魔王ベルゼブブの血を引く、正当なる後継者だ。

 そこに転がっている偽りの血族とは違う。真なる魔王の座に付くべき正当なる冥界の王だよ」

「ベルゼブブ・・・!!」

 

 はぁ、今度は『蠅の王』さんが出てきたんですか。見た目が蠅とかけ離れすぎてるのは仕様ですかね?

 

 

 ーーって、あれ? 兵藤さん? どこ見てんです? そっちには何もないし、誰もいませんよ?

 

 ・・・・・・・・・まさか・・・。

 

 

「アーシア? アーシアなのか? どこ行ったかと思って心配してたんだよ・・・。

 さぁ、一緒に帰ろう? 俺たちの家族が家で待ってーー」

「イッセー君・・・?」

「イッセー先輩、一体何を言って・・・だってアーシア先輩はさっき・・・」

 

 

 

 

 

「そう! 死んでしまいましたな! 敵の陣中深くにあって再会したヒロインとラブシーン交わして油断しまくり隙見せまくりで不意打ちされて!

 ああ、なんたる悲劇! なんという喜劇! 余りにも愚かで痛ましくも馬鹿らしい悲喜劇に我が輩、感動と笑いで涙が止まらなくなってしまいましたよ!

 いやぁ、素晴らしい! 実に素晴らしい道化っぷりだ! ミスター兵藤イッセー、我が輩は最高の道化ぶりで愉しませてくれた貴殿に相応しい報償を用意いたしました! これです!」

 

 

 

 パチンッ。

 

 

 ーーボンッ!!

 

 

 何もない空間で小爆発が起き、誰もが唖然として見つめる中で兵藤さんだけが・・・。

 

「アーシア・・・? アーシア・・・アーシアアーシアアーシアアーシアアーシアァァァァァァァァァァッ!!!」

「イッセー! 本当にどうしたというの!? 朱乃、貴女には何か見えていて!?」

「いいえ、何も。これは・・・イッセー君だけが見ることの出来る幻覚・・・いえ、悪夢の類・・・!? 先ほどから解呪を試みているのですが効果が出ないのです!」

「イッセー先輩! イッセー先輩しっかりしてください!」

「イッセー君! しっかりするんだイッセー君! う・・・!? なぜだか凄い頭痛とトラウマが・・・一体ボクの過去になにが会ったんだ・・・? 何も思い出せない・・・」

 

 

 阿鼻叫喚。なんだか見慣れた光景のようにデジャブってる異住セレニア・ショート、転生者でっす。

 

 

 

 ーーそんな混沌とした原作勢を見下ろしながら、シャバル?ベルゼブブさんは私の隣で『立ち上がった』人物に悠然とお声をかけられます。

 

 ・・・それが自分にとって破滅をもたらす者であると知る術を持たないままに・・・。

 

 

 

「・・・驚いたな。死にかけの分際で、まさかこれほどの力を行使できるとは・・・私はいささか貴様のことを見くびりすぎていたか? 偽りの魔王の血脈を継ぎし者ディオドラ・アスタロトよ」

 

「いえいえ、間違ってはおりませんよシャルバ・ベルゼブブ。

 偽りの魔王の血を継し者サーゼクス・ルシファーに実力で及ばず地位を奪われ、多種族と野合しテロに荷担してまでしないと挑む勇気さえも湧かなくなった臆病で無能な、旧魔王の後継を自称する負け犬よ。

 ディオドラ・アスタロトという名を与えれ、この地上に一個の生命として根を降ろしていた尊い生命体は死にました。いえ、とっくの昔に死んでいた。私が殺したのでね。

 ーーここに在るのは神の名を持つ偽物である。誰かに寄生しなければ存在できず、顕現するなど不可能な惰弱でひ弱な弱小生物である。

 我が名は『ナイアルホテップ』の名を持つ役を演じし者、役者にして脚本家。

 冥界、天界、人間界。この世のすべてを舞台と見なし、男も女も神も悪魔も天使も堕天使も私が見立てた役柄を演じてもらおうと欲し、操ることに決めた者。

 私は役者にして登場人物の一人。取るに足らない端役の一人にして、劇の内容が気にくわないからと脚本家には内緒で勝手に文章を書き加えまくる身勝手な作者を兼任せし者。

 正義によって倒され、栄光の陰として置き忘れられ、やがては歴史の影に沈みゆく者。

 名を『過去』。字は『悪役』。現在を正当化するため人が必ず捨て去るモノの概念が形を成したモノ。

 ですがそうですね・・・名前が『過去 悪役』では呼び辛いでしょうし、とりあえずはこう名乗っておきましょう。『ジェークイズ』。お気に召さない物語に介入しては引っかき回すだけの道化者ですよ。

 ーーそれでは早速で悪いのですが、ふんぞり返って喚きながら負けてください。古来より主役のパワーアップイベントの際には無様に負ける素敵で哀れな役者が必要不可欠なものでしてね。

『フォリオ・エピローグ(物語は終わった、其処に残るは記憶だけ)』

 

つづく

 

 

オリジナル的キャラクター:

ナイアルホテップ。もしくはジェークイズ。

 

セレニアの転生特典と自己嫌悪が生んだ人造邪神。

『勧善懲悪作品において、主役のために悪を成して負ける役割』である『悪役』を、『人が成長する際に置き忘れていく過去』の概念と重ねることで存在を成立させている。

 

記憶と言う名の『終わってしまった出来事』から抽出しないと存在自体が成立しないために、未来がない。未来がないから先の事で思い煩う必要も存在しない。

思うがまま主役のために悪をなし、正義に敗れて正義を輝かせることを存在の大前提としているため、死ぬことにも負けることにも頓着できない変人。

 

セレニアから生まれた存在なので、人の側面を視点を変えて視るのが得意。

ただし『未来へ進むため』ではなく『過去から見ているだけ』の視点なので、悪意的解釈しかしようとしない。

 

セレニアたち転生者の存在を『二次創作家』と見ているため、キャスター・シェイクスピアの人格を好んで採用したがる。

が、自己否定の感情が元となっているので「オリジナルではなく、真似ただけの偽物に過ぎない」ことに強くこだわっている。

シェイクスピア本人ではなく、彼が自分の思想をキャラクターに代弁させていると「解釈する人もいる」存在、著作のひとつ『お気に召すまま』に登場するジェークイズと名乗っている理由はそれ。

 

 

人が作ったものであり、意図して作られた存在でもないため非常に脆くて弱い。戦闘能力は皆無に近く、事実として武器を持てない。

セレニアから生まれた存在であるため彼女の記憶の内にあるキャラクター、もしくは人物の姿形と人格を似せた状態で再現しないと現界できず介入もできないなど弱点だらけ。

ただし自分の事を「主役に倒されることが役割の悪役」と定義しているので問題ない。

 

 

能力『フォリオ・エピローグ(物語は終わった、其処に残るは記憶だけ)』

彼の憑依している概念そのものが形となった能力で、「人が思い出したくない、忘れたい記憶」だけを思い出す本人限定で、その人の心の中にのみ再現する能力。

 

今回の場合はアーシアに対してイッセーが抱いた自責の念を過去の映像付きで再現させている。

自己嫌悪は本人が感じている気持ちの問題なので、真実である必要も事実である必要性も無い。本人が「きっとこうなんだ」と思い込んでさえいればそれでよい。

 

いろんな作品のセリフを引用したがる癖があり、道化ぶるのが趣味。人をおちょくるのが大好きで、その為なら自分の命も他人の命も全額ベッド出来る奴なので大迷惑。

基本的には嫌われ役で、悪役の任を楽しんでこなす破綻者でもある。

属性は『悪役』と『中立』。要するに悪役であることが重要なので所属は問わないという意味。

 


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