ではどうそ!
前にも聞いた咆哮。此方へと近づいてくる度地響きが大きくなる。小規模の地震が何回もきているみたいに思ってしまう。
シロは急いでユキネを見つからない場所へ隠す。
「母さんどうしたの?」
「いいユキネ、ここから出たらダメだから」
「うん」
シロは急いでクロがいる場所へ戻った。
着くとそこにいたのは深緑色の獣竜。体のあちこちに古傷があり、そこから血管が浮き出ているかのような姿をしている。口からは赤黒い吐息が出て、溢れ出していた。
恐暴竜、イビルジョー。
その最悪の状態、怒り喰らうイビルジョーがいた。
「俺が奴を惹き付ける」
「惹き付け役は俺がやる」
「なら、援護は任せて」
「俺は尻尾を斬る。そのために出来るだけ惹き付けろ。この技はカウンター型必殺技だから」
「っしゃあ!いくぜ!」
左腰に構えて目を瞑ったクロ。疾風怒濤の速さでイビルジョーの前へ移動し、斬り結ぶトウジ。それを援護するシロ。
白雷双剣ネオクルスをイビルジョーの足へ連続斬りをする。決め手になっていないにも関わらず鬼人化したのだ。その時、イビルジョーが踏みつけるのを見えたシロは逃げてっと警告した。しかしそこにはトウジはいなく、イビルジョーの顎下にいたのだ。また鬼人化をし集中的に顎を狙った。
シロはひたすらLevel3貫通弾を撃った。しかし、怯んだ様子はなくピンピンしていた。
「やっぱり堅いわね。でもこれはどうかしら!」
次に装填したのは滅龍弾。しかも徹甲榴弾サイズのものだ。それをイビルジョーの頭に狙い、撃った。当然、イビルジョーは怯み、撃ってきたシロの方へ怒りながら咆哮し、怒り喰らうイビルジョーになり、シロへ向かった。
Level3通常弾で牽制と引き付けをしながら距離を保っていた。シロがいた地点を通りすぎたとき、イビルジョーの胴体が地面へ沈んだ。シロはやみくもに撃ったのっlではない。徐々に自分へとヘイトを稼ぎながら落とし穴を設置していたのだ。
シロは素早く大タル爆弾Gを設置し、Level3通常弾を撃った。
バゴォォォォンっと爆発音がなったとともに怒り喰らうイビルジョーが起き上がりシロを睨んでいた。
その時、空からヒュゥゥゥンと風を切る音が聞こえた。
「ハアァァァァァア!」
飛竜刀【花之宴】を構えたクロが空から降ってきたのだ。
「飛天御剣流龍巻!」
怒り喰らうイビルジョーの尻尾に目掛けて前方宙返りで尻尾全体を先端まで回りながら斬り、また上へ跳び上がり、自分の全体重を飛竜刀【花之宴】にかける。
「槌閃!」
クロの全体重が怒り喰らうイビルジョーの尻尾を斬り落とした。
その瞬間、飛竜刀【花之宴】が砕け散った。
好機見たのかイビルジョーが襲ってきた。しかし。
「ハアァァァァァア、ソイヤァア!」
トウジが白雷双剣ネオクルスで頭を斬りつけ、乗り攻撃をし始めた。
クロは一旦離脱し、ユキネの方に走った。
乗り攻撃が成功し、ダウンしたイビルジョーの腹へ鬼人化の状態で何度も斬りつけた。それに苛立ったのか怒り喰らうイビルジョーになり無理やり起き上がった。
それと同時にクロがついた。
手に持っているのはユクモの堅木を鞘に赤と青の塗装がされている。鞘から抜き出すと鈍色の刀があらわれた。
「飛天御剣流九頭龍閃!」
刹那、怒り喰らうイビルジョーの胴体に九つの斬り傷がついていた。しかし、それでもまだ倒せていなかった。ギリギリ耐えた怒り喰らうイビルジョーがクロを噛み付こうとした時。
「飛天御剣流天翔龍閃!」
本来は右から踏み込む没頭を軸足にし、左足を踏み込む抜刀を見せたのだ。
斬られたイビルジョーは首から大量の血を流し倒れた。
今度こそ、イビルジョーが倒れたのだ。
「やったな!」
「ああ、ありがとうトウジ」
「録な装備じゃないから倒せるか自信がなかったけど」
「まあいいさ。それよりも、ッツ!構えろ!」
「「!」」
イビルジョーが起き上がった。完全に倒したと思ったと全員がそう思っていた。しかし、倒れていなかった。
イビルジョーの咆哮とともに第二ラウンド始まった。