己を探す者たち   作:葵・Rain

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稲妻、報告をする

 Side稲妻

 扉をノックして、返事したので入った。

 

「失礼します」

「よく来たね、なんだいガールフレンドかい?」

「いえ、違いますよ」

 

 冗談がうまいな。それよりも……。

 

「ユキネいつまでボーっとしているの?」

「え、は、あい!はう~~!?」

 

 テンパっているね。それよりも話さないとね。

 

「それよりこの前、依頼したものはありますか?」

「ああ、それ」

 

 丸められた紙が投げ渡された。それをキャッチした。内容は後で確認することに。

 それよりももう一つの要件を話さないと。

 

「ギルドマスター、ここにいるユキネに少し休みを与えてもらえませんか?」

「いきなりどうしてだい?」

「職場いじめ」

 

 僕がその言葉を言った瞬間、固まった。

 

「ユキネは言われもないことで精神がボロボロだった。今気丈に振舞っていますが、いつ壊れるかわからない」

「だから休みね。だけど、彼女はまだ新米だね?確かにそれは由々しき事態だ。だが、身内贔屓はしない。それにこの子の未熟さが招いたことだ、彼女自身がいうことだ。そこのところをはき違えるな」

 

 言葉の重みは違うな。たしかに身内贔屓。なら、彼女が言うならば別だね。

 ユキネの背中を押してやった。ユキネはギルドマスターにしゃべりだした。

 

「ギルドマスター、私に休みをいただけませんか?」

「ふむ、理由は?」

「人探しです。とても大切な友達です」

「期限は一年と言いたいが、君はまだ仕事を覚えていない。だから、ひと月。たったひと月で仕事を完璧に覚えろ。できないなら休みはなし、いやならやめて結構」

「わかりました。一カ月で覚えます」

 

 無茶じゃないかな?僕でも半年ぐらいだったよ。

 

「では結構。楽しみに待っているよ」

「ユキネ、もう少しだけいて」

 

 ユキネは少し後ろに下がった。

 

「改めて、父さんがいったここに行く地図をもらいたいです」

「そこは、そうか。いいだろう、見てくると言い、そこにある物を。渡すのは一カ月後だ」

「わかりました。後、家に明日伺います」

「わかった」

 

 僕たちはギルドマスターの部屋から退室した。

 ユキネとは別れて酒場へ向かった。掲示板の所へ向かおうとした時に肩を叩かれた。振り向くと僕より年上の少女がいた。

 

「君がユキネといた子だね」

「そうですが、あなたは?」

「あたしはあの子の同期よ。それより君逃げた方がいいよ?」

「別に大丈夫ですよ。こういうのは慣れていますから」

「見た目に反してアグレッシブなんだねでも気をつけた方がいいよ。君が怒らせた人たちここの人たちに浴してもらっているから」

「肝に銘じておきます」

 

 じゃあね、と言われて去ったと同時にユキネが普段着に着替えてきた。僕が行く店に連れて行こうした。その道を阻むように大柄な男たち遮られた。避けようとしたが、肩を掴まれてた。

 

「お前か。新参者は」

「離してください」

「いいからこっちにこい」

 

 その三人に連れられて、町の大通りから離れた道へきた。そこにはユキネをいじめていた受付嬢たちもいた。

 

「とりあえず、一発貰っとけ」

 

 殴られたんで僕は、カウンターで相手の顎へ反撃した。後ろへ倒れかけたのを足払いし確実に転倒させた。一応反撃されないように頭も蹴った。男は完全に気絶した。

 

「な、な、な、なんだよコイツ!?」

 

 もう一人の男が殴りにかかって来たから、腕を掴み投げ飛ばした。がら空きの首元へ手刀。相手は気絶した。

 

「これで二人目。ねえ、父さんが襲い掛かってくる者がいたら、容赦なくやれって教えてもらったからやったけど、何がしたいの?」

「お前子供か!?」

「質問に答えてよ。何がしたいの僕に?」

 

 男は気絶した二人を置いて逃げて行った。ここにいるのは受付嬢たちとユキネのみ。僕はユキネを抱えて、屋根の上を上った。

 

「いなくん、ありがとう」

「どういたしまして?」

 

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