己を探す者たち   作:葵・Rain

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稲妻、疑問に思う

 村を出た稲妻は漁師のガイのお陰で無事タンジア港に着いた。

 そう、着いたのだがここで問題が起きた。

「ええ!?ロックラック行きは当分ない!?どうして!?」

「そりゃあ、来ているから奴が」

「規模は?終わるのは!」

「まだ、わかんないな……っと、わりぃなこちとて仕事があるんでな」

「ありがとうございます」

 いきなり移動手段がなくなった稲妻はあることを考えた。

「お金持つかな」

 そう。急いで来たため所持金が少ない。

 とりあえず、ガイのところに戻ることにした稲妻。

 戻っているときに声を掛けられた。

「おい、お前さんどうした?」

 ウェスタンハットを被った男性。

 彼は心配そうに稲妻を見ている。

「えっと、ロックラックに行きたいんだけど、丁度あれが来たって言われて」

「あれ?ああ!あいつかジエン・モーラン!」

「はい」

「おっと俺のことまだ話していなかったな。我らの団の団長だ」

「稲妻です」

「稲妻?ああ、君が」

「し、知っているのですか?」

「君のことは一夏と我らの団のハンターマッソから聞いている」

「団長探したぜって、稲妻どうしてここに!?」

「マッソ兄さん」

 砂漠と同じ色をしたごつごつとした防具ディアブロXと暗い色をした大剣エターナルグリフを装備したマッソと偶然あった。

「なんだ一夏の迎えか?」

「実は行方不明なんだ」

「行方不明だと!?」

「ハンターには付き物だが、一夏ほどのハンターが行方不明とは裏があるな」

「父さんがギルドナイトって知ってますよね」

「「ああ」」

「詳しくは言えない、言える自信がないですが、爆発に巻き込まれたといってました」

「いやいやアイツほどが」

「跡形なくです。肉片の一つも」

 一応一夏だって、人の子(・・・)だ。

 だけど、奇妙なことに気付いた。

「なら、爆発したと言ったんだ?」

「見たから……!」

「一夏の仕事は聞いている。部下の一人や二人連れてきているはず。なのに、爆発したと言えた。おかしいはずだ。そいつらも一緒に巻き込まれている(・・・・・・・・・・・)

「遠くから見ていたからでは?」

「ギルドナイトは本来、一人で行動するんだ。部下を連れていくのは非常時のみ」

「言われれば」

 マッソも気付いた。

「仕事に行ったのは二週間前です。バルバレって言ってました。なら、可笑しいです。どうして早くに連絡来た?」

「マッソ、今すぐロックラックに行くぞ」

「了解だ」

「稲妻、俺たちの船に乗れ」

「それって」

「我らの団、目指すはロックラック」

 団長の案内のもと、我らの団の船、イサナ号に着いた。

 そこから団長の手早い指示でタンジア港を出発した。

 それと同時。三人の親子がタンジア港に着いた。


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