イビルジョーの討伐、暴食の登場が終わった。
極限まで疲労が溜まった三人はユキネのいるところに来た途端倒れた。
そんな親と実の父を見るユキネは体に布を掛けて、火を熾し始めた。
sideトウジ
目が覚ますとユキネが向かい側にいた。
「起きましたか?」
お茶が入ったコップをもらった。
「ああ、ありがとう」
ユクモ村特産のお茶を飲む。渋みが鼻を通す。
「うまいな」
「はい。私の好きなお茶なのです」
俺は一つ聞いてみた。
「今幸せか?」
「!実の父として聞きたいことですか?」
「ああ」
「幸せです。偽りの親子でもそこには幸せがあります。居てよかったと。会えてよかった人もいます」
「……それが聞けて良かった」
「お父さん」
「いや、お前の父は違うだろ。いくら血が繫がった人だって、他人だ。それにお前には見捨てた人には見えないか?」
「違うよ。確かに父さんは父さん。けど、本当の父はお父さんなんだよ」
「まだ親らしいことしてないけど」
「そんなの今やっていけばいいよ。とりあえず、私の事を名前で呼んでよ」
「そんなのでいいのか?」
「私もどうすればいいのわからないけど、たぶん名前を呼べばいいと思うよ」
「ユキネ」
「うん」
「ユキネすまない。すまない!?」
うれしく抱き着いてしまった。泣いてしまったよ。ったく、お前に似たなユキ。
sideユキネ
実の父を目の前に私は色々考えていた。
お父さんとの記憶はない。今の父さんの記憶はある。
だけど本当の家族にはなれるかはわからないけど、今からでも思い出は作ることはできるはず。
あ、目を覚ました。
「起きましたか?」
お茶を汲んで渡す。
「ああ、ありがとう」
「うまいな」
「はい。私の好きなお茶なのです」
このお茶はユクモ村特産の緑茶。いい香りの渋い味が特徴。
「今幸せか?」
幸せか聞いてきた。もちろん。
「!実の父として聞きたいことですか?」
「ああ」
「幸せです。偽りの親子でもそこには幸せがあります。居てよかったと。会えてよかった人もいます」
「……それが聞けて良かった」
「お父さん」
「いや、お前の父は違うだろ。いくら血が繫がった人だって、他人だ。それにお前には見捨てた人には見えないか?」
確かにそうだけど……違うよ。
「違うよ。確かに父さんは父さん。けど、本当の父はお父さんなんだよ」
「まだ親らしいことしてないけど」
「そんなの今やっていけばいいよ。とりあえず、私の事を名前で呼んでよ」
たぶん私が言いたいことはそれだろう。
「そんなのでいいのか?」
「私もどうすればいいのわからないけど、たぶん名前を呼べばいいと思うよ」
「ユキネ」
「うん」
「ユキネすまない。すまない!?」
いきなりお父さん抱き着いてきた!?……泣いているの?
泣いている理由はわかるけど、ちょっと恥ずかしい。
一晩明けた次の日、ロックラックに向かう日が来た。
「クロシロ、ユキネを頼みます」
「ああ。そっちも頑張ってくれ」
「おう、じゃあな」
トウジが行ったと同時にクロたちも行った。
目指すはロックラック。