東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 こちらのシリーズは『東方紫藍談』において表立って出てこず、本編に出すのが難しい『裏設定や過去のお話しの物語』を書いていくシリーズになります、紫に説明してもらいます。

 あのキャラとあのキャラがどうやって出会ったのか、あのキャラの両親は? キャラの幻想郷への道程、裏設定等々を描いていきたいと思ってます。



 ほっこりするものからシリアス、異変レベルになるものまで…と幅が広いですが『お話しを始めたら話に必ず決着を付け、幸せな形で終わらせます』

 他の物語とは毛色が違うと思いますが、こちらのシリーズも楽しんでいただけたらと思います



 それでは始まります♪




【幻想郷のオモテとウラ】
私の愛する幻想郷


 

 

 

 表と裏 光と闇 生と死

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 表裏一体、相反する二つの物は大もとでは一つであること、二つのものの関係が密接で切り離せないこと

 

 

 物事全てに繋がりがあるように、起こってしまった事象全てに繋がりがあるように、全ては同一の物なのか

 

 

 物事は起きてしまえば未来に影響を及ぼし過去を無かった事にするのかもしれない、それを人間…いや心を持った生物に置き換えて考えた場合、その生物が犯した罪と罰は永遠に残っていく

 

 もちろんそこには救いへの道も必ず存在している

 

 それは光と影 必ず存在し 相反せぬ概念

 

 

 

 

 

 現在は現在 過去は過去 未来は未来

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八雲紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 全てを受け入れる幻想郷

 

 全てを受け入れてきた幻想郷

 

 

 幻想郷は過去も未来も現在も全てを受け入れる場所

 

 

 外の世界で忘れ去られた何かを受け入れる場所

 

 

 受け入れた先に何が待っているのか誰にも予想は付かない

 

 

 幸福か 悲劇か

 

 

 それとも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「…」

 

 

紫「私はどんな事でも受け入れる」

 

 

紫「幻想郷は私、私は幻想郷」

 

 

紫「…」

 

 

紫「幻想郷は全てを受け入れるのよ」

 

 

紫「それはそれは残酷な話ですわ」

 

 

紫「…」

 

 

紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「だとしても」

 

 

紫「私は残酷な運命なんて望んでいない」

 

 

紫「…」

 

 

紫「私が愛した幻想郷よ」

 

 

紫「あなたはどう思うのかしら」

 

 

紫「あなたは残酷な運命でさえも受け入れるの?」

 

 

紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は

 

 

 _____________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 【マヨヒガ、縁側】

 

 

八雲藍「…は?」

 

 

紫「だ~からぁ、聞いてるでしょ?」

 

 

紫「『幻想郷ってなんなの?』ってさぁ」

 

 

藍「いえ…なんなのと仰られても」

 

 

紫「何よ」

 

 

藍「答えようが無いというか」

 

 

紫「人の話聞いてるの?」

 

 

藍「聞いてますよ」

 

 

紫「聞いてるなら答えなさいよ」

 

 

藍「いや…なんなの? って…」

 

 

紫「それを聞いてるんじゃないの」

 

 

藍「なんなの…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

 

 

 

 

 

藍「なんなんでしょうか…?」

 

 

紫「質問を質問で返すとか…あなたふざけてるの?」

 

 

藍「…」イラッ

 

 

藍「お言葉を返すようで悪いんですけどね紫様、なんなの? って聞かれて『こうこうこうなんじゃないですか?』なんて返せる人居ないと思うんですよ」

 

 

紫「そーなのかー?」

 

 

藍「そーなのだー」

 

 

紫、藍「わはー♪」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「今のはふざけたわよね」

 

 

藍「すいません…」

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「だからなんなのって聞いてるのよ」

 

 

藍「だからなんなのって仰られてもですね」

 

 

藍「質問が漠然としすぎているんですよ、逆にこっちが『その質問はなんなんですか?』って聞きたいぐらいですよ?」

 

 

紫「ま~た質問を質問で返して…橙がいたら笑われちゃうわね」

 

 

藍「橙は今関係ないでしょうが!」

 

 

紫「大人になりなさいよ藍、私の質問に答えるだけで良いのよ? ほら簡単な事じゃない、早く答えなさいよ」

 

 

紫「ほらはよ…! はよぉ!」

 

 

藍「くっ…!」イラァッ

 

 

藍(心を乱すな八雲藍…! 紫様の質問の意図を冷静に読み取るんだ…!)

 

 

藍(しかし幻想郷ってなんなの…? って)

 

 

藍(なんなのってこっちが聞きたいですよ…なんなの)

 

 

藍(なん……)

 

 

藍(そもそも紫様は何故こんなことを聞いてきたのだろう、またいつもの悪ふざけなのか?)

 

 

藍(……いや、いつもの調子は崩していないが何か真に迫る感じだ)

 

 

藍(真意は分からないが、ここは真面目に答えるのが私の出来ること…)

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

藍「紫様」

 

 

紫「…?」

 

 

藍「幻想郷ってなんなの? でしたよね」

 

 

紫「えぇ」

 

 

藍「その答えなのですが」

 

 

紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「私の口からは答えられません」

 

 

紫「…」

 

 

藍「私が何と答えたとしても紫様が望む答えは私からは聞けないですし、私の口からは答えが出ませんと言う方が正しいでしょうか」

 

 

藍「『幻想郷がなんなのか』…私には何度か答えを言葉で提示する事は出来ても正解することは不可能です、何故なら」

 

 

藍「その答えは紫様の中にしかないからです」

 

 

紫「…」

 

 

藍「勝手な推測と物言いで申し訳ないのですが『幻想郷がなんなのか』と聞いた時点で紫様の中にはもうその答えが出来上がっているのではないですか?」

 

 

藍「けどその答えにあなた自身が納得していない、もしくは自信が無い…」

 

 

藍「私が答えることから逃げたと思われても仕方無いですけどね…申し訳ありません、紫様」

 

 

藍「ですが私はあなたが悩む必要なんか無いと思うのです」

 

 

藍「ここはあなたの愛した幻想郷なのです、あなたの中にある答えこそが真の答えになるんです、私はそう思いいます」

 

 

紫「…」

 

 

藍「これが私の答えです」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…藍」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「正解よ」

 

 

藍「…!」

 

 

紫「幻想郷がなんなのか…その答えは私の中にしか無い、何故ならその答えを最初から私は持っているから」

 

 

紫「ちゃんと考えれば分かることだったわね…ふふっ、あ~あ…私ったらなんでこんなこと聞いちゃったのかしらね」

 

 

藍(確かに、本来の紫様なら聞かずとも自分で答えを出し、自分で納得し、自分で道を切り開く筈)

 

 

藍(今の質問もいつもの様に自分で何とかしているのだからこう考えるのはおかしな事なのだが)

 

 

藍(なのに私に聞いた…そこだけが…)

 

 

紫「ごめんなさいね藍、私あなたにまた変なことを聞いてしまったわ」

 

 

藍「…いつもの事じゃないですか」

 

 

紫「んまっ!? 失礼ね! その言い方だと私がいつもあなたに対して変なことばかり聞いてるみたいに聞こえるんですけど!?」

 

 

藍「そうなんじゃないんですか?」

 

 

紫「…!」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…そーなのかー?」

 

 

藍「そーなのです」

 

 

紫「わは…!」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

紫「わはーって言えないわ、つれぇわ…」

 

 

藍「つれぇって思える程の自覚があるなら変な事ばかり聞かないでくださいよ」

 

 

紫「でもなんかそれ直したらゆかりんっぽく無くない?」

 

 

藍「ゆかりんっぽくは無くなるかもしれませんが、紫様っぽくはなると思います」

 

 

紫「何それ」

 

 

藍「真面目になるって言い方の方が良かったですか?」

 

 

紫「フッ…不真面目ゆかりんってか? あぁん?」

 

 

藍「真面目になっているときと不真面目になっているときの差が激しいんですよ最近」

 

 

紫「ゆかりん真面目よ? …ゆか真面目」

 

 

藍「その『ゆか真面目、始めました』みたいな言い方はお止めください」

 

 

紫「ゆかりん真面目、じゃ語呂が悪いからゆか真面目にしたのに」

 

 

藍「不真面目ゆかりんの語呂が良いって自分で認めちゃうんですか?」

 

 

紫「うっさい!」

 

 

藍「ふふっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「紫様」

 

 

紫「うん?」

 

 

藍「どうして『幻想郷ってなんなの?』って聞いたんですか?」

 

 

紫「…」

 

 

紫「さぁ…どうしてでしょう♪」

 

 

藍「またそうやってはぐらかすんですか?」

 

 

紫「別にはぐらかしてなんか無いわよ? ただ単純に聞いてみたかっただけよ」

 

 

藍「…」

 

 

紫「あなたに聞いてみて答えが出た…私はそれに満足した…それだけで充分よ」

 

 

藍「満足していただけたのなら良いですけど」

 

 

紫「ゆかりん大満足よ」

 

 

藍「…まぁ私としては聞き逃げされたみたいであまり満足出来ていないんですがそれは」

 

 

紫「あらやだ!? 足元にスキマが!?」スッ

 

 

 

 ギュオン!!

 

 

 

藍「あっ!?」

 

 

紫「いや~ん♪ ゆかりん落っこっちゃった~♪」スッ

 

 

 

 

 ヒューーー… ギュオン…

 

 

 

 

藍「ちょっ…!? こらぁ!! 待ちなさい紫様ぁぁ!!」

 

 

 

 

 スキマは閉じてしまった

 

 

 

 

藍「……やはりおふざけで聞いてたのか?」

 

 

藍「はぁ…証拠も何も無い、か」

 

 

藍「何か悩みがあるなら普通に相談してくださればいいのに」

 

 

藍「相変わらず不器用な人だ…全くもう」

 

 

藍「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【博麗神社】

 

 

 

紫「変わら~ぬ~♪ 幻想を~♪」

 

 

紫「望む~のですか~♪」

 

 

紫「この~想い~♪ いつ~までも~♪」

 

 

紫「わた~しと~♪ 共に~♪」

 

 

紫「…」

 

 

博麗霊夢「随分上機嫌じゃない」

 

 

紫「そう見える?」

 

 

霊夢「顔はね、歌の歌詞は意味ありげだけど」

 

 

紫「ふふっ♪ 一緒に歌う?」

 

 

霊夢「歌詞知らないのに歌えないっての」

 

 

紫「ありゃりゃあ~♪」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「因みに歌詞は適当です♪」

 

 

霊夢「だと思ったわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「ねぇ霊夢」

 

 

霊夢「なに?」

 

 

紫「あなたは幻想郷の事を素敵な楽園って言ってくれたじゃない?」

 

 

霊夢「? あぁ、クイズ大会の時ね」

 

 

紫「あれは本心?」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「ま、まぁ…/// うん」

 

 

紫「ふふっ♪ そう」

 

 

霊夢「な、何よ…」

 

 

紫「嬉しいわ、霊夢がそう思ってくれてるってだけで毎日が幸せよ」

 

 

霊夢「は、はぁ!?」

 

 

紫「本心よ♪」

 

 

霊夢「そんな大袈裟な…///」

 

 

紫「大袈裟じゃないわよ? 本当の事だもの♪」

 

 

霊夢「な、なんなのよ…///」

 

 

紫「照れちゃってぇ♪ か~わいい霊夢♪」

 

 

霊夢「う、うっさいのよ…///」

 

 

紫「…♪」

 

 

 

 

 

 

 

紫「幻想郷は素敵な楽園…これは変わらない事なのよ」

 

 

霊夢「変わらないってか変わる事自体が許されないんでしょ?」

 

 

紫「素敵な楽園がどうにかなっちゃうような事件とかが起こったらまず私が黙ってないからね」

 

 

霊夢「そんな事件、起こる事まず無いと思うんだけど」

 

 

紫「ふふっ、そうかもね」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「幻想郷は全てを受け入れる」

 

 

霊夢「それはそれは残酷なこと」

 

 

紫「覚えててくれたの?」

 

 

霊夢「なんか忘れられないのよね、その言葉」

 

 

紫「そう? ふふっ、ありがと」

 

 

霊夢「お礼を言うのは何か違うような…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「幻想郷は全てを受け入れるわ」

 

 

紫「例えどんな残酷な運命だったとしても、ね」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「でもそれを幻想郷が受け入れたとしても」

 

 

紫「幻想郷に住まう住人たちはそんな運命は望んでいない」

 

 

紫「それはそれは……」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「それはそれは結構な事だわ」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「どんな残酷な運命が幻想郷に来ようとも、みんなはそれを望んでいない」

 

 

霊夢「だからもし本当にそんなもんが来たとしたらそんな運命私たちでぶっ潰せる、みんなで幻想郷を守る事が出来る、私たちならどんな残酷な運命でも覆せる」

 

 

霊夢「私たちの大切な日常を壊させやしない」

 

 

紫「…!」

 

 

霊夢「…」ズズッ

 

 

 

 霊夢は手に持っていた湯飲みのお茶を一気に飲み干し、神社の境内の一点を見つめて紫に話す

 

 

 

霊夢「それが私たちの幻想郷でしょ」

 

 

紫「…♪」ニコッ

 

 

紫「そうね、そうだといいわね♪」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「辛気臭い顔で神社に現れて、いきなり歌い出したかと思ったら変な事ばかり言い出して」

 

 

霊夢「あんた何かあったの?」

 

 

紫「いいえ……ただ」

 

 

霊夢「ただ?」

 

 

紫「たま~にね…こういうこと考えちゃう事があるのよ、私」

 

 

霊夢「たま~に?」

 

 

紫「そう♪ たま~に」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

紫「ありがとう、霊夢」

 

 

霊夢「!」

 

 

紫「あなたにそういう事言ってもらえると安心だわ」

 

 

紫「これからもこの素敵な楽園を、私の愛した幻想郷をよろしくね、霊夢」

 

 

霊夢「…!」

 

 

霊夢「その台詞、他の住人たちにも言ってやりなさいよ」

 

 

紫「えぇ~、ゆかりんいつも言ってるわよ?」

 

 

霊夢「嘘つけ」

 

 

紫「ゆかりん嘘つかない」

 

 

霊夢「…」

 

 

紫「…」

 

 

紫「ふふっ♪ それにしてもさっきの霊夢の台詞」

 

 

霊夢「ん?」

 

 

紫「魔理沙が聞いたら『主人公らしい台詞だな!』って言いそうね♪」

 

 

霊夢「ははっ…確かにね」

 

 

紫「ふふふっ♪」

 

 

霊夢「ふふっ…♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「てかあんたにお礼を二度も言われるとはね…雪でも降るんじゃないの?」

 

 

紫「梅雨の時期なのに? それは天災レベルね」

 

 

霊夢「天災とか言ってると天子が降ってきそうなんだけど」

 

 

紫「ははっ…そんなことあるわけな」

 

 

 

 シュタッ!

 

 

 

紫、霊夢「!」

 

 

比那名居天子「霊夢! あなた今暇かしら!? 暇よね! 暇なら私と弾幕で勝負しなさい!」

 

 

紫、霊夢「…」

 

 

天子「…ん? なに? あ、紫、あんたも居たの?」

 

 

紫、霊夢「え?」

 

 

天子「ん?」

 

 

紫、霊夢、天子「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「あんたが天災とか言うからマジで来たじゃないのよ!」

 

 

紫「えぇー!? 天子の名前を出したのは霊夢じゃない!」

 

 

霊夢「だ…! だとしても天災から連想されんのは大体こいつだってのは相場が決まってんのよ!」

 

 

紫「ゆ、ゆかりんが悪いの!?」

 

 

霊夢「悪いと思ってんならあんたが戦いなさいよ、めんどくさいんだから!」

 

 

紫「そりゃないわよ霊夢ぅ!」

 

 

 

 ギャーギャー!

 

 

 

天子「ね、ねぇ…ちょっと~?」

 

 

 

 シュタッ!

 

 

 

永江衣玖「天子様」

 

 

天子「! 衣玖」

 

 

衣玖「…? 何故霊夢さんと紫さんが言い争いを?」

 

 

天子「わっかんないわ、私何もしてないのに勝手にこうなっちゃって」

 

 

衣玖「…」

 

 

天子「う~ん、今日は痛みの探求目的の勝負じゃなくて弾幕で勝負ってはっきり言えば良かったのかな」

 

 

衣玖「ふふっ、そういうわけでは無いご様子ですよ」

 

 

天子「え? あぁ空気を読んだのね、衣玖」

 

 

衣玖「はい♪」

 

 

天子「何でああなったの?」

 

 

衣玖「そうですね…どんな小さな事でも」

 

 

衣玖「喧嘩するほど仲が良い…ということですかね♪」

 

 

天子「…! そっか♪」

 

 

 

 

 

紫「終いにはゆかりん泣くわよ霊夢ぅ!」

 

 

霊夢「知るかっ! 泣きたきゃ勝手に泣けぇい!」

 

 

紫「び…びえぇ~~!! 霊夢がいじめるぅ~!!」

 

 

霊夢、天子、衣玖(う、うっわぁ~…こ、これはキツイ!)

 

 

衣玖「びえぇ~…って」

 

 

天子「泣くの下手っ!」

 

 

霊夢「いつものあんたでなんか安心したわ♪ ほら、素敵なスキマを開いてお帰りなさい、泣きわめいてうるさい大妖怪さん♪」

 

 

紫「そんなこと言わないでよ霊夢ぅ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の幻想郷は全てを受け入れるけど幻想郷自体は何を望んでいるのかしら

 

 

 それは私にも分からない、自分で創ったのにね

 

 

 けどそれでも私は、私の幻想郷を愛し続けるわ

 

 

 私の愛した幻想郷に私の愛した幻想の住人が居続ける限り

 

 何度でも何度でも愛し続けてあげる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【秘めたるスキマ空間】

 

 

 

紫「ごきげんよう、わたくしは幻想郷が管理人、八雲紫でございますわ」

 

 

紫「え? 誰に向かって話しているのかって?」

 

 

紫「ふふっ♪ さぁ、誰にでしょう」

 

 

紫「境界の綻びを見つけ、覗いている何者か…?」

 

 

紫「それともわたくしの独り言か…?」

 

 

紫「それとも……ふふっ♪」

 

 

紫「そんなことはどうでもいいのです、独り言だろうが誰かに話していようがわたくしに問い掛けたところで詮無き事ですし、無意味です」

 

 

紫「わたくしの話し方にも違和感がありますか?」

 

 

紫「皆さんこんにちは♪ ストーリーテラーの八雲のゆかりん十七歳で~す♪」

 

 

紫「………良いじゃないですか、たまにはこういうしゃべり方も」

 

 

 

 

 

 

 

紫「さて、わたくしがここに居るのには訳があるのです」

 

 

紫「これから始まる物語は娯楽とは違うまた別の物語になりますのでその案内…と言ったところでしょうか」

 

 

紫「ふふっ、ストーリーテラーとは良く言ったものですわ♪」

 

 

紫「それは悲劇か喜劇か…残酷な運命に繋がるのか幸福への道程か」スッ

 

 

 

 

 ギュオンという音を立て、無数のスキマが紫の手によって開かれる

 

 それらは普通のスキマではなく、何やら映像の様なものが途切れ途切れに映し出されている

 

 一部のスキマは外の世界のテレビに映し出される砂嵐を映している物もある

 

 

 

 

 

紫「ここにその答えがあります」

 

 

紫「このスキマたちを覗けば映し出されている物語りを体験…いえ、観ることが出来ますわ」

 

 

紫「出来ますが一つ、わたくしから言わなければならないことがあります」

 

 

紫「ここから始まる物語は他の物語とは少し毛色が違うものとなります」

 

 

紫「楽しい日常を送っているわたくしたちが如何にしてここまで楽しい日常を送る事が出来ているのか…あの幻想郷の住人は何故この幻想郷に居るのか…何故知り合う事が出来たのか」

 

 

紫「隠された幻想郷の裏…表舞台には顔を出しづらい歴史…秘密…謎」

 

 

紫「本当は知らなくても良いことばかりです、人によっては知ってしまうと意味を持ってしまい、考え方や見え方が変わってしまう可能性も有り得ますね」

 

 

紫「ですが…ふふっ♪ ここのスキマたちは覗いて欲しそうにしていますよ?」

 

 

紫「少し、覗いてみましょうか」

 

 

 

 

 紫は無数のスキマの中から四つ選び、自分の手元に持ってくる

 

 

 

 

紫「これは『わたくしと小さな狐の出会い』でしょうか、懐かしいですわ♪」

 

 

 

 

紫「これは『巫女と二人の魔法使いと花を操る妖怪が何やら一緒に探し物をしている』様です、何故か巫女は浮かない顔をしているご様子」

 

 

 

 

 

紫「これは『緑の長髪の大悪霊が巫女に…』これも懐かしいですね」

 

 

 

 

紫「これは『宵闇の妖怪が…』」

 

 

紫「このスキマは特殊の様ですね、何故でしょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「如何でしたでしょうか、ざっと四つ程紹介させていただきましたが気になるスキマはありましたか? 他にも沢山ありますけどね」

 

 

 

紫「この秘めたるスキマ空間に存在しているスキマの扉が開かれるのが何時になるかはこのわたくしにも分かりませんわ」

 

 

紫「もし開かれる事があれば、わたくしと共にそのスキマの中を覗いてみましょう」

 

 

紫「ふふっ♪ そう怖がることはありませんわ、覗いてみるだけですもの♪」

 

 

紫「覗いた後は…ふふっ♪ いえいえ何もしませんよ♪ 取って食ったりはしませんので安心してください」

 

 

 

 

紫「……それでは、この空間に存在する気紛れなスキマの扉が開かれるまで暫しのお別れです、その時が来るまで」

 

 

紫「ごきげんよう…♪」スッ

 

 

 

 

 ギュオン…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 to be continued…

 

 

 

 






 何やらダークな雰囲気と他のシリーズとは違う雰囲気が漂ってますが、前書きでも書いた通り『物語がスタートしたら必ずハッピーエンド』を迎える様にします。

 私自身が言うのは変な話しかもしれませんがこれだけは読者の皆様に伝えなければならないと思いまして…誰かが消えたりとかは全くありません、大丈夫です



 コンセプトとしては『世にも奇○な物語』です、前書きにも書きましたが『東方紫藍談』のキャラクターの過去のお話や裏設定等々を描いていくシリーズとなります、またお話によっては『本編に全く影響を及ぼさない物語もあるかもしれません』





 それではここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪


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