東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 こちらはスキマボックスシリーズの『寺子屋編の中編になります』、先に前編を読んでいただければと思います。



 名前の無いモブの子たちが喋りますが『少年A』とかにしてます、モブ子たちは人間で大体10~12歳です。

 紫、藍、慧音、妹紅は別室で先生の授業を見てます、本編で触れます



 それでは始まります♪




御依頼その弐 【寺子屋教師を大発掘!】中編

 

 

 【人里寺子屋 AM07:30 慧音の部屋】

 

 

 

 

 寺子屋は上白沢慧音が一人で運営している、人里でただ一つ、外の世界では学校と呼ばれる場所である。

 

 木造の建物でだだっ広い庭、もとい校庭もあるほどに大きい。

 

 

 設備等は慧音が寺子屋を始めるときに八雲紫が一式買い揃えており、ここに入学…通い始めた生徒に話を聞けば快適な学校生活が送れていると口を揃えて言うだろう。

 

 

 人妖問わずありとあらゆる者が通う人里の寺子屋、今や生徒の数も三十人以上になったこの場所に救いの手を差し伸べてくれる先生候補は現れるのか!?

 

 

 

 

八雲紫「乞うご期待!」

 

 

八雲藍「期待もなにも現れてくれるんですよね?」

 

 

紫「うるさいわねぇ、こういうのはムードが大事なの」

 

 

藤原妹紅「…しかしこんなにも返事を書いてくれるとはな」

 

 

紫「メモで先生を募るっていうのはバッチリだったみたいね♪」

 

 

妹紅「あぁ、けどこれ生徒の保護者も何人かいるよな」

 

 

紫「気にしたら負けよ、もこたん」

 

 

妹紅「もこたん言うな」

 

 

紫「あなたも私の事ゆかりんって呼んで良いのよ♪」

 

 

妹紅「誰が言うか!」

 

 

藍「募集で来た先生たちも色々な考えがあるんだろうな、興味本意とか、本当にやりたいだとか」

 

 

妹紅「うん、慧音自信は来てくれること事態が嬉しいって感じだったけど」

 

 

紫「慧音からしてみたら感謝しかないだろうしねぇ♪」チラッ

 

 

 ワイワイ ガヤガヤ

 

 

紫(本当に増えたわねぇ♪ 慧音の行動力の賜物か…それとも人徳かしら♪)

 

 

 

 

 

 《寺子屋、教室》

 

 

 

 教室は和式で床は畳、床暖房完備、木の長机一つに三人並んで正座で座っている。

 

 

 

 

チルノ「いやぁ、まさかあの時皆が寒かっただなんてあたい分からなかったよ、あはは♪」

 

 

大妖精「レティさんとチルノちゃんが凄く嬉しそうだったからね…」

 

 

ルーミア「笑い事じゃねーのだー…あの時は死ぬかと思ったのだー…」

 

 

 

 

リグル・ナイトバグ「みすちー、手の震え治った?」

 

 

ミスティア・ローレライ「うん大丈夫、でももうあんなに働きたくないよ…腕が上がらなくなるほど働いたのは始めてだよ」

 

 

橙「な、なんかごめんね? 幽々子さんが暴走してしまったみたいで」

 

 

 

 

フランドール・スカーレット「ねぇねぇ地獄ってどんなところなの?」ワクワク

 

 

古明地こいし「とっても楽しい所だよ♪ 遊びに行くとお空が遊んでくれるの♪」

 

 

クラウンピース「それあんたの身内じゃんか、本当のこと教えてやったら? あたいのご主人様は怖いよ? 色んな意味で」

 

 

 

封獣ぬえ「おかしいだろ、なんで私がここにいるんだよ!」

 

 

秦こころ「まだそんなことを言っているのか、聖とマミーのお陰だ、やったなぬえっち」グッ

 

 

ぬえ「親指立てるなぁ! くっそぉ…上白沢が寺に来て聖とマミゾウに余計なこと言わなければこんなことには」

 

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

上白沢慧音『どうだろうか?』

 

 

聖白蓮『あらあら♪ なんて素敵なお誘いでしょう♪ 寺子屋なんて懐かしい響きですね』

 

 

二ツ岩マミゾウ『ほう…ぬえ、せっかくの機会じゃ、お主の人間嫌いを直してこんか、それに見聞を広めるいい機会じゃから行ってこい♪』ニヤニヤ

 

 

こころ『お、寂しいのか? 私も着いていってやるぞ、ぬえっち』グッ

 

 

ぬえ『!?』

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

こころ「上白沢? けーね先生だ、ぬえっち、けーね先生」

 

 

ぬえ「知るかぁ! うぅ…」シクシク

 

 

こころ「これが悲しみの表情」スチャッ

 

 

ぬえ「私で遊んでるだろお前!」

 

 

こころ「そんなことはしない」スチャッ

 

 

ぬえ「その表情は笑いの表情だよなぁ!」

 

 

 

 

サニーミルク「ねぇ、宿題やった?」

 

 

スターサファイア「私は真っ先に終わらせたわよ」

 

 

ルナチャイルド「私はコツコツやったけど」

 

 

スター「何でそんなこと聞くの? 宿題やってるとこ見てたしサニーだって終わってるじゃない」

 

 

サニー「何で私だけ霊夢さんに手伝ってもらったのか不思議でさ」

 

 

スター、ルナ(あんたがギリギリまでやらなかったからでしょうが!)

 

 

 ワイワイ ガヤガヤ

 

 

 

 

紫「これは…凄いわねぇ」

 

 

藍「この人数、しかもこんなに濃い生徒たちをよく捌いていたな」

 

 

妹紅「慧音の仕事振りには感服するだろ? 本当に働きすぎなんだよ…」

 

 

紫「ほんとね、どっかのゆかりんみたい」

 

 

藍「はぁぁ!?」

 

 

紫「うわビックリしたぁ!」ビクッ

 

 

藍「今のは聞き捨てなりませんよ紫様ぁ!」

 

 

紫「なっ、ちょっ!? 藍、そんな大きな声出すんじゃないわって痛たたたっ!?」

 

 

妹紅「おいこら暴れんな!」

 

 

 

 ギャー ギャー!

 

 

 

 

 

生徒一同「?」

 

 

チルノ「なんか隣の部屋うるさくない?」

 

 

大妖精「なんだろうね」

 

 

橙(…あれ、藍様…? うーん、まさかね)

 

 

 

 ガララッ バタン

 

 

 

慧音「おはよう、みんな」

 

 

生徒一同「おはよーございまーす!」

 

 

慧音「おはよう、みんな元気だな」

 

 

チルノ「もちろんさ!」

 

 

ルーミア「チルノから元気取ったら氷しか残らないもんなー♪」

 

 

チルノ「なんだとぅ!」

 

 

大妖精「褒められてるんだよチルノちゃん」

 

 

チルノ「え…? そ、そーなのかー?」

 

 

ルーミア「そーなのだー♪」

 

 

チルノ、ルーミア「わはー♪」

 

 

チルノ「じゃあ許してやるぞ」

 

 

ルーミア「チョロいむぐっ!?」

 

 

大妖精(ルーミアちゃん! シッ!)

 

 

ルーミア(分かったのだー…)

 

 

慧音「ふふっ…♪」

 

 

慧音「みんな揃ってるな…あ~その、突然だが先生から皆に伝えなければいけない事があるんだ」

 

 

ミスティア「伝えたいこと?」

 

 

こいし「なんですかー?」

 

 

ぬえ「! まさか、今日で私はここをやめられ」

 

 

慧音、こころ「それはない」

 

 

ぬえ「くっ!」

 

 

慧音「ふふっ♪ あぁ伝えたいことと言うのはだな、先生は今日皆に授業はしない事になった」

 

 

生徒一同「えー!?」

 

 

フラン「え!? じゃあ先生やめちゃうの?」

 

 

チルノ「なにぃ!?」

 

 

リグル「えぇ!?」

 

 

ぬえ「やったってうわっ!」グッ

 

 

こころ「ガッツポーズはさせぬわぁ」

 

 

慧音「こ、こらこら早合点するな、先生はやめないからな?」

 

 

ミスティア「な~んだ、よかったぁ…」

 

 

大妖精「ほっ…」

 

 

橙「良かった~…」

 

 

慧音「その代わりと言ってはなんだが、実はな? 先生をやりたい~って人が何人か今日ここ寺子屋に来ていてな、その人たちに教育実習生として皆の前で授業を行ってもらうことになったんだ」

 

 

チルノ「きょーいく?」

 

 

サニー「じっしゅーせー?」

 

 

ルナ「ってなんですか?」

 

 

スター「知らないの? 先生じゃないけど先生になりたい人が本物の先生に代わって先生をやるのよ」

 

 

チルノ、サニー、ルナ「???」

 

 

クラウンピース「けーね先生の代わりに授業をしてくれる仮の先生ってことさ」

 

 

チルノ「は? 先生じゃないの?」

 

 

大妖精「あ…慧音先生のほかに先生が増えるんだよ、お試し先生って感じだね」

 

 

チルノ「おっ! そーなのかー!」

 

 

サニー、ルナ「なるほどー」

 

 

フラン「今ので分かるんだね…」

 

 

こいし「大ちゃんは頭いいなー♪」

 

 

クラウンピース、スター「ウソでしょ…」

 

 

慧音「せ、説明ありがとうな…そういう訳だから皆よろしく頼むな、ただ人数が多いから疲れたら言ってくれ」

 

 

生徒一同「はーい!」

 

 

慧音「ありがとう、じゃあ先生はこれで失礼するが、新しい先生たちには失礼のないようにな?」

 

 

生徒一同「分かりました~♪」

 

 

慧音「うん、ではまたな♪」スッ

 

 

 ガララ バタン

 

 

 

チルノ「新しい先生かー」

 

 

大妖精「楽しみだね♪」

 

 

ルーミア「そーだなー♪」

 

 

ミスティア「……幽々子さんは来ないよね…?」

 

 

リグル「虫の授業してくれる人いないかな」

 

 

橙(藍様、紫様だったら良いなぁ…でも無理だよね、お二人とも忙しいし)

 

 

ぬえ「なんか嫌な予感がするぞ」

 

 

フラン「私も…」

 

 

クラウンピース「あたいも…」

 

 

こいし「お姉ちゃん来てくれないかなぁ♪」

 

 

こころ「とじー…来ないか、忙しいか」

 

 

サニー「けーね先生って一人でやってたんだ」

 

 

ルナ「私たちは入ったばかりだからね」

 

 

スター(この二人のおバカを少しでも直してくれる人来ないかな…なんて)

 

 

 

 ガヤガヤ ガヤガヤ

 

 

 

 

 

慧音「説明してきたぞ、って何があった…?」

 

 

藍「 」チーン

 

 

紫「あら、早かったのね」ボロボロ

 

 

妹紅「…お帰り慧音」

 

 

慧音「何故藍がスキマに上半身突っ込んで気絶している、それになぜボロボロになってるんだ?」

 

 

紫「九尾の妖狐が暴れてね」ボロボロ

 

 

慧音「本当に何があったんだ!?」

 

 

妹紅「お前が変な事言うからだろ」

 

 

紫「溜まったものがまた出ちゃったのかしらねぇ」

 

 

妹紅「出させたのもお前じゃんか」

 

 

慧音(藍も大変だな)

 

 

紫「先生たちは?」

 

 

慧音「別室で待機させてるよ、なにせあの人数だからな、後は一人ずつ出てきてやってもらうだけだ」

 

 

紫「なら、スキマオープン♪ …このスキマに呼び掛けなさいな、別室と繋げたから名前を呼べばここで意思伝達出来るわよ」スッ

 

 

 

 ギュオン

 

 

 

妹紅「便利だな…あ、でさ、私たちはどうやって授業してるところを見るんだよ、教室は隣だぞ?」

 

 

紫「そんなもんは~♪ ほい♪」スッ

 

 

 

 ギュオン

 

 

 

紫「教室を覗けるスキマよ♪ 生徒達にはバレないからこれで観戦しましょう?」

 

 

妹紅「…便利な能力だな」

 

 

紫「そうよぉ♪ 私は世界が違かろうが永久に便利な能力持ちのスーパーフェクトゆかりんなのよ♪」

 

 

慧音、妹紅「…?」

 

 

紫「ふふふのふ♪ さぁ、始めましょう?」

 

 

慧音「あぁ分かった、最初の人! 教室に入ってくれ」

 

 

紫「楽しみね♪」

 

 

妹紅「あぁ…」チラッ

 

 

藍「 」チーン

 

 

妹紅「聞くが、あれいいのか?」

 

 

紫「ほっときなさい、そのうち復活するでしょ」

 

 

慧音、妹紅「不憫な…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《みんな大好き! 霊夢先生!》

 

 

《担当教科 護身術》

 

 

 

紫「キャー♪ 霊夢ぅー♪」

 

 

妹紅「静かにしろっての!」

 

 

慧音(霊夢は…護身術? はてさて)

 

 

 

 

 

 

 

博麗霊夢「あんたたちは、いきなり後ろから怖くて色々とヤバイ奴に抱きつかれたらどうする?」

 

 

大妖精、サニー、ルナ、橙、ミスティア「ひえっ…!」ビクビク

 

 

チルノ「んー…? 凍るんじゃないか?」

 

 

ルーミア「私の闇に入って来るのかー?」

 

 

こいし「抱きつかれたら抱きつき返しちゃう♪」

 

 

フラン「きゅっと…いや、しちゃダメなんだよね」

 

 

霊夢「それぞれ案があるみたいだけどダメよ、もっと素早く対応しなさい」

 

 

生徒一同「?」

 

 

霊夢「…せ、先生が手本を見せてあげるから見てなさい」

 

 

霊夢「…」スッ

 

 

生徒一同「…?」

 

 

霊夢「紫ぃ…た、助けてよぉ…!」ウルウル

 

 

 ギュオン!

 

 

紫「霊夢ー! ゆかりんが今すぐ助けてあげるか」スッ

 

 

 

 霊夢はいきなり背後に現れた紫の伸ばしてきた腕を掴み

 

 

 

霊夢「おらぁぁ!」ブン!

 

 

紫「ぐほぉっ!!?」ドサッ

 

 

生徒一同「えぇー!?」

 

 

 肘を紫の脇の下に入れ、肩越しに引き手で引いて投げた!

 

 

霊夢「これが背負い投げよ♪」

 

 

紫「オオ…アッ」ピクピク

 

 

チルノ、ルーミア「すげぇ!」パチパチ

 

 

大妖精、ルナ、サニー、橙、ミスティア「ま、真似できないよ!」

 

 

こころ「霊夢は演技力も高いな、勉強になる」

 

 

ぬえ「おい、褒めるとこそこか?」

 

 

サニー「紫さんってあんなんだったっけ?」

 

 

スター「さぁ?」

 

 

パチパチ!

 

 

霊夢(ここ妖怪屋敷になっちゃってない? 先生引き受けたのは博麗の巫女として視察と言うか…で、でも)

 

 

 パチパチパチパチ!

 

 

霊夢(い、意外に拍手が心地いわね…)

 

 

霊夢(次は弾幕について教えてやろうかしら…///)

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「目にも止まらぬ早さであっち行ったな、紫」

 

 

慧音「瞬殺された…のかな」

 

 

慧音「霊夢は…みんなから好かれていることもあるが、知らないことも教えてくれて生徒達の刺激にもなるな…よし、合格」

 

 

 博麗霊夢、合格!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《生徒の心も私のもの! 魔理沙先生!》

 

 

《担当教科 マジックオアシーフ》

 

 

 

紫、藍「 」チーン

 

 

妹紅「お前ら…」

 

 

慧音「こっちに引っ張って来たが…紫にも抜けているところがあるんだな」

 

 

慧音(魔理沙…その担当教科はどういう事なんだ)

 

 

 

 

 

 

霧雨魔理沙「それで出力を最大にしてドカンと放つ! これでマスタースパークが撃てるんだ♪」

 

 

フラン「じゃあ魔理沙じゃないとあのレーザーは出てこないの?」

 

 

魔理沙「そうだな、八卦炉に私の魔力を込めたらマスタースパークが出る、私の技術もいるがな、前に霊夢を騙して八卦炉に霊力を込めさせたら陰陽玉に似た玉が沢山出てきたんだ」

 

 

ルーミア「八卦炉次第なのかー?」

 

 

魔理沙「八卦炉と使い手だな、私にもまだまだ未知の道具だよこれは」

 

 

フラン「私が撃ったら?」

 

 

魔理沙「炎のレーザーかもな」

 

 

フラン「おぉ!」

 

 

こいし「私はー?」

 

 

魔理沙「んー、ハート型の薔薇のレーザーとかどうだ?」

 

 

こいし「おぉ♪」

 

 

クラウンピース「あたいは?」

 

 

魔理沙「お前がやったらピースした手形の玉が沢山出るだろうな」

 

 

クラウンピース「!?」

 

 

生徒一同「あっははは!」ドッ

 

 

クラウンピース「な!? こ、こらぁ! 笑うなぁ!」

 

 

サニー「ぐ、グリー…あははは!」

 

 

こころ「写真を撮るぞはいピース、ドドドドドッ!」

 

 

ぬえ「こ、こころ、ふっははは!」

 

 

チルノ「ピースってレーザーって意味だったのか!?」

 

 

クラウンピース「そんな訳ないだろ!」

 

 

魔理沙「あははは! 悪い悪いつい弄りすぎちまったぜ、悪かったな♪」

 

 

クラウンピース「…ったくぅ~」

 

 

魔理沙「ま、レーザー系の弾幕は奥が深いんだ、お前たちも試行錯誤して色々試してみてくれよな」

 

 

生徒一同「はーい!」

 

 

チルノ「よし、魔理沙! あたいは今から試すよ! 弾幕勝負しようよ!」ウズウズ

 

 

魔理沙「何がよし、なんだかわからんがまぁいいぞ♪ 売られた喧嘩は買うぜ!」

 

 

チルノ「よっしゃ♪ 校庭で勝負だ!」

 

 

大妖精「!! みんな! チルノちゃんを全力で応援しようね!? ねっ!?」

 

 

ミスティア、リグル「お、おう…」

 

 

ぬえ「何であいつあの妖精のことになるとあんなになるんだろうな」

 

 

こころ「あの表情は…まだない」

 

 

こいし「恋の香りがするねー♪」

 

 

フラン「魔理沙! それ終わったら地底に盗みに行った時の話を聞かせてよ!」

 

 

魔理沙「おう良いぞ、でも盗みに行ったわけじゃないからな! 死ぬまで借りてんだぞ?」

 

 

チルノ「行くぞ魔理沙!」

 

 

魔理沙「あれから強くなったか試してやるぜ! かかってきな!」

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「弾幕ごっこし始めちゃったな、慧音、どうだ?」

 

 

慧音「うーん…生徒と直ぐに仲良くなるその技量はあるとしても盗みの話はちょっとな」

 

 

妹紅「だよなぁ」

 

 

 

 霧雨魔理沙、検討!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《カリスマの権化! レミリア先生!》

 

 

《担当教科、カリスマ》

 

 

 

妹紅、慧音「…」

 

 

妹紅「先生をやらせるのか?」

 

 

慧音「あぁ、せっかく来てくれたんだからな…大丈夫…だろう、うん」

 

 

慧音(…何故カリスマを教える)

 

 

藍、紫「 」チーン

 

 

 

 

 

レミリア・スカーレット(ふっふふふっ…あーっはっは! これよ、こっちよ上白沢慧音!)バーン

 

 

レミリア(生徒…? 私が寺子屋に通うとしたら教師としてよ、それ以外あり得ないわ!)ドーン

 

 

レミリア(さぁ~て♪ このお子ちゃま達に私のカリスマとはなんなのかたーっぷりと教え込んであげるわ! 感謝しなさい、上白沢慧音!)バゴーン

 

 

生徒一同「…」

 

 

ぬえ「あいつ何腕組んでニヤニヤしてんだ?」

 

 

こころ「楽しさと嬉しさに満ち溢れてる表情だ」

 

 

こいし「フランちゃんのお姉ちゃん何を教えてくれるのかなー♪」

 

 

フラン「はぁ…」

 

 

ミスティア「よく遊んでくれるよね、レミリアさん」

 

 

リグル「だよね、ほんとに先生なの?」

 

 

橙「うーん、先生…というよりこっち側なんじゃ」

 

 

レミリア「あーっはっはっは!」

 

 

生徒一同「!?」

 

 

レミリア「よーく聞きなさいがきんちょ達、このレミリア先生が今から特別で素晴らしい授業をしてあげるわ!」

 

 

レミリア「題して! スカーレットデビルのスペシャルカリスマ講座よ!」

 

 

生徒一同(えぇ…)

 

 

ぬえ(だせぇ!)

 

 

こころ(能楽の本、まだ読み途中だったな)スッ

 

 

クラウンピース「あれマジで言ってんの?」ヒソヒソ

 

 

サニー「たぶん」ヒソヒソ

 

 

ルナ「本気なんだ」ヒソヒソ

 

 

スター「カリスマって教えられるものなの?」ヒソヒソ

 

 

大妖精(ち、チルノちゃんが変なこと言い出したら止めないと…!)

 

 

ミスティア(大ちゃん頑張れ!)

 

 

リグル(超頑張れ!)

 

 

大妖精(が、頑張るよ!)

 

 

フラン(は、恥ずかしい…! お願いお姉様もう喋らないで)

 

 

こいし(う~ん退屈だなぁ…! あっ、閃いた♪)

 

 

チルノ「ん~? なぁレミリア、カリスマって何だ?」

 

 

レミリア(来た!)

 

 

レミリア「ふっふっふ…いい質問ねチルノ」

 

 

レミリア「カリスマ…たった四文字のこの言葉、一言で終わってしまう儚い言葉だけど奥が深く、高貴で美しく! 紅魔の如き輝きを放つ言葉なのよ!」

 

 

チルノ「おー!」

 

 

レミリア「一言では語れない純潔さをも併せ持つ言葉、カリスマ…この言葉に相応しい人物がこの幻想郷にはいるの」

 

 

レミリア「そう! それはこのカリスマという言葉の権化とも言われているこの私! レミリア・スカーレット!」

 

 

チルノ「おぉー!」

 

 

フラン(割りとマジでお姉様やめてよ…)

 

 

レミリア「カリスマパワー溢れるこの私が、カリスマパワー無しのあなたたちに教えてあげるわ! そう、カリスマとはこ」

 

 

ルーミア「カリスマとは特定の人物に宿る特別な能力や資質をあらわす概念みたいなもんなのだー♪ 特定の個人、身分、社会組織、象徴、事物とかになー? 他とは異なる超自然的、超人間的、非日常的な力や性質がそなわっているとみんなに分かってもらえてる場合になー? それらのもつ特質をカリスマというのだー♪」

 

 

レミリア「!!!??」

 

 

ミスティア、リグル、大妖精(なっ…!? なにぃぃ!?)

 

 

チルノ「? ? ルーミア、つまりどういうこと?」

 

 

ルーミア「カリスマカリスマ言っている奴にはカリスマなんかねーのだー♪」

 

 

レミリア「!!?」ガーン

 

 

大妖精(うわあぁ…! ルーミアちゃんがいるの忘れてたぁ…!)orz

 

 

ミスティア(また爆弾落として行きましたね)

 

 

リグル(今回のは大きい爆弾ですねぇ)

 

 

橙(ルーミアは物知りだなぁ、私も見習わないと!)

 

 

フラン(お姉様のバカ…)

 

 

ぬえ「あいつ良く知ってんな」

 

 

こころ「同じ黒服なのにぬえっちとは大違いだ」

 

 

ぬえ「おい!」

 

 

チルノ「じゃあレミリアにはカリスマなんかないんじゃんか」

 

 

レミリア「なっ!? 何を言っているのかしら!? 私はカリスマの権化なのよ!? カリスマは常に」

 

 

 フッ

 

 

こいし「んばぁー♪」ダキッ

 

 

レミリア「うひゃあ!?」ビクッ

 

 

フラン「こいしちゃん!?」

 

 

こいし「あはは♪ いきなりレミリアさんの背中に抱き付いてみましたー♪」

 

 

レミリア「う、うぁ…うっ…」

 

 

レミリア「う~☆」カリガ

 

 

フラン「あぁ…」

 

 

こいし「あれ? レミリアさんカリスマについて教えてくれないの? そこんところ詳しく教えてほしいなー♪」

 

 

レミリア「う~☆」カリガ

 

 

チルノ「カリガだー!? 大ちゃん見て見て! あれが魔理沙の言ってた伝説の防御技だよ!」

 

 

大妖精「あぁうん…そうだね…」

 

 

ミスティア「諦めちゃったね大ちゃん」

 

 

リグル「大ちゃんの戦いはこれまでか」

 

 

ルーミア「カリスマガード…わはー♪」

 

 

フラン(もう…お姉様のバカ)スッ

 

 

フラン「…お姉様」

 

 

レミリア「ふ、フラン…!」

 

 

フラン「辛かったら帰っていいからね? 無理しないでよ、咲夜に全部話して気持ち落ち着かせてゆっくり休んで? お姉様のカリスマは私たちがちゃんと分かってるから、ね?」ヒソヒソ

 

 

レミリア「! …うん」ヒソヒソ

 

 

フラン「みんなごめん、レミリア先生体調が悪いみたいだから今日は帰るって」

 

 

こいし「あれれ、そうなの?」

 

 

レミリア「…」

 

 

チルノ「え? あんなに元気だったのになん」

 

 

大妖精「チルノちゃん! レミリアさんは…ほら…えっと、ほら! 吸血鬼だから朝の日差しが当たっちゃったんだよきっと、吸血鬼には辛いな~日差しは!」

 

 

チルノ「あ~そうなんだ、なら仕方ないか」

 

 

ルーミア「そういうことにしといてやるの」

 

 

大妖精「黙ってルーミアちゃん…!」ゴゴゴ

 

 

ルーミア「!? わ、わはー…」

 

 

ミスティア「大ちゃん大復活」

 

 

リグル「よかったよかった」

 

 

レミリア「フラン…」ヒソヒソ

 

 

フラン「なに?」ヒソヒソ

 

 

レミリア「ありがと…」ヒソヒソ

 

 

フラン「! …♪」ニコッ

 

 

 

 

 

 

慧音、妹紅「…」

 

 

妹紅「フランはレミリアのことあいつ呼ばわりしてるから仲が悪いと思ってたんだが」

 

 

慧音「ふふっ、普通に仲の良い姉妹じゃないか」

 

 

妹紅「だな♪ う~ん、でもよ慧音」

 

 

慧音「レミリアは寺子屋には縁が無いのだろう、誘ったことも悪いことをしたな…」

 

 

妹紅「向き不向きは誰にでもあるからな、しょうがないさ」

 

 

慧音「今度レミリアに詫びをしに行こう、誘った事も含めて本当に悪いことをしてしまったな」

 

 

 

 レミリア・スカーレット、姉妹愛故のリタイア!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《世界は広いぞ! マミゾウ先生!》

 

 

《担当教科 外の世界史》

 

 

 

妹紅「お、狸の旦那じゃないか」

 

 

慧音「本居小鈴や人里の住人達が良く世話になっていると聞く、どんな授業をするのだろうな」

 

 

藍「狸ぃぃ!」ガバッ

 

 

慧音、妹紅「!?」ビクッ

 

 

慧音「な、なんだ復活したのか」

 

 

藍「あぁなんとかな…それよりもたぬ」

 

 

妹紅「自分の主が何でああなってるのか聞かないのか?」

 

 

紫「 」チーン

 

 

藍「罰が当たったんだろうな、そのうち復活するだろうから放っといていいさ、そんなことよりも狸だ」プンスカ

 

 

妹紅、慧音(何だかんだ言っても主と同じこと言うんだな…)

 

 

藍「ちゃんと見ていないと危ないぞ、狸は人を化かす妖怪だ、子供でも容赦しないから何をするか分からんぞ…!」

 

 

妹紅「何をそんなに身構えてるんだよ…狸の旦那はそんなことしないと思うけど」

 

 

慧音(一時妹紅と手を組んで異変の解決に一役買ったらしいが、まぁ今回は関係ないか…さて、外の世界史か)

 

 

 

 

 

 

マミゾウ「初めましての者が多いか? 儂は二ツ岩マミゾウ、見ての通り狸の妖怪じゃ、よろしくな」

 

 

大妖精「見ての通りって…」

 

 

チルノ「え? 人間じゃないの?」

 

 

こころ「マミー、こすぷれしてたら人間に見えるよ」

 

 

マミゾウ「コスプレじゃなくて変化じゃ変化、ほれほれ、尻尾があるじゃろう?」フリフリ

 

 

ミスティア「あ、本当だ」

 

 

フラン「わぁー♪ モフモフだぁ♪」

 

 

ぬえ「はっ…! 中途半端な変化だなぁ!? 私なら尻尾すら残さないけどな!」

 

 

マミゾウ「……そういや昔、完璧に変化するあまり隠れ事で最後まで誰にも見つけてもらえなくて儂に泣きついて来た妖怪がおったかのう」ニヤニヤ

 

 

ぬえ「!?」

 

 

フラン「隠れ事?」

 

 

マミゾウ「かくれんぼの事じゃよ」

 

 

サニー「かくれんぼで泣く?」

 

 

スター「恥ずかしいわね」

 

 

ルナ「私たちすぐ見つかっちゃうもんね」

 

 

こいし「私は見つからないもんなぁ~♪ でも泣かないよ♪」

 

 

ルーミア「なーなー、その妖怪って誰なんだー?」

 

 

マミゾウ「え~っとなんじゃったかのう、顔は猿で尻尾は蛇の…あ、あぁ思い出した、確かぬ」

 

 

ぬえ「ま、まままマミゾウ先生! 早く授業をしようよ! ね? ね!?」

 

 

マミゾウ「くくく…なんじゃぬえ、そう急かさんでも授業は逃げんぞ?」ニヤニヤ

 

 

ぬえ(くっそぉ、覚えてろよマミゾウ…!)

 

 

マミゾウ(とか思ってるんじゃろうなぁ、相変わらず面白い奴よ♪)

 

 

大妖精「あの、それでその衣装はいったい何の衣装なんですか?」

 

 

マミゾウ「おぉ気になるか、これは外の世界の教師が身に付けるもんでな、スーツというんじゃ」

 

 

チルノ、ルーミア、大妖精「すーつ?」

 

 

マミゾウ「そうじゃ、外の世界の教師は大抵こういった服装で生徒の前に立ち、授業をしているのじゃ」

 

 

フラン「へぇー、でも変なのー」

 

 

こいし「動きにくそうだねー」

 

 

マミゾウ「確かに動き辛いのう、ツンツルてんじゃし」

 

 

チルノ「ツルツル?」

 

 

マミゾウ「これも言い方が古いか、背丈に対して小さい服のことじゃ」

 

 

チルノ「へー、マミゾーは物知りだなぁ」

 

 

橙(紫様もああいう服持っていたのを見せてくれたなぁ、外の世界の服だったんだ)

 

 

クラウンピース「? 何で外の世界の事にそんな詳しいのさ」

 

 

マミゾウ「そりゃあ儂が外の世界から来た妖怪だからじゃよ」

 

 

生徒一同「へぇー!」

 

 

マミゾウ「お? 外の世界の事に興味があるか?」

 

 

生徒一同「!」コクコク

 

 

マミゾウ「ほうかほうか、なら儂が答えられる範囲で答えてやるぞい、外の世界の文化等を知るのも経験になるじゃろうからな、一応外の世界史志望じゃしな、儂」

 

 

マミゾウ(まぁ幻想郷のルールに従って質問は上手く捌いてやるぞい、華扇にも言ってはならぬ事もあると言われたしな)

 

 

マミゾウ「じゃあ、何か質問はあるかの?」

 

 

 はい! はい! はーい!

 

 

マミゾウ「おうおう、そう慌てるでないぞ? 一つずつ答えてやるからな、じゃあまずそこの氷の妖精」

 

 

チルノ「なぁなぁ! 外の世界にも雪って降るのか!?」

 

 

マミゾウ「もちろん降るぞ、外の世界にも季節があるからのう、半年以上に渡って降ってるところもあるぐらいじゃしな」

 

 

チルノ「へぇー♪ 雪合戦とかやりたい放題じゃん!」

 

 

大妖精「毎日チルノちゃんと…良い…最高♪」ドキドキ

 

 

ミスティア、リグル、橙「大ちゃん!?」

 

 

マミゾウ「毎日は流石に飽きんかのう…いや、若いから平気なのかの」

 

 

マミゾウ「ほいじゃ、次、おらぬか?」

 

 

 はーい! はい!

 

 

マミゾウ(ふぉっふぉっふぉっ♪…たまにはこういうのも悪くないのう)

 

 

こころ「マミー楽しそうだ」

 

 

ぬえ「私は全然楽しく無いけどな」

 

 

こころ「嘘を付く奴は閻魔に舌を抜かれるぞ」スッ

 

 

ぬえ「いててっ! 舌をひっひゃんな!」

 

 

こころ「これが閻魔の表情」スチャッ

 

 

ぬえ「そんなもんあんのかよ!?」

 

 

マミゾウ(こころもぬえも楽しくやっとるみたいじゃな、心配するだけ損したぞい♪ この埋め合わせは…ふっ、どうしようかのう…ぬえ?)ニヤニヤ

 

 

ぬえ「!? なんか嫌な感じが!」

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「ほえ~、流石だな狸の旦那! 面白い授業するじゃん、それに面倒見も良いもんな」

 

 

慧音「あぁそうだな、これは文句なしに合格だ」

 

 

藍「なっ!? 採用するのか!?」

 

 

慧音「そのつもりだが」

 

 

藍「狸が教師ぃ…!? 認めないぞ私は、断固反対する!」

 

 

妹紅「いや、何でそんなに噛み付くんだ?」

 

 

紫「くっだらないわねぇ、まだ仲悪いの?」

 

 

妹紅、慧音(あ、復活した)

 

 

藍「くだらない!? 狸は本当に嫌な奴等で」

 

 

紫「あなたが嫌いなのとここでの教師云々は話が別でしょう? 真実ではないことをべちゃくちゃ言ってるあなたの方が狸に化かされてる様に見えるわよ?」

 

 

藍「…! くぅ…」

 

 

妹紅「…マミゾウの旦那と何があったんだよ」

 

 

紫「種族の違いの問題よ、しかも狐側の一方的な奴ね…聞いても面白くも何とも無いわよ?」

 

 

慧音「面白いとかそういう、まぁ深くは聞かないよ」

 

 

 

 二ツ岩マミゾウ、合格!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後編へ続く!

 

 







 まだまだ濃い先生はたくさんいます、後編で話をまとめます、幻想郷の住人みんな濃いですけどね…


 それではここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪


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