東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 依頼が来たよ、やったねゆかりん♪

 スキマボックスシリーズは前編、中編、後編に分けて書いていきたいと思います。



 それでは始まります♪


 


御依頼その壱 【女子力を身に着けろ!】前編

 

 

 

  【マヨヒガ 冬】

 

 

 

八雲藍「ふぅ、寒くなってきたなぁ…そろそろ衣替えの時期か」

 

 

藍「私としては服とか色々整理しているのは楽しいし、紫様が面倒臭がって茶々を入れてこないから気兼ねなく出来る…黙々と作業しているだけだがな」

 

 

藍「……衣替えといえば紫様は衣替えを自分でしない、むしろする必要がないのだ」

 

 

藍「スキマに服を収納していて同じ様な服を別々に何千着と持っているからだ、私はその収納スペースを見たことはないが…」

 

 

藍「私は気になって見せてくれませんか? と頼んだんだ、そしたら」

 

 

藍「『乙女の身嗜み空間を見ようとするでないわぁ!』と言われ、断られた」

 

 

藍「……言葉が出なかった」

 

 

藍「今となっては見たいような見たくないような」

 

 

八雲紫「そんな妄想を小一時間する八雲藍であった」

 

 

藍「うわぁびっくりしたぁ!?」ビク!

 

 

紫「藍、そんな妄想をする前にお仕事を片付けなさいな」

 

 

藍「妄想は貴方の捏造でしょう!? それともう私の仕事も貴方が私に押し付けた仕事も終わったんですよ!」

 

 

紫「ゆかりん感動、雨霰~♪」

 

 

藍「紫様、前々から思ってたんですけど感動してばかりではなく少しは私を労ってくれてもいい」

 

 

紫「グッジョブ!」ビシッ!

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…グッ」

 

 

藍「労わせていただきましたよこんちくしょう!!」

 

 

紫「あっそう♪ そんなことよりもら~ん!! ついに! ついに来たのよー!」

 

 

藍「そんなことって…いえもういいですって、え? 何が来たんですか?」

 

 

紫「スキマボックスにお便りが来ました~♪」

 

 

紫「しかも二通よ二通♪」

 

 

藍「半月近く経ってるのにたったの二通ですか?」

 

 

紫「 」ピシャリ

 

 

藍「あ」

 

 

紫「 」

 

 

藍「ゆ、紫様…」

 

 

紫「…藍」

 

 

藍「はい」

 

 

紫「そういうのは言っちゃ駄目、虚しくなるから」

 

 

藍「ごめんなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「うふふのふ♪ さてさて♪ 私達にどんなお願いがこの二人にあるのかしらね♪」

 

 

藍「二人いっぺんに解決するんです?」

 

 

紫「だって嬉しいんだもん、特別サービスよ♪」

 

 

藍(さっきはああ言っちゃったけど、紫様相当嬉しいんだろうなぁ)

 

 

藍「ところで紫様、これって秘密とか守られるのですか?」

 

 

紫「秘密? えぇもちろんよ、周りに話してほしくない相談なら公にしないわ」

 

 

藍「愚問でしたね、なんかすいません」

 

 

紫「良いのよ? んじゃ、読み上げるわね♪」

 

 

 

『P.N、紅と白の素敵な巫女』

 

『P.N、黒と白の弾幕パワー』

 

 

 

 

紫「!! きゃ~♪」

 

 

藍(P.N? あ、ペンネームか…って)

 

 

藍「どうしたんですか?」

 

 

紫「霊夢と魔理沙からじゃな~い♪ 御依頼第一号があの二人だなんて…しかも…あぁん♪ 私の霊夢ぅ~♪」

 

 

藍「ペンネームの意味がなーい!!」

 

 

紫「このゆかりんに幻想郷の顔とも言える二人から相談だなんて…あの二人の悩み! 是非とも解決してみせるわよ、藍!」

 

 

藍「は、はい…でも本当珍しいですよね、なんだろう…」

 

 

紫「うふふ♪ この紙を捲れば二人の悩み…さあ! 行くわよ!」

 

 

 ぺらっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 P.N 紅と白の素敵な巫女『女子力って奴を頂戴』

 

 

 P.N 黒と白の弾幕パワー『女子力をくれ、頼むぜ♪』

 

 

 

 

 

 

 

紫「 」ビキッ

 

 

藍(……えぇ…)

 

 

紫「 」

 

 

藍「あ、あはは…悩み、えと悩みなんですかね…し、しかし女子力ですか…あの二人も何だかんだ女の子なんですねぇ…あはは」

 

 

紫「 」

 

 

藍「ゆ、ゆかりさ」

 

 

 

 

 

紫「ぬぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

藍「!?」

 

 

紫「ふん!」スッ

 

 

 ギュオン ギュオン

 

 

 紫は凄まじい速度でスキマを二個展開し

 

 

 

藍「紫様! 何を!?」

 

 

紫「おらぁ!!」スッ

 

 

 

 

 ある二つの空間に繋げた

 

 

 

 ヒュー ヒュー

 

 ポスッ ポスッ

 

 

 

 

博麗霊夢「うわっ!?」

 

 

霧雨魔理沙「うおぉっ!?」

 

 

藍「! 霊夢、魔理沙!?」

 

 

紫「…」ムカムカ

 

 

魔理沙「は…え? …藍? っておい! またかババア!」

 

 

霊夢「ここマヨヒガ…? 紫ぃ! いつも言ってるでしょうが、用があるなら普通に呼びなさ」

 

 

紫「お黙りぃっ!!」クワッ!

 

 

霊夢、魔理沙「!?」

 

 

紫「霊夢ぅ! 魔理沙ぁ! 正座なさい!」

 

 

霊夢「はぁ!?」

 

 

魔理沙「あぁ!? いきなり呼び出しておいてなに」

 

 

紫「正座ぁ!!」ゴゴゴ

 

 

霊夢、魔理沙「!?」

 

 

霊夢「……ま、魔理沙」

 

 

魔理沙「れ、霊夢…?」

 

 

霊夢「正座しましょ…」スッ

 

 

魔理沙「…お、おう」スッ

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」ゴゴゴ

 

 

霊夢(久し振りに見るわね…)

 

 

藍(久し振りに見るな…)

 

 

紫「…」ゴゴゴ

 

 

霊夢、藍(本気で怒ってる…)

 

 

紫「うふふ…」ニッコリ

 

 

魔理沙(目が笑ってねぇじゃん…何なんだよ)

 

 

霊夢(私が最後に見たのは一年前かしら)

 

 

藍(昔は良く怒られたものだ…うんうん)

 

 

紫「私はね、怒っているのよ?」

 

 

紫「霊夢、魔理沙、何故私があなた達を怒っているのか分かる?」

 

 

魔理沙「…」

 

 

霊夢「…」

 

 

霊夢「藍のとばっちり…?」

 

 

魔理沙「違うぜ霊夢、ほらきっと女の子の…あの日だよあの日…///」

 

 

霊夢「恥ずかしいなら言うんじゃないわよ、てか大妖怪にもその日があるの?」

 

 

紫「違うわぁ!!」

 

 

霊夢、魔理沙「!?」ビクッ

 

 

紫「これよこれ!!」スッ

 

 

 ぺらっぺらっ

 

 

魔理沙「…? お、それお前のスキマックスに書いた」

 

 

紫「スキマボォックス!」

 

 

魔理沙「……スキマボックスに書いたやつじゃん」

 

 

紫「これ書いたのよね?」

 

 

霊夢「…うん、私と魔理沙二人で書いたわ、でも何書いて良いのかいまいち分からなかったのよね、悩みなんて特に無いし」

 

 

魔理沙「だから今私達がほしいものを書いたんだ、何だ? 何でこれに怒るんだ?」

 

 

紫「何を書いたのか言ってくれる?」

 

 

霊夢、魔理沙「女子力」

 

 

紫「で?」

 

 

霊夢「女子力って奴を頂戴」

 

 

魔理沙「女子力をくれ」

 

 

紫「何を言ってんだぁ!? このバカちんどもがぁ!!」

 

 

霊夢、魔理沙「!?」

 

 

紫「良く考えなさい! あなた達は何故怒られているのか!?」

 

 

霊夢、魔理沙「…? あ」

 

 

霊夢、魔理沙「女子力を下さい」

 

 

紫「言い方の問題じゃないわよ!!」

 

 

霊夢、魔理沙「えー…」

 

 

紫「まずこの書き方! 頂戴だの、くれだのと! 私は便利屋じゃないのよ!?」

 

 

霊夢「書き方の問題だったのか」

 

 

魔理沙「あ、ちなみに私は便利屋だぞ? 一応」

 

 

紫「聞いてないわよ! それにあなた達が欲しがっている物にも問題があるの!」

 

 

紫「これはあげられるものじゃないの、女子力は絶え間ない努力の果てに身に着けられる女の子の特権なの! そんなホイホイあげれるわけないでしょうが!」

 

 

霊夢(魔理沙は終始ふざけて書いてたけど私は結構欲しいのよね、女子力って物が何なのかも知りたいし、でも面倒臭いのは嫌よね…)

 

 

霊夢「そこは…あんたが境界を弄ってちょちょいと」

 

 

紫「霊夢ぅ!」

 

 

霊夢「ご免なさい…」

 

 

霊夢(やっぱり怒られたか…)

 

 

魔理沙「でもよ、私達は書いてやったんだぞ? 少しは感謝してほしいもんだが」

 

 

紫「なっ…!?」

 

 

霊夢「! あぁそういう考え方もあったわね♪ 私と弾幕ごっこした奴用のスキマなんてあんたのまたお遊びなんでしょ? こっちは聞かされても無いんだから付き合ってあげてるって事で…女子力さっさと頂戴?」

 

 

紫「んなっ…」

 

 

霊夢「折角頭捻り出して書いたのに」

 

 

魔理沙「な! 私も真面目に考えて書いたのによ、なんか怒られるのが馬鹿らしいぜ」

 

 

霊夢(あんたもちゃんと考えてたんかい)

 

 

藍「あ~……霊夢、魔理沙?」

 

 

霊夢、魔理沙「ん?」

 

 

紫「…」ゴゴゴゴゴゴ

 

 

霊夢、魔理沙「あ」

 

 

藍「今回ばかりは擁護出来んぞ」

 

 

紫「こんの…大バカちん共がぁ!!」

 

 

 

 ピシャア!!

 

 

 

 その日、マヨヒガに雷が落ちた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「折角依頼してくれたんだから私と藍はあなた達のお願いを聞いてあげます、最後まで面倒を見てあげます! 良いわね!?」

 

 

霊夢、魔理沙「はい…」

 

 

紫「ただ依頼の内容が内容だから私の考えに従うこと! 良いわね!?」

 

 

霊夢、魔理沙「……」

 

 

霊夢(えぇ…簡単じゃなさそう)

 

 

魔理沙(ババアから女子力ってのは…大丈夫なのか?)

 

 

紫「返事ぃ!」

 

 

霊夢、魔理沙「は、は~い!」

 

 

紫「さっきも言ったけどあなた達が欲している女子力はホイッと簡単にあげられるものじゃないの! 欲しければ努力して身に着けなさい!」

 

 

魔理沙「努力しても身に付かないから書いたんだぜ…」ボソッ

 

 

霊夢「めんどくさ…」ボソッ

 

 

紫「なんか言った!?」

 

 

霊夢、魔理沙「い、いいえ…!」

 

 

魔理沙「……でも、何だ…努力すりゃあいいんだろうけど、どう努力すれば良いんだよ?」

 

 

紫「心配する必要は無いわ! 私にいい考えがあるのよ! 藍、説明!」

 

 

藍「はい…霊夢、魔理沙、残念だが私達では女子力は教えられん」

 

 

霊夢「お手上げじゃない」

 

 

紫「最後まで黙って聞きなさい!」

 

 

霊夢「はい…」

 

 

藍「そこでだ…この幻想郷の中でもトップクラスに入る女子力の持ち主を私達の方で選出しておく、ここに来てもらって二人に女子力のなん足るかを叩き込んでもらう」

 

 

紫「スキマボックスに書いたって事は誰にも言えずにちょっとはその事で悩んでたんでしょ? 選出対象は任せなさい、周りに他言しない奴を呼ぶわ」

 

 

魔理沙(私はちょっと所じゃないが…霊夢はどうなのかな)

 

 

霊夢「そこまでしてくれんの?」

 

 

紫「霊夢、魔理沙も…私は嬉しいのよ? 書き方とかはあれだけど頼ってくれているんだから期待には答えてあげたいの、それにあなた達二人には私の愛した幻想郷をいつも守ってもらっているしね」

 

 

魔理沙「紫…」

 

 

霊夢「…///」

 

 

紫「でも努力はしなさいよ!? 女子力を身に着たければね!?」

 

 

霊夢、魔理沙「…はーい」

 

 

紫「よろしい! では明日の朝七時三十分! スキマを二人の家の前に展開しておくから入ってきなさい、忘れない様にね」

 

 

霊夢、魔理沙「はい」

 

 

霊夢「あ、今からじゃないのね」

 

 

紫「選出するから少し時間がほしいのよ、あっちにも都合があるだろうし」

 

 

魔理沙「目星はついてんのか?」

 

 

紫「一応ね♪」

 

 

霊夢、魔理沙(誰だろう…)

 

 

紫「さ、今日はもう帰りなさい、明日また会いましょう」

 

 

魔理沙「おう、んじゃよろしく頼むぜ」

 

 

紫「それは明日の女子力先生に言いなさいな」

 

 

魔理沙「ははっ、そうだな♪ じゃ明日な~♪」スッ

 

 ギュオン

 

 

霊夢「えぇ、じゃあ明日…」

 

 

紫「霊夢」

 

 

霊夢「紫…悪かったわね色々言っちゃって」

 

 

紫「良いのよ、気にしてないから」

 

 

霊夢「私が気にすんの」

 

 

紫「うふふ、それにしてもあなたが努力をする…なんてねぇ♪」

 

 

霊夢「べ、別に良いじゃない! じ、じゃあね紫、藍! また明日!」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

紫「えぇ、また明日…」

 

 

紫「…」ニコッ

 

 

藍「嬉しそうですね紫様」

 

 

紫「あ、やっぱりそう見える?」

 

 

藍「えぇそりゃあもう」

 

 

紫「ん~…何でかしら」

 

 

藍「二人の成長を見れるからですか?」

 

 

紫「あなたさとりにでもなったの?」

 

 

藍「いえいえ、相も変わらずあなたの式ですよ」

 

 

紫「ふふっ…そう…♪」

 

 

紫「さてと…藍、私はアポ取りしてくるわ、あの二人なら協力してくれるはず」

 

 

紫「それと女子力だから…うーん、一応声掛けておこうかしら、あ…それと」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

藍「?」

 

 

紫「藍、今広げたこのスキマの中にあるもの全部取り出しておいて? それじゃ行ってくるわ」スッ

 

 ギュオン

 

 

藍「はい分かりました、行ってらっしゃいませ」

 

 

藍「……何気に楽しんでいる自分がいるな、ふふっ」

 

 

藍「さてと、霊夢達の為にも頑張りますか!」

 

 

 

 

 続く!

 

 







 女子力先生は二人に縁があるあの二人。



 ここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪


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