新シリーズ物です、スキマボックスとは何なのか…?
それでは始まります♪
《スキマボックス計画 始動》
【マヨヒガ 縁側】
八雲藍「……ふぅ」
藍「今日も紫様は仕事をサボり…私は普段通り、押し付けられた仕事をこなした」
藍「仕事を終え、こうして縁側で茶を飲む…八雲家ではこれがいつも日常だ」
藍「……」
藍「だがふと思った、日常化していいのだろうかと…我が主、怠惰大妖怪八雲紫様の言いなりになってばかりで良いのか? と…」
藍「まず仕事を押し付け、サボる…私が仕事を頼んでも何かしら理由をつけて逃げ出す、理由なんか何でもいい」
藍「この前は『ゆかりんアタック!』と言いながら手をクロスさせ、両手に持った油揚げで私の頬をぺしぺしと叩いてきた」
藍「そして『油揚げ臭い狐さんと一緒に働けないわぁ♪』と言いやがりました、そして怠惰大妖怪はそのままスキマを広げ、どこかへ消えました」
藍「あれには敵意を覚えた」
藍「こんなのが毎日続く、これからも続いて行くのか…そんなことを思ったら耐えられない…だから私はある人に相談をした、西行寺幽々子殿に」
藍「昨日の事になる、この私の思いを幽々子殿に秘密にしてもらう事を前提で話した、私は幽々子殿から返って来た言葉に驚いた」
西行寺幽々子『日常? 紫と一緒にいること事態が非日常でしょう♪ あなたはそれに順応し、心地よいと思っている筈♪』
藍「……私は昔からずっと非日常にいるということだろうか? そしてそれを心地よいと思っているのだろうか? それは式神として逆らえない間柄だからなのではないのだろうか?」
藍「自分で自分が解らなかった」
藍「だが昨日の幽々子殿に話を聞きに行ったことで私の中で答えが出せたのかも知れない」
藍「紫様のなさることに着いていけてる私は無意識にそれを楽しんでいるのかもしれない…と」
藍「たまにぶっ飛んでる非日常を無理矢理提供してくる主を日常として向かい入れている私がいるんだ…それが日常であり非日常でもあるのかもしれない…それが私は心地好いと思っている、私の知らない心の奥底でだ」
藍「……」
藍「自問自答はおしまい…さて」チラッ
藍「紫様、何時から聞いていたんですか?」
八雲紫「あなたが『ふぅ…』って言った辺りから♪」
藍「最初っからじゃないですか!」
紫「あなたが敵意云々言った時は、こんにゃろうとは思ったけどあなたなりに色んな事を考えてたのね、私は感動したわ」
藍「…」
藍(感動したならちょっとは私を労っ)
紫「藍、いつもゴメンね? そしてありがとう」
藍「っ…!? えっ!?」
紫「あなたのこと少し振り回し過ぎたわ、本当に反省してます…そしていつも私のお仕事を片付けてくれて感謝してます」ペコ
藍「ゆ、紫様」
紫「…」
藍「紫様、頭を上げてください」
紫「藍…」
藍「さっきの最後まで聞いていたんですよね、なら頭を下げないでください」
藍「紫様と一緒にいるのが楽しいんですよ私は、例え何をされようとも、どんな非日常をあなたが私に持ってきても、私は心の何処かで楽しんでいるんです…たぶんあなたの式になった時からずっと」
紫「…!」
藍「……まぁ、少しは仕事をしてほしいところはありますけど」
紫「ら~ん!」ガバッ
藍「わっ!」
紫「ごめんね藍…ごめんなさい…」
藍「ゆ、紫様…!」
紫「うぅ…」シクシク
藍「別に泣かなくても…後そんなに顔を私の胸に押し付けないてください、苦しいです」
紫「…藍、許してくれる?」
藍「…! 勿論です」
紫「本当に?」
藍「本当です」
紫「ゆかりんの事嫌いになってない?」
藍「なるわけないでしょう?」
紫「ゆかりんは藍のこと好き♪」
藍「! はい…///」
紫「藍もゆかりんが好き」
藍「まぁ、はい…///」
紫「相思相愛? ふふっ♪」
藍「はい…//」
紫「愛する者同士、変わらない日常は望まれる物」
藍「…はい」
紫「刺激もほしい?」
藍「少しは…はい」
紫「だから今あなたに非日常を届けます、受け取って?」バッ
藍「はい………!? は!?」
紫「おっほほほほ♪ はいって言ったわねら~ん♪ もう逃げられないわよ!」
藍「なっ…!?」
紫「着いてきてくれるんでしょう? さぁ! 新たな非日常の始まりよ!」
藍「いい感じに終わらせたくは無いんですか!? 貴方はいつもいつもぉ!!」
藍「今度は何をなさるんですか…? あのですね、非日常と言っても他人に迷惑を掛けるような物は」
紫「スキマボックス」
藍「…はい?」
紫「スキマボックス」
藍「スキマボックス?」
紫「そそ♪ ざっくり説明するわね」
ギュオン
紫「この掌の大きさのスキマを幻想郷のありとあらゆる場所に設置します♪」
藍「それまずくないですか? 悪用されたり」
紫「こら! 話は最後まで聞く!」
紫「このスキマは特別に私が改良を加えた物なの、霊夢と弾幕ごっこをしたことのある者にしか見えない愛の特別設計よ♪」
藍(愛…? どうやっているのだろうか)
紫「掌サイズにして設置してる目的なんだけど分かる?」
藍「……見当も付きません」
紫「幻想郷の皆の声を聞くためよ」ガサゴソ
藍「え?」
紫はスキマから掌サイズの紙を取り出した
紫「ほら、ちょうどこのぐらいの大きさの紙が入るでしょ? この紙に幻想郷の住民達のお悩みを書いてもらう、そしてそれを私達二人で解決するのよ、ポストにお悩みを書いて投函してもらう形になるわね♪」
紫「名付けて! スキマボックス計画!」
藍「……」ポカーン
紫「? 何よその顔は」
藍「いや…その……珍しくまともだなと」
紫「そのゆかりんがいつもまともじゃないみたいな言い方やめて」
藍「ごめんなさい…」
紫「早い話がこれも管理人のお仕事の一貫よ、幻想郷の皆の声を聞き、悩みがあるなら解決して交流を深める、悩みじゃくても良いけどね♪ …イタズラはゆかりん怒るけど」
紫「本名は書かなくても良いけど名前は書いてもらうわ、書いた者をここに呼ぶかその者の所に直接行くことにしているから♪」
藍「…紫様」
紫「何」
藍「私も手伝います、良いじゃないですかスキマボックス」
紫「ありがとう、藍♪」
藍「ただ、一つ質問が」
紫「うん?」
藍「この事は幻想郷の住民が知っている事なのですか?」
紫「えぇ、天狗の新聞にこの記事を書かせて大々的に載せてもらったの、もちろん霊夢と弾幕ごっこした人達用の新聞だけどね、他の人じゃこのスキマも見えないし…後このお便りの紙付きなのよ♪」
藍「あぁなるほどそれなら安心です、文も飛び付いたでしょう、書くネタが増えたとか言って」
紫「文? 文には頼んでないわよ?」
藍「え?」
紫「え?」
藍「じゃあどの天狗に頼んだんですか?」
紫「えぇとほら…あの子よあの子…天魔のお気に入りの三人の内の一人」
藍「…椛ですか?」
紫「違う、そっちじゃなくて…ハマグリじゃなくてサザエ…あぁ違う…う~んと…あ」
藍「…」
紫「……ホタテ?」
藍「姫海棠はたて」
紫「あぁそうそうそう! はたては文よりも新聞の売り上げが悪いって話を聞いての、スキマボックス計画始動前のお助けということで助け船を出してあげたのよ」
紫「契約成立したものね♪ 私達も行動に移せるしはたての新聞は流行る♪ winwinな関係ってやつね」
藍「彼女の喜ぶ顔が目に浮かびますねぇ」
紫「良かったわねぇ、これでもやし念報も知名度が上がるんじゃない?」
藍「花果子念報では?」
紫「あ、そうだっけ?」
藍「紫様…さっきからマジなのかボケてるのかどっちなんですか?」
紫「ぼ、ボケてるに決まってるじゃない! マジだったら痴呆レベルよ!? はたてだけよ!?」
藍「……はたてだけ?」
紫「……は!?」
藍「新聞の名前はマジじゃ」
紫「あ! 仕事の時間だ! ゆかりんダッシュ!」タタタ
藍「あぁ!? 逃げないでくださいよちょっとぉ!!」
藍「……」
藍「はぁ、本当にあの人は…」
藍「スキマボックス、か…ふふっ♪」ニコッ
藍「どうなるかこれから楽しみですよ、紫様♪」
続く!
幻想郷の住人のお悩み解決という感じでこのシリーズは進んで行きます、匿名で出せるので深く悩まなくても大丈夫です!
それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪