東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 《春雪異変の談》の続きになります、先に《壱の談》《弐の談》《参の談》を先に読んでいただければと思います。




 今回は身内問答です。 それでは始まります♪





《春雪異変 肆の談》

 

 

 

 【マヨヒガ】

 

 

八雲紫「ふ~♪ 食べた食べた♪」

 

 

紫「藍、ご馳走さま♪ 今回も美味しかったわ」

 

 

八雲藍「えぇ、お粗末さまでした…」

 

 

紫「? どうかしたの?」

 

 

藍「紫様っていつも美味しそうに御飯を召し上がられるなぁと思いまして」

 

 

紫「そりゃそうよ、ゆかりん食べる事も好きだもの♪」

 

 

紫「それにねぇ藍、あなたの作る御飯なら私はなんだって喜んで食べるわよ」

 

 

藍「!」

 

 

紫「幻想郷の御飯事情のご意見番、妖夢、咲夜、アリス、ミスティア…他にも何人かいるけど彼女たちが私のために御飯を作り、私の舌を唸らせたとしても結局は藍の作ってくれる御飯が恋しくなっちゃうの♪」

 

 

藍「紫様…!」ジーン

 

 

紫「ふふっ、やっぱり家族の御飯が一番よね♪」

 

 

藍「…///」カァ

 

 

紫「……そう、うん…そうなんだけど…藍? この際だから言わせてもらってもいい?」

 

 

藍「は、はい?」

 

 

紫「家族の御飯だからと言っても月に一度のいなり寿司タワーはやめなさい!」

 

 

藍「なっ!?」

 

 

紫「なんなのよあの盛りに盛られたいなり寿司の山! あなただけが得する御飯を私が美味しく召し上がれるとでも思ってんの!? あれだけは絶対に許せないわ!」

 

 

藍「何ですって!? いなり寿司を愚弄する気ですか!? あれは油揚げとごはんのハーモニーが食卓を茶色に染め上げ」

 

 

紫「そう言うこっちゃないのよ! ってかいなり寿司にハーモニー!? ちゃんちゃら可笑しいわね!」

 

 

紫「それと量よ量! 作りすぎなのよ、胃がもたれるわ!」

 

 

藍「いや、紫様だっていなり好きじゃないですか!」

 

 

紫「限度ぉ! 限度を考えなさいってのよ! 私は三個で充分! あなたみたいに十個も二十個もバクバク食べないの!」

 

 

藍「あれは私の褒美でもあるんですよ!? あなたから押し付けられた仕事を片付け、片付けは片付け、片付け続けた私の褒美なんです!」

 

 

紫「その褒美に私が付き合えと!?」

 

 

藍「少しは付き合いなさいよ! それぐらい付き合っても罰は当たらないはずですからね!」

 

 

紫「その罰はあなたが与えてるんでしょうが! いなり寿司がもう私への罰なのよ!」

 

 

藍「あぁもう! じゃあ仕事は片付けてあげますから私のいなりデーに付き合ってくださいよ!」

 

 

紫「えぇ良いわよ! そのXデーに付き合ってやろうじゃないの! ゆかりん胃を破壊する気で作りやがれってのよ!」

 

 

藍「ではこの話は終わりです!」

 

 

紫「えぇ良いわよ!」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」

 

 

紫、藍「…」

 

 

 

 

 

 

 

紫、藍「えぇっ!?」

 

 

紫、藍「いやいやいやいや良くない良くない!!」

 

 

紫「仕事は気分! いなり寿司Xデーをやめなさい!」

 

 

藍「仕事をしなさい! いなり寿司デーは一ヶ月に一度決行です!」

 

 

紫「嫌だぁ!」

 

 

藍「子供ですかあなたは! いなりは一歩譲ったとしても幻想郷の管理人としての責務を果たしなさいよ!」

 

 

紫「嫌だ! …あっ!?」

 

 

藍「!? 今嫌だって…!?」

 

 

紫「は…嵌めやがったな女狐め!」

 

 

藍「なにぃっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《落ち着きました》

 

 

 

紫「藍…」

 

 

藍「…なんですか」

 

 

紫「双方言いたい事はあるだろうけど続きやって良い?」

 

 

藍「…この険悪なムードでですか?」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「いなりを三ヶ月に一度にしてくれない?」

 

 

藍「仕事」

 

 

紫「う…」

 

 

藍「仕事」

 

 

紫「ぐっ…」

 

 

藍「私は譲りませんよ」

 

 

紫「…」

 

 

紫「…あ」

 

 

藍「?」

 

 

紫「橙にさぁ」

 

 

藍「…?」

 

 

紫「橙に藍がゆかりんを過労死させようとしているって言ったら…」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「冗談よ、言うわけないでしょ…そんなこと言ったら八雲の恥よ」

 

 

藍「…なんか安心しました」

 

 

紫「うん」

 

 

藍「仕事は?」

 

 

紫「気が向いたら」

 

 

藍「ではこれからも変わらず…です」

 

 

紫「月一のいなり地獄に耐える日々」

 

 

藍「仕事地獄に耐える日々」

 

 

紫、藍「いぇーい♪」ハイタッチ

 

 

藍「…良いんですか結局元に戻っただけですけど」

 

 

紫「八雲家は変わらない、それで良いのよきっと」

 

 

藍(いなりで揉めただけなんですけどね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《気を取り直して》

 

 

 

紫「さてさてさて♪ 続きいきましょうかね~♪」

 

 

藍「う~む、最近茶番が増えてる様な」

 

 

紫「茶番? 八雲家の大事なコミュニケーションでしょう?」

 

 

藍「…そう、なんですかねぇ」

 

 

藍(橙の世代に受け継ぐのかな、このコミュニケーション)

 

 

紫「そうなのよ、え~と、次は…♪」

 

 

藍(そう考えると不安だなぁ、かと言って紫様を手本にしてはいけないとは言えないし…)

 

 

紫「あ、これね」

 

 

 

 

 

 

 《残り》

 

 

 『取り合えず斬る!』

 

 

 『ムシャムシャしてやったわぁ♪』

 

 

 

 

 

 

 

藍「もう身内問答だと言いましたし、あの二人ですよねぇ」

 

 

紫「そうなるわねぇ」

 

 

藍「しかし身内ではありますが、この言葉を私たちが認識していないんですよね」

 

 

紫「そーなのだー♪ 身内の私たちでも聞いたことないんですよー♪」

 

 

藍「ルーミアなのかリリーなのか統一してくださいよ」

 

 

紫「そーなんですよー♪」

 

 

藍「混ざってますよ?」

 

 

紫「リーリアちゃん♪」

 

 

藍「誰ですか!?」

 

 

紫「でも本当に藍の言う通りなのよねぇ、一番近くにいてしょっちゅう会ってるのに聞いたことないわ」

 

 

藍「う~ん、近すぎるからこそ聞いたこと無いのかもですね、それと」

 

 

紫「ん?」

 

 

藍「また物騒な…」

 

 

紫「そう?」

 

 

藍「斬るとか、してやったとか」

 

 

紫「私はむしゃむしゃが気になるわねぇ」

 

 

紫「幽々子のことは全部分かってるつもりなんだけどなぁ…ゆかりんちょっとショック」

 

 

藍「ん~言ったこと無いとか、デマの可能性もまだありますよ?」

 

 

紫「そうかもね『アリスさん嘘つかない』みたいなのも会ったし…聞いた方が早いわよね、では! スキマオープン!」スッ

 

 

 

 

 ギュオン ヒュー ポスン

 

 

 

 

 

魂魄妖夢「はっ!」シュタッ

 

 

紫、藍「おぉ~」パチパチ

 

 

妖夢「え? あ、あの…紫様? 藍さん?」

 

 

藍「見事だよ、妖夢」パチパチ

 

 

紫「はぁい妖夢♪ 流石ね、見事な着地だわ、ゆかりんポイント十点」パチパチ

 

 

妖夢「あ、ありがとうございます…?」

 

 

妖夢「い、いえ…ありがとうございますではありませんよ紫様! ご用がある時はいきなりスキマ落としはせず、白玉楼に直接来てください」

 

 

紫「え~、この前だってあなたの言う通りにして白玉楼に行ったとき『いきなり現れないでください!』ってゆかりん言われたんだけど」

 

 

妖夢「夜中に後ろからいきなり抱き付くとか、気配を消して床からスーっと現れるとかしないで普通に現れてください!」

 

 

藍「何をしてるんですか…」

 

 

紫「『妖夢の怖がってる姿を見るのが楽しいのよぉ♪』って幽々子が言うんだもん、そりゃ私だって見たいわよ、妖夢可愛いもん♪」

 

 

妖夢「なっ!? ぅ…///」

 

 

藍「幽々子殿…」

 

 

紫「そもそも妖夢、あなたが怖がりなのがいけないんじゃないの?」

 

 

妖夢「こ、これは生まれつきですから直しようが…」

 

 

紫「気の持ちようなんじゃないのかしら」

 

 

藍「そんなこと言って差し上げないでくださいよ、妖夢の悩みの一つなんですから」

 

 

妖夢「うぅ…藍さん、ありがとうございます」

 

 

紫「幽霊まみれのお屋敷に住んでて怖がりってのはステータスだもんね♪」

 

 

藍「褒めてないですよね、それ」

 

 

妖夢(前に鈴仙に相談して処方してもらった怖がりを治す薬、剣士たるもの薬に頼る訳には…それにあの薬色が青緑色で苦そうなんだよね…)

 

 

紫「聞くけど藍、お化け屋敷のバイトちゃんが極度の怖がりだったらお客のこっちは楽しめないでしょう? ちゃんとオバケ役なんて出来ないわよ?」

 

 

藍「それはその子が頑張れば…」

 

 

紫「ほらぁ、結局は気の持ちようじゃない」

 

 

藍「む…」

 

 

紫「でもゆかりん優しいから頑張ってる子のために頑張って怖がるわ♪ キャー♪ ゆかりんこっわ~い♪ って♪」

 

 

藍「……」

 

 

紫「ちょっとぉ! 何よその『よく恥ずかしくないですね』みたいな目は!」

 

 

藍「目で会話って出来るんですね」

 

 

紫「あなたってたまに辛辣よね!?」

 

 

藍「最後だから疲れてきているってのもありますね、はい」

 

 

紫「こ、こんにゃろう…」

 

 

妖夢「あの~」

 

 

妖夢「お二人とも、私に何か用があるんですよね?」

 

 

紫「あ、ごめんね妖夢、こっちで勝手に盛り上がっちゃって」

 

 

藍「悪いな、妖夢」

 

 

妖夢「藍さん、大丈夫ですか?」

 

 

紫「大丈夫よ、勝手に辛辣狐になっただけだから」

 

 

藍「紫様が変なこ」

 

 

紫「お黙り!」

 

 

妖夢(藍さんも大変そうだなぁ、またあの会を開いてはっちゃけないと私も身が持たないかも)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《ゆかりん、説明中》

 

 

紫「実はね妖夢、かくかくしかじかなの♪」

 

 

妖夢「! 私の言葉が人里で!?」

 

 

紫「そうなの♪ この言葉について詳しく教えてもらえるかしら」

 

 

妖夢「それは構いませんが…えぇっと…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「? どうしたの?」

 

 

妖夢「私、こんな言葉使ってないです」

 

 

藍、紫「え」

 

 

妖夢「いえあの、思い返して下さい、私この言葉日常で使ってますか? 紫様たちが白玉楼に来たときとか」

 

 

紫「…使ってない」

 

 

藍「使ってないよな、うん」

 

 

妖夢「!? え!? これが人里で流行っている!? 私って人里の人達からどんな目で見られてるんですか!?」

 

 

藍「紫様、これ本当に…」

 

 

紫「人里で聞いたもん、ゆかりん嘘つかないもん!」

 

 

藍「また鷽に啄まれますよ!?」

 

 

紫「こ、これは嘘じゃないもん! 本当だもん!」

 

 

藍「そもそもこれ聞いた時からおかしいと思わなかったんですか!? 妖夢がこんな言葉を言ってると!」

 

 

紫「お肉…取り合えず斬る! とか言いそうかなって」

 

 

妖夢、藍「言いませんよ!」

 

 

妖夢「なんか人里を自由に歩けなくなりそうです…」

 

 

藍「これは完全なるデマだな…妖夢、気にするなと言うのは無理かも知れんが…」

 

 

妖夢「そのお心遣いだけで充分です…うぅ…」

 

 

紫「あ」

 

 

藍、妖夢「?」

 

 

紫「でもさぁ、妖夢」ニヤニヤ

 

 

妖夢「は、はい」

 

 

藍「紫様、でももへったくれもないですよ、これは」

 

 

紫「ほら…すごーく前に萃香が宴会三昧の日々を送るためにプチ異変を起こした事があったじゃない?」

 

 

妖夢「はい、ありましたね」

 

 

藍(珍しくあの時の紫様ちょっと怒ってましたね…)

 

 

紫「その時あなた『斬れば判る』だの『斬りに来た』だの『斬らなければ始まらない』だの…」

 

 

妖夢「…! !?」

 

 

藍「……あ」

 

 

紫「言ってなかった?」ニヤニヤ

 

 

藍「妖夢…」

 

 

妖夢「そ、そそそ、そんなことい、言ってな…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「言ってたわよねぇ、確か私もあなたに剣を向けられたし」

 

 

妖夢「あ…! あの時は…! そ、その…!」

 

 

紫、藍「…」ジトッ

 

 

妖夢「えと…わ、私は…」

 

 

藍「妖夢」

 

 

妖夢「!」

 

 

藍「その、何だ…若気の至りというやつだよな、お前もまだ若いし…」

 

 

妖夢「うわぁぁ! 私言ってたぁぁ!」orz

 

 

紫「ほらぁ♪ やっぱり言ってた♪」

 

 

藍「ううむ…あの時の妖夢は確かに…」

 

 

紫「辻斬りの半人半霊と言われてもおかしくないわよねぇ、霊夢も『通り魔じゃない』とか言ってたのを思い出したわ♪」

 

 

藍「その残り香というか印象というか…そういうのがまだ残ってるんでしょうか」

 

 

紫「かもね、ほらゆかりん嘘ついてない」

 

 

藍(い、言い返せないな…)

 

 

紫「おほほほ♪」

 

 

妖夢「若かったで済むかなぁ…あのあと咲夜とパチュリーとレミリアと霊夢と魔理沙に謝りに行ったけどまだ許してもらえてないのかな…そもそも何で私あんなに…あの時は深夜テンションじゃなかったのに」orz

 

 

紫「まだまだ半人前よねぇ♪」

 

 

妖夢「はうぅ!」グサッ

 

 

藍「もう許してあげましょうよ! 妖夢だって反省しているんですから!」

 

 

紫「私謝られた記憶ないもん! 私の調査を嘘呼ばわりされたもん!」

 

 

藍「もんもんもんもんと、さっきからなんなんですか!? 身内問答以前に身内弄りは駄目ですよ!」

 

 

紫「ぶちぶちうるさいわねぇ、取り合えず斬ってあげましょうか!? あ、ねぇ妖夢、こういう時に使えばいいの? 物騒ねぇ♪」

 

 

妖夢「も、申し訳ありませんでした紫様ぁぁ! うわぁぁん!」orz

 

 

紫「どういう気持ちで言えば良いの? 斬ってみたいと思った時に自然に? イラッとしたら一斬り行く感じ?」

 

 

藍「やめてあげて下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《落ち着いた》

 

 

妖夢「あぁ…私言ってました…あの時は本当に……どうしてあんな事を…」

 

 

藍「あまり気に病むな妖夢、言ったことは事実かも知れんが霊夢たちはもう気にしてないはずだよ」

 

 

妖夢「そ、そうでしょうか…」

 

 

藍「そうだよ、だから気に」

 

 

紫「霊夢と私の邪魔をする奴は取り合えず斬る! いやこんな感じ? ん``ん``…月の嫌みったらしい姉妹! 取り合えず斬る! あ、これしっくり来るわね♪」

 

 

妖夢「うわぁぁ」orz

 

 

藍「紫様ぁ!」

 

 

紫「ん?」

 

 

藍「言葉使う前に妖夢を気遣ってあげて下さい! というかこの言葉は妖夢のためにも封印すべきです!」

 

 

紫「えー」

 

 

藍「えーじゃありません!」

 

 

紫「藍、考え方変えてみなさいな…私はこの言葉カッコいいと思うの、剣士の特権よ?」

 

 

藍「あなた剣士じゃないじゃないですか」

 

 

紫「剣を持てば誰でも剣士よ♪ えい♪」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

紫「ほら見て、スキマに落っこちてたの♪ カッコいいでしょ?」

 

 

藍「落ちてたって…日本刀がですか?」

 

 

紫「妖刀よ妖刀♪ ほら♪ 居合いの型をとればゆかりんも立派な剣士♪」スッ

 

 

藍「さ、様にはなってますけど」

 

 

紫「でしょう♪」

 

 

藍(紫様が日本刀を構えるのはいつ以来だろうか、しかも魂魄流剣術の構え…)

 

 

紫「この刀で取り合えず」

 

 

藍「斬らない!」

 

 

紫「冗談よ、この刀で斬ったらヤバイもん♪」

 

 

藍「もう…」

 

 

藍(ヤバイって何がヤバイのだろうか)

 

 

紫(地獄にスキマを開いた時に刀輪処からポロっと落っこって来ちゃったのよねぇ…返したいけど閻魔に覚られると嫌だし…)

 

 

紫「まぁ…妖夢」

 

 

妖夢「…!」

 

 

紫「私は剣士じゃないしあなたの名誉のためにこの言葉は封印するわ、使う事もしないから安心なさい」

 

 

妖夢「紫様…」

 

 

紫「過去の過ちは取り消せるのよ、辻斬り妖夢はもう存在しない…さっき藍も言ってたけど気に病んじゃだめよ?」

 

 

紫「失敗から得た物は大きい…そうよね?」

 

 

妖夢「…!」

 

 

妖夢「ありがとうございます…紫様、藍さん」

 

 

藍「ほっ…」

 

 

紫(全ては幽々子のために、か…その動機は嫌いじゃないわ妖夢…でも)

 

 

藍「良かった…は変かな?」

 

 

妖夢「いえ…自分のした過ちを忘れてのうのうとしていたのは事実ですから」

 

 

藍「妖夢…」

 

 

妖夢「やはり私はまだまだ半人前です、斬れば判る等と安直な答えに至っていたあの時の私を斬ってやりたい程に、斬ること以外にも大切な事があることに気付かせてやりたいです」

 

 

妖夢「くよくよしてはいられませんね、幽々子様のためにも、そして自分のためにも…これからも精進していきます」

 

 

藍「その思いがあるなら大丈夫さ、妖夢は強いからな」

 

 

妖夢「ありがとうございます、藍さん」

 

 

紫(自分のためにもかぁ…♪ 幽々子、妖夢は私たちが思っている以上に成長しているのかも知れないわよ?)

 

 

妖夢「…あ、話は変わるんですけど藍さん」

 

 

藍「うん?」

 

 

妖夢「この前魔理沙に『お前から剣を取ったらただの料理人だよな』と言われてしまったのですが…」

 

 

藍「!?」

 

 

妖夢「私って剣以外の取り柄が料理しか無いのでしょうか…」

 

 

藍「嫌な事を思い出すんじゃない! これから精進していくんだろう!?」

 

 

妖夢「で、でも思い出しちゃって…」

 

 

藍「に、庭師の仕事が」

 

 

妖夢「チルノにも『葉っぱ斬るなよ! 可哀想だろ!』とか言われて…」

 

 

藍「気にするなとさっき言ったじゃないか! ネガティブ思考はやめておけって!」

 

 

妖夢「あ…前の神社の宴会で酔っ払った咲夜が『斬れぬ物などあんまり無いみょん!』って私のモノマネしてたなぁ」

 

 

藍「そんなことしてたか!? それにみょんって何だみょんって!」

 

 

妖夢「……やっぱり世の中斬らなきゃやっていけないんじゃ」

 

 

藍「やめろぉ!」

 

 

紫(あら…まだまだ半人前だったわねぇ、ふふっ♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《二人目!》

 

 

 

藍「また会を開くからその時に愚痴を聞いてもらおうな」ヒソヒソ

 

 

妖夢「はい…よろしくお願いします…」ヒソヒソ

 

 

紫「んん!? 内緒話かしらぁ!? ゆかりん気になるなぁ♪」

 

 

藍「!? な、何も言ってません!」

 

 

紫「私に隠れてこそこそ宴会なんてしてるんじゃないでしょうね!」

 

 

藍「し、してる訳ないじゃないですか!」

 

 

紫「本当に…?」

 

 

藍「え、えぇもちろん」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…さとりに協力してもら」

 

 

藍「ほ、ほら! 次行きましょう! 幽々子殿ですよね! わぁ楽しみです!」

 

 

紫「…」ジトッ

 

 

藍「…」ドキドキ

 

 

紫「まぁ良いわ」スッ

 

 

藍「…」ホッ

 

 

紫「もし私に隠れて宴会してたら、次の博麗神社の宴会で藍の小さい時のモノマネ十連発してやるわ」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「宴会してるの?」

 

 

藍「し、してません!」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「ふーん…」

 

 

藍(人里であの会は危険だ…! 神霊廟で出来ないか、蘇我屠自古に相談してみよう…いや、念には念、他の者にも相談してみるか)

 

 

妖夢(紫様に内緒にするのはやはり無理があるのでは…よく隠し通せてるなぁ、藍さん)

 

 

紫「気になるけど次行きましょうか♪ 妖夢、あなたもここにいなさい、次は幽々子だから」

 

 

妖夢「は、はい!」

 

 

藍「む…むしゃむしゃしてやった、ですか♪ これはどんな言葉なんでしょうかね♪」ダラダラ

 

 

紫「なんであなたそんなに汗かいてるの?」

 

 

藍「い、良いじゃないですかそんなことは」

 

 

妖夢(藍さん! バレちゃいますよ!)

 

 

紫「…むしゃむしゃ、気になるわ」

 

 

藍(お、落ち着け私!)

 

 

藍「わ、私はしてやったの方が気になりますね」

 

 

紫「妖夢は幽々子からこの言葉聞いたことある?」

 

 

妖夢「う~ん…無い、ですね」

 

 

藍「妖夢ですら知らないとは」

 

 

紫「大体この私が知らないんだもん、誰も聞いたこと無いはずよ、気になるわね」

 

 

紫「幽々子をこの企画に呼べるのは素直に嬉しいわね♪ さぁスキマオープン! 出でよ! 私の親友♪」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

 

妖夢「………あ」

 

 

藍「妖夢?」

 

 

妖夢「あの、別に今お伝えすることではないと思ったんですけど、思い出しちゃって」

 

 

紫「今日は良く思い出す日ねぇ」

 

 

藍「何を思い出したんだ?」

 

 

妖夢「最近幽々子様のせい…いえ、食事が度を越してきているおかげで紫様から教えていただいたエンゲル係数が大変な事になってまして」

 

 

紫、藍(いつものことじゃ…)

 

 

妖夢「そこで食事制限として食事の取り方を変えさせてみたんです『朝、昼、晩と私が用意した食事と他に食べたいからあれ作ってこれ作って』の食事から『朝、昼、晩それぞれ一時間の間、幽々子様の好きな物、食べたい物、食べてみたい物を作り、幽々子様が食べたことある物は味を変える』に変えたんです」

 

 

紫「毎日決まったメニューで用意された食事からバイキング形式になった感じかしら」

 

 

藍「効果はあったのか?」

 

 

妖夢「私がいつも用意していた料理分が減ったので少し効果はありました、栄養面の心配はありますが」

 

 

紫「大丈夫♪ 幽々子は食べること事態が栄養だから」

 

 

藍「もうカロリーとか食物繊維とか関係ないんですね…」

 

 

妖夢「それに一品一品ゆっくり味わって食べる様になったんです、思い付いて正解でした! 大きな進歩です!」

 

 

藍「切実だな…」

 

 

紫「好きな食べ物と食べたこと無い食べ物はゆっくり味わうタイプだからね幽々子は」

 

 

藍「なんですかその基準…そういえば嫌いな食べ物ってあるんですか?」

 

 

紫「無いわね、その食べ物の味が分かりきっていたりすると繋ぎとして体に流し込んだりはするけど」

 

 

妖夢「やはりそうでしたか!」

 

 

藍「そんな生態調査みたいな感じで言わなくても」

 

 

紫「ほら、ミスティアの屋台の焼き鳥とか『あぁ、この味よねぇ』は流し込むわね」

 

 

藍「き、基準がいまいち…」

 

 

妖夢「ふりかけの掛かっていないご飯は繋ぎとして流し込む感じですよ」

 

 

紫「仮に、仮によ? レミリアとかフランドールとかが作った料理は最初は流し込まない、ゆっくり味わう筈よ」

 

 

妖夢「基本的にカレーやシチューも流し込まないです」

 

 

紫「私といるときだけはお酒は流し込まない♪」

 

 

妖夢「シェフの気まぐれなんとかは流し込まないです」

 

 

紫「分かる?」

 

 

藍「……いや、全然分からないです!」

 

 

紫「何でよ、こんなに分かりやす…ん?」

 

 

妖夢、藍「?」

 

 

紫「よ、妖夢…! あなた幽々子が一品一品ゆっくり味わって食べる様になったって言った…!?」

 

 

妖夢「え? はい、言いましたけど」

 

 

紫「じゃあ今も…」

 

 

妖夢「? あぁはい、お昼ご飯の最中です、作りおきしたので今頃デザートを召し上がられているのではないでしょうか」

 

 

紫「!? やばっ!」スッ

 

 

妖夢、藍「え?」

 

 

 

 

 ヒュー ポスン ベチャッ

 

 

 

 

紫「あっ!?」

 

 

妖夢、藍「……べちゃっ?」

 

 

西行寺幽々子「…」

 

 

妖夢、藍「あっ…」

 

 

紫(や、ヤバイっ……!)

 

 

 

 

 

 いつもの感じでいきなりスキマに落としてここに出迎えていたのが仇になりました。

 

 八雲紫が親友、西行寺幽々子…彼女はスキマに落とされた衝撃のせいで手に持っていたのであろう皿の上に乗っかっていたプリンを落としてしまったのです。

 

 

 今、幽々子はプリンが乗っかっていた皿をニコニコしながら凝視しています。 

 

 

 あの鬼でも声を掛けるのを躊躇う程の笑顔で。

 

 

 

 

 

紫「…」ダラダラ

 

 

幽々子「…」ニコニコ

 

 

妖夢「ゆ、ゆゆムグッ!?」バッ

 

 

藍(妖夢! 今の幽々子殿に声を掛けるな!)

 

 

妖夢(!?)

 

 

紫「は、はぁい、ゆ、ゆゆゆゆゆ幽々子…!」

 

 

幽々子「…」ニコニコ

 

 

紫「うっ…ゆ、幽々子!」

 

 

幽々子「…」ニコニコ

 

 

紫「ゆ、ゆゆ、ゆ…」

 

 

紫「ゆ、ゆかりんだよ~っ♪ て、てへっ♪」

 

 

妖夢、藍(えぇ!? そこでそれぇ!?)

 

 

紫「てへ…ぺろ…りん…」

 

 

幽々子「…」ニコニコ

 

 

紫「ゆ、ゆかりんと幽々子はズッ友な」

 

 

 

 

 フッ ゴォ

 

 

 

 

幽々子「…」ゴゴゴゴゴ

 

 

紫「!?」ビクッ

 

 

妖夢、藍(笑顔のまま紫のオーラを!?)

 

 

幽々子「…」ユラァ

 

 

紫「ひっ!?」

 

 

幽々子「ふふふふふふふ」スタスタ

 

 

妖夢、藍「!?」ゾクッ

 

 

紫「幽々子…!?」ビクビク

 

 

幽々子「ふふふふふ、ふふふあはは♪」スタスタ

 

 

紫「え!? な、何!? そ、その笑顔のままで歩いて来ないで…!」

 

 

幽々子「ふふふふふ♪」スタスタ

 

 

 ガシッ!

 

 

紫「ひぃっ!?」ビクッ

 

 

妖夢、藍(紫様が捕まったぁ!)

 

 

幽々子「ふふふ…」

 

 

紫「ゆ、幽々子…」ビクビク

 

 

幽々子「ふふふふふふふ♪」

 

 

紫「ゆ、幽々子さん? か、かか肩から…! て、手を離してく、くれないかしらぁ…な、なんて」

 

 

幽々子「ふふふ」ニコニコ

 

 

紫「ふ、ふふふ?」ニコ

 

 

幽々子「ふふふ」ジュルリ

 

 

紫「!?」

 

 

幽々子「…」

 

 

紫「…? ?」ドキドキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「いただきまぁす♪」ニッコリ

 

 

紫「!!!??」ゾクッ

 

 

 バクッ! アーーーーーーッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「いやぁぁ!」

 

 

幽々子「ふごふごふご!」ガジガジ

 

 

紫「ゆ、幽々子ぉっ! ってあぁぁぁ!!」ジタバタ

 

 

幽々子「ゆふぁひぃ、ひふぉいははいふぉ、ふひんふぁふぁいふぁひひふぁっふぁっふぁっひゃひゃいほぉ、ほぉひてふへふはほぉ?」ガジガジ

 

 

紫「やめてぇ、謝る! 謝るからぁ! 腕を噛み千切ろうとしないでぇ!」

 

 

藍「ど、どこかで見たような光景…だな、ははは」

 

 

妖夢「そ、そうですね」

 

 

妖夢「……」

 

 

妖夢「『紫ぃ♪ 酷いじゃない、プリンがこぼれちゃったわぁ、どうしてしてくれるのぉ♪』かな」

 

 

藍「分かるのか!?」

 

 

妖夢「何となくですけど…」

 

 

 

 

 

 イヤー! ガジガジ

 

 

 

 

 

藍「し、しかし、前の時よりも幽々子殿のあの特技が洗練されているような…」

 

 

妖夢「歩きながらでも四十四秒溜める技術を身につけたんですよ」

 

 

藍(な、なんて無駄な努力を…!)

 

 

妖夢「飽き性のあの人が努力する姿を見ていると…なんか応援したくなっちゃって」

 

 

藍「気持ちは…分からんでもないが」

 

 

紫「ごめん! ごめんなさいぃ!! マジでごめん幽々子ぉ! うぐあぁぁ!」ジタバタ

 

 

幽々子「ふごふごふご♪」ガジガジ

 

 

 

 

 

 

 

 

 《解放されました》

 

 

紫「はぁはぁ…! 藍! ねぇ藍手ぇ! 手みて!? 私の手ぇある!? ちゃんとあるわよね!?」

 

 

藍「大丈夫ですから! ちゃんとありますから!」

 

 

紫「はぁはぁ! …はぁ、また食いちぎられたかと思ったわ…!」

 

 

幽々子「またぁ? 前も今も食いちぎってないと思うんだけどぉ♪」

 

 

紫「食いちぎられる程の痛みと恐怖よ! あなたには分からないでしょうね!」

 

 

幽々子「ぶー♪ なによぉ、今回は紫が悪いじゃない」

 

 

紫「そ、それは…ご、ごめんってさっき」

 

 

幽々子「ダーメ♪ ちゃんと謝って」

 

 

紫「う…ご、ごめんね幽々子、もうお昼ご飯終わってると思って」

 

 

幽々子「せっかく妖夢が作ってくれた特製プリンだったのにねぇ…♪ 残念だわぁ…」

 

 

妖夢「幽々子様、プリンならまた作れば」

 

 

幽々子「そういう問題じゃないの、食べ物が台無しになったのはもちろんだけどあのプリンはあのプリンの味しかしないの、他のプリンは存在しないのよ? 私はあのプリンが食べたかったの」

 

 

妖夢「は!? は、えっと、はい…」

 

 

藍(幽々子殿は怒っているのは確かだ、うん)

 

 

幽々子「紫、私今回は本当に怒っているわ、呼んでくれるのは嬉しいけど食べ物の怨みは何よりも恐ろしいのよ? 妖夢のプリンちゃんの無念も感じるわ」

 

 

紫「幽々子様の仰る通りでございます」ドゲザ

 

 

藍(あ、紫様が小さくなってる)

 

 

紫「…本当にごめんね幽々子、私あなたの楽しみを奪うつもりなんて無かったの、プリンちゃんをこんな無惨な姿にするつもりも無かったのよ」

 

 

妖夢、藍(プリンちゃん…)

 

 

幽々子「…反省してる?」

 

 

紫「えぇ、ごめんなさい…許して幽々子」

 

 

幽々子「…」ジーッ

 

 

紫「うっ…」

 

 

幽々子「…」ジーッ

 

 

紫「…! ゆ、幽々子! な、何でもするから許して!」

 

 

幽々子「ふふっ♪ 今何でもするって言ったわねぇ♪」

 

 

紫「へ…!? はっ!?」

 

 

藍、妖夢「!?」

 

 

幽々子「うふふっ♪ 紫ぃ…! 私のために何でもしてくれるのね♪ 嬉しいわぁ♪」

 

 

紫「ゆ、幽々子しゃん…!?」

 

 

幽々子「私がいくら頼んでもあなたは首を縦に振らなかった事、叶えてもらえる時が来たのね♪」

 

 

紫「!?」

 

 

妖夢、藍「?」

 

 

幽々子「ま・ん・ぷ・く♪ ついに己の限界を知ることが出来るのね!」

 

 

幽々子「満腹を知りたい♪ 叶えてね紫? 約束よ?」

 

 

紫「えぇっ!?」

 

 

妖夢「なっ!?」

 

 

藍「あぁ…」

 

 

妖夢「幽々子様! それはあまりにもやり方が」

 

 

幽々子「だって紫が何でもするって言ったもん♪」

 

 

妖夢「もん♪ じゃないですよ! あなたの満腹などどこにあると言うのですか!」

 

 

幽々子「それを紫が見つけてくれるのよぉ♪ 楽しみ♪」

 

 

妖夢「あぁ…ど、どうしたら」

 

 

紫「悪夢だわ…厄日だわ…」orz

 

 

藍「紫様…その」

 

 

紫「藍…スキマ貯金で足りるとか考えてる? 甘い、甘いわ」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「大昔…破産しかけたのよ? もう百年ぐらい前に挑戦してみようって…私も若かったから…それに私も幽々子の満腹を知りたいのもあったし」

 

 

藍「なんですって!?」

 

 

紫「霊夢に仕送りが出来なくなるわ…」

 

 

藍「心配するとこそこですか!?」

 

 

紫「うぅ…またあの閻魔に頭下げなきゃ…」

 

 

藍「そうですね…四季様に怒られるのも覚悟しましょう」

 

 

紫「幽々子…」

 

 

幽々子「ん~?」ニコニコ

 

 

紫「良いわ、覚悟を決めるわ…でもその前に」

 

 

幽々子「あ♪ 流行りの言葉でしょ? 良いわよ♪ 協力するわぁ♪」

 

 

紫「ありがとうなんだそーなんだー♪」

 

 

藍「やけくそですね…」

 

 

妖夢「ご迷惑をおかけします…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 《二つ目!》

 

 

幽々子「むしゃむしゃしてやったわぁ♪ …ん~、この言葉私使ったことないわぁ」

 

 

紫「えぇ…そうでしょうね…」

 

 

藍(元気が無くなってる)

 

 

妖夢「私も幽々子様が言っているのを聞いた事ないですね」

 

 

紫「そりゃあねぇ…そーなんでしょーよー…」

 

 

藍(もう露骨に元気が無いな!)

 

 

妖夢「むしゃむしゃ…? してやったとは?」

 

 

藍「またデマか…」

 

 

幽々子「でも私が使いそうと思っての流行りの言葉なのかしら? だとしたら使ってあげるのも悪くないわねぇ♪ それにこの言葉から私の波長に合う何かを感じるわ」

 

 

藍「まさかの逆輸入ですか」

 

 

幽々子「それもまた一興、むしゃむしゃは恐らく咀嚼の擬音ね、してやったわぁ♪ はそのままね♪」

 

 

幽々子「紫の腕をむしゃむしゃしてやったわぁ♪」

 

 

紫「ひっ!?」ビクッ

 

 

幽々子「妖夢のご飯をむしゃむしゃしてやったわぁ♪」

 

 

妖夢「日常茶飯事ですよね」

 

 

幽々子「藍ちゃんの尻尾をむしゃむしゃしてやったわぁ♪」

 

 

藍「本気でやらないでくださいよ!?」

 

 

幽々子「ミスティアちゃんをむしゃむしゃしてやったわぁ♪」

 

 

妖夢、藍「ちょっ!?」

 

 

紫「あなたそれ事実じゃない…」

 

 

幽々子「耳だけよ? …まだ」

 

 

妖夢、藍「まだ!?」

 

 

幽々子「ふふっ♪ 良いわねこれ♪ 日常で使ってみようかしら」

 

 

妖夢「多用し過ぎて身を滅ぼさないでくださいよ?」

 

 

幽々子「やぁねぇ♪ そんなことしないわよぉ♪」

 

 

藍(私が妖夢の立場でも同じことを言っていたよ)

 

 

紫「むしゃむしゃ…」

 

 

藍「紫様はお使いにならないんですか?」

 

 

紫「…」

 

 

紫「これ幽々子専用な気がするわね…」

 

 

藍「…そう、ですね」

 

 

紫「私はされる側…どう足掻いてもむしゃむしゃされる側なのよ、腕を二回もむしゃむしゃされたし、そりゃ私が全部悪いんだけど…」

 

 

藍(今日はもうずっとネガティブだな紫様…珍しい)

 

 

幽々子「紫、互いに使い合わない? むしゃむしゃしてやったわぁ♪ って」

 

 

紫「隙があればむしゃむしゃしてやるわ…ゆかりん頑張る」

 

 

幽々子「ふふっ♪ お役に立てた? それと私で最後なのよね?」

 

 

紫「うん…」

 

 

幽々子「そう、それは良かったわぁ♪ それじゃあ人里に行きましょう? 満腹を知るためにねぇ♪」

 

 

妖夢「幽々子様、お腹だけは壊さないでくださいね」

 

 

幽々子「壊れたら満腹なのかもね♪ ほら、早く行きましょ」スタスタ

 

 

妖夢「…紫様、藍さん、幽々子様がご迷惑をおかけします、もう私でも幽々子様は止められません」

 

 

紫「もう誰にも止められないわよ…幽々子の謝礼は…もう満腹で良いわよね…じゃあはい、妖夢への謝礼よ」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

妖夢「これは…布ですか? わぁ! 凄い手触り」

 

 

紫「最高級の布よ、刀の手入れに使いなさいな」

 

 

妖夢「ありがとうございます、大切に使わさせていただきます」

 

 

紫「うん」

 

 

藍「妖夢、このあとなんだが」

 

 

妖夢「お供します、幽々子様を放っとけはしませんから…」

 

 

藍「…ありがとう」

 

 

幽々子「満腹を知るためにむしゃむしゃしてやったわぁ♪ ふふっ♪ 良いわねぇこれ」

 

 

妖夢「何軒店を跨ぐのかなぁ…私の料理もさっき食べたのに」

 

 

藍「紫様…私の貯金も少しなら」

 

 

紫「雀の涙ね…」

 

 

幽々子「さぁ、食べるわよぉ♪」

 

 

紫「…」

 

 

紫「…ゆかりんの貯金がむしゃむしゃされてしまったわぁ♪」

 

 

藍「…」

 

 

紫「くすん…」

 

 

藍「お金も…か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    《ゆかりんメモ》

 

 

 

『取り合えず切る!』 封印

 

 カッコいいけどゆかりん剣士じゃないから微妙かもねぇ、それに妖夢と約束したから使わない。

 

 …この刀本当にどうしようかしら

 

 

『むしゃむしゃしてやったわぁ♪』トラウm

 

 水のような物が滲んで字が読めない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日の談へ続く!

 

 

 

 






 最初の茶番少し減らしたい感はありますね…


 ここまで読んでいただいてありがとうございました、お疲れ様でした♪



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