東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 続きになります、《壱の談》《弐の談》を先に読んでいただければと思います。

 

 冬ですがあのキャラが登場します、そしてあの三姉妹は…?


 それでは始まります♪





《春雪異変 参の談》

 

 

 

 【マヨヒガ、縁側】

 

 

 

 

八雲紫「ふぅ、ゆかりんお着替え完了♪」キャピッ

 

 

八雲藍「随分時間かかりましたね、お着替え」

 

 

紫「そりゃあ乙女の着替えは長いわよ、試着したりとか『今日はこれ…ああん違う~』とかなるでしょ? それに髪もあの鳥に啄まれたからボサボサにされたし~」

 

 

藍「長すぎません? 一時間ですよ?」

 

 

紫「うん」

 

 

藍「……って、えっ!?」

 

 

紫「何よ」

 

 

藍「ちょっ…ちょっと待ってくださいよ紫様! し、試着!? 試着なさってる?」

 

 

紫「うん」

 

 

藍「あなたが?」

 

 

紫「うん」

 

 

藍「同じ服しかないのにですか? 千着以上同じデザインで同じサイズしかないのにですか!?」

 

 

紫「くどいわよ? そうだって言ってるじゃないの」

 

 

藍「えぇ…」

 

 

紫「何なのよさっきから!」

 

 

藍「試着する意味ないじゃないですか! 同じ服なんですからそのままバッと脱いでバッと取ってササッと着れば良いじゃないですか!」

 

 

紫「…」

 

 

藍「私だったらものの二分で終わるのにあなたときたら…待たされるこっちの身にもなって下さいよ!」

 

 

紫「…」

 

 

藍「紫様! 聞いてるんですか!?」

 

 

紫「…藍さぁ」

 

 

藍「何ですか」

 

 

紫「幻想郷の女は少女しかいないのよ? 乙女なのよ乙女」

 

 

藍「それがどうしたん」

 

 

紫「少女のお着替えタイム舐めんな!! このバカちんがぁ!」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「お化粧! 身嗜み! お着替え! 幻想少女の三原則は男は黙って見守りやがれ!」

 

 

藍「はぁ!? なんなんですかそれは! それと聞き捨てなりませんねぇ!? 誰が男ですか!」

 

 

紫「…幻想郷~男前ランキング~♪」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「堂々の三位に輝いたのは…! 八雲ら」

 

 

藍「わっ!? わーわー!! や、やめてください!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「何で知ってるんですか…」

 

 

紫「ゆかりんは何でも知っている♪」

 

 

藍「橙には内緒に…」

 

 

紫「…少女の三原則は?」

 

 

藍「黙って見守る!」

 

 

紫「よろしい♪」

 

 

藍(何で本当に知ってるんだこの人は…あれは文が勝手にやった訳の分からん大会で秘密裏に行われた筈なのに…)

 

 

紫「ふふふのふ…♪ あ♪ そう言えば藍、私前々から聞きたかった事があるんだけど」

 

 

藍「何ですか?」

 

 

紫「服の話に戻るんだけどあなたって服の真下から尻尾出して無いじゃない? 服から貫通してるみたいに出してるけどそれどうやってるの?」

 

 

藍「…何でそれは知らないんですか」

 

 

紫「だって聞いたこと無かったから」

 

 

藍「これは服に穴を開けて、その穴に九本の尻尾を通して出してるんです」

 

 

紫「え?」

 

 

藍「はい?」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「わざわざハサミで丸く切ってるの?」

 

 

藍「妖術でですよ!?」

 

 

紫「そ、そうよねぇ」

 

 

藍「ハサミって今言いましたよね!? 切る訳ないじゃないですか、そんなことしたら…その…丸出しになりますし」

 

 

紫「流石にそこまで変態じゃないか」

 

 

藍「なんですって!?」

 

 

紫「妖怪尻丸出し」

 

 

藍「私が変態…? 冗談は冬眠してから仰って下さい」

 

 

紫「それ橙の前でも同じこと言えるの?」

 

 

藍「…!?」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…くっ…」

 

 

紫(言えないのね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《続きを始めよう♪》

 

 

 

紫「さてさて…続きといきますか」

 

 

藍「今回は二つある人がいるから少し長く感じますね」

 

 

紫「良いじゃない? 流行りは多いに越したことはないのよ?」

 

 

紫「残りは…」

 

 

 

 

 

 《残り》

 

 

 『春ですよー♪』『春ですよぉ?』

 

 

 『鬱だ…死のう…』『躁だ…死のう…』

 

 

 『取り合えず切る!』

 

 

 『ムシャムシャしてやったわぁ♪』

 

 

 

 

 

 

藍「『春ですよー♪』は春になれば嫌でも聞きますからねぇ」

 

 

紫「一年に一回は必ず聞くわよねぇ」

 

 

藍「ですよね、しかし…こっちの『春ですよぉ?』は一体…」

 

 

紫「う~ん、たぶんあっちの方ね」

 

 

藍(あっち…?)

 

 

紫「リリーってさ」

 

 

藍「もう名前出しちゃうんですね…」

 

 

紫「春になるとワラワラ沸いて出てきて、春が終ると何処かに行っちゃうじゃない?」

 

 

藍「春を告げて、役目が終われば消えていく…夏秋冬を跨ぎ春になるまでは出てこない」

 

 

紫「そうなんだけど一匹…いえ、一人だけその条件に当てはまらない子がいるの」

 

 

藍「?」

 

 

紫「春が終わった後も夏、秋、冬と跨いで消えずに妖精の森とかでチルノとかとよく遊んでるのよ、一人だけ」

 

 

藍「え…!? そ、そんなリリー居ましたっけ!?」

 

 

紫「いるわよ? 他のリリー・ホワイトと同じ個体の子なんだけどその子だけは特別…今日はその子に協力してもらいましょうか」

 

 

藍(そんなリリーいたんですか…気づかなかった)

 

 

紫「では、スキマオープン!」スッ

 

 

 

 ギュオン ヒュー ポスン

 

 

 

リリー・ホワイト「うぅっ!?」ボゴォ

 

 

藍「顔面から落ちた…チルノも確かそうでしたね」

 

 

紫「しかし妖精は顔から来る」

 

 

藍「…自分で考えて自分で流行らそうとしてます?」

 

 

紫「しかし妖術で尻尾は出る!」

 

 

藍「私の事はいいですから早く進めましょう?」

 

 

紫「…はぁい♪ リリー、四季の連中と仲良くやってる?」

 

 

リリー・W「ふえっ? ここはどこですよー? あ、紫さんですよー♪」

 

 

紫「はいはい♪ 紫さんですよー♪」

 

 

リリー・W「お久し振りですよー♪ 四季同盟の皆さんとは仲良くさせていただいてますよー♪」

 

 

 

藍「なんか『そーなのかー』に通じるものがある様な…」

 

 

 

紫「そうなの? でも大変でしょう?」

 

 

リリー・W「大変ですかー? そんなことないですよー、レティさんと幽香さんは優しいですし、秋さんたちも…」

 

 

紫、藍「…?」

 

 

リリー・W「優しくないですよー…」

 

 

藍「苦労しているんだな」

 

 

紫「あの子達本当に自重しないわね…秋の季節以外も楽しめばいいのにねぇ」

 

 

リリー・W「秋さんたちは目が死んでて怖いですよー、秋以外の季節の時は大体そんな感じですよー…あっ、狐さん、初めましてですよー」

 

 

藍「八雲藍だ、よろしくな、苦労人同士仲良くしていけそうだ」

 

 

リリー・W「藍さんですね? よろしくですよー♪」

 

 

リリー・W「ところで私はどうして座布団に顔面から落ちたですよー? 妖精の森に遊びに行こうと思ったら突然ここに…ん? ここはどこですよー?」

 

 

藍「あぁ、それは」

 

 

紫「リリー、あなた今ゆうかりんが優しいって言わなかった!?」

 

 

リリー・W「え? 幽香さんは優しいですよー?」

 

 

藍「そこ気になりますか?」

 

 

紫「当たり前じゃない! あのゆうかりんが優しいなんて…恐いわね、向日葵でも降って来るんじゃないかしら」

 

 

リリー・W「向日葵が降って来たら幽香さん喜ぶですよー♪」

 

 

紫「『ひまわりの雨に打たれて血まみれになるがいい、うふふ』的な?」

 

 

リリー・W「幽香さんはそんなこと言わないと思いますですよー」

 

 

藍「変なこと言わないで下さいよ! リリー、状況説明するから紫様の事は無視して聞いてくれ」

 

 

リリー・W「は、はいですよー」

 

 

紫「あなたが落としたのはこの怖いゆうかりんですか? それともこの優しいゆうかりんですか?」

 

 

藍「普通の風見幽香で結構です!」

 

 

リリー・W「幽香さんはゆうかりんというあだ名があるんですよー? 知らなかったですよー♪」

 

 

藍(これは後で『幽香にそのあだ名で呼ぶな』と言われる奴だな、うん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《藍 説明中…》

 

 

 

リリー・W「!! 私たちの言葉が人里で流行ってるですよー!?」

 

 

紫「そうみたいねぇ」

 

 

リリー・W「おぉ…!」キラキラ

 

 

リリー・W「春ですよー♪ これは春ですよー♪」

 

 

リリー・W「私たちがたくさん春をお届けしてきた努力は報われてますよー♪ 凄く嬉しいですよー!」

 

 

紫「油でカラッと揚げてすぐだもんね!」

 

 

リリー・W「それは春巻きですよー!?」

 

 

リリー・W「それにしても、はぁ…! 感激ですよー♪」

 

 

藍「幻想郷が春にはリリーたちがいないとダメ、と認識しだしたのかも知れないな」

 

 

紫「私もあなたたちには感謝してるのよ? あなたたちが春の時季に飛び、舞えばすぐに春は来るからね、私の親友も春が一番好きな季節だし」

 

 

リリー・W「紫さんにまで…! うぅ、感動ですよー!」

 

 

紫「感動してるとこ悪いんだけど、春ですよー♪ はどんなときに使うのかしら?」

 

 

リリー・W「? もちろん春が来た時にですよー」

 

 

リリー・W「あ、でも」

 

 

藍、紫「?」

 

 

リリー・W「自分の気持ちがポカポカしてたり、他の人が嬉しい気持ちになっているのを見たときにも言ったりしますよー♪」

 

 

藍「お、おぉ…! ここにきて凄くまともで優しい言葉がついに」

 

 

紫「ほうほう、じゃあ藍は橙を見るたびに春ですよー♪ なのね」

 

 

藍「そ、そうかもしれませんね」

 

 

紫「ほら、春ですよー♪」

 

 

藍「は、は、春ですよー…///」

 

 

リリー・W「恥ずかしがることないですよー♪ 自分の気持ちに正直になるですよー」

 

 

紫「そうよ藍、自分の気持ちに正直にならないと春に狐の嫁入りで雨が降らないわよ?」

 

 

藍「え? あ、雨ですか!?」

 

 

リリー・W「それは春雨ですよー♪」

 

 

藍「えっ…!?」

 

 

紫「世界の終末が近づく!」

 

 

リリー・W「ハルマゲドンですよー!?」

 

 

藍「それ季節関係ないじゃないですか!」

 

 

紫「良い…! 良いわ春ですよー♪ 凡庸性、可愛さ、ネタとありとあらゆるものに対応出来る力を持ってるわ! リリー! あなたって凄いわ!」

 

 

リリー・W「ほ、褒められてるですよー?」

 

 

藍「嬉しくないと思いますけど…」

 

 

紫「春ですよー♪ 春ですよー♪」

 

 

リリー・W「紫さん楽しそうですよー♪」

 

 

藍「いやいや、ちょっと紫様! 乱用しすぎてリリーの評判を落とさない様にしてくださいね!」

 

 

紫「分かってますよー♪」

 

 

藍「○○ますよーなら何でも言い訳じゃないでしょうに…」

 

 

紫「…リリー、あなた何故ハルマゲドンの言葉を知っているの?」

 

 

リリー・W「…? 分からないですよー」

 

 

藍(『はる○○』ならリリーも返せるのかな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《二つ目!》

 

 

 

リリー・W「春ですよ…おぉー? 春ですよーお…?」

 

 

紫、藍「…」

 

 

リリー・W「こ、これは言えないですよー! 言おうとしても口が滑るですよー」

 

 

紫「…」

 

 

藍「『春ですよぉ?』むぅ、というか既に春ですよーがあるのにこの類似した言葉は何なんだ? 存在する意味があるのだろうか」

 

 

リリー・W「分からないですよー…春ですーよお! 春ですよおー! い、言えないですよー、私はこの言葉は言ったことないですよー!」

 

 

藍「だろうな…紫様、これ本当にリリーが」

 

 

紫「やっぱりあっちの方よね」

 

 

藍「…あっち?」

 

 

紫「藍、ちょっと身構えてなさい」

 

 

藍「え…?」

 

 

紫「リリー」

 

 

リリー・W「はい、なんですよー?」

 

 

紫「…」

 

 

藍(紫様…何を)

 

 

リリー・W「? 紫さん、なんですよー?」

 

 

紫「…」

 

 

リリー・W「?」

 

 

藍「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「春なんてクソ以下だわ」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「春は頭ポカポカ馬鹿ばっかり」

 

 

藍「紫様ぁぁ!! あなた何を言っ」

 

 

リリー・W「ゆ``る`` さ``ん``!!!」

 

 

藍「はっ!?」

 

 

 

 カッ! ボフン!

 

 

 

藍「なっ!?」

 

 

紫「…」

 

 

紫「このリリーだけが特別な理由はね、この子に唯一変身能力があることなの」

 

 

紫「春を貶されたり侮辱されたりすると怒りが黒い気となって高まり、溢れ出し、戦闘力が大幅に上がる」

 

 

紫「そして白から黒へと姿を変える、春を愛する優しさが度を超して春を侮辱する者へ弾幕と言う名の制裁を」

 

 

藍「な、何を言っ…」

 

 

紫「よく秋姉妹が四季連中との談義で大怪我する理由はこれよ、リリーを怒らせたから」

 

 

紫「ほら来るわよ、気が溢れて光だした後、煙と共に立ち上がるあれが」

 

 

リリー・ブラック「…」

 

 

紫「リリー・ブラックよ」

 

 

藍(えええええぇぇ!!?)

 

 

藍(別人じゃないですか! チルノ並みの背格好だったのが紫様並になってる! 大きいな!)

 

 

藍(そもそも気が高まるだの溢れるだのはなんのことなんですか!? 春侮辱したくらいでこんなになりますか!? あのリリーが!?) 

 

 

リリー・B「やぁくもゆかりぃ…!」

 

 

紫「はぁい♪ ブラック、久しいわね」

 

 

藍(声低いな!? …って知り合いなんですか!? それと久しい!? さっきのリリーとは本当に別人じゃないか!)

 

 

リリー・B「久しいですよぉ? フフハハ♪」

 

 

紫「ほんとにねぇ、フフフ♪」

 

 

リリー・B「とぉころでゆかりぃ…さっきの暴言の数々わぁ…」

 

 

紫「もちろん冗談よ、ホワイトの時にも言ったでしょう?」

 

 

リリー・B「フハハ♪ そうでしたよぉ、ゆかりぃは春が大好きですよぉ♪」

 

 

紫「私もよ、正確に言うとね♪ でもあなたを呼ぶために暴言を吐いたのは悪かったと思ってるわ、ごめんなさいね」

 

 

リリー・B「…ゆかりぃは良い人ですよぉ…♪ それに比べてあの大馬鹿どもは…」

 

 

紫「そこまで言わないの、秋姉妹だって素直になれないだけなのよきっと」

 

 

リリー・B「ぬぅ…」

 

 

紫「でも何か言われたらお仕置きはしてあげなさいな、その方が双方いい関係を築けるから」

 

 

リリー・B「ありがたい言葉ですよぉ…これが春ですよぉ?」

 

 

紫「春ですよぉ!」グッ!

 

 

藍(違う絶対に違う…! 春を侮辱する者を懲らしめるための怖い会話ですよ!)

 

 

紫「春ですよぉ…う~んこれは」

 

 

リリー・B「私の流行りぃの言葉ですよぉ? 役に立つですよぉ?」

 

 

紫「う~ん…まあ可愛さは足りないわねぇ」

 

 

リリー・B「むぅ…」

 

 

藍(落ち込むんだ…)

 

 

紫「でも威圧には使えそうよ♪」

 

 

リリー・B「本当ですよぉ!?」

 

 

紫「春を侮辱する奴は!」

 

 

紫、リリー・B「血祭りですよぉ!」

 

 

紫、リリー・B「フハハ!」

 

 

藍「血祭り!? それはやり過ぎだろうリリー!」

 

 

リリー・B「らぁん…そんなこと言わないでほしいですよぉ…」シュン

 

 

紫「藍! 人の心傷つけてたのしいですよぉ!?」

 

 

藍「私今そんなに変なこと言ってないですよね!? ってか心が弱いですね、このリリー」

 

 

リリー・B「ぬ…」スッ

 

 

 シュウウウ

 

 

紫「あら」

 

 

リリー・B「ゆかりぃ…そろそろ終わりの時間ですよぉ」

 

 

紫「そう…残念だわ」

 

 

藍「体から煙が出てますけど…」

 

 

紫「また会いましょ♪ 楽しかったわ、協力ありがとうね」 

 

 

リリー・B「フフ、さらばですよぉ…」フッ

 

 

 カッ! ボフン!

 

 

リリー・ホワイト「う~ん…」フラフラ

 

 

藍「あ、戻った…」

 

 

紫「ゆかりんったら最強ね以来の威圧系か、ゆかりんですよぉ♪」

 

 

藍「言葉遊びで楽しんでるとこ悪いんですけど聞いて良いですか」

 

 

紫「ダメ」

 

 

藍「聞く!」

 

 

紫「うい…」

 

 

リリー・W「め~が~ま~わ~るですよ~…」

 

 

藍「何故こんな変身能力をこのリリーだけが?」

 

 

紫「それは永遠の謎、ゆかりんでも分からんちんよ」

 

 

紫「でも良いじゃない? こういう妖精が一人いても」

 

 

藍「…良いんですかね」

 

 

紫「それに秋姉妹の暴走もとめてくれるしね、さってと、リリーをスキマで送ってあげましょうかね♪」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

紫「ありがとリリー・ホワイト、ブラック…謝礼も一緒にっと…じゃあね♪」

 

 

リリー・W「ムニャムニャ…ですよー…」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

藍「リリーは何で変身解けたら気絶するんですか?」

 

 

紫「エネルギーの酷使よ、あれ相当パワー使うらしいから♪ あ、変身は三分間よ♪」

 

 

藍「短いですね」

 

 

紫「まるで儚い桜の花びらの様ねぇ」

 

 

藍「…」

 

 

紫「ちなみにホワイトはブラックの時の事は何一つ覚えて無いから、変身出来る事さえも知らない筈よ」

 

 

藍「え!?」

 

 

紫「逆にブラックはホワイトの記憶を全て受けついでいるのよねぇ」

 

 

藍「色々と難儀なんですね…」

 

 

紫「そうなんですよー♪」

 

 

藍「だから春関係無いじゃないですか」

 

 

紫「そうなんですよぉ♪」

 

 

藍「ブラックでも駄目!」

 

 

紫「ケチ!」

 

 

藍「ケチで結構!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《二人目!》

 

 

 

紫「うーん♪ 良い春日和だったわね♪」

 

 

藍「今冬なんですけどね」

 

 

紫「よしよし♪ 休憩挟まないで次行くわよ!」

 

 

藍「次行くのは良いんですけど…」

 

 

紫「ん?」

 

 

藍「次の本当にやります?」

 

 

紫「やるに決まってるでしょう? ゆかりん中途半端は嫌い」

 

 

藍「いやその…言いたいから言わせていただきますけどね」

 

 

藍「不安で胸がいっぱいなんですよ! 何ですか!? 『鬱だ…死のう…』とか『躁だ…死のう』とか! この言葉を学んで使いたいと思いますか!?」

 

 

紫「しょうがないじゃない、だって人里で聞いたんだもん」

 

 

藍「何でもかんでも人里のせいにしないでください! これが人里でトレンドなのもヤバイですよ! 大丈夫なのか人里!?」

 

 

紫「大丈夫大丈夫、自警団もいるし慧音もいるじゃない」

 

 

藍「そうではなくてこれは心の問題じゃないですか? それにここにこの言葉の主たちを呼んで大丈夫なのかというのも」

 

 

紫「ああんもうグチグチうっさいわねぇ、もういい! ゆかりん呼んじゃう!」スッ

 

 

 

 ギュオン ギュオン ギュオン

 

 

 

藍「ああっ!?」

 

 

紫「やってやったですよぉ♪」

 

 

藍「うっ…! か、覚悟しなきゃダメか…」

 

 

紫「そんなに身構えなくても大丈夫よ、あの子達だって年がら年中そんな感じじゃないでしょ? 言葉教えてもらうだけじゃない」

 

 

 ヒュー

 

 

 ポスン ポスン ポスン

 

 

 

ルナサ・プリズムリバー「鬱だ…」orz

 

 

メルラン・プリズムリバー「躁だ…」orz

 

 

リリカ・プリズムリバー「もういい加減にしてよぉぉ!!」

 

 

紫、藍「…」

 

 

ルナサ「ソロ演奏? 嘘です、ホントは皆でワイワイやりたいんです…」

 

 

メルラン「魔法最強? 嘘です、魔理沙やアリスとかの前でそんなこと言えません…」

 

 

ルナサ、メルラン「何であんなこと言っちゃったんだろう…」

 

 

ルナサ「鬱だ…死のう…」

 

 

メルラン「躁だ…死のう…」

 

 

リリカ「分かった! 分かったから! それ皆の前で言えば良いじゃん! さらけ出して謝れば良いじゃん! ってかさぁ、速く練習しようよ!」

 

 

ルナサ「妹が公開処刑を望んでるわ…」

 

 

メルラン「ヒャッハー! 首吊りだぜー♪ …って感じで死のう…公開処刑ふふふ…」

 

 

リリカ「ダメダメ駄目だって! その前に私達霊みたいなもんだから死んでる…そんな感じだって前に言われたでしょ!?」

 

 

ルナサ「もうだめだ…」orz

 

 

メルラン「おしまいだぁ…」orz

 

 

リリカ「話聞いてよぉ!」

 

 

紫、藍「えぇ…」

 

 

藍「ゆ、紫様これは…」ヒソヒソ

 

 

紫「お、思った以上に…」ヒソヒソ

 

 

紫、藍(憂鬱になりそう…)

 

 

リリカ「ん!? え、あれ…ここって…」

 

 

ルナサ「あの世か…」

 

 

メルラン「やっとお迎えが…」

 

 

リリカ「違うから! 来てないから!」

 

 

藍「紫様、早くリリカたちを帰しましょう、私耐えられませんよ…!」ヒソヒソ

 

 

紫「……い、いやでもまだ学んで…」ヒソヒソ

 

 

藍「変なプライドは捨ててください…! 自分の身を考え」

 

 

リリカ「あ、紫さん! 藍さん!」

 

 

紫、藍「げっ…!」

 

 

リリカ「…げ?」

 

 

ルナサ「げって言われた…」

 

 

メルラン「嫌われたー♪ わひゃひゃひゃ♪ ……げって言われた…」

 

 

ルナサ、メルラン「死にてぇ…」

 

 

リリカ「やめてよぉ!」

 

 

藍「こっちの説明して、何であんなことになってるのか聞いて、手っ取り早く終わらせましょう…」

 

 

紫「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 《八雲家、説明中》

 

 

リリカ「えぇ、トレンドぉ!?」

 

 

藍「そうなんだ…その…人里でな」

 

 

ルナサ「躁なんだってさ…」

 

 

メルラン「私はいつでも躁だよ…? うひゃひゃひゃ♪」

 

 

リリカ「言葉を変な方に捉えない! …それマジ…なんですか?」

 

 

紫「マジよ、ゆかりんの調査は抜かりなしなの」

 

 

藍(『プリズムリバー三姉妹の中で流行っている』って噂が広まっている可能性にかけよう、うん)

 

 

リリカ「あぁもう…姉さんたちがこんな風になるから」

 

 

藍「こんなになってるルナサ、メルランを見るのは初めてだな…」

 

 

紫「いつも宴会とかでどんちゃん音だしてくれて結構楽しいのにねぇ」

 

 

ルナサ「紫が、私たちを励ましてくれてる…」

 

 

メルラン「嘘だッ!」

 

 

ルナサ「嘘か…」

 

 

メルラン「嘘なんだよ…」

 

 

ルナサ「そうか」

 

 

メルラン「これが」

 

 

メルラン、ルナサ「絶望か」

 

 

リリカ「自爆するのやめなさいよ!」

 

 

藍「リリカ、どうしてこんなにも二人は…その…」

 

 

リリカ「えっと…」

 

 

紫「鬱なの?」

 

 

ルナサ「鬱だよ…」

 

 

紫「躁なの?」

 

 

メルラン「躁だよ…うしゃしゃ…」

 

 

紫「躁なのかー♪」

 

 

メルラン「躁なのだー…」

 

 

紫、メルラン「わはー♪」

 

 

紫「…」

 

 

メルラン「大妖怪が攻めてくる…」

 

 

ルナサ「負け戦よ…」

 

 

紫「藍、私なりの励ましも効かないわ」

 

 

藍「励ましてたんですか!?」

 

 

リリカ「あ、あの、話聞いてくれませんか? トレンド云々は分からないけどこのままじゃどっちも解決しないですし」

 

 

藍「あ、あぁ」

 

 

紫(お悩みはスキマボックス専門なのに…ま、仕方ないわね)

 

 

リリカ「姉さんたち最近何かあるといつもこうなんです、今日も音源と歌の練習しようとしてたのにしてくれなくて」

 

 

リリカ「『音源? そんなもん知らないから、九十九どもにやらせとけ』『歌? 鳥獣伎楽にやらせとけ…』とか言ってずっとこの調子なんです」

 

 

藍「確かに音楽に精通する者が最近幻想郷に増えたな、それが影響しているのか?」

 

 

リリカ「はい、この前もヘカなんとかさんって神様が『私の変Tから溢れるシナジーを聞けぇ!』とか言って鳥獣伎楽とコラボしてましたし」

 

 

藍「えぇ…」

 

 

紫「ふ~ん♪」

 

 

紫(ヘカテー神も楽しそうねぇ…♪ 幻想郷、気に入ってくれてる証拠かしら♪)

 

 

リリカ「私たちは宴会の人気者だからそれで良いじゃん! って私言ったんですけど『いつその座を奪われるか不安』『人気者の座を何時も狙われるのは辛い』…その繰り返しで」

 

 

藍「…他には?」

 

 

リリカ「う~ん……あっ! 音楽家人気投票が辛いって訳の分からない事を言ってたんですけど…」

 

 

藍「音楽家人気投票? …そんなものがあるんですか?」

 

 

紫「知らない」

 

 

リリカ「ファンの間で流行ってるみたいなんです、別に私は順位なんて気にしてないんですけどね」

 

 

ルナサ「こいつ言いやがった、同じグループでやってるのに…」

 

 

メルラン「人気投票! さぁこいさぁこい…! そんな時代もありました…」

 

 

ルナサ「もう見るのも辛いわ…」

 

 

メルラン「死にてぇ…」

 

 

リリカ「あっ…! わ、悪かった悪かったから…!」

 

 

ルナサ「実の妹に首噛まれたわ…」

 

 

メルラン「裏切り者は死刑じゃー! うひゃひゃ…! はぁぁ…」

 

 

リリカ「裏切ってないから!」

 

 

ルナサ「また嘘言ってる」

 

 

メルラン「どうせ九十九姉妹や雷鼓さん、鳥獣伎楽とソロコラボしようと策を練ってるのよ」

 

 

ルナサ「うわぁ…へこむわぁ…」

 

 

メルラン「鬱だ…」

 

 

ルナサ「それ私のせりふだぁ…」

 

 

メルラン「間違えちゃった…うひひひ…」

 

 

リリカ「いい加減にしてよぉ!! 一緒に練習しようよ!」

 

 

ルナサ「鬱だ…死のう…」

 

 

メルラン「躁だ…死のう…」

 

 

リリカ「うわぁぁ!!」

 

 

藍「じゅ、重傷だな…リリカの身が持ちそうにないですね、紫様何とかしてあげ」

 

 

紫「鬱だ…死のう…」

 

 

藍「おぉう!?」

 

 

紫「ご乱心、略してご藍心を見るの辛いわ…憂鬱…」

 

 

藍「ちょっ…!」

 

 

紫「うひゃひゃひゃ!? ゆかりんゆゆこんゆうかりーん♪」

 

 

藍「!?」

 

 

紫「つれぇわ、ゆゆこんって誰よ…幽々子ごめんね…」

 

 

藍「辛いなら意味が分からないことを言わないでくださいよ!」

 

 

紫「藍、この言葉はダメだわ…こっちまで憂鬱になるもの」

 

 

藍「その様に考えてくださって逆にお礼言いたいですよ、乱発されたらこっちまで憂鬱になります」

 

 

紫「妖怪の心を抉られるわね、会ったばかりの妖怪にこんな言葉浴びせたら消え失せるんじゃないかしら」

 

 

藍(紫様が言ったら消え失せるでしょうね、大妖怪が鬱とかヤバイ…って感じで)

 

 

紫「まぁ、そんなことよりリリカ」

 

 

リリカ「は、はい?」

 

 

紫「ふふっ♪ サービスよ」スッ

 

 

リリカ「え…?」

 

 

紫「ほら、シャキッとなさい」

 

 

メルラン「それは野菜の様に? それとも果物の様に?」

 

 

ルナサ「果物が食べられなくなったら鬱だわ…」

 

 

紫「訳の分からないこと言わないの、人気だとか何だとかそんなのどうでも良いじゃない」

 

 

メルラン、ルナサ「皆そう言うよ…」

 

 

紫「そりゃそうよ、皆人気なんて気にして無いんだから」

 

 

メルラン、ルナサ「!」

 

 

紫「自由気ままに好きに生きてこそ幻想郷の住人よ、回りの目なんて気にせず常に自分を強く持ちなさい」

 

 

メルラン、ルナサ「…」

 

 

リリカ「紫さん…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「私はあなたたちの演奏好きよ、博麗神社での演奏、白玉楼での演奏、旋律の違う曲の数々…どっちも味があって素敵じゃない」

 

 

メルラン「私たちの演奏が…」

 

 

ルナサ「素敵…?」

 

 

紫「でも今のあなたたちの演奏なんか聞きたくないわ、人や妖怪の心を地に落とす勢いの憂鬱、躁状態の演奏なんか聞かされたらこっちの身が持たないもの…だからシャキッとなさい、後は妹の言葉にも素直に耳を傾けなさいな、せっかく救おうとしてくれているのに」

 

 

メルラン、ルナサ「…!」

 

 

リリカ「…」

 

 

メルラン「リリカ…その…」

 

 

ルナサ「えと…リリカ…」

 

 

メルラン、ルナサ「ごめんなさい」

 

 

リリカ「…ふん」

 

 

メルラン、ルナサ「う…」

 

 

リリカ「家帰ったら練習…だよ?」

 

 

メルラン、ルナサ「!」

 

 

メルラン、ルナサ「うん!」ニコッ

 

 

リリカ「…! ふふっ♪」ニコッ

 

 

藍「…紫様」

 

 

紫「ん?」

 

 

藍「ほ、本当に紫様ですよね…?」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

紫「つれぇわ偽者呼ばわりとか…鬱だ…死のう…」orz

 

 

藍「あっ!? えっと…! も、申し訳ありませんでしたぁ!」

 

 

紫「クルァ! いつもゆかりんがふざけてると思ったら大間違いよ!?」

 

 

藍「いつもふざけまくってるから信じられないんですよ! スキマボックスのノリじゃないですし!」

 

 

紫「う~わ、またそう言うこと言う…鬱だ…し」orz

 

 

藍「うわあぁ! も、申し訳ありません! 申し訳ありませんでしたぁ!」

 

 

紫「ふ~んだ! 藍の九尾! 八雲!」プンスカ

 

 

藍(わ、悪口なんですか!? それは)

 

 

紫「……え~プリズムリバー四しま…いや、プリズムリバー三姉妹、ご協力ありがとうね」

 

 

ルナサ「え? 協力?」

 

 

メルラン「私たち紫さんに何かしましたっけ?」

 

 

紫「ああ、良いのよ良いのよ、知らず知らずの内に協力してたなんて良くあることよ♪」

 

 

ルナサ、メルラン「?」

 

 

リリカ「ふふっ…♪」

 

 

紫「それで謝礼のことなんだけど最近練習してなかったんでしょう? と言うことは人前で演奏も最近は無し…だから機会をあげるわ、それを謝礼がわりにさせてね? ちょっと耳かしなさい」

 

 

ルナサ、メルラン、リリカ「?」スッ

 

 

紫「…」ボソボソ

 

 

ルナサ、メルラン、リリカ「…」コクコク

 

 

紫「…どう?」

 

 

ルナサ「そ、それはありがたいけど」

 

 

メルラン「でも大丈夫なんですか?」

 

 

紫「大丈夫大丈夫、私の友達だって言えば何とかなるわよ♪」

 

 

リリカ「…二人とも紫さんがせっかくチャンスをくれたんだからさ、やってみようよ」

 

 

ルナサ「…うん、ちょっと不安だけど」

 

 

メルラン「うん、頑張ろう!」

 

 

紫「ふふっ♪ 済んだわね、はいお帰りは足元のスキマから♪ 帰ったら直ぐに向かうのよ?」スッ

 

 

 ギュオン ギュオン ギュオン

 

 

 

ルナサ「はい! 紫さん、藍さん、それじゃ♪」スッ

 

 

メルラン「色々迷惑かけました~♪」スッ

 

 

リリカ「紫さん、藍さん」

 

 

紫、藍「?」

 

 

リリカ「ふふっ♪ 色々とありがとうございました♪」スッ

 

 

 ギュオン ギュオン ギュオン

 

 

藍「…何を耳打ちされたのです?」

 

 

紫「偽者は多くを語らないわぁ♪」

 

 

藍「ご、ごめんなさいって謝ってるじゃないですか」

 

 

紫「…まあ、あの子たちが元気になる魔法の呪文よ」

 

 

藍「?」

 

 

紫「ふふっ♪ さってと、藍、お昼にしましょ♪ お腹すいたわ」

 

 

藍「あ、続けてやらないんですね」

 

 

紫「次は身内問答みたいなもんだしねぇ、それに今お昼時だから」

 

 

藍「…? あ」

 

 

紫「今いきなりスキマで呼んだら食事の邪魔者として私は食われかねない、良いわね?」

 

 

藍「はい…」

 

 

紫「食べ物の怨みは…ねぇ…」

 

 

藍「はい…恐ろしいですからね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    《ゆかりんメモ》

 

 

 

『春ですよー♪』 とても良い

 

 そーなのかーに匹敵する汎用性! 素晴らしいわ♪

 

 

 

『春ですよぉ?』 威圧系?

 

 春にそこら辺の妖怪にやってみようかしら? 聞く感じでこう…ね♪

 

 

 

『鬱だ…死のう…』『躁だ…死のう…』封印

 

 妖怪の使う言葉じゃ無いわね、封印封印♪ あの三姉妹が使うのも封印推奨ね、でないとレイ…あの子に悪いもの♪

 

 

 

 

 

   続く!

 

 

 

 







 リリーがブラックに変身する…という形で同一人物としています。


 ルナサとメルランは心のアップダウンが激しいです、音楽家の感性の一つ…だと捉えてあげて下さい。


 それではここまで読んでくださってありがとうございました、お疲れ様でした♪



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