東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

32 / 70

 今回はタイトルの通り月の民が幻想郷に遊びに来ます♪ あの方が登場…?


 ほのぼのとギャグが7:3で話が出来ていると思います、例にもよって文字数がまた多くなってしまいましたが楽しんでいただけたら幸いでございます


 それでは始まります! 





《第6話》『遊来!! 月の民!!』

 

 

 【マヨヒガの縁側 昼 14:30】

 

 

八雲紫「…」

 

 

八雲藍「…」

 

 

 

綿月豊姫「…」

 

 

綿月依姫「…」

 

 

レイセン「…」

 

 

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

豊姫「…」

 

 

依姫「…」

 

 

レイセン「…」

 

 

 

 

 

 

 

紫「いい? 私が貴様らに言いたい事は二言」

 

 

藍(貴様ら…って)

 

 

紫「…」

 

 

 

 

 

 

 

紫「お前ら、嫌い、さっさと帰れ」

 

 

依姫、レイセン「!」スッ

 

 

藍「…」

 

 

豊姫「…」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…? えっ、三…」

 

 

豊姫「三言になっていませんか?」

 

 

紫「…!」

 

 

藍「…」

 

 

豊姫「…」

 

 

依姫「…」

 

 

レイセン「…」

 

 

 

 

紫「いい? 私が貴様らに言いたい事は二言」

 

 

藍(えぇ!? ま、まさかの言い直し!?)

 

 

 

 

 

紫「お前ら、嫌いさっさと帰れ」

 

 

依姫、レイセン「!」スッ

 

 

豊姫「…」

 

 

藍(いや、二言ですけども…)

 

 

 

 

 

紫「とっとこ帰れぃ」

 

 

依姫「!」

 

 

豊姫「…ハム○郎?」

 

 

紫「そうよ、とっとこ帰りやがれ」

 

 

豊姫「ハ○太郎ではないですか」

 

 

紫「ハム太○の何が悪いのよ」

 

 

豊姫「可愛いですよね、○ム太郎」

 

 

紫「えぇ、可愛いわね」

 

 

豊姫「…依姫も可愛いと思いますよね?」

 

 

依姫「えぇもちろん! 特にリボンを着けたあの白いハムス…!」

 

 

藍、レイセン「えっ」

 

 

紫「ん?」

 

 

依姫「はっ!!?」

 

 

豊姫「…」ニヤニヤ

 

 

依姫「い、いえお姉さま…ちち、違うのですよ? 何故私がハムちゃ…いえ、ハムスターが主人公の物語なぞに」

 

 

紫「あぁ? なに? 隠れファンなの?」

 

 

依姫「ち、ちが…」

 

 

豊姫「貴方の部屋にその類いのグッズがちらほら」

 

 

依姫「!?」

 

 

藍(さらっと秘密暴露してるが)

 

 

レイセン(な、なんですとぉ!? ……い、いや…依姫様が玉兎の間で流行っている可愛いハムスターのキャラのファンな訳がないじゃない、私は依姫様を信じます!)

 

 

紫「引くわぁ、月の兎たちの教育係の奴がまさかのハムスター好きとか…兎好きであってほしかった私の身にもなりなさいよ」

 

 

依姫「だ、黙れ貴様ぁ!」スチャッ

 

 

紫「お~怖い、でもそんなにいきり立って私に刀を向けてるって事は肯定してるとみなして良いのかしら」

 

 

依姫「バカなことを言うな! 何故私があんなものを…」

 

 

レイセン(あ、あんなもの…)ズーン

 

 

豊姫「…依姫」

 

 

依姫「お姉さまもデタラメを言わないで下さい、さ、早く用を済ませ」

 

 

豊姫「大好きなのは?」

 

 

依姫「ひ~まわりの種~♪ ……はっ!!?」

 

 

紫、レイセン「あっ」

 

 

豊姫「ふふっ♪」

 

 

紫「兎よりネズミ好きのよっちゃん」

 

 

豊姫「依姫、ここに来る前に貴方の部屋で飼っているジャンガリアンちゃんにエサはあげてきたの?」

 

 

依姫「これ以上は勘弁してくださいお姉さまぁぁぁ!」

 

 

レイセン(依姫様もハムスター好きなんだ…う、嬉しい様な…う~ん)

 

 

藍(こんなんだったかなぁ…月の民って)

 

 

 

 

 

 

 

依姫「くっ…///」カァ

 

 

紫「恥ずかしがるなら歌に乗らなきゃいいのにねぇ♪」

 

 

依姫「う、うるさい! 乗ってなどいない! 乗っていたとしても、あれはお姉さまのノリに乗ってしまっただけのことだ!」

 

 

 

豊姫「さらっと私のせいにされてないかしら」ヒソヒソ

 

 

レイセン「そ、そんな事はないと思います」ヒソヒソ

 

 

 

 

紫「よしんばそうだったとしてもあなたのハムスター好きは変わらないんじゃないかしら?」

 

 

依姫「ぐっ…」

 

 

紫「飼っているんでしょう?」

 

 

依姫「そ、それは…」

 

 

豊姫「貴方の自慢のジャンガリアンちゃんのお名前は?」

 

 

依姫「レイセンとイナバから取ってレイナと名付けましてね、もう…もうですね、ひまわりの種を頬張る姿がとても可愛くて…♪ ふふっ♪」クネクネ

 

 

紫「側にいる玉兎が『うわぁ、コイツマジか…』みたいな眼差しでよっちゃんを見ている」

 

 

依姫「!?」クルッ

 

 

レイセン「!! そ、そんなこと思って無いです! 見ても無いです!」

 

 

豊姫「部下ですからね、上司には気を使ってしまうものです」

 

 

依姫「れ、レイセン! 私をそんな目で見ないでくれ…!」

 

 

レイセン「見て無いですって! 大丈夫ですから依姫様!」

 

 

藍(紫様なんか月の民と仲良くしてませんか?)

 

 

紫「な~にが大丈夫と言うのかしらねぇ♪ 自分から秘密を暴露していくスタイルの上司のさぁ」

 

 

レイセン「…! こ、これ以上依姫様を侮辱しないでください!」チャキッ

 

 

紫「別に侮辱なんてしてないわよ、よっちゃんお得意の自爆芸を誘発させて遊んでただけのこと」

 

 

レイセン「そういうのを侮辱していると言うのです!」

 

 

紫「……あのさぁ、そうやっていちいち剣だの銃だの向けてくるのやめてくれない? 怖いんですけど」

 

 

紫「玉兎の教育は一体全体どうなっているのかしら、ハムスターを愛でてる暇があるなら部下の教育に力を注ぎなさいってのよねぇ? 藍?」

 

 

藍「私に言われましても…」

 

 

藍(紫様がまともな事を言ってらっしゃる…しかも相手は大嫌いの月の民なのに…)

 

 

紫「そこのレイセン二号、永遠亭の鈴仙を見習いなさい、あなたには優しさが足りないのよ」

 

 

レイセン「! ……」

 

 

レイセン「私は玉兎、月の軍人です…優しさなんていらないんです」

 

 

豊姫、依姫「…」

 

 

レイセン「私はあの人の様にはなれません」

 

 

紫「まぁ鈴仙は一人で充分、二人いる必要は無いものねぇ」

 

 

紫「でもその優しさがあったからこそ、私の幻想郷に鈴仙は流れ着き、貴様らの大好きな八意様の元で楽しそうに生活している」

 

 

紫「もしかして三人揃って鈴仙が羨ましいのかしら?」

 

 

豊姫、依姫、レイセン「……」

 

 

豊姫「肯定します、私たちは鈴仙が羨ましいのです」

 

 

依姫「お姉さま…」

 

 

レイセン「…」

 

 

紫、藍「…」

 

 

豊姫「今日右を向けばあの方が、明日左を向いてもあの方が側にいる…あの子はこれからもずっとあのお方のお側に居続けられるのですからね、私たち姉妹からすればこれほどの幸せはありません、そしてこのレイセンも八意様から直々にお世話を受けた身ですしね」

 

 

紫「幸せの事を言ったら輝夜もじゃないのかしら」

 

 

豊姫「そうですね、ですが輝夜は八意様にとって特別なのです、あの方は輝夜の為なら地位や身分も惜しまない」

 

 

依姫「…」

 

 

豊姫「本当に…羨ましい限りです」

 

 

紫「はっ…そんな二人を妬んだりしないの? パルパルしないの?」

 

 

依姫「そんなことはしない、八意様が私たちにそうなってほしくないと望んでおられるからな」

 

 

豊姫「八意様の名を傷付ける様な真似を私たちはいたしません」

 

 

紫「立派な忠義心だことで」

 

 

豊姫「貴方には縁遠い言葉ですね」

 

 

紫「上の存在を周囲に作ればそれに従う毎日、そんなもんは願い下げなのよ」

 

 

豊姫「相も変わらず自由な妖怪だこと」

 

 

紫「私には誉め言葉ですわ」

 

 

豊姫、紫「…」

 

 

藍(なんか不思議な空間…というか雰囲気だな、お互い敵対している身の筈なのに殺気をまったく出していない…チクチク小言は言っているが)

 

 

藍(紫様に至っては新年の景気付けに月に一発大砲射撃かましてるのになぁ…こちらもやり返されて文句言えない立場なのだが)

 

 

藍(綿月姉妹はどう思っているのだろうか…)

 

 

 

 

 

 

 【そして本題へ…】

 

 

 

紫「それで貴様らここに何しに来たの? 宣戦布告でもしに来たの?」

 

 

豊姫「いいえ、そうではありません、貴方にお話がありまして」

 

 

紫「今さらこのゆかりん様にお話だぁ? 私知ってるのよ、貴様らが暇な時間を見付けては無断で私の幻想郷に入り込んで永遠亭に遊びに行ってることを」

 

 

紫「幻想郷への不法侵入、並びにオカルト異変への関与…この件に関して月側からの清算をされてない様な気がするんですけど?」

 

 

豊姫「貴方の年に一度の月への大砲射撃…純狐、ヘカーティア・ラピスラズリ、クラウンピースが幻想郷に居着いた」

 

 

紫「…」

 

 

豊姫「清算されてませんか?」

 

 

紫「はぁ?」

 

 

豊姫「私からすれば大砲が月への異物不法侵入、先の月の異変であの三人が幻想郷の新たな戦力になった」

 

 

紫「…」

 

 

豊姫「いかがでしょう」

 

 

紫「……」

 

 

紫「勘違いしないでもらいたいわね、あの三人を私は戦力として見てはいないわ」

 

 

豊姫「ならばなんと?」

 

 

紫「私の幻想郷を好きになってくれた…それだけで充分、私はあの三人を歓迎、そして感謝している」

 

 

依姫「どうだかな、お前の事だ、地獄の女神共々利用し、また月との戦争を企てているのではないのか?」

 

 

紫「もしそれを私が望んでいて実現させたとしたら今度こそ本当にその扇子で私を塵にするがいいわ」

 

 

依姫「…」

 

 

藍「紫様…」

 

 

豊姫「…分かりました、私と妹の身勝手な勘違いをお許し下さい」

 

 

依姫「お姉さま…しかし、よろしいのですか?」

 

 

豊姫「こういう場で八雲紫は言葉を軽率には扱わないものです、信じましょう」

 

 

依姫「…はい」

 

 

紫「ただ純狐の復讐は彼女だけのもの、私の月への攻撃と混同しない様に注意することね」

 

 

豊姫「大砲射撃等は続けるのですか…まぁ、肝に銘じておきましょう」

 

 

依姫「何故我等に大砲射撃を続ける」

 

 

紫「一年の景気付け、それと貴様らが大嫌いだから! 以上!」

 

 

依姫「お姉さま! やはり先程の言葉を信じるには判断材料がまだまだ足りません! とても信じられたものでは…!」

 

 

豊姫「相も変わらず本音の事柄の強弱が激しいですね…依姫慣れなさい、これが八雲紫なのですから」

 

 

紫「余裕のよっちゃんなんでしょ、さっさとゆかりんに慣れなさいよ」

 

 

依姫「変なあだ名を付けるなぁ!」

 

 

レイセン(あの依姫様が振り回されるなんて…)

 

 

藍(やっぱり大砲気にしてたのか…)

 

 

 

 

 

 

紫「で? 話ってなんなの?」

 

 

豊姫「話というよりかお願いになりますね」

 

 

紫「願い?」

 

 

豊姫「いつもなら月から永遠亭に直行しているので、こんなところに来る必要は無いのですが今回は少々こちらに事情がありましてね」

 

 

紫「藍、こんなところって言われてる事に関してぶちギレたら私の負けなの?」

 

 

藍「勝ち負けの問題ではないと思いますけど…いちいち気にしてたら話合いになりませんよ?」

 

 

紫「つれぇわ…」

 

 

藍「話が進まないじゃないですか」

 

 

依姫「ふざけてないで話を聞け」

 

 

紫「へいへい」

 

 

豊姫「いいですか? その事情を貴方に話しておかないと後々八意様に迷惑が掛かると思いここに来たのです、私たちは貴方に願いを聞いてもらうという立場にありますからね…見返り有り、八意様は関係無し、私たち三人の願いになります」

 

 

紫、藍(…?)

 

 

豊姫「さて…その願いなのですが二つあります、一つはこの私の妹、依姫の願いになります」

 

 

豊姫「依姫は博麗の巫女、博麗霊夢との談話を希望しています」

 

 

依姫「かなり前になるが月にロケットで彼女等が来たとき、諸々の理由で霊夢が少しの間月の都に滞在したことがあっただろう、霊夢が都に滞在している間私が都の案内をしたりと色々と世話をしていた、今となってはいい思い出だ」

 

 

依姫「その時を思い出したらまた霊夢と話がしたくなったんだ…私と同じ様な能力を持っていた故か、意気投合して話に花が咲いたからな」

 

 

依姫「八雲紫、お前にこの願いを私がするのはお前にとって霊夢が特別な存在であると耳にしたからだ、こうやって願いを聞き入れてもらわなければ、話もさせてもらえないだろうからな」

 

 

藍「あぁその通りだ、まず間違いなく談話の最中に横槍が入るだろう」

 

 

紫「らぁん…あなたはどっちの味方なのかしら?」

 

 

藍「もちろん紫様の味方ですが、事実は事実として伝えなければと思いまして」

 

 

紫「明日天狗の新聞に『八雲藍、月へ謀反の兆候あり!?』と書かれない様に注意なさい」

 

 

藍「やめなさいよ!? もっと酷い捏造をされそうで怖いですから!」

 

 

豊姫「私たちを嫌い、博麗霊夢に近付けさせまいとする気持ちと、博麗霊夢の好きにさせてあげたいという気持ちのどちらが大切なのか賢い貴方なら分かる筈です」

 

 

紫「…うっさいわね」

 

 

豊姫「そしてもう一つ、これは貴方がやってくれれば直ぐに解決してしまう事なのですが、これに関してはこちらの不手際ですので私たちで対処したいのです、それを踏まえて私たち三人からのお願いになります」

 

 

紫、藍「?」

 

 

豊姫「実は幻想郷に来る道中もう一人の同行者とはぐれてしまいましてね、その者の捜索の為、ここにいるレイセンに幻想郷中を捜索させていただく許可を願いたいのです」

 

 

レイセン「よ、よろしくお願いします!」

 

 

紫「ちなみにそいつは誰」

 

 

豊姫「稀神…サグメ様です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【人里】

 

 

 

稀神サグメ「…」

 

 

ルーミア「…」ジーッ

 

 

サグメ「…」

 

 

ルーミア「…」ジーッ

 

 

サグメ「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーミア「迷子なのかー?」

 

 

サグメ「……そうではない」

 

 

ルーミア「そーなのかー」

 

 

サグメ「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

 

 

ルーミア「ほんとーにそーなのかー?」

 

 

サグメ「…そうである」

 

 

ルーミア「ほー…そーなのかー」

 

 

サグメ「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

 

 

 

 

ルーミア「まい」

 

 

サグメ「迷子ではない」

 

 

堀川雷鼓「そうなの?」

 

 

物部布都「いや、我には分かるぞ! お主は迷子であろう! そうであろう!」

 

 

ルーミア「やっぱりそーなのかー♪」

 

 

雷鼓「やっぱりそーなのねー♪」

 

 

布都「やはりそーであったかー♪」

 

 

ルーミア、雷鼓、布都「わはー♪」

 

 

サグメ「!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 【マヨヒガ】

 

 

紫「あの天探女(あまのさぐめ)が迷子ぉ?」

 

 

依姫「違う! サグメ様が迷子になるわけないだろう」

 

 

紫「はぐれて幻想郷をさ迷ってる時点で完全に迷子じゃない」

 

 

豊姫「確かにサグメ様は今、迷子状態ではあります」

 

 

依姫「お、お姉さま!?」

 

 

レイセン「豊姫様!」

 

 

紫「えぇ~…この私が月の民であることを差し引いても一目置いている奴だったのに…結構抜けてるところがあるのねぇ」

 

 

藍「どんなに優れた人物でもそういうところがあるんですね」

 

 

紫「特技がご乱心の藍に言われちゃおしまいだわねぇ♪」

 

 

藍「とく…!? い、いやあれは断じて特技では…!」

 

 

 

レイセン「よ、よろしいのですか? 迷子状態なんて」ヒソヒソ

 

 

豊姫「月のワープ装置の誤作動でサグメ様だけ別の場所に飛ばされた、なんて言えばまた八雲紫は小言で返してくるはずですから」ヒソヒソ

 

 

依姫「しかし迷子状態という言い方ではサグメ様が能天気にフラフラとどこかに行ってしまう様なお方だと捉えられてしまう可能性も」ヒソヒソ

 

 

豊姫「……」

 

 

豊姫「言い間違えちゃったかもしれませんね♪ 私ったらついうっかり♪」

 

 

依姫、レイセン(えぇー!?)

 

 

 

豊姫「と、とにかくです! 八雲紫、この願い聞き入れてはもらえませんか?」

 

 

紫「……まぁ別に良いけど」

 

 

紫「でもその代わり、私からは条件を出させてもらうわ、願いを聞いてあげる為の条件、これを飲まないと願いは聞いてあげない」

 

 

豊姫「いいでしょう」

 

 

紫「まず…よっちゃん」

 

 

依姫「誰がよっちゃんだ」

 

 

紫「霊夢に危害を加えないこと、掠り傷一つでも着けたらよっちゃんの上半身と下半身が永遠にさようならする事になるわよ」

 

 

依姫「話をするだけだと言ってるだろうが、戦いに行くわけではないんだぞ……あぁ分かった、その条件飲もう」

 

 

紫「よし…次、そこの玉兎」

 

 

レイセン「!」

 

 

紫「幻想郷中を捜索することは許可しましょう♪ ただし…! 捜索中にその背負ってる銃を発砲しないこと、もし発砲したらその可愛らしいウサ耳を引きちぎってやるわよ」

 

 

レイセン「ひっ…!? わ、わわ分かりました!」

 

 

紫「よろしい、で? これからの各々の行動は?」

 

 

豊姫「私はこのまま永遠亭へ」

 

 

依姫「博麗神社で霊夢と話をした後、永遠亭へ」

 

 

レイセン「サグメ様を捜索、発見し、共に永遠亭へ」

 

 

紫「幻想郷の管理人、八雲紫の名を持ってその願いを聞き入れましょう、くれぐれも先程提示した条件を破る事はしないよう肝に銘じなさい」

 

 

藍「…」

 

 

紫「…それで? 見返りはなに?」

 

 

豊姫「これでどうでしょうか」

 

 

紫「…!」

 

 

豊姫「貴方の親友の亡霊が私達の屋敷から堂々と盗み出した酒と同じ物です」

 

 

紫「…余程よっちゃんと霊夢を会わせたいらしいわね」

 

 

豊姫「私の可愛い妹の望んでいる事に手を差し伸べてあげたいだけですよ」

 

 

紫「あっそ…」

 

 

豊姫「交渉成立ですね」

 

 

紫「はいはい、出来ればゆっくりしないでサッと済ませてサッと帰ってね♪」

 

 

依姫「…では、一旦別れましょう」

 

 

紫「無視すんなクルァ」

 

 

藍「今は静かにしててください」

 

 

豊姫「えぇ、レイセン、サグメ様の事は頼みましたよ」

 

 

レイセン「お任せ下さい!」

 

 

紫「あ、そうそうよっちゃん」

 

 

依姫「?」

 

 

紫「霊夢にあなたの大好きなハムスターの話をしてもこれっぽっちも興味を示さないと思うわよ♪」

 

 

依姫「う、うるさいっ!」

 

 

紫「ふはははは♪」

 

 

 

 

 

 

 

紫「はぁ…この八雲のゆかりんも甘くなったもんね」

 

 

藍「う~ん、私はそうは思いませんけどね」

 

 

紫「ちょっとは思ってほしいところなんですけど…この私が月の民のお願いを聞いてやったのよ?」

 

 

藍「確かにあれは意外でしたね、紫様が首を立てに振るとは思いもしませんでした、でも見返りも貰ってしまってるんですからこちらも文句は言えないです」

 

 

紫「そこなのよねぇ~…受け取ってしまった時点で私の負けだもん」

 

 

藍「勝ち負けの問題じゃないと思いますけど…」

 

 

紫「そればっかりねぇ…はぁ、なんか調子狂うわ…いつものゆかりんじゃないわ…」

 

 

藍(バリバリいつもの紫様だった様な気がするんですけど)

 

 

紫「藍、このあと仕事しろなんて言わないでよ? 流石の私でもキレるわよ」

 

 

藍「………はい」

 

 

紫「その間はなに!」

 

 

藍「いえ…」

 

 

紫「失礼しちゃうわね! ほら、行くわよ藍」スッ

 

 

 ギュオン!

 

 

藍「スキマで何処に行くんですか?」

 

 

紫「白玉楼よ、今日はこの酒飲んで嫌な事は忘れる! レッツプチ宴会!」

 

 

藍「…」

 

 

紫「あ~ん♪ 待っててね幽々子ぉ♪ 今から月の民摂待で手に入れたお酒持って行くから~♪」

 

 

藍(月の民がここに来たときはどうなることかと思ったが…なんか安心しましたよ、いつもの紫様で)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【人里】

 

 

サグメ(……何故こうなったのだろうか)

 

 

サグメ(私は豊姫たちと共に永遠亭の前にワープする筈だったのだが…故障でもしたのか?)

 

 

サグメ(いや…それよりもだ)

 

 

布都「はっ!? って流れに乗っかっておる場合ではないわぁ! お主! 我が買った団子を勝手に食ったであろう!」

 

 

ルーミア「! く、食ってないのだー!」

 

 

布都「嘘を申すな! 団子屋の縁台で我が食べていた団子を涎を垂らしながらまじまじと見ておったではないか!」

 

 

雷鼓「そうなの?」

 

 

ルーミア「濡れ衣なのだー! 信じてほしいのだー!」

 

 

サグメ(何故私の目の前で争う…)

 

 

布都「では何故我が皿から目を離した隙に串に刺さった団子が四つ消えていたのだ!」

 

 

ルーミア「じ…自分で食ったんじゃないのかー?」

 

 

布都「ぬ…? そ、そうであったか…?」

 

 

ルーミア「! きっとそーなのだー!」

 

 

雷鼓「そうなの? って言いたいところだけど、私の探偵のビートが高鳴っているのよね」

 

 

布都「た、探偵とな?」

 

 

雷鼓「ええ、あなた、団子は何本買ったの?」

 

 

布都「団子が四つ刺さっているのを二本じゃ」

 

 

雷鼓「二本…じゃあ買った後の状況を思い出してみて?」

 

 

布都「むう……買って縁台に座り、皿を縁台に乗せ、涎を垂らしてこちらを見ているこやつを見つつ、一本手にとって団子を四つ食べたな」

 

 

ルーミア「食ってねぇのだ」

 

 

雷鼓「ちょっと待っててね、その後は?」

 

 

布都「…そうじゃ、お主が団子屋の前を歩いているのを見たから声を掛けたのじゃ、お主付喪神であろう? こころ殿から話は聞いておるでな、我もお主と話して見たかったのじゃ」

 

 

雷鼓「あら、こころちゃんの知り合いなの? なるほど、だから私を呼んだのね…あぁ、それで?」

 

 

布都「おぉそうじゃった、それでもう一本食べようと団子皿に手を伸ばして串を手に取ったら…」

 

 

雷鼓「その串のお団子が消えていたのね」

 

 

布都「そうじゃ、それで団子が突然消えたことに我は不覚にも狼狽えてしまい、キョロキョロ辺りを見回していたら」

 

 

布都「先程まで近くにいて涎を垂らしていたこやつが団子屋から走って遠ざかるのが見えたのじゃ」

 

 

雷鼓「それであなたは走って追い掛けたのね、私も呼び掛けられてたし、その呼んだ相手が急に走るから気になって追い掛けて来たの」

 

 

布都「心遣い感謝するぞ」

 

 

雷鼓「良いのよこれくらい♪ で、あなたは本当に食べてないの?」

 

 

ルーミア「食ってねぇ」

 

 

布都「段々と言葉遣いが荒くなっとる気がするが…」

 

 

雷鼓「でもねぇ、団子が急に消えるなんてあり得ないのよねぇ」

 

 

ルーミア「か、風でぶっ飛んだんじゃないのかー?」

 

 

雷鼓「団子の重みがあるから突風クラスの風じゃないと飛ばないと思うの、今日は風強くないじゃない」

 

 

布都「そのぐらいの風なら我は起こせるが、自分の団子を吹き飛ばす程馬鹿ではないぞ?」

 

 

雷鼓「…ええっと、ならもう犯人はあなたよね」

 

 

布都「ほれみろ! 犯人はお主以外にはおらんのじゃ! 観念せい!」

 

 

ルーミア「ヌグッ…! お、愚か者共めっ! は、犯人は他にいるのだー!」

 

 

布都、雷鼓「えっ…?」

 

 

ルーミア「は、犯人は…真犯人はこの片翼の奴なのだー!」

 

 

雷鼓、布都「な、何だってー!?」

 

 

サグメ「!?」

 

 

ルーミア「私は見てたのだ、物陰から団子を狙うこの片翼をな!」

 

 

布都「な、なんじゃとぉ!?」

 

 

サグメ「…」

 

 

雷鼓「そうなの? …かしら」

 

 

布都「まさかお主が真犯人じゃったとは…盲点じゃった!」

 

 

サグメ(何をもっての盲点なのだろうか)

 

 

布都「神妙にせい真犯人! 盗人はこの我が成敗してくれる!」

 

 

ルーミア「プッ…そーなのだー! せーばいしてやるのだー!」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(マズいな…只でさえここが何処だか分からないのにいきなり団子泥棒だと仕立て上げられるとは、ここは恐らく幻想郷の人里だとは思うのだが)

 

 

サグメ(下手にして騒ぎを起こせば八意様に迷惑が掛かる、それに幻想郷の住人は月の民に嫌悪を抱いている輩も多いと聞く…さて、どうしたものか)

 

 

雷鼓「…ねぇ、あなた本当に団子泥棒の真犯人なの?」

 

 

サグメ「!」

 

 

ルーミア「な、何を言っているのだ! こいつが真犯人なのだ!」

 

 

布都「この者もこう申しておる、物陰から団子を狙っていたと証言まであるのだぞ!?」

 

 

雷鼓「でもこの人からはそんなソウルを感じないのよね、泥棒とかしそうなタイプの人では無さそうだし」

 

 

布都「し、しかしじゃな」

 

 

サグメ「…!!」

 

 

サグメ(見付けた…!)

 

 

サグメ「…」スッ

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「?」

 

 

 サグメはルーミアの口元辺りを指差した

 

 

ルーミア「!」

 

 

布都「ん? なんじゃ?」

 

 

雷鼓「…? …!!」

 

 

ルーミア「な、なんなのだ真犯人! 悪足掻きはよすの」

 

 

雷鼓「待って」

 

 

布都「どうしたのじゃ?」

 

 

雷鼓「…」

 

 

雷鼓「ごめんね、ちょっと口閉じててもらえる?」

 

 

ルーミア「?」

 

 

雷鼓「…」ジーッ

 

 

ルーミア「…」

 

 

雷鼓「…! …」スッ

 

 

 雷鼓はルーミアの唇に自分の人差し指をなぞらせ…

 

 

ルーミア「んぷっ…」

 

 

雷鼓「んっ…」ペロッ

 

 

 人差し指を自分の口に持っていって先端を舐めた

 

 

布都(な、なんぞ…/// 何故か顔が熱くなるのを感じる…///)

 

 

雷鼓「…ねぇ、あなたの食べていた団子ってもしかしてみたらし団子?」

 

 

布都「ぬ? おぉそうじゃ、何故分かったのじゃ?」

 

 

雷鼓「…妖怪の少女さん」

 

 

ルーミア「な、なんなのだ」

 

 

雷鼓「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

布都「…?」

 

 

サグメ「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷鼓「人から奪ったみたらし団子の味は格別だったのかー?」

 

 

ルーミア「とぉっっても美味かったのだー♪」

 

 

雷鼓、ルーミア「わはー♪」

 

 

ルーミア「あっ」

 

 

雷鼓「…」

 

 

サグメ「…」

 

 

布都「…」

 

 

ルーミア「…!」

 

 

雷鼓、布都、サグメ「…」ジーッ

 

 

ルーミア「…! !!」アセアセ

 

 

ルーミア「わ…わはー…♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布都「お主ではないかぁぁぁ!!」

 

 

ルーミア「うぬおぉぉぉ! は、離すのだぁー!」ジタバタ

 

 

雷鼓「うーん…私の探偵のビートもまだまだね、まさか真犯人に踊らされるなんて」

 

 

サグメ(先程から口にしているが、ビートの意味を分かっていて使っているのだろうか)

 

 

雷鼓「ごめんなさいね、あなたを巻き込んでしまったわ」

 

 

サグメ「…別に気にしていない」

 

 

雷鼓「ふふっ、心が広いのね」

 

 

サグメ「…そうでも…ない」

 

 

雷鼓「謙遜しなくても良いのよ♪ さて…と」

 

 

布都「人の物を盗り、それに対して嘘を付き、挙げ句には人のせいにするとは妖怪の中の妖怪! 妖怪の鏡の様な奴じゃ! 我が成敗してくれる!」

 

 

ルーミア「ふっ…」

 

 

布都「何が可笑しい!」

 

 

ルーミア「盗られる方がわりぃのだぁ!」

 

 

布都「反省もしておらんのかお主はぁ!!」

 

 

雷鼓「ねぇ、どうこの子を成敗するの?」

 

 

布都「決まっておろう! 塵と消えるまで退治し続けてくれるわ!」

 

 

ルーミア「なのかっ!?」

 

 

雷鼓「あはは…成敗が退治に代わっちゃってるし、ちょっとやり過ぎだと思うわ、それはやめた方がいいわね」

 

 

布都「ではどうするのじゃ! 我のこの怒りをどう静めれば…」

 

 

雷鼓「ん~、あなた人里の寺子屋の生徒さんよね?」

 

 

ルーミア「そ、それがどうしたのだ」

 

 

雷鼓「確か寺子屋の先生って怒ると凄く恐いって聞いた事があるんだけど」

 

 

ルーミア「…!? け、慧音に言う気か!? や、辞めるのだ! 頭突きだけは嫌なのだ!」

 

 

雷鼓「その様子だとよっぽど恐いみたいね、可哀想だけど今から寺子屋に行きましょう」

 

 

布都「なるほど、然るべき場所で罰を…ということじゃな♪」

 

 

雷鼓「そういうことよ♪ さ、行きましょう」

 

 

ルーミア「ぬおぉぉぉぉ! 嫌なのだぁ! 離すのだぁ!」ジタバタ

 

 

サグメ(…一難去ったか)

 

 

布都「おぉそうじゃお主、疑って悪かったの、まんまと妖怪の掌で踊らされるところじゃった」

 

 

サグメ「…気にしていない」

 

 

雷鼓「あ、ねぇ、あなたも一緒に来てくれないかしら、証人は多い方が良いから」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(着いていくか? いや、着いていってまた騒ぎに出くわしたら大変だ…だが寺子屋の教師ならば地理に詳しい筈だ、永遠亭の場所を聞けるかもしれないな、幻想郷に土地勘がない私にはチャンスだ)

 

 

雷鼓「でも強制はしないわ、嫌なら」

 

 

サグメ「いや…分かった、着いていこう」

 

 

雷鼓「そう♪ 良かったわ♪」

 

 

布都「では共に行こうぞ!」

 

 

ルーミア「はーなーせーなーのーだー!」ジタバタ

 

 

サグメ(吉と出るか凶と出るか…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 【人里、寺子屋】

 

 

上白沢慧音「こんのぉ……大バカモンがぁ!!」スッ

 

 

 ゴガァァァン!!

 

 

ルーミア「ひぎゃあぁっ!!」

 

 

雷鼓、布都、サグメ「!!?」

 

 

慧音「盗んで嘘付いて人のせいにしただと…!? ルーミア! お前は何をやっているんだ!」

 

 

ルーミア「あっ…うぐぁ…!! あ、頭が割れたのだぁ!!」ジタバタ

 

 

慧音「大丈夫だ、お仕置き用の頭突きだからな、頭なら割れてないぞルーミア! そんなことより聞くんだ!」

 

 

 

雷鼓、布都、サグメ(うわぁ…)

 

 

雷鼓(あの子のスクリームから分かるわ…先生の頭突きのビートがとんでもない物だということが)

 

 

布都(と、屠自古の電撃よりも恐ろしいかもしれん…)

 

 

サグメ(あれでお仕置き用か、本気の頭突きをまともに食らえば只では済まないだろうな)

 

 

 

慧音「ルーミア! 先生は悲しいぞ! 何でこんなことをしたんだ!」

 

 

ルーミア「だ、団子が目の前に有ったら食うしかねぇのだ…! わ、私は自分の食欲に従っただけなのだ…」

 

 

慧音「…」

 

 

ルーミア「美味しそうだったから…食ったのだ…」

 

 

慧音「もしもの話だが、ミスティアが屋台で料理の仕込みをしているところにお前が出くわしたとしよう」

 

 

慧音「その時己の腹が減っていたらミスティアの屋台の料理をつまみ食いするのか?」

 

 

ルーミア「そ、そんなことはしないのだ!」

 

 

慧音「何故しない、自分の食欲には従うんだろう?」

 

 

ルーミア「みすちーは友達だから『食べていいよ』とか言われるまでは食わねぇのだ…みすちーの商売魂は傷付けられないのだ…」

 

 

慧音「自制、出来るではないか」

 

 

ルーミア「…」

 

 

慧音「だが人の物を盗ったら泥棒だ、自制出来て友達想いで賢いルーミアなら分かる筈だろう」

 

 

慧音「物部布都は自分でお金を払い、団子を購入したんだ、いつもお前たちが寺子屋の帰りに駄菓子屋でお菓子を買っているようにな」

 

 

慧音「自分でお金を払って買ったお菓子を誰かに盗られたらルーミアだって許せないだろう? 『一口食べてみるか?』 と友達同士で聞くのとは訳が違うんだ」

 

 

慧音「団子はルーミアに盗まれたんだ、物部布都が怒るのも当たり前だろう、お前に団子を与えるという行為をしてなかったんだからな、全部一人で食べたいという楽しみを味わいたかったんだ、食通のお前なら分かるな?」

 

 

ルーミア「…」

 

 

慧音「嘘を付いたことと人のせいにしたことは許される事ではない…それをやって成功したという楽しみや体験を自分の中で見付けて無意識に作ってしまうとクセが付いてもっとやってしまうんだ」

 

 

慧音「最悪、さっきのミスティアの屋台でつまみ食いや友達に平気で嘘を付いたりするようになる、バレなきゃ問題ない、無問題だと自分で正当化し、それはさらに激しさを増す」

 

 

慧音「自分の大切な友達に対して嘘を付き続ける、何かあればすぐに人のせいにして難を逃れる…そんなことを続けていたらな、友達が友達じゃなくなるんだ、付いた嘘はお前の知らないところで友達にバレてルーミアという存在に不信感を覚える」

 

 

慧音「そんなことあるわけないと自分に言い聞かせていると痛い目に遭うんだ…不信感が不信感を呼びお前に近付く者はいなくなり、やがてお前は一人になってしまう…友達がいなくなってしまうんだ」

 

 

ルーミア「…!」

 

 

慧音「一人は辛いぞ…? 一人で闇の中さまよう…お前にそんなことを私はさせたく無いんだ」

 

 

慧音「分かってくれルーミア、お前を皆が嫌う様なタイプの人間…いや、妖怪にしたくないんだ、だから…皆から嫌われる妖怪になるんじゃない」

 

 

慧音「ルーミア、分かってくれたのならちゃんとあやま…!」

 

 

ルーミア「…け、けい…ね…グスッ…」

 

 

慧音「ルーミア…」

 

 

ルーミア「グスッ、ヒグッ…ううぅ…!」ポロポロ

 

 

慧音「…おいでルーミア」ニコッ

 

 

ルーミア「うわぁぁん! けーねぇ!」

 

 

 ルーミアはポロポロと涙を流しながら慧音に抱き着いた

 

 

慧音「おっとと…ち、力が強いな、あはは…」

 

 

ルーミア「けーねぇ…! グスッ、うぐぅ…! グスッ…!」ポロポロ

 

 

慧音「まったく大バカ者め、人の物を盗む程腹が減っているなら何故私のところに先ず相談しに来ない、先生そんなに信用ないか?」

 

 

ルーミア「ううぅ…そ、ぞんなごどはないのだ…グスッ…」ポロポロ

 

 

慧音「…」ニコッ

 

 

慧音「正直な、チルノたちならお前がどんなことをやろうとも嫌いになったりしないし、すぐに許してくれるだろう、だが傷付いたり嫌な思いはすると思う…こればっかりは遊びとノリでどうこう出来んものだ」

 

 

慧音「分かってくれたみたいで本当に良かったよ、ルーミア」

 

 

ルーミア「! グスッ…ううぅ…」

 

 

 

雷鼓、布都、サグメ「…」

 

 

雷鼓「良い人ね、優しくて素敵な旋律の持ち主だわ」

 

 

布都「うむ、人格者とは慧音殿の為にある言葉なのかもしれんのう」

 

 

サグメ(幻想郷で生きる者の師弟関係、いや…教師と生徒の関係も月と何ら変わらないのだな…眩しくもあり、美しくもある)

 

 

サグメ(言い方は悪いが、良いものを見せてもらったよ)

 

 

 

 

 

 【五分後…】

 

 

 

ルーミア「ごめんなさい」ペコッ

 

 

雷鼓、布都、サグメ「…」

 

 

慧音「…」

 

 

ルーミア「盗み食いをしてしまってごめんなさい、あなたのせいにしてしまって本当にごめんなさい」

 

 

布都、サグメ「…」

 

 

ルーミア「もう盗み食いも、人のせいにしたりもしません…本当にごめんなさい」

 

 

ルーミア「もうしません、どうか許してください」

 

 

布都、サグメ、雷鼓「…」

 

 

布都「ふっ…なんじゃ、お主ちゃんと謝れるではないか」

 

 

ルーミア「!」

 

 

布都「我も少し大人気なかったかのう、子供が団子を盗み食いしたぐらいであんなに問い詰める必要もなかったと今では思うのじゃ」

 

 

布都「正直、我はあまり妖怪は好かん、好かんが…話が分かる妖怪は嫌いではないぞ♪」

 

 

布都「それにあんなものを見せられて許さん様では物部の名が泣くというものじゃ」

 

 

布都「じゃからお主のことを我は許そうぞ」

 

 

ルーミア「! ほ、ほんとかー!?」

 

 

布都「もちろんじゃ、それにお主が良ければ我と仲良くしてくれても良いぞ♪ お主のことは嫌いではないでな♪ はっはっは♪」

 

 

ルーミア「あ、ありがとうなのだ!」

 

 

雷鼓「あ、ならそれに私も混ぜてくれるかしら♪」

 

 

ルーミア「!」

 

 

雷鼓「私は被害者じゃないし、あなたに謝られる必要が無いのよね…でもあなたのその友達想いの気持ちに私の心のビートが熱く激しく高鳴っているの、この私の気持ちには素直になりたいの」

 

 

ルーミア「そ、そーなのかー…?」

 

 

慧音、布都、サグメ「…」

 

 

慧音「つ、つまり…物部布都のようにルーミアと仲良くなりたいと?」

 

 

雷鼓「そうよ♪」

 

 

ルーミア「お…お、おぉ…あ、ありがとうなのだ」

 

 

慧音(反省中とはいえ、あのルーミアがノリで困惑するとは…私も音楽のことはさっぱりだがな)

 

 

布都(この者の言うことは難しいのう、ハイカラ過ぎるということか?)

 

 

サグメ(彼女は音楽家なのだろうか、音楽家というものの感性は良く分からん)

 

 

ルーミア「…! あ、あの…」

 

 

サグメ「!」

 

 

ルーミア「あ、あなたのせいにして本当にごめんなさいなのだ、許してほしいのだ」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(一呼吸で百文字以内ならば口に出せる、月の技術のお陰で私の能力は発動しない様にはしてあるのだが…)

 

 

サグメ(如何せん私は口下手だ…上手く私の思いを言葉で伝えられれば良いのだが)

 

 

慧音「…すまない、あなたにとってはとても許しがたい事だったのだな」

 

 

サグメ「…!」

 

 

慧音「だがどうか言葉だけでも掛けてやってはくれないだろうか…ルーミアもこの通り反省している、勝手な言い分だとは百も承知だが…どうか」

 

 

ルーミア「ごめんなさい…」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(いつもの調子で伝えてみるか)

 

 

サグメ「……そうではない」

 

 

ルーミア、慧音「えっ…?」

 

 

サグメ「私は最初から貴方に怒って等いないのだ」

 

 

サグメ「巻き込まれ、団子泥棒に仕立て上げられたのは事実だが…それに関して私は貴方を責めたりはしない」

 

 

サグメ(寧ろお礼を言いたいぐらいだ、ワープ先が永遠亭で無く土地勘の無い幻想郷の人里…途方に暮れていた私に道を示してくれたからな、迷子呼ばわりされたのは少し空しかったが)

 

 

ルーミア「ど、どうしてなのだ、私はスゴく悪いことを」

 

 

サグメ「先程のやり取り、貴方のその謝罪の気持ち…もう充分だ」

 

 

サグメ「それでも許しが欲しいと言うのなら、言葉で伝えよう」

 

 

サグメ「私は貴方を許す、怒って等いない」

 

 

ルーミア「ほ、本当か…?」

 

 

サグメ「本当だ」

 

 

ルーミア「…! 許してくれて…あ、ありがとうなのだ…!」

 

 

布都、雷鼓「…」

 

 

慧音「ふふっ…ありがとう、私の生徒を許してくれて」

 

 

サグメ「…当然の事だ」

 

 

サグメ(…ふっ、どうやら吉だったようだな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーミア「慧音、何処行くのだ?」

 

 

慧音「ん? あぁ今から私用で稗田亭にな、少し阿求と話をするんだ」

 

 

ルーミア「そうかー…」

 

 

慧音「ん? 何だ? 寂しそうだな」

 

 

ルーミア「そ、そんなわけねぇのかー!」

 

 

慧音「こら、先生に向かってその言葉使いはやめろと言っているだろう」

 

 

ルーミア「わはははー…♪」

 

 

慧音「ふっ…じゃあな、ルーミア」スッ

 

 

ルーミア「…慧音」

 

 

慧音「うん?」

 

 

ルーミア「…」

 

 

ルーミア「わ、私の事叱ってくれてありがとな…これからも先生としてよろしくお願いするのだ」

 

 

ルーミア「慧音は良い先生だ…だ、だから…」

 

 

ルーミア「だ…だ…」

 

 

慧音「?」

 

 

ルーミア「だ…大好きだぞ…慧音先生…!」

 

 

慧音「…!? そ、そそそうか…! あ、ありがとう…! き、きょ、教師冥利につ、つきるよ!」

 

 

ルーミア「わ、わはー♪ 行ってらっしゃいなのだ、気を付けてな!」

 

 

慧音「お、おう…ま、またな、ルーミア…」スッ

 

 

 

慧音(くっ…な、なんて不意討ちだ…! ま、マズイ…! ニヤケ顔で人里を歩き回る訳には…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【そしてそして】

 

 

 

サグメ(……いかん、あの教師に永遠亭への道を聞くのを忘れていた、だがあの雰囲気の中で聞くということを出来ただろうか)

 

 

布都「のう、せっかくこうして仲良くなったのだ、各々自己紹介でもせんか?」

 

 

雷鼓「良いわね♪ 自己紹介のビートを奏でましょう♪」

 

 

ルーミア「やるのかー♪」

 

 

サグメ(この三人、初対面だったのにも関わらず最初に会った時にやったあのポーズと言葉…何かしらの波長が合っているのかもしれんな)

 

 

サグメ(…あ、私も自己紹介しなければならなくなってしまっているな)

 

 

 

 

布都「我は物部布都、尸解仙である」

 

 

雷鼓「しかいせん?」

 

 

ルーミア「歯医者さん専門なのかー?」

 

 

布都「お主間違うておるぞ? 歯科医の専門という意味ではないぞ? てかなんじゃ歯科医の専門というのは」

 

 

ルーミア「じゃあなんなのだー?」

 

 

サグメ「尸解仙…自ら死を選び、物…例えば剣でも壺でも何でもいい、それに自分の魂を宿らせ、然るべき時の後、その物体が自分の姿となる術であったな」

 

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

 

雷鼓「そうなの?」

 

 

布都「おぉ! そうであるぞ! お主は物知りじゃのう」

 

 

サグメ「…そうでもない」

 

 

ルーミア「返事があるしかばねってかー?」

 

 

布都「なんか変にまとめられた気がするが、まぁそういうもんなんじゃろうなぁ…我は」

 

 

サグメ(自ら穢れを…生と死に恐怖するのは生物の基本的な概念なのかもしれんな)

 

 

 

 

雷鼓「堀川雷鼓よ、和太鼓の付喪神なの♪ よろしくね」

 

 

布都「先も言うたかもしれんがお主のことはこころ殿から聞いておるぞ、熱く激しいびーとそうる? じゃったか? それを持っているとか」

 

 

雷鼓「あら♪ こころちゃんがそんなことを…♪ 同じ付喪神仲間にそう言ってもらえると嬉しいわね」

 

 

ルーミア「ほー、太鼓なのか、なら自分が叩かれるのは好きなのかー?」

 

 

雷鼓「えぇ、大好きよ♪」

 

 

ルーミア「えっ…」

 

 

雷鼓「…? あぁ、私の中にそういう物があるわけでは無いのよ、ただ…そうねぇ太鼓の性というか…人に叩かれる事が喜びだから」

 

 

布都「難儀じゃのう」

 

 

サグメ「苦労している…のか?」

 

 

雷鼓「えぇまぁ…ん~八橋からも言われてるのよ、その言い方だと色々と危ないって」

 

 

ルーミア「真性ドMじゃなくて安心したのだ」

 

 

サグメ(この子は何処でこんな言葉を覚えてくるのだろうか)

 

 

 

 

ルーミア「妖怪のルーミアなのだ、さっきは本当にごめんなのだ、これからは仲良くしてほしいのだー」

 

 

布都「うむ、ルーミア、改めてよろしくであるぞ」

 

 

サグメ「…よろしく頼む」

 

 

雷鼓「よろしくね♪ あ、ねぇ、あなたがやっていたあのポーズ、もう一回やって?」

 

 

ルーミア「お? これかー?」スッ

 

 

雷鼓「そう、それよそれ、可愛いわ♪」

 

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

 

雷鼓「そーなのよー♪」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓、サグメ「わはー♪」

 

 

サグメ「…!?」

 

 

雷鼓「あら、またわはーって言っちゃったわね」

 

 

布都「うむ、先程も『わはー』と口に出してしまったな、我の意識とは別の感じじゃ」

 

 

雷鼓「無意識にノリノリにさせるなんて最高のビートじゃない♪」

 

 

雷鼓「良いわ…! 凄く良い…! 一言でノリに乗らせるビートがひしひしと私を研ぎ澄ませてくれてるっ!」

 

 

ルーミア「そー…なのかー?」

 

 

布都「雷鼓殿の音楽的な感性がまだイマイチ良く分からんのう、びーととは難しい言葉じゃ…」

 

 

ルーミア「みすちーなら…分かるかなー」

 

 

サグメ(私に無意識に口を開かせるとは…しかしさっきは私の口は開かなかったのに何故今になって)

 

 

サグメ(まさかこの子と仲良くなる、或いは他人の関係ではなくなる事が『わはー』と言わせるトリガーになっているのか…? 辻褄はあってしまう…か?)

 

 

 

 

 

サグメ「稀神…サグメだ」

 

 

布都「ほう、サグメ殿というのか」

 

 

ルーミア「サグメかー♪ よろしくなのだ」

 

 

雷鼓「カッコいい名前ね♪ その片翼もカッコいいわ♪」

 

 

サグメ「そうでもない…とは思うが」

 

 

布都「のうサグメ殿、最初に会った時から気になっていたのじゃが、サグメ殿の種族はなんなのじゃ?」

 

 

サグメ「…!」

 

 

ルーミア「妖怪じゃないのかー?」

 

 

雷鼓「どうかしら…うーん、その片翼…」

 

 

雷鼓「もしかして天使?」

 

 

ルーミア「んお? あのドMのことかー?」

 

 

雷鼓「えっ? あぁあの天人さんじゃなくて、あの神の使いの」

 

 

布都「天使ではないのではないか? 頭の上に輪っかが無いではないか」

 

 

雷鼓「そんなアナログな天使今時居ないと思うの」

 

 

布都「ぬぉっ…! や、やはり時代は移り変わっていくものなのじゃな…我も早くハイカラな感性を身に付けたいものじゃ」

 

 

布都「じゃが一つはっきりしたのう、サグメ殿は天使であろう、そうであろう!」

 

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

 

雷鼓「そうなの? …って私が言ったんだったわね」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(そうではないのだが、この者たちに本当の事を告げても良いのだろうか)

 

 

サグメ(月の民であること、そしてあのオカルトボールを通じて幻想郷を混乱させたのは他でもない私だ…全ての真実を話す必要は無いが、私自身負い目は感じている…月の民であることを暴露するのは得策ではないか)

 

 

サグメ(嘘を……! ……嘘、か…)

 

 

ルーミア「…?」

 

 

サグメ(ふっ、私自身が反面教師になってどうするというのだ)

 

 

サグメ(これも何かの運命、この者たちの心を信じて吐露すべきだな)

 

 

 

サグメ「…そうではない」

 

 

布都「な、なんと!」

 

 

雷鼓「そうなの?」

 

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

 

布都「天使ではないのならサグメ殿はなんなのじゃ?」

 

 

サグメ「私は…」

 

 

サグメ「…つ」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「つ…?」

 

 

サグメ「…つ、月の民である」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「…!」

 

 

サグメ「…」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「月の民…」

 

 

サグメ「そうだ」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「…」

 

 

サグメ(……やはり月の民であることを話すべきでは無かったか、この者たちにとってもタブーで)

 

 

雷鼓「へぇ、じゃあ永遠亭の人たちの知り合いなの?」

 

 

ルーミア「輝夜の知り合いかー?」

 

 

布都「サグメ殿が月の民、う~む…我の描いていた月の民のいめーじとは全然違うのう」

 

 

サグメ「!」

 

 

雷鼓「イメージ?」

 

 

布都「うむ、なんかこう…高圧的な態度を崩さず、自分たちだけの世界だけに閉じ籠ってこそこそしておるいめーじじゃ」

 

 

雷鼓「あはは、それはちょっと偏見だと思うわよ? あの兎さん…鈴仙さんだったかしら、彼女はそんな風には見えないもの」

 

 

ルーミア「輝夜も良い奴なのだ、たまに寺子屋に来て先生してくれるのだ」

 

 

雷鼓「それに永琳さんだって人の為に薬を作ってるって聞くしねぇ」

 

 

布都「…我の偏見が過ぎた様じゃな、すまぬサグメ殿、月の民であるならば彼女等とも知り合いであろう、彼女等の事を悪く言ってすまんかった」

 

 

ルーミア「月の民は良い奴が多いーのかー♪」

 

 

サグメ「…! いや、良いのだ、私の方こそ貴方たちに偏見を持っていたからな」

 

 

ルーミア「偏見かー?」

 

 

サグメ「私は月の民は幻想郷の者たちに嫌われているのだと勝手に思っていたんだ」

 

 

雷鼓「そっか…だから自分の正体を話づらかったのね」

 

 

サグメ「…そうである」

 

 

ルーミア「ほー…でも月の民を嫌いだなんて思うやつは聞いたことがねぇーのだー♪」

 

 

布都「そうじゃのう、太子様も月の民の行動には注意せよと仰っておったが嫌いというわけではなさそうだしのう」

 

 

雷鼓「博麗の巫女さんを筆頭にね、だからサグメさん、あまりそういうことは気にしないで良いと思うわよ」

 

 

ルーミア「ここは幻想郷だからなー♪」

 

 

布都「答えになっておるのかのう、まぁでもそうかもしれんのう♪」

 

 

サグメ「…」

 

 

サグメ(八雲紫を基準として考えていたからかな、思えば月面戦争や純狐に関わっていない者は月の民に敵意や嫌悪を抱いていないのかもしれないな…ふっ)

 

 

サグメ(自分の目で確かめられて良かった…)

 

 

サグメ「ありがとう」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「?」

 

 

サグメ「私の偏見を変えてくれたからな、貴方たちには礼を…と」

 

 

布都「それは我とて同じじゃサグメ殿、我も月の民に偏見を持っておったのじゃからな」

 

 

ルーミア「偏見って怖いもんなんだなー」

 

 

雷鼓「そうね、でもこれで悩む必要も偏見を持つ必要も無くなったわね♪」

 

 

布都「そうであるな、これで我らは本当に仲良くなれたというわけじゃ♪」

 

 

ルーミア「そーなのかー♪」

 

 

雷鼓「そーなのよー♪」

 

 

布都「そーであるのかー♪」

 

 

サグメ「…そ、そーである」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓、サグメ「わはー♪」

 

 

ルーミア「わーははー♪」

 

 

布都「はっはっは♪」

 

 

雷鼓「ふふっ♪」

 

 

サグメ「…/// ふっ…♪」

 

 

 

 

 

 

 

布都「そういえばサグメ殿、サグメ殿は一人なのか? 月から来たのなら他に連れがおるのではないのか?」

 

 

サグメ「それは色々と訳があってな」

 

 

雷鼓「良かったら聞かせてくれない?」

 

 

ルーミア「力になるのだ♪」

 

 

サグメ「! …聞いてくれるか」

 

 

雷鼓「もちろんよ」

 

 

布都「うむ」

 

 

ルーミア「なのだっ♪」

 

 

サグメ「ありがとう…実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

【その頃レイセン 人里、清鈴屋】

 

 

レイセン「うわぁぁぁ! こ、こんなことしてる場合じゃなーい!」

 

 

清蘭「え?」

 

 

鈴瑚「どったのレイセン」

 

 

レイセン「落ち着いて団子なんてゆっくり食ってる場合じゃないのよ! 早くサグメ様を探さないと」

 

 

清蘭、鈴瑚「…まぁまぁまぁまぁ♪」

 

 

レイセン「何がまぁまぁまぁまぁなの!?」

 

 

清蘭「お客さ~ん♪ 団子なんてって酷い言い方しないでくださいよ」

 

 

鈴瑚「ゆっくり食べていってね♪ 玉兎のNo.2さん♪」

 

 

レイセン「二人ともなんかノリがおかしくない!? さ、サグメ様ぁぁぁ!」

 

 

鈴瑚「サグメ様と団子どっちが大事なのよ!」

 

 

レイセン「サグメ様に決まってるでしょ!」

 

 

鈴瑚「えっ…」

 

 

レイセン「えっ?」

 

 

鈴瑚「そんな…ひ、酷い…! レイセンのためにせっかく作ったのに…!」

 

 

鈴瑚「酷いよぉ…シクシク…」

 

 

レイセン「いや…えっ…は!?」

 

 

清蘭「ちょっとレイセン…酷くない?」

 

 

レイセン「えぇ!?」

 

 

清蘭「謝ってよ! 謝りなよ!」

 

 

レイセン「な、何でそんなことで…」

 

 

鈴瑚「シクシク、シクシク…」

 

 

レイセン「いやいや、それに鈴瑚完全に嘘泣きじゃん! シクシクって言っちゃってるじゃん!」

 

 

鈴瑚「シクシ……シクシク」

 

 

レイセン「ほらぁ! 今絶対こっち見たって!」

 

 

清蘭「良いからとっとと謝れぇ!」

 

 

レイセン「!? わ、分かりましたー! ご、ごめんなさい、ごめんなさい鈴瑚!」

 

 

清蘭、鈴瑚「分かれば良いのよ♪」

 

 

レイセン「!?」

 

 

清蘭「ゆっくり♪」

 

 

鈴瑚「団子を食べていってね♪」

 

 

レイセン「いーやー! このノリ大嫌いー!」

 

 

清蘭、鈴瑚「うははは♪」

 

 

 団子責めにあっていた

 

 

 

 

【その頃豊姫は 永遠亭】

 

 

豊姫「痛いっ…! いたた」

 

 

八意永琳「あなたがてゐの落とし穴に引っ掛かるなんてね」

 

 

豊姫「ま、まさか永遠亭の入り口に掘ってあるとは思いもしませんでしたので…」

 

 

鈴仙・優雲華院・イナバ「てぇゐ! よくも豊姫様を落っことしてくれたわねぇ!」

 

 

因幡てゐ「鈴仙…こういう言葉があるのを知ってるかな?」

 

 

鈴仙「…?」

 

 

てゐ「引っ掛かる方が悪いウサよ! ぎゃ~っはっはっは♪」

 

 

鈴仙「悪魔かあんたはぁ!!」

 

 

 

 

藤原妹紅「てめぇ! 今日という今日は許さねぇぞ輝夜ぁ!」

 

 

蓬莱山輝夜「私と殺り合うのは構わないのよもこたん、でもその前にあなたの胸に刺さってる竹槍を引き抜いてくれない? 痛々しいのよね♪」

 

 

妹紅「お前がさっきぶっ刺したんだろうが!」

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

鈴仙『へぇ、ふふっ、面白いですね♪』

 

 

妹紅『だろ? だから鈴仙ちゃんも』

 

 

 

 

輝夜『輝夜姫様の~お茶目なイタズラ♪』コソコソ

 

 

輝夜『そぉい!!』ブン

 

 

 

 グサッ!

 

 

妹紅『ごはぁっ!!?』ズン

 

 

鈴仙『!?』

 

 

輝夜『隙ありよ! も・こ・た・ん♪』

 

 

妹紅『ぐっ…て、てめぇ…!』

 

 

鈴仙『う、うわぁ…い、痛々しい…』

 

 

 

 ホワンホワン

 

 

 

輝夜「あれぐらい避けなさいよ」

 

 

妹紅「後ろからいきなりやられて避けられる訳ないだろうが!」

 

 

輝夜「はいはい、そんなことは良いから早くリザレクションしなさいよ、はよ…!! はよ!!」

 

 

妹紅「うっせぇぞてめぇ!!」

 

 

 

豊姫「いつにも増して賑やかですね」

 

 

永琳「最近これが普通になってきている様な気がするのよ…はぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

【そして博麗神社の境内では】

 

 

博麗霊夢「うーん…こころの能楽」

 

 

霧雨魔理沙「く…クリスマスに独りぼっちのスキマ」

 

 

霊夢「魔理沙を愛するアリス」

 

 

魔理沙「おいやめろ」

 

 

霊夢「ありでしょ」

 

 

魔理沙「あり…だが、なんか複雑なんだよ」

 

 

霊夢「すよ、す」

 

 

魔理沙「す…スキマがあったら入りたい」

 

 

霊夢「茨木華扇のイージー華扇ちゃんコース」

 

 

魔理沙「スキマ女」

 

 

霊夢「南無三宝」

 

 

魔理沙「兎の耳」

 

 

霊夢「ミスティア」

 

 

魔理沙「…アリス」

 

 

霊夢「躊躇った?」

 

 

魔理沙「ちょっとな」

 

 

霊夢「スイカ割り」

 

 

魔理沙「鈴瑚の団子」

 

 

霊夢「ゴマ団子」

 

 

魔理沙「ゴマ入り団子」

 

 

霊夢「一緒じゃない!」

 

 

魔理沙「お前のは入って無いだろ、私のは入ってるんだ」

 

 

霊夢「くっ…ご、ご…五里霧中小傘!」

 

 

魔理沙「言ってやるなよ…早苗の奇跡」

 

 

霊夢「ふっ…! き、切れのあるカリスマ」

 

 

魔理沙「ぶはっ…! あはははっ…! ど、どんなカリスマだよ」

 

 

霊夢「ふふふっ…確かに…! あはははっ!」

 

 

魔理沙「いやぁ中々面白いじゃないか、幻想郷しりとり」

 

 

霊夢「す、が来たらほぼ間違いなくスキマになるわね」

 

 

魔理沙「しりとり中でもスキマでいきなり飛び出して来るのな」

 

 

霊夢「あははっ、スキマが…でしょ?」

 

 

魔理沙「ああ、スキマって単語がな」

 

 

霊夢「ははっ… !!」

 

 

魔理沙「ん? どうした?」

 

 

霊夢「誰か来るわ…」

 

 

魔理沙「どうせ妖怪だろ?」

 

 

霊夢「いや、な~んか…」

 

 

魔理沙「あー?」

 

 

 ザッ!

 

 

霊夢、魔理沙「…! えっ…」

 

 

依姫「久し振りだな霊夢…と、あの時の魔法使いではないか、一緒」

 

 

霊夢、魔理沙「えーーっ!!?」

 

 

依姫「な、何だ!?」

 

 

魔理沙「あの時の仕返しか!? カチコミかこのやろう!」

 

 

依姫「!? ち、違う! 誤解するな!」

 

 

霊夢「驚いた、意外過ぎる人物が現れたわね」

 

 

魔理沙「誤解だぁ!? 何しに来やがったんだ!」

 

 

依姫「話をしに来ただけだ」

 

 

魔理沙「話? 良い話か? それとも悪い話か?」

 

 

依姫「そういう類いの話ではない! ただ何の変鉄もない会話をしに来ただけだと言ってるんだ」

 

 

霊夢「魔理沙、落ち着きなさい、大丈夫よ」

 

 

魔理沙「…本当なのか?」

 

 

依姫「あぁ、二言はない」

 

 

霊夢「大体こいつがここに来てる時点であの紫が噛み付いて来ないのはおかしいじゃない」

 

 

魔理沙「おー…確かにそうだな」

 

 

霊夢「紫に話は付けてあるのね?」

 

 

依姫「私とお姉さまとレイセンでな…サグメ様も一緒に来ているが別行動中だ」

 

 

魔理沙「あいつも来てんのか、よく紫の奴OK出したな」

 

 

依姫「最初は敵意を剥き出しにされ、まともな話すら出来なかったが何とか説得出来たよ」

 

 

魔理沙「もしかしてまた脅したのか?」

 

 

依姫「いや、普通の話し合いで解決したよ、それと酒の見返りも与えたんだ」

 

 

霊夢「その酒って…」

 

 

依姫「あぁ、不覚にも亡霊に盗まれたアレだ」

 

 

魔理沙「あぁアレか…懐かしいぜ」

 

 

霊夢「アレねぇ…アレにはあんまり良い思いでは無いわね」

 

 

魔理沙「囮でした~♪ なんて言われて納得出来ねぇよなぁ」

 

 

霊夢「最高の囮にするために修行までさせられたのよ私は! ふざけんじゃないってのよ」

 

 

魔理沙「お前が一番キレてたもんな」

 

 

霊夢「あれはキレずにはいられない」

 

 

魔理沙「修行嫌いには拷問だもんなぁ」

 

 

依姫「だが我らから奪った酒は美味しく飲んだんだろう?」

 

 

霊夢、魔理沙「最高に美味しかったです、はい」

 

 

依姫「! ふふっ…まったくお前たちは」

 

 

魔理沙「異変解決祝いって奴じゃ無かったが格別の味だったぜ」

 

 

霊夢「ま、修行の駄賃ならアレぐらいのものは用意してもらわないとね」

 

 

依姫「現金な奴らだ、ふふっ…」

 

 

魔理沙「対価だよ対価、当然だぜ」

 

 

霊夢「そうそう当然よ♪ あ、依姫、お茶今からいれるけどあんたも飲む?」

 

 

依姫「あぁ、いただくよ」

 

 

霊夢「んじゃあちょっと待ってなさい」スッ

 

 

 

 

魔理沙「月の都に霊夢がいたとき案内してやったんだってな」

 

 

依姫「あぁ、月に人間が居ることは非常事態に等しい、だが私が着いていれば何の問題も無くなるからな」

 

 

魔理沙「お堅いねぇ、月の民のルールって奴は」

 

 

依姫「…あれからどうだ、お前たちは強くなったのか?」

 

 

魔理沙「私は確実に強くなったぜ! 霊夢は…修行嫌いだからなぁ、でも色々とやらされてるから強くはなってるな」

 

 

依姫「色々?」

 

 

魔理沙「華扇って仙人がいるんだが、そいつから色々と修行させられてるんだ、内容は良く分からないんだが爬虫類コースとか哺乳類コースとかイージー華扇ちゃんコースとかあるらしい、口で言われてもさっぱりだがな」

 

 

依姫「!? げ、げっ…」

 

 

魔理沙「んあ?」

 

 

依姫「齧歯類コースはないのか!? こう…ハムスターとかが寄り添って修行をみてくれるんだ」

 

 

魔理沙「いや知らねぇよ」

 

 

 バッ!! ピョイーン!

 

 

魔理沙、依姫「ん?」

 

 

フランドール・スカーレット「魔理沙ー♪」

 

 

魔理沙「フラン!? ってぐえぇっ!!」

 

 

 ドゴッ!!

 

 

依姫「!?」

 

 

フラン「魔理沙魔理沙~♪ やったぁ! 魔理沙がいた~♪」

 

 

魔理沙「おぐぁ…み、みぞおちに…!」プルプル

 

 

フラン「魔理沙♪ 最近遊んでくれなかった分たっぷり遊んでもらうからね♪ 最初は弾幕ごっこがいいなぁ♪」

 

 

依姫(な、なんだ…?)

 

 

魔理沙「あ、遊んでやるのは結構だが…その前に吸血鬼の速度で私に抱き着いてくるのだけは辞めてくれ…! 魔理沙さんじゃなかったら死んでるぜ…」

 

 

フラン「えぇっ!? 魔理沙死んじゃうの!?」

 

 

魔理沙「だ、だから…あ?」

 

 

 ザザッ!

 

 

十六夜咲夜「妹様! 今日は太陽が出ておりますので日傘の中へ…!」

 

 

レミリア・スカーレット「大丈夫よ咲夜、あのスピードなら体が焼け焦げる前に神社の境内へ入れるわ、元に入れてるし」

 

 

魔理沙「何が大丈夫なんだカリスマぁ…」

 

 

レミリア「生きているのなら平気でしょう?」

 

 

魔理沙「死ぬとこだアホォ! 人間のみぞおちに吸血鬼が突進してきてんだぞ!! お宅の妹さんの教育は一体どうなってやがるんですかねぇ!」

 

 

咲夜「逆に何で生きてるのよ」

 

 

魔理沙「あぁん? 私に死ねってか?」

 

 

咲夜「そんなこと言ってないでしょ、あぁ死ぬなら本を返してからにしてよ?」

 

 

魔理沙「味方がいねぇ…」

 

 

フラン「うふふふ♪」

 

 

レミリア「ふふっ、さぁって♪ 霊夢はどこにいるのかし…」

 

 

依姫「ん?」

 

 

レミリア「お``っ…!!?」ピシッ

 

 

咲夜「お嬢様? …あ」

 

 

依姫「あ」

 

 

咲夜「あなたは…」

 

 

依姫「久し振りだな、時を止めるメイド」

 

 

咲夜「お久し振り、てかその呼び方やめてよ」

 

 

レミリア「で、でで…」

 

 

依姫「そうか、癪に障ったのならあやま」

 

 

レミリア「出ぇたぁぁぁーーー!!」カリスマブレイク!

 

 

咲夜、依姫「!?」

 

 

レミリア「な、ななな、な…! なんであんたがここにいんのよ!」

 

 

依姫「お前も久し振りだな、いつぞやの吸血鬼」

 

 

レミリア「質問に答えなさい! 霊夢を何処にやったのよこらぁ!」

 

 

依姫「いや、別に何処にも」

 

 

 

霊夢「ちょっと? さっきの音は一体なに?」

 

 

レミリア「れ、霊夢! 何でこいつがここにいんのよ!」

 

 

咲夜「霊夢、お邪魔してるわ」

 

 

フラン「霊夢! 久し振り♪」

 

 

霊夢「あんたらかい! はぁ…こりゃお茶のいれ直しだわ…」

 

 

レミリア「答えてよ霊夢ぅ!」

 

 

フラン「ねぇ魔理沙、あのピンクの髪のお姉さんはだれ?」

 

 

魔理沙「ん? あぁそうか、お前月に行って無かったんだもんな」

 

 

魔理沙「あいつは月の民の綿月依姫だ、ほら、結構前に私が話したことあるだろ?」

 

 

フラン「月の民…依姫……あっ! 思い出した! お姉様を『バシュッ、ゴオオオ!』させた人ね!」

 

 

レミリア「へぁっ!!?」

 

 

霊夢「ふはっ…!」プルプル

 

 

咲夜「ふくっ…! フフフ…!」プルプル

 

 

魔理沙「ぶふっ…!! あっははは!」ゲラゲラ

 

 

依姫「ば、バシュッ、ゴオオオ?」

 

 

フラン「魔理沙から聞いたことあるの! お姉さんが私のお姉様をバシュッ、ゴオオオさせた人だって♪」

 

 

レミリア「や、やめなさいフラン!」

 

 

依姫「? ?? お、おい…バシュッ、ゴオオオとは何だ?」

 

 

魔理沙「ほ、ほら…ふふはっ…! お、お前と月で戦ったどこぞのカリスマ吸血鬼さんの勇気ある捨て身だよ」

 

 

霊夢「ちょっ、魔理…あっははは!」

 

 

咲夜「お、お嬢様を侮辱…! くふははっ…!」プルプル

 

 

レミリア「わ、笑うなぁ! 笑わないでよ!」

 

 

依姫「? ……フッ…! わ、ふふっ…! わ、分かったぞ、あ、あれか…! ふはっ…! はははっ!」プルプル

 

 

フラン「ねぇねぇお姉さん、月でのお姉様の戦いの話を聞きたいなぁ♪」

 

 

レミリア「割りとマジでやめなさいフラァン!」

 

 

魔理沙「はは! い、妹には知る権利あるだろ」

 

 

レミリア「魔理沙ぁぁ!! 元はと言えばあなたがフランにふざけて語るからこうなったのよ!!」

 

 

魔理沙「ナ、ナンノコトデスカ…?」

 

 

レミリア「私に目を合わせなさい魔理沙ぁ!!」

 

 

魔理沙「ウワァ、レミリアオジョウサマ、スゴイスゴイ」

 

 

レミリア「ぬああぁぁ!!」

 

 

 

依姫「そうか、お前はあの吸血鬼の妹なのか」

 

 

フラン「うん、フランドールって言うの♪ よろしくね」

 

 

依姫「よろしく、か…ふふっ、あぁよろしくな」

 

 

フラン「ねぇねぇ! お姉様と戦った時の感想を聞かせて!」

 

 

依姫「そうだな…あれは本当に勇気ある捨て身、吸血鬼の力の権化とでもいうのか、それはそれは素晴らしい捨て身だったよ」

 

 

フラン「へぇ♪ 私も見たかったなぁ♪」

 

 

レミリア「うっ…! う~…!」

 

 

 

レミリア「うー☆」カリスマガード

 

 

霊夢、咲夜「あっ…」

 

 

魔理沙「この辺にしとくか、流石に可哀想になってきたぜ」

 

 

依姫、フラン「?」

 

 

 

 

 

 

【人里中心街、ミスティアの屋台、16:30】

 

 

ルーミア「わはー♪ みすちー、みすちー二本追加なのだー♪」

 

 

ミスティア・ローレライ「こら、みすちー二本って言わないの、焼き鳥二本って言いなさい、分かった?」

 

 

ルーミア「は、はいなのだ…!」

 

 

ミスティア「分かれば良いんだよ♪ ちょっと待っててね」

 

 

ルーミア(女将のみすちーはこえぇのだ)

 

 

布都「雷鼓殿、本当に良いのか? 我も少しなら払えるぞ?」

 

 

雷鼓「良いのよ良いのよ♪ 最近は懐が潤っててね、プリズムリバー楽団と一緒にビートを刻んだのがウケてお仕事の依頼が結構多いの」

 

 

雷鼓「だからお金の事は気にしないでじゃんじゃん食べちゃって♪」

 

 

布都「うむ…ならばお言葉に甘えようかのう、ありがとう雷鼓殿、では、いただくとするかのう♪」

 

 

雷鼓「ほらほら、サグメさんも食べて食べて♪」

 

 

サグメ「あ、あぁ…いただくよ」

 

 

サグメ(妖怪が屋台を経営…しかも夜雀の妖怪が焼き鳥いや、何も言うまい)

 

 

ミスティア「確かホリズムリバーでしたっけ? 音楽団の名前」

 

 

雷鼓「そうよ、彼女達とセッションすることは私にとっても彼女達にとっても音楽性を高める為に必要なの、ビートを刻んで熱く激しく凄絶に…!」

 

 

ルーミア「みすちーも音楽やってるのだ」

 

 

ミスティア「響子とね♪ 最近は太陽の畑が主な活動拠点になってるんだよ♪ もっと人が居るところで音楽活動したいんだけどね…」

 

 

布都「ならばすればよいではないのか?」

 

 

ミスティア「そうなんですけどねぇ、でも響子の家の住職さんが『パンクバンドを人里でやるのは時と場合を選んで下さいね』なんて言われたらしくてちょっと人里ではやりにくくなってしまってるんです」

 

 

布都「ぬっ! 聖白蓮め…人の趣味にケチを付けるとは…やはりあの寺には少し火を付けて灸を据えてやらねばいかんのう!」

 

 

サグメ「? 何故燃やす」

 

 

布都「そこに寺があったら燃やすのじゃ、分かるであろう?」

 

 

サグメ「すまない…まったく分からない」

 

 

ミスティア「あはは、一応響子の家だから出来れば燃やすのは辞めて下さいね」

 

 

布都「むぅ…女将に言われては…いや、しかし」

 

 

雷鼓「パンクバンドはハマれる人はハマれるけど、ハマらない人はとことんハマらないからね」

 

 

ミスティア「そうなんですよねぇ」

 

 

ルーミア「みすちーも新しい音楽やれば良いんじゃないのかー?」

 

 

ミスティア「う~ん、響子と相談してみようかな」

 

 

雷鼓「実際私もプリズムリバー達と組んだし、弁々と八橋も私のところから離れたことで新たなビートを刻める様になったからやってみるのも悪くないと思うわ、ただ響子ちゃんとは道を違えない様にしてほしいの、あなたたちは二人揃うことで最高のビートを刻めると思うから」

 

 

ミスティア「はい! ありがとうございます雷鼓さん! そうしてみますね♪」

 

 

サグメ「…聞くが、幻想郷には音楽家が多いのか?」

 

 

雷鼓「際立って活動してるのがさっき話に出た子達ね、私、ミスティアちゃん、響子ちゃん、九十九姉妹にプリズムリバー楽団…多いわね」

 

 

ルーミア「多いのだー♪」

 

 

布都「音楽家ではないが、歌を歌ったりするのは皆好きではないか?」

 

 

ミスティア「そうですね♪ お酒が入ってると余計にです」

 

 

サグメ「酔っ払いの者は音楽家とカウントしても良いのだろうか」

 

 

雷鼓「良いんじゃないかしら♪ 楽しければどんなビートでも音楽家になれるものよ♪」

 

 

サグメ「…そういうものか」

 

 

ルーミア「そーなのだー♪」

 

 

ル、布、雷、ミ、サ「わはー♪」

 

 

サグメ(!? 今のでも発動するのか…)

 

 

布都「音楽という物は最早芸術じゃな、むぅ? そう考えると幻想郷には本当に芸術を嗜んでおる者が多いのう」

 

 

雷鼓「そうね、私たちの音楽、こころの能楽、小傘ちゃんのビックリ芸、永江衣玖さんの踊り…上げていったらキリが無いわね♪」

 

 

ルーミア「チルノの氷芸と大ちゃんの能力、リグルの蛍火、みすちーの屋台も芸術なのだー」

 

 

ミスティア「一部芸術とは言えない物が混ざってる気がするよルーミア」

 

 

布都「太子様のお面作りも芸術なのかもしれんのう」

 

 

サグメ「…幻想郷には娯楽が多いのだな」

 

 

ルーミア「月にはねぇのかー?」

 

 

サグメ「無い訳ではないが幻想郷に比べればかなり少ないのは事実だ、その代わりに技術力は幻想郷より発達しているのが特徴だ」

 

 

ルーミア「そーなのかー?」

 

 

雷鼓「そうなの?」

 

 

布都「そーであるのか?」

 

 

サグメ「そーである…」

 

 

サグメ(兵器類が多いのだがな…)

 

 

雷鼓「そういえば幻想郷にはワープ装置を使って来てるんだもんね、一瞬で離れたところに行ける装置…♪ 夢があるわね」

 

 

ルーミア「工場長が欲しがりそうだなー♪」

 

 

布都「工場長?」

 

 

ミスティア「河童のにとりさんの事ですよ」

 

 

ミスティア「って…月? サグメさん月と関係が?」

 

 

ルーミア「サグメは月の民なのだ」

 

 

ミスティア「えっ!? そうだったんですか?」

 

 

サグメ「…そうである」

 

 

布都「何だと思っておったのだ?」

 

 

ミスティア「翼が生えてるからてっきり同族かと…」

 

 

雷鼓「あはは、サグメさんが妖怪ね」

 

 

サグメ「…妖怪に見えるか?」

 

 

ルーミア「見えない事もないのだー♪」

 

 

ミスティア「白鷺の妖怪だと思ってました」

 

 

サグメ「白鷺か……悪くはない」

 

 

布都「サグメ殿なら白鷺の妖怪として幻想郷でもやっていけそうだのう」

 

 

雷鼓「サグメさんは物知りだからね♪」

 

 

サグメ「…そうでもない」

 

 

ルーミア、雷鼓、布都「そーでもあるっ!」

 

 

サグメ「!」

 

 

ミスティア「あははっ、何ですかそれ」

 

 

布都「ふふふっ、サグメ殿は謙遜するのがクセの様じゃからなぁ」

 

 

雷鼓「せっかくカッコいいのに謙遜するのはもったいないもの♪」

 

 

ルーミア「そーなのだー♪」

 

 

サグメ「…///」カァッ

 

 

ミスティア(サグメさん女の人じゃ…でもカッコいいっていうのは分かるわね)

 

 

 

 

 

 

【そして一時間後、17:30】

 

 

 

サグメ「…」

 

 

雷鼓「う~ん、通り掛からないわねぇ」

 

 

布都「雷鼓殿の作戦は良いものだとおもったんじゃがのう」

 

 

ルーミア「兎一匹も来ねぇのだ」

 

 

雷鼓「ワープ装置の誤作動で永遠亭とは違う場所に飛んでしまった…一緒に来ていた玉兎の兎さんがサグメさんを探すだろうから人里のど真ん中で待っている作戦」

 

 

サグメ「私を探すのであればあの八雲紫に話を付ける筈…恐らく許可はしてくれていると思うのだが」

 

 

ルーミア「紫はオババでも頭は固くは無いのだ、許可ぐらいならしてくれる筈なのだ」

 

 

サグメ「…そう言ってくれると助かるよ、ありがとう」

 

 

雷鼓「もう日も沈んでるし…サグメさんどうする? 永遠亭へ通じる迷いの竹林までなら案内できるけど」

 

 

サグメ「……もう少しだけ待たせてほしい」

 

 

雷鼓「分かったわ」

 

 

ミスティア「よっと…灯りは点けたよ、見やすい?」

 

 

ルーミア「これなら大丈夫なのだ、ありがとなー、みすちー」

 

 

サグメ(私の能力で確率を上げる事は可能だが、そんなことはしたくない…共に待ってくれているこの者達に申し訳がないからな)

 

 

サグメ(しかしこの者達にも帰るべき場所があるだろう…ならば早くレイセンと合流するのが一番ではあるのだが)

 

 

サグメ(レイセン、今何処にいるのだ)

 

 

 タッタッタッタ!

 

 

ルーミア「んお?」

 

 

 

 

レイセン「はぁはぁ…! ウプッ…く、苦しい…! た、食べ過ぎた…! 鈴瑚、清蘭二人とも覚えてなさいよ…! 何がまぁまぁまぁよ…! あんなの団子の押し売りじゃない…! お金も沢山取られたし…!」

 

 

 

 

 

ルーミア「!! さ、サグメサグメ! あいつかー!?」

 

 

サグメ「…? !!」

 

 

 

 

レイセン「日も沈んでる…うぅ、これ絶対依姫様に叱られるよ…サグメ様ぁ…あなたはいったい何処に」

 

 

サグメ「レイセン…!」

 

 

レイセン「!! ! さ、サグメ様!?」

 

 

サグメ「やはり探しに来てくれたのか」

 

 

レイセン「あぁー! サグメ様ぁ! やっと会えましたぁ!」

 

 

サグメ「まさか、今までずっと?」

 

 

レイセン「えっ!? は、はい! もちろんです!」

 

 

レイセン(うぅ…団子責めにあっていたなんて言えません…ごめんなさい)

 

 

サグメ「そうか…ありがとう、レイセン」

 

 

レイセン「は、はい! えへへ…♪」

 

 

 

 

 

 

レイセン「それでは永遠亭へ参りましょう、道はさっき会った鈴瑚と清蘭に教えてもらいました」

 

 

サグメ「…あの二人は幻想郷で団子屋をやっていると聞いたが、上手くやっているのか?」

 

 

レイセン「はい、二人とも上手くお店を回してました、売り上げの方も順調みたいで楽しくやっているみたいです」

 

 

サグメ「…そうか、なら心配する必要もないな」

 

 

レイセン「そうですね、ではサグメ様…」

 

 

サグメ「あぁ、では行…! ……レイセン、少しの間待っててほしい」

 

 

レイセン「えっ…あぁ、はい」

 

 

 

 

サグメ「…」

 

 

雷鼓「ふふっ、良かったわね♪ 無事に会えて」

 

 

サグメ「これも貴方達が一緒に待っていてくれたお陰だ」

 

 

布都「ただ一緒に待っていただけなんじゃがのう」

 

 

ルーミア「それでも嬉しいのかー?」

 

 

サグメ「あぁ、本当に感謝している…ありがとう…」

 

 

雷鼓、布都、ルーミア「…!」

 

 

雷鼓「……お別れね」

 

 

サグメ「そうだな」

 

 

サグメ、ルーミア、布都、雷鼓「…」

 

 

サグメ「私はこれから永遠亭に行き、一泊した後、明日の朝に月へ四人で帰ることになっている」

 

 

ルーミア「そー…なのかー…」

 

 

サグメ「ふふっ、いつもの様に両腕を伸ばした感じでしてはくれないのか?」

 

 

ルーミア「私だって空気は読むのだ…」

 

 

サグメ「…そ…そーなのかー♪」スッ

 

 

ルーミア「!」

 

 

サグメ「…/// こ、こんな感じ…か?」

 

 

ルーミア「わ…わはー♪ サグメも中々上手いのだー♪」

 

 

サグメ「ふっ…そうであろう?」

 

 

布都「! サグメ殿、それは我の台詞であるぞ」

 

 

サグメ「ふふっ、長く貴方といたせいで口癖が移ってしまったかな」

 

 

布都「ふっ、口癖とはそう簡単には移る物では無い、博識なサグメ殿ならきっと分かっている筈じゃ」

 

 

布都「そうであろう?」

 

 

サグメ「! ふふっ、そうであるな」

 

 

雷鼓「そうなの? ってそうなんだからそうなのよね」

 

 

サグメ「あぁ、そうだから、そうなのだ」

 

 

雷鼓「あはは、なんかこんがらがっちゃうわね♪」

 

 

サグメ「ふっ、確かにそうだな」

 

 

雷鼓「言葉のビートってのも難しいわね、伝えたい気持ちを声に出す…簡単な様でとっても難しいわ」

 

 

サグメ「ふふっ、そうだな」

 

 

サグメ(正直私にはまだ雷鼓が使うビートという言葉の意味を理解できていない)

 

 

 

 

 

サグメ「それでは…さらばだ」

 

 

雷鼓「さようなら、サグメさん」

 

 

布都「達者での、サグメ殿」

 

 

ルーミア「…」

 

 

ルーミア「サグメ…また…また会えるのかー?」

 

 

サグメ「…! …」ニコッ

 

 

サグメ「貴方達は幻想郷、私は月…例え遠く離れていてもこうして会った思い出は消えない」

 

 

サグメ「思い出は人を引き合わせる物、だからまたいずれ私たちが出会うこともあるだろう」

 

 

サグメ「そうではない…なんて口が裂けても言えないな」

 

 

ルーミア「! そーなのかー♪」

 

 

布都「そーであるのかー♪」

 

 

雷鼓「そうなの? ふふっ♪」

 

 

サグメ「…そーである♪」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓、サグメ「わはー♪」

 

 

 

 

サグメ「ルーミア、布都、雷鼓」

 

 

ルーミア、布都、雷鼓「!」

 

 

サグメ「また会おう…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【迷いの竹林】

 

 

地上の兎「ウサウサ♪」

 

 

レイセン「あ、こっち? サグメ様、こっちですって」

 

 

サグメ「あぁ」

 

 

レイセン「それにしても驚きましたよ、サグメ様があんなにも饒舌に話されるなんて」

 

 

サグメ「…」

 

 

レイセン「あっ…も、申し訳ありません…その、い、嫌み的な意味で言ったのでは」

 

 

サグメ「ふふっ、分かっているよレイセン」

 

 

レイセン「…サグメ様、幻想郷に来てから良く喋る様になりました?」

 

 

サグメ「…能力を制限出来ているからだと思うのだが」

 

 

レイセン「いえ、なんかそういうのではなくて…なんというか」

 

 

レイセン「良い意味でですよ? 月に居るときより、表情が柔らかかったり、口元が凄く緩んでいるような感じなんですよ」

 

 

サグメ「! ……ふふっ、そうか…口元が緩むか」

 

 

レイセン「? 緩む事がおかしいんですか?」

 

 

サグメ「そうではない、口元が緩むのが嬉しいのだ」

 

 

レイセン「嬉しい…ですか?」

 

 

サグメ「あぁ、何故なら…月では口元が緩むのは能力を制限されていないから私には許されない事であるが」

 

 

 

 

サグメ「能力を制限されている幻想郷で口元が緩めば…」

 

 

レイセン「?」

 

 

サグメ「…」

 

 

 

《ルーミア、布都、雷鼓、サグメ》『わはー♪』

 

 

 

サグメ「素敵な言葉を自分の口でたくさん言える…これ程素敵な事はないのだからな♪ ふふっ♪」

 

 

 

 

 

 

 おしまい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【オマケその一、よっちゃんと豊姫のその後】

 

 

 

依姫「その後はフランドールや魔理沙と弾幕勝負をしたり、レミリアからはカリスマガードのやり方、咲夜からは菓子を頂き、霊夢とは神々の話で盛り上がったりしてとても楽しかったです」

 

 

豊姫「そう…」

 

 

鈴仙「とても充実した一日になったんですね♪」

 

 

依姫「あぁ、霊夢と話をするだけでも良かったのだが、魔理沙達が居てくれたお陰で楽しさが増したのだな、今ではそう思うよ」

 

 

豊姫「…」

 

 

依姫「お姉さま? どうかしましたか?」

 

 

鈴仙「あ、そ、その…」

 

 

豊姫「私は今日一日、落とし穴に落とされ、輝夜と蓬莱人の仲裁に入り、八意様の薬を誤って飲んでしまい二時間ほど床に伏せっておりました」

 

 

依姫「えっ…」

 

 

豊姫「私が何をしたというのでしょうか」

 

 

依姫、鈴仙(な、なんて言葉を掛けて差し上げたらいいの!?)

 

 

 

 

【オマケ、その二、けーねは喜んだ】

 

 

 

慧音「ルーミアがな!? あのルーミアが私に…」

 

 

稗田阿求「はい、はい…」

 

 

慧音「大好きって…! 大好きって言ってくれたんだ! あのルーミアがだぞ!? これが嬉しがらずにいられるかっ!!?」

 

 

阿求「はい、もう聞いてます、何回も聞いてます」

 

 

慧音「阿求! ちゃんと聞いてくれ! この嬉しさをどう表現したら良いのか私でも良く分からないんだ! 伝わってるか!? この私の気持ちが!?」

 

 

阿求「あぁ、はい伝わってます、それはもう凄く」

 

 

慧音「いや…まだ伝わってないな…! 教師たるものこんなんではいかん! 阿求、すまないがまた聞いてくれ! 私がルーミアに大好きと言われたこの気持ち…喜びに満ち溢れたこの魂の叫びをな!」

 

 

阿求(えぇ!? ま、まだやるつもり!? だ、誰か助けて~!)

 

 

 

 

 

【オマケその三、酔っ払い】

 

 

紫「うぷっ…! くあぁ…の、飲み過ぎた…」

 

 

藍「あんなにガブガブ飲むからですよ」

 

 

紫「うっさいわねぇ…こちとら月の奴らに接待して勝ったのよ…これが飲まずにいられるかってんだ!」

 

 

藍「接待に勝ち負けなんて存在しないんですけどねぇ」

 

 

紫「…藍」

 

 

藍「はい?」

 

 

紫「あなた…いつから尻尾十九本になったの? 何尾の狐なのよ」

 

 

藍「飲みすぎですよ! ほら、さっさと帰りますよ!」

 

 

紫「そうだそうだ~! さっさと月に帰りやがれこのバカちんどもがぁ♪」

 

 

藍「はいはいさっさとマヨヒガに帰りましょうねぇ!」

 

 

紫「んふふ♪ ルナティック月の民~♪」

 

 

 

 

 

 

 本当におしまい!

 

 

 

 






 久々に登場のフランと雷鼓、雷鼓の方が出番は多めになりました


 紫は月の民は嫌いですが消し飛ばしたい程嫌っている訳では無いのです、でも大砲射撃の事があるので説得力は無いです



 魔理沙は色々とフランに楽しいお話を聞かせてあげているので『バシュッ、ゴオオオ』のことも知ってました


 本当は最初サグメと布都とルーミアで話を構成していたのですが、ある程度常識人の人を入れないと会話がおかしくなるので雷鼓さんを投入しました。 原作でも そうなの? は言ってるので頑張ってビートを刻んでいただきました、雷鼓さん意外に喋らせやすいです。

 最初の候補は雛でしたが最近出番が多いので没になりました。



 それではここまで読んでいただいてありがとうございました! お疲れ様でした!



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。