東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 読者の皆様読んでいただいてありがとうございます!

 これからも、そして新しく読んでいただく方も『東方紫藍談』をよろしくお願いします。



 今回ちょっとパロディー要素強めです、外の世界に縁のある方々ですので一応ぼかしてます。

 二章仕立てにしてます。



 それでは始まります♪




《第3話》『守矢家と八雲家と橙の一日』

 

 

  【一章 八雲家と守矢家のお鍋】

 

 

 

  《マヨヒガ 夜 居間》

 

 

 

 

 

橙(幻想郷の皆さんいかがお過ごしでしょうか、八雲藍様が式、橙です)

 

 

橙(冬…寒い季節になりました、一部の妖怪の皆さんには厳しい季節かもしれません、かくいう橙も冬は苦手です、しかし幻想郷にはせっかく四季があるのだから楽しむことも必要…橙はそう思います)

 

 

橙(春にリリーさん、夏には幽香さん、秋には静葉さんと穰子さん、冬にはレティさん…幻想郷の四季には欠かせないこの人たちがいるからこそ四季を楽しむことが出来、四季が移り変わっても幻想郷の平和が保たれているのだと橙は思います、幽香さんは夏を司っている訳ではありませんが)

 

 

橙(そう…幻想郷はいつも平和…平和なはずなのですが)

 

 

橙(…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八雲藍「紫様、お行儀が悪いですよ!」

 

 

東風谷早苗「諏訪子様、お下品ですよ!」

 

 

八坂神奈子「お前らなぁ…」

 

 

 

 

八雲紫「くおおぉぉ…!」グググ

 

 

洩矢諏訪子「ふぬぬぬぬ…!」グググ

 

 

 

 

橙(今…橙の第二の居場所であるここマヨヒガでは紫様、藍様、橙の八雲家、早苗さん、諏訪子さん、神奈子さんの守矢家の皆さんとで、炬燵に足を入れつつお鍋を囲んでいるのですが)

 

 

 

紫「肉を…! 離せっ…!」グググ

 

 

諏訪子「嫌だ…! よっ…!」グググ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橙(お肉を先に食べようと争っています)

 

 

 

 

 

 

 

神奈子「せっかくの鍋パーティーなのに静かに食えないのかお前たちは」

 

 

紫「うっさい! ガン○ャノンは黙ってなさい!」

 

 

諏訪子「うるさいよ! 妖怪三段腹は黙ってなよ!」

 

 

神奈子「今は装備してないだろうが! それと誰がみ○えだ! 妖怪でも無いわ!」

 

 

藍「八坂殿、ペースに乗せられるな…頭が痛くなるぞ」

 

 

神奈子「む…」

 

 

早苗「お肉なら山ほどあるんですから譲り合いましょうよ!」

 

 

紫「こんな時ばかり常識、常識…コロコロ変わってちゃいけないと思うわよ?」グググ

 

 

諏訪子「早苗! このまま私が負けても良いの!? 私はそんな風に育てた覚えはないよ!」グググ

 

 

早苗「常識は常に私の心にあるんですー! それと諏訪子様! お鍋に勝ち負けはありませんよ!?」

 

 

藍「東風谷早苗、お前もだ」

 

 

早苗「むむむ…」

 

 

 

紫「こんにゃろうがぁ…!」グググ

 

 

諏訪子「負~け~る~かぁ…!」グググ

 

 

 

藍、神奈子、早苗「まったくもう!」

 

 

橙(…)

 

 

紫「フフフ洩矢諏訪子♪ 少し、ほんのすこ~しでいいから箸から指を離してみない?」グググ

 

 

諏訪子「八雲紫、箸から指の力を抜くだけの簡単なお仕事だよ♪ やってみようよ♪」グググ

 

 

紫「それじゃ『いっせーのせっ!』でお互いにやりましょう」

 

 

諏訪子「仕方ないね、その方が平和的な解決だしね、良いよ~♪」

 

 

紫「んじゃ行くわよ?」

 

 

紫、諏訪子「いっせーのせっ!」

 

 

紫「…」グググ

 

 

諏訪子「…」グググ

 

 

紫「…」グググ

 

 

諏訪子「…」グググ

 

 

早苗、神奈子、藍「…」

 

 

橙「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「おるぅぁぁ!」グググ

諏訪子「ぶるぁぁぁ!」グググ

 

 

神奈子、藍「いい加減にしろぉ!」

 

 

紫「お肉を引きちぎる気かしら!? この肉の裏には八雲藍って名前が書いてあんのよ!」グググ

 

 

藍「そこで私!?」

 

 

諏訪子「だったら八雲藍に渡しなよ!」グググ

 

 

紫「私の物は私の物、藍の物も私の物なのだ!」グググ

 

 

藍「はぁ!?」

 

 

神奈子「どこのガキ大将の理屈だ!」

 

 

諏訪子「大体肉に名前が書けるわけないじゃんか! ボケてんじゃないの!?」グググ

 

 

紫「スキマで書いてあんのよ!」グググ

 

 

藍、神奈子「やりかねないなぁ!!」

 

 

諏訪子「なら私も神パワーで肉に名前を書いておいたのさ! めくってごらんよ!」グググ

 

 

紫「スキマの上からだと!?」

 

 

諏訪子「スキマの上からだよ!!」

 

 

藍、神奈子「こっちもやりかねないなぁ!」

 

 

神奈子「いや待て諏訪子! お前今名前書けるわけないって言ったよな!?」

 

 

諏訪子「勘がいい神奈子は大好きだよチキショーめ!」

 

 

紫「めくってみればわかるのよ! めくらせろ!」グググ

 

 

諏訪子「めくった隙に盗る気だな!? させないよ!」グググ

 

 

紫「ケロちゃんの分際で…! ケロちゃんはケロちゃんらしく虫でも食ってなさいよ!」グググ

 

 

諏訪子「虫なんざ食えるかぁ! 私は早苗が作ったもんと美味しいものしか食わないんだよ!」グググ

 

 

早苗「紫さんのケロちゃんって言い方可愛い…!」

 

 

神奈子「そこなの!? ってこら早苗、その変な空間から戻っておいで!」

 

 

紫「その長い舌を引っこ抜いてやろうかしら!?」

 

 

諏訪子「引っこ抜くだぁ!? ケロちゃんが引っこ抜くのはグ○ンドリオンだって相場は決まってんだ! 世界一格好いいカエルを知らないのか!?」

 

 

紫「なんの話だよ!?」

 

 

諏訪子「ゲームだよ!!」

 

 

紫「はぁ!?」

 

 

藍「…?」

 

 

早苗、神奈子(あのゲームかぁ、懐かしい…)

 

 

橙(…)

 

 

紫「幻想郷の管理人が命ずる! 今すぐにこの肉を離せ!」グググ

 

 

諏訪子「神は言っている、この肉は貴様に食われる運命ではないと!」グググ

 

 

紫、諏訪子「うおおぉぉ!」スッ

 

 

 ドタバタ! ドタバタ!

 

 

早苗「あぁとうとう炬燵からお二人が移動してしまいました、お肉空中戦線ですね! 肉汁が畳に飛び散る中、果たしてどちらが勝つのでしょうか!?」

 

 

神奈子「早苗、実況はやめなさい…はぁ、もう勝手にやっててくれ」

 

 

藍「あぁ私も同感だ…紫様、埃が舞わない程度に暴れて下さいね」

 

 

紫「あぁん!? なんか言ったぁ!?」

 

 

藍「いえ…」

 

 

早苗「ぶー、まぁ今のうちに食べちゃいましょう♪」

 

 

橙(…)

 

 

 

 

 

 オラー! クルァ!

 

 

神奈子「しかし八雲藍、どうして私たちとお前たちとで鍋パーティーしようという流れになったんだ?」

 

 

藍「東風谷早苗から聞いていなかったのか?」

 

 

神奈子「あぁ、私が地底の間欠泉センターの点検が終わって家に戻ったら急に諏訪子と早苗が『マヨヒガ行くぞー! お鍋だお鍋♪』と騒いでいるところに遭遇してなんの説明も無いままここまで連れてこられたからな」

 

 

早苗「あれ? そうでしたっけ?」

 

 

神奈子「飢えた獣の様だったぞ? 活動中の時はいいが、私たち家族間での時は常識は捨ててはダメだ」

 

 

早苗「て、てへっ♪」テヘペロ

 

 

神奈子「早苗、割と真面目だぞ?」

 

 

早苗「ご、ごめんなさい…」

 

 

 ケロー!? フハハ!

 

 

 

藍(宗教活動中も常識を持てと突っ込んだら負けか?)

 

 

早苗「え~っと…今日のお昼頃に橙さんが守矢神社まで来てくれまして『紫様がお鍋パーティーをしたいから守矢一家の皆さんで来てください』と紫さんからの伝言を私と諏訪子様に伝えてくれたんです」

 

 

神奈子「ふ~ん…どういう風の吹き回しだ?」

 

 

藍「別に下心も何もない、単に交流を深めたいと思っての事だ」

 

 

神奈子「それは紫からの提案か?」

 

 

 ヌァ!? ケロケロ!

 

 

藍「あぁ、それと私も提案していたから半々と言ったところだ」

 

 

神奈子「ふむ…」

 

 

早苗「神奈子様? あまり勘ぐるのはダメですよ? せっかくのお誘いなのですから素直に受け取りましょう、食べ物も紫さんたちの提供ですし」

 

 

神奈子「別に勘ぐっては…いや、勘ぐっているのか?」

 

 

早苗「神奈子様の悪い癖ですよ?」

 

 

神奈子「ん~言い返せないな…すまん、気を悪くしたか?」

 

 

藍「いや、その気持ちがあるのなら充分さ」

 

 

藍(この二人は半分まともだ…洩矢諏訪子共々悪ノリがなければ比較的大人しい…それに比べて家は)チラッ

 

 

 

 

諏訪子「このケロちゃん帽子を見ろ! 継ぎ目の無い美しいフォルムだろう!?」グググ

 

 

紫「無駄よ! あなたの帽子見てる暇があったらこの肉を見る! 引っ掛からんぞこのバカちんがぁ!」グググ

 

 

諏訪子「チッ!」

 

 

 

 

 

藍(子供っぽいのは洩矢諏訪子だけか?)

 

 

橙(…)

 

 

早苗「あ、そういえば交流って言っても博麗神社とかの宴会で散々やってますよね?」

 

 

神奈子「だから不思議に思っていたんだ、説明もなかったしな」ジトッ

 

 

早苗「そ、そんな目で見ないで下さいよ」

 

 

藍「…感謝だよ」

 

 

早苗、神奈子「感謝?」

 

 

藍「私と紫様から東風谷早苗に向けてな」

 

 

早苗「えぇ!? わ、私ですか!?」

 

 

藍「あぁ、お前は日頃橙と良く遊んでくれている様だからな、そのお礼だよ」

 

 

早苗「!」

 

 

藍「それともう一つ、紫様としては霊夢と色々な意味で交流しているお前に感謝している様だ、顔や口には出さないが私には分かる」

 

 

早苗「…! ちぇ、橙さんとはお友達ですし…それに霊夢さんとはその、商売敵ではありますが楽しくさせていただいてますけど…///」カァ

 

 

神奈子「あっはっはっは! 早苗、顔が赤くなってるぞ?」

 

 

早苗「あうぅ…///」

 

 

藍「紫様に代わって礼を言わせてもらおう、もちろん私の気持ちもある、橙…それから霊夢たちと仲良くしてくれてありがとう…」スッ

 

 

早苗「そ、そんな…頭まで下げなくても…!」

 

 

神奈子「早苗は昔から突然褒められたり、お礼言われるのに弱いからなぁ」ニヤニヤ

 

 

早苗「ニヤニヤしないで下さいよぉ…!」

 

 

神奈子「私と諏訪子はここに来て良かったのか? これは早苗の為みたいなところがあるだろう?」

 

 

藍「良いんだ、二人には幻想郷に新しい刺激を与えてもらっている、その礼も兼ねているんだ」

 

 

神奈子「! ふっ、そうか」

 

 

藍「まぁやり過ぎはよくないとは思う、何の相談も無しに…というのもな」

 

 

神奈子「! う~む…なるべく善処はしよう、私たちも幻想郷に生きるものだからな」

 

 

橙(…)

 

 

藍「…! 橙、さっきからどうしたんだい? ずっと黙っているけど」

 

 

橙「え? あっ…そう、でしたか?」

 

 

藍「うん、何か思い詰めているようにも見えたよ」

 

 

橙「思い詰める、ですか…」

 

 

神奈子「鍋にも手を付けていないな、悩みでもあるのか?」

 

 

橙「あ…えと、悩みとかではないんですけど」

 

 

早苗「ん~…橙さん、何かあるのなら話してみて下さい、楽になれるかもしれませんよ?」

 

 

橙「……はい、ありがとうございます…えっと、今こんなこと言うのは変かもしれないんですけど」

 

 

神奈子、早苗、藍「?」

 

 

橙「なんか自分でも良く分からないんです…けど橙は今とても幸せだなって思ったんです」

 

 

 

 

紫「…!」ピタッ

 

 

諏訪子「…?」ピタッ

 

 

 

 

神奈子「幸せ?」

 

 

橙「はい、ここには一緒にご飯を食べて、笑い会えて、時には喧嘩もするけれどとても暖かい大切な人がいる…この空間を見て感じて、橙はとても幸せな気分になったんです」

 

 

藍「…」

 

 

早苗「橙さん…」

 

 

橙「紫様と藍様、早苗さん神奈子さん諏訪子さんを見ていたらその思いで頭がいっぱいになっちゃいました、自分でも良く分からないんですけど…」

 

 

藍「橙、それは全然変な事なんかじゃないよ」

 

 

橙「藍様…」

 

 

藍「私もそう思う時があるからね、紫様が天変地異の如き非日常を私に押し付けようとも私はそれを受け入れ、幸せだと感じてしまう…橙と会話をしている時だって私はずっと幸せを感じているんだよ」

 

 

橙「そうなのですか…!?」

 

 

藍「うん、私も昔は今の橙の様に自分の幸せについて考えた事があるから橙の気持ちが分かるんだ」

 

 

藍「その思いに自分で気付けて実感出来ているのは橙が成長している証拠さ、だから自分の気持ちに変なんて言ってはいけないよ」

 

 

橙「藍様…!」

 

 

神奈子「私も…」

 

 

橙「神奈子さん…?」

 

 

神奈子「昔は戦いの毎日で自分の幸せについてなんかこれっぽっちも考えた事無かったが…今の私は幸せな毎日を送れているんだろうな」

 

 

神奈子「長い長い戦争が終わり、だらだらと外の世界で過ごし、幻想郷に来て何だかんだあって落ち着いた…気付けば幻想郷の住人として早苗と諏訪子、そして他の住人たちと楽しくやっている」

 

 

諏訪子「…」

 

 

橙「それが神奈子さんの幸せ…ですか?」

 

 

神奈子「まあそう、なんだろうな…今思えばそうなのだろう、うん…」

 

 

早苗「あ~♪ 神奈子様照れてますね♪」

 

 

神奈子「て、照れてない! からかうんじゃないよ、それに神が幸せじゃなければ信仰してくれている者にも幸せは届けられんからな」

 

 

早苗「まあ今はそういう事にしておきましょう♪」

 

 

神奈子「早苗~?」

 

 

早苗「ふふっ、さっきのお返しです♪ でも良かった…橙さん私たちに話せない様な悩みを抱えていたのでは無かったんですね、ホッとしましたよ」

 

 

橙「! ごめんなさい、心配掛けて…」

 

 

早苗「良いんですよ、私たち友達じゃないですか♪ 心配するのは当たり前のことですよ」

 

 

橙「早苗さんありがとうございます…! あ、早苗さんの思う幸せは…?」

 

 

早苗「私ですか? 私は神奈子様のお考えと一緒ですね、もちろん橙さんや霊夢さんたちとお話したりという事も私の大切な幸せの一部です、そうなったというのがポイントです♪」

 

 

早苗「でも、そうですね…正直言ってしまうとやはり守矢の神社で諏訪子様と神奈子様のお二人と談笑し会うのが一番の幸せです」

 

 

早苗「橙さんもそうなのではないですか?」

 

 

橙「!!」

 

 

早苗「師弟関係とか家の力を継ぐとかがあったとしても家族ですから特別視は仕方ないことなのです、でもその気持ちは大事にしてください、決して恥じる事ではないのですから♪」ニコッ

 

 

橙「はい! 私も紫様と藍様と一緒にいる時間が一番の幸せです! えへへ♪」ニコッ

 

 

早苗「お~ちゃんと自分の言葉で言えましたね! とても立派ですよ、ふふっ♪」ニコッ

 

 

藍(橙、また一歩成長したね…東風谷早苗ありがとう、お前のお陰で橙はまた大事なことに気付けた様だ)

 

 

神奈子(早苗、本気で嬉しそうだね、お前がその笑顔を見せる度に私も…いや私たちも…か)

 

 

神奈子(橙…これからも早苗と仲良くしてやってくれな、早苗の友になってくれたことを感謝しているよ)

 

 

藍「橙、良かったね」

 

 

橙「はい、藍様!」

 

 

神奈子「さぁ、気を取り直して鍋をつつこうじゃないか、ご厚意には甘えねばな」

 

 

早苗「はい! あ、私よそいます♪」

 

 

 

 ワイワイ♪ キャッキャッ♪

 

 

 

紫「…」

 

 

諏訪子「…」

 

 

紫「なにこれ」

 

 

諏訪子「寂しい」

 

 

紫、諏訪子「…」

 

 

紫「ふん…」スッ

 

 

 ギュオン

 

 

諏訪子「あ」

 

 

 

 紫は諏訪子と先程まで取り合っていたお肉をスキマで真っ二つにした。

 

 箸と箸の間にぶら下がっていたお肉は紫と諏訪子の引っ張り会いから漸く解放され、二人の口の中に放り込まれた。

 

 

 

紫「…」モグモグ

 

 

諏訪子「…」モグモグ

 

 

紫「幸せ、か」

 

 

諏訪子「聞こえてたんだ」

 

 

紫「こっちの台詞よ」

 

 

紫、諏訪子「…」

 

 

諏訪子「私も神奈子と早苗とまったく同じ、守矢でワイワイやってんのが一番落ち着くし幸せ、それと早苗の幸せは私と神奈子の幸せでもあるのさ」

 

 

紫「あなたは分かるけど八坂神まで幸せなの?」

 

 

諏訪子「敵同士で戦ってたけど…今はそんなことはどうでもいいんだよ、ほら言うじゃん、苦楽を共にしたとか戦友とかさ、そんな感じでずっと一緒にいたから」

 

 

紫「敵同士だったのにね、おかしな話」

 

 

紫(って私が言うのも変よねぇ…)

 

 

諏訪子「あはは、自分でもそう思うよ」

 

 

諏訪子「…んで? お前の幸せは?」

 

 

紫「…」スッ

 

 

諏訪子「…?」

 

 

紫「ひみーつー♪」

 

 

諏訪子「なにぃ!?」

 

 

諏訪子「お、おい! ここは言う流れじゃん! 私喋ったじゃん!」

 

 

紫「あなたが勝手にケロケロ喋っただけでしょう? 私は簡単に流れにのせられなくてよ? オホホ♪」

 

 

諏訪子「空気読めよ! 言ーえーよー!」

 

 

紫「ゆかりんお口チャック! ジジジー♪」

 

 

諏訪子「あーうー! この堕落妖怪本当腹立つ~!」

 

 

紫「なっ!? 誰が堕落妖怪だクルァ!」

 

 

 

 ガヤガヤ! ガヤガヤ!

 

 

 

神奈子「あいつらまだやってるのか…」

 

 

早苗「あ、でも見てください! お肉が消えてます! 決着はついたみたいですね!」

 

 

藍「決着がついているのならあんな言い争いはしないだろうに…まったく、何をまだもめているんだ…」

 

 

橙「でも、お二人ともなんだか楽しそうです♪」

 

 

藍、神奈子「んー…」

 

 

 

紫「あなたにだけは堕落妖怪だとか呼ばれたく無いわね! この見た目詐欺師が!」

 

 

諏訪子「なんだとぅ!? このケロちゃんボディをバカにする奴は祟るぞ!」

 

 

紫「それだけはやめて下さいお願いします!! あれ結構トラウマなんです!!」ズイッ

 

 

諏訪子「詰め寄ってくるなぁ!! 痛い! 顔が当たって痛いからやめろぉ!」

 

 

紫「これ以上ゆかりん脅すとゆかりんビームくらわすわよ!? 一生藍の尻尾の毛先として余生を過ごす事になるわよ!?」

 

 

藍「えぇ!?」

 

 

早苗「!? ほ、ほう…♪」

 

 

神奈子「早苗!? 今くらってみたいと思わなかったか!?」

 

 

諏訪子「こっちの台詞だ!! ケロちゃんビームくらわすぞ! 一生ハエを食っていく余生を過ごす事になるよ!?」

 

 

藍「カエルにされるのか!?」

 

 

早苗「ふむ…?」

 

 

神奈子「早苗! それは奇跡でも何でもないからな!?」

 

 

 トテトテ

 

 

橙「紫様、諏訪子さん」

 

 

紫「橙! この見た目詐欺師をヤマザナドゥさんのとこに連れてくの手伝ってくれない!?」

 

 

諏訪子「あぁ!? 閻魔使うのは卑怯だぞ! 橙だったね、お前からもなにか言ってやってくれよ」

 

 

橙「ふふっ♪ そんなことよりお鍋一緒に食べませんか? とっても美味しいですよ♪」

 

 

紫、諏訪子「…!」

 

 

神奈子「ほら諏訪子、戻っておいで」

 

 

早苗「諏訪子様~! 諏訪子様の好きな鶏のつみれも入ってますよ~」

 

 

藍「紫様、鍋パーティーの話が出たときに一番はしゃいでいたのはあなたでしょう? ほんとにせっかくの機会なんですから楽しみましょうよ」

 

 

諏訪子「! ほう…?」ニヤニヤ

 

 

紫「ちょっ…! ら、藍…!」

 

 

諏訪子「うはは、スキマ破れたり!」

 

 

紫「うっさい!」

 

 

諏訪子「んなことは置いといて…橙、騒がしくして悪かったね、後これからも早苗と仲良くしてやってね」

 

 

橙「! はい!」

 

 

諏訪子「おーいい返事だ、さぁ鍋食うかー!」スタスタ

 

 

紫「…橙」

 

 

紫「ごめんね、私としたことが肉一枚ごときで争うなんてどうかしてたわ」

 

 

橙「良いんですよ、紫様楽しそうでしたし♪」

 

 

紫「! う~ん、楽しんでたかしら?」

 

 

橙「はい! 橙にはそう見えました」

 

 

紫「…ふふっ、あなたにそう見えていたのなら私は楽しんじゃってたのかしらね♪」

 

 

橙「これからもっと楽しくなりますよ♪ 一緒にお鍋食べましょう、紫様♪」

 

 

紫「ふふっ、ありがとう橙」ニコッ

 

 

藍(紫様…あなたがいつも楽しく過ごしていれば八雲家はいつも…)

 

 

紫「藍、ボケッとしてないの、お鍋食べちゃうわよ?」

 

 

藍「! はい、紫様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「え~それでは、八雲家と守矢家の親睦を深める鍋パーティーを改めて行います!」

 

 

諏訪子「八雲家と守矢家のますますの発展を願って~!」

 

 

 カンパーイ!!

 

 

 

 

橙(紫様と藍様…このお二人と一緒にいることが橙の幸せです、これはこれから先もずっと変わらない大切な思いです)

 

 

橙(大切な友達と過ごす時間も橙にとっての幸せなのだと今でははっきり言えます…そう感じることが出来る様になれたのは、他でもない紫様と藍様、そしてその友達…みんなのお陰だと思います)

 

 

橙(例えごくごく小さな幸せでもひとつひとつを大切に今を生きていこう)

 

 

橙(その思いを胸にこれからも幻想郷で八雲の名を継ぐために頑張ります)

 

 

橙(橙はもう昔の様にひとりぼっちじゃないですから…♪)

 

 

 

 

 

 

  第一章 完!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   【第二章】【妖怪の山へおつかい】

 

 

 

 

 これはマヨヒガで鍋パーティーが始まる数時間前のお話

 

 

 

 

 

 《人里、昼、寺子屋》

 

 

 

上白沢慧音「えー…では、番号!」

 

 

大妖精「一!」

 

 

橙「二!」

 

 

ミスティア・ローレライ「三!」

 

 

ルーミア「四!」

 

 

チルノ「六!」

 

 

リグル・ナイトバグ「六! ってえぇ!?」

 

 

藤原妹紅「チルノ…五だ、五」

 

 

チルノ「あれ…?」

 

 

大妖精「チルノちゃん、四の次は五だよ…」

 

 

ルーミア「バカなのかー?」

 

 

チルノ「わ、分かってたよそれぐらい! おいルーミア! ルーミアにはバカって言われたくないね!」

 

 

ルーミア「なんだとー!」

 

 

チルノ「やんのかぁ!」

 

 

大妖精「こら、二人とも喧嘩は駄目だよ?」

 

 

チルノ「むむ…い、今は大ちゃんに免じて許してやろう!」

 

 

ルーミア「大ちゃんには敵わないのか~…」

 

 

ミスティア「こんなんで大丈夫かな」

 

 

橙「大丈夫…だと思うよ」

 

 

リグル「いざとなったら私たちでなんとかしようよ」

 

 

ミスティア「大ちゃんの負担減らす係だね! 大ちゃん、私たちがサポートするからね!」

 

 

大妖精「負担って…あ、ありがとう…?」

 

 

妹紅「なぁ慧音、やっぱり私も…」ヒソヒソ

 

 

慧音「いや、これはこの子たちの成長を見るための宿題の様なものだ、大人の私たちが着いていくわけにはいかん」ヒソヒソ

 

 

妹紅「う~ん…仕方ないね」ヒソヒソ

 

 

慧音「良し、六人ちゃんといるな、放課後にお前たちに集まってもらったのには理由がある、妖怪の山におつかいを頼もうと思ってな」

 

 

大妖精「おつかいですか?」

 

 

慧音「あぁ、このメンバーで今日の夜、鍋をしようと思っている」

 

 

ルーミア、チルノ「鍋だと!!?」

 

 

リグル「うわっ、食いついた!」

 

 

慧音「だが食材が少し足りなくてな、肉はあるのだが野菜等が足りない」

 

 

妹紅「そこで野菜…まあ山菜だな、妖怪の山に取りに行ってほしいわけだ」

 

 

チルノ「こうしちゃいられないぞルーミア!」

 

 

ルーミア「行くのだ~♪」

 

 

妹紅「こらこら、話は最後まで聞けっての!」

 

 

大妖精「山菜…あ、みすちーなら分かる?」

 

 

ミスティア「大体は分かるけど、私は妖怪の山で食材の仕入れはあんまりやらないから…」

 

 

慧音「ふふっ、そこは心配するな、実は秋姉妹と話を付けていてな、冬に採れる山菜を既に彼女たちに用意してもらっている」

 

 

妹紅「要は妖怪の山に行って秋姉妹と会って、山菜をもらってここに帰ってくれば良いのさ」

 

 

チルノ「おー♪ なんだ簡単じゃん!」

 

 

ルーミア「チルノでも分かるのだ~♪」

 

 

リグル「ルーミア今さらっとチルノのことバカにしたよね…」

 

 

ミスティア「いつもの事だね」

 

 

大妖精「それなら安心です、慧音先生! ありがとうございます」

 

 

慧音「おー、褒めても鍋しか今日は出ないぞ」

 

 

妹紅「それじゃ出発…と言いたいところだがその前に橙から少しお前たちに話があるんだ」

 

 

リグル、ミスティア、チルノ「ん?」

 

 

大妖精「橙ちゃん?」

 

 

ルーミア「どうかしたのか~?」

 

 

橙「えっと…ごめん……今日の先生とみんなとのお鍋パーティーに橙は参加できないんだ…」

 

 

チ、ミ、リ、大、ル「えー!?」

 

 

チルノ「どうしたんだよ橙! まさか誰かにパーティー出るなとか脅されてるのか!?」

 

 

ルーミア「そいつの事教えなよ、噛み千切ってやるから」

 

 

ミスティア「それ人間? なら私の歌で…ふふっ♪」

 

 

リグル「虫たちに頼むのもありだよ?」

 

 

妹紅「怖い、怖いよお前ら」

 

 

橙「そ、そんなことされてないよ!」

 

 

慧音「こらお前たち、早合点するな」

 

 

大妖精「えと、どうして? 橙ちゃん」

 

 

橙「それは…」

 

 

 

 

 橙はチルノたちに慧音が主催する鍋パーティーに参加出来ない理由を説明した

 

 

 八雲紫主催の元、守矢家と八雲家で鍋パーティーを夜にすること、場所はマヨヒガですること等を簡単に説明した。

 

 

 

 

 

チ、ミ、リ、ル、大「えー…」ゲンナリ

 

 

妹紅「やる日と時間帯が被っちゃったんだな、良くある話だ」

 

 

慧音「皆分かってあげてな、橙だって皆と鍋したい気持ちは一緒なんだ」

 

 

橙「ごめんね、みんな…」

 

 

ミスティア「橙が謝ることないよ」

 

 

リグル「そうだよ、う~んでも仕方ないね」

 

 

ルーミア「相手が紫じゃなかったらな~…」ボソ

 

 

ミスティア、リグル「…え!?」

 

 

ルーミア「ん~♪」

 

 

チルノ「…」

 

 

大妖精「これは…うん、ほんとに仕方のないことなんだよね、私たちも橙ちゃんと出来ないのは寂しいけど…やっぱり家族の人との時間は大事にしないと…」

 

 

橙「大ちゃん…ありがとう」

 

 

妹紅(大妖精は本当に妖精なのかと思うときがあるな)

 

 

チルノ「なぁ、橙」

 

 

橙「?」

 

 

チルノ「あたいたちと鍋パーティーしたくない訳じゃないんだよね?」

 

 

橙「え?」

 

 

チルノ「どうなのさ?」

 

 

橙「したくないわけないよ…! チルノたちと一緒に橙もやりたいよ!」

 

 

チルノ「! そっか!」

 

 

チルノ「なら今度やるときは絶対、ぜーったい先生ともこたんとあたいたちでやるぞ! 約束だからな!」

 

 

橙「! うん! ありがとうチルノ!」

 

 

リグル「…またみんなが言いたいことを軽々と」

 

 

ミスティア「チルノのああいうところ見習いたいなぁ」

 

 

ルーミア「ボケないチルノなのか~♪」

 

 

大妖精「そうだねチルノちゃん、橙ちゃんも交えて今度はみんなでやろう!」

 

 

橙、大、ル、チ、ミ、リ、「おー!」

 

 

慧音(チルノ…ありがとうな)

 

 

妹紅(さらっともこたん…いや、今回は空気読むか)

 

 

大妖精「あ…先生、守矢さんということは」

 

 

慧音「察しが良いな、目的地は妖怪の山だから橙はついでに守矢神社に行ってその項を説明しに行く、紫から頼まれているんだ」

 

 

妹紅「そういうこった、んじゃお前たち食材の件は頼んだぞ」

 

 

チルノ「もこたん将軍! 了解しました! ズドン!」

 

 

橙、ミスティア、リグル「しました! ズドン!」

 

 

ルーミア「のだー♪」

 

 

大妖精「り、了解です…/// ず、ズドン…///」

 

 

妹紅「おらぁ! もこたんって言うなぁ!」

 

 

慧音「あははは!」

 

 

チルノ「よーし! 行くぞみんな!」

 

 

 おー! タタタ!!

 

 

慧音「気を付けてな~!」

 

 

妹紅「怪我すんなよ~!」

 

 

妹紅「…なぁ、慧音」

 

 

慧音「ん? どうした妹紅」

 

 

妹紅「私のことをもこたんって誰が最初に言い出したんだろうな」

 

 

慧音「…私だ」

 

 

妹紅「はぁ!?」

 

 

慧音「ふっ、冗談だ」

 

 

妹紅「…! お前が言うと冗談に聞こえないよ」

 

 

慧音(輝夜が元凶だなんて言ったら…うむ、辞めておこう、口は災いの元だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 《妖怪の山、麓》

 

 

河城にとり「んじゃ秋姉妹に頼まれたの? この山菜の山を?」

 

 

鍵山雛「えぇ『冬は外に出たくねぇから…ほれ、これ子供に渡してくれ』って」

 

 

にとり「口悪いな!? 最早誰だよって感じなんだけど」

 

 

雛「秋が終わって憂鬱なんだって、冬はいつもこうだもんね…もうちょっと神様らしくしてくれると良いんだけど」

 

 

にとり「ね、あんな状態になってる秋姉妹に話を付けるあの先生は大したもんだよ」

 

 

 

 ワイワイ! ワイワイ!

 

 

 

にとり「お、団体さんのお出ましだ」

 

 

雛「ふふっ、賑やか♪」

 

 

チルノ「あ! 工場長とお雛様だ!」

 

 

ルーミア「工場長なのだ~♪ それとぼんぼり~♪」

 

 

リグル「ぷはっ…! ふふっ、ははは…!」プルプル

 

 

ミスティア「こ…工場っ…! あっははは!」プルプル

 

 

橙「ふふっ…!」プルプル

 

 

大妖精「ち、チルノちゃん! にとりさ…ふふっ…!」プルプル

 

 

にとり「おいぃぃ! 私をどこぞの親方みたいな言い方するな! それから笑うのをやめろぉ!」

 

 

雛「ふくっ…!」プルプル

 

 

にとり「雛まで笑うのかぁ!!」

 

 

雛「ご、ごめ…! ふふっ…」プルプル

 

 

チルノ「よっ! 工場長♪」

 

 

にとり「せめて発明家と言え発明家と!」

 

 

チルノ「何で怒ってんの?」

 

 

ルーミア「雷親方じゃないか~?」

 

 

にとり「親方属性をつけようとするな! なんだ雷親方ってのは! オヤジだろそこは!」

 

 

大妖精「ふふっ…ん``ん``…! ち、チルノちゃんルーミアちゃん! にとりさんに失礼だよ!」

 

 

チルノ、ルーミア「えー…」

 

 

にとり「お前も笑ってたな? ん?」

 

 

大妖精「ご、ごめんなさい!」

 

 

雛「にとり、詰め寄ったら可愛そうよ」

 

 

にとり「ちっ、まあいい…! そんなことよりガキんちょたち、これを見ろ!」スッ

 

 

 バーン!

 

 

チ、ル、大、橙、ミ、リ「おぉ!!」

 

 

雛(えぇここでそれ…? たくましいというかなんというか)

 

 

にとり「これはつい最近私が開発した道具、その名もノビーテツカーム1号だ!」

 

 

にとり「これは手を模して作った機械でね、ここの取っ手にグリップがあるだろう? ここを握ると…」グッ

 

 

 ギュイーン

 

 

チルノ、ミスティア、リグル「うおお!!」キラキラ

 

 

ルーミア「伸びたのだ~♪」

 

 

 ガシッ!

 

 

にとり「凄いだろ、そこに落ちてた石っころを掴んで手元まで持ってくるのさ! これはのびーるアームを小型化したもんで伸縮自在! 伸びる距離十三メートル! 壊れにくい! 防水!」

 

 

にとり「さあ、今ならお買い得だ! 本来なら、二万はするところをまけにまけて千三百! でどうだ!」

 

 

 シーン…

 

 

にとり「…ん、ん?」

 

 

ミスティア「お金とるの?」

 

 

リグル「これに?」

 

 

チルノ「マジ?」

 

 

ルーミア「なのか?」

 

 

橙、大妖精「…」

 

 

にとり「あ、当たり前じゃないか! こちとら制作費だのなんだの諸々」

 

 

 

チルノ「いらない」

ミスティア「いらない」

リグル「いらない」

大妖精「いらないです」

ルーミア「駄作」

橙「いらないです」

 

 

 

にとり「んなっ!?」

 

 

雛「にとり」

 

 

にとり「!」

 

 

雛「私もこれは買わない」

 

 

にとり「!!?」

 

 

ミスティア「あれで金取るとか無いよね、商売舐めんなって感じ、本当は最初から千三百の値打ちしかないのに二万て最初に言ってお買い得みたいに見せてるんだよ、下手な商売人のやり方だよ」

 

 

リグル「へぇ~…てかみすちーが言うと説得力があるね、怖いぐらいに」

 

 

ミスティア「伊達に屋台経営してないからね♪」

 

 

チルノ「ロボなら買ってた!」

 

 

ルーミア「肉なら買ってた!」

 

 

橙「流石にね…」

 

 

大妖精「うん…」

 

 

にとり「くそぅ…最近のガキんちょは小金持ちだと思ってたのに…」orz

 

 

雛「…あ、そうだわ、みんなはお野菜をここまで取りに来たのよね?」

 

 

大妖精「あ、はい、そうなんです」

 

 

橙「あれ? 雛さん何で知ってるんですか?」

 

 

雛「秋姉妹に頼まれたの、あの子たち今は動けない…まぁとにかく動けない状態でお野菜は渡してほしいって、はいこれ、確かに渡したわね」

 

 

大妖精「わぁ…! ありがとうございます!」

 

 

橙「ありがとうございます、雛さん!」

 

 

チルノ「おぉ! キノコに、これは…あ、苦いやつかなこれ」

 

 

ルーミア「うまそーだなー♪」

 

 

リグル「冬の味覚って感じなのかな? お鍋の中に入れたら美味しそう!」

 

 

ミスティア「うん、ほんとにね…」ジュルリ

 

 

リグル「え…み、みすちー!? な、何でそこで私を見るの!? ヨダレもたれてますけど!?」

 

 

大妖精「思ってた以上に早く手に入っちゃたね」

 

 

橙「そうだね、あ…じゃあ橙は守矢さんのところに行って来るね」

 

 

大妖精「橙ちゃん、一人で大丈夫?」

 

 

橙「大丈夫だよ、妖怪の山に住んでるんだから迷わないもん♪ 飛んで行けばすぐ近くだもん」

 

 

チルノ「そんじゃあたいたちここで待ってるからさ、早く行って来なよ、橙」

 

 

ルーミア「待ってるぞー♪」

 

 

ミスティア、リグル「行ってらっしゃい♪」

 

 

橙「うん! 行って来ます!」スッ

 

 

 ビューン

 

 

チルノ「早苗たちとも遊びたかったなー」

 

 

大妖精「またいつでも遊べるよ」

 

 

チルノ「にしし♪ そーだね♪」

 

 

にとり「ふふふふ…」ユラァ

 

 

雛「にとり? 大丈夫?」

 

 

にとり「いらないと言ったことは百歩譲って許してやろう…だがしかしぃ!!」

 

 

チ、ル、リ、大、ミ、雛「!?」

 

 

悪ノリにとり「この中に一人だけ私のノビーテツカームを駄作だと言いやがった悪ガキがいるなぁ…! 聞いてたんだぞ! 誰だぁ!?」

 

 

ルーミア「!」

 

 

チルノ「? あたい言ってないぞ」

 

 

ミスティア、リグル、大妖精「私も…」

 

 

にとり「…!」ギロッ!

 

 

雛「と、隣にいた私が言うわけないでしょ!」

 

 

ルーミア「!」ダラダラ

 

 

にとり「!」ジー

 

 

ルーミア「…わ、わはー…!」ダラダラ

 

 

にとり「…」ジー

 

 

ルーミア「…」ダラダラ

 

 

ルーミア「い、言ってないのかー!」ダラダラ

 

 

にとり「河童は水分…いや、汗を見過ごさない」

 

 

ルーミア「…」

 

 

にとり「…」

 

 

ルーミア「い、言ってないのだ~♪」ダラダラ

 

 

にとり「そーなのかー♪」

 

 

にとり、ルーミア「わはー♪」

 

 

にとり「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

チルノ「?」

 

 

大妖精、雛、リグル、ミスティア「…」

 

 

にとり「…」

 

 

ルーミア「…」

 

 

にとり「言ったのかー?」スッ

 

 

ルーミア「言ったのだー♪」スッ

 

 

にとり、ルーミア「わはー♪」

 

 

ルーミア「あ」

 

 

ルーミア「…」

 

 

にとり「…」

 

 

ミ、大、リ、雛「…」

 

 

チルノ「ルーミア今『あ』って言わなかった?」

 

 

ルーミア「おまっ!?」

 

 

にとり「お前かぁ!」スッ

 

 

 ポチっ! ギュイーン!

 

 

にとり「のびーるアームくすぐりバージョン! 行けぇい!!」

 

 

 ガシッ!

 

 

 

ルーミア「うおっ!?」

 

 

にとり「そ~ら、こちょこちょ地獄の刑だ! たっぷり味わえ!」

 

 

ルーミア「…!? わはははははっ!!? わひゃひゃ!!? わひゃひゃひゃ!!?」ジタバタ

 

 

大妖精「ルーミアちゃん!?」

 

 

チルノ「く、くそっ! ルーミアがやられた!」

 

 

リグル「やられた! 悪の手口だ!」

 

 

ミスティア「オネダンニトリンのこちょこちょ地獄から抜け出た者はいないと聞くが…」

 

 

チルノ「それでも助けるんだ! 行くぞみんな!」

 

 

リグル、ミスティア「おー♪」

 

 

大妖精、雛「え、えぇ…!?」

 

 

にとり「さらに倍!!」スッ

 

 

 ポチっ ギュイーン!

 

 

チルノ「リュックから出てるアームが!」

 

 

リグル「六本から十二本だと…!?」

 

 

ミスティア「不味いねこりゃ…」

 

 

ルーミア「ひーっ! ひーっ! あひゃひゃ!!? あははは!!?」

 

 

チルノ「ひ、怯むなー! ルーミアを助ける! あたいに続けー!」

 

 

にとり「かかって…来いやぁ!!」

 

 

チルノ「アイシクル…! フォール!!」

 

 

 

 

大妖精、雛「この茶番は何なのー!?」

 

 

 

 

 

 

 このあと橙が守矢神社から十五分後に戻って来るのだが

 

 

 そこには何かを成し遂げてボロボロになって満足げに倒れているにとりと、その横でガッツポーズをしているチルノ、ミスティア、リグル、ルーミア、状況についていけていない雛と大妖精の姿を見た橙は最初 

 

 

 何が何だか分からなかったという

 

 

 

 

 

 そして夜、悪の工場長を倒した武勇伝を慧音と妹紅はチルノたちから聞くことになるがそれはまた別のお話

 

 

 

 

 おしまい!

 

 

 







 ここまで読んでいただいてありがとうございました!

 お疲れ様でした!

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