東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 ゆかりん今日はお休み…?

 チームを組んで話し合うという事もやってみたいと思ってたので書いてみました!

 それでは始まります!




【幻想郷の素敵な住人たち】
《第1話》『今日も一日お疲れ様でしたの会』


 

 

 

 ここはみすち屋。

 

 普段は屋台で大っぴらに営業しているミスティア・ローレライが真夜中限定で営業している飲み屋さん。

 

 人里でひっそりと店を構え、人外相手に今日もお酒を振る舞う。

 

 

 

 

八雲藍「えー皆、忙しいなか集まってくれたこと…そしてこの会に参加してくれたことをを心より感謝する!」

 

 

藍「これより第一回、今日も一日お疲れ様でしたの会を開催する!」

 

 

藍「この会は常日頃から上下関係ないし切っても切れない友人関係、それらに日々ストレスを与えられている者が話し合い、飲み、食い、ストレスを発散させる事のできる会となっている」

 

 

藍「愚痴、日々のストレス発散方法、何でもいい…! 語りつくそうではないか!」

 

 

 パチパチパチ!

 

 

藍「会長は私八雲藍」

 

 

魂魄妖夢「副会長は私、魂魄妖夢です」

 

 

藍「そして場所を提供し、貸し切りにしてくれた店の女将、ミスティア・ローレライに拍手を」

 

 

 パチパチパチ

 

 

ミスティア・ローレライ「…///」テレテレ

 

 

藍「それでは乾杯の音頭を、皆、盃を…」

 

 

 スッ…

 

 

藍「では…乾杯!!」

 

 

妖夢「乾杯!」

 

 

鈴仙・優曇華院・イナバ「乾杯です!」

 

 

永江衣玖「乾杯」

 

 

ナズーリン「乾杯」

 

 

蘇我屠自古「乾杯だ」

 

 

 カラァン! ゴクゴク

 

 

藍「んぐっ…んっ…! ぷはぁ! 紫様ちくしょーい!」

 

 

妖夢「んっ、ぷはっ! 幽々子様ちくしょーい!」

 

 

衣玖「随分と荒れていらっしゃいますね」

 

 

ナズ「流石会長と副会長、あれぐらい荒れてもらわねば困る」

 

 

衣玖「お察しします」

 

 

屠自古「私達よりもかなり溜まってるな、ストレスって奴が」

 

 

鈴仙「何言ってるんですか! 人のストレスに大きいも小さいも無いんですよ!?」

 

 

屠自古「お、おう」

 

 

鈴仙「私がどれだけ…ううう」

 

 

ナズ「私達、だろう?」

 

 

鈴仙「私達がぁ…」シクシク

 

 

屠自古「重症じゃねぇか、医者見習い」

 

 

衣玖「私の悩みが小さく見えなければよろしいのですが」

 

 

ナズ「大丈夫さ、鈴仙の言う通り大きいも小さいも無い、ここでは皆平等だろう? 会長殿」

 

 

藍「もちろんだ、この会に弱肉強食は存在しない!」

 

 

屠自古「なんかすごい説得力あるな」

 

 

ナズ「会長だからね」

 

 

衣玖(獣…いえ、黙っておきましょう)

 

 

屠自古「しかし、もっと人数がいるかと思ったんだが…私含めて六人とはな」

 

 

妖夢「候補はもっといました」

 

 

衣玖「そうなのですか?」

 

 

妖夢「ですが、なんだかんだでストレスに対して愛着がある人は除害しました」

 

 

藍「眠れば回復する紅の門番…ストレスの中に嬉しさが滲み出ている大図書館…ストレスとの距離を物理的にとれている死神…むしろ弄られたい白狼天狗…」

 

 

ナズ(それなりに候補がいたようだね)

 

 

屠自古「私達は本当に愛着もクソもないからな」

 

 

鈴仙「逃げ場が無いんですよぉ…! 三方からの囲まれたストレスなんですよぉ!」シクシク

 

 

衣玖「うどんげさん、もう酔ってます?」

 

 

鈴仙「まだです!! 今日は私の話を聞いてもらいますよ!!」カッ

 

 

衣玖、屠自古「!?」

 

 

ナズ「その恐い目を直したらどうだ?」

 

 

妖夢「ノってきましたね」

 

 

藍「うむ、さぁ皆! 今宵は無礼講だぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 《しばらくして…》

 

 

 

鈴仙「うどんげぇぇ…!」ビチャッ

 

 

妖夢「れ、鈴仙! 飲みすぎだよ!」サスサス

 

 

鈴仙「よ、妖夢…あ、ありがと…ちょっと楽になったよ」

 

 

ナズ「そんなに飲み過ぎるタイプではないと思っていたが」

 

 

衣玖「その前にその吐き方は」

 

 

屠自古「その前にそのブツが見えていないとはいえ、目の前で吐かないでくれよ…」

 

 

鈴仙「ご、ごめんらさい…ヒック…」

 

 

藍「日々のストレスの悪夢が…由々しきことだ」

 

 

藍「よし、それでは、皆がどの様なストレスを受けているか話してみようではないか、楽になれるかも知れんぞ?」

 

 

衣玖「では私から…」

 

 

鈴仙「キャーイクサーン!」

 

 

藍、ナ、屠、妖、衣「…」

 

 

妖夢「鈴仙、飲み過ぎだよ…」

 

 

鈴仙「ヒック…」

 

 

衣玖「あの、それは一体…」

 

 

ナズ「気にしてはいけないよ、しかし飲む前から思っていたが君がこの中で一番ストレスとは無縁の様な気がするよ」

 

 

衣玖「そんなことありませんよ? 私は気にしていない様で気にしていますから」

 

 

屠自古「誰から受けているんだ?」

 

 

衣玖「私は上司の娘のお世話係をやらせて頂いております、総領娘様である比那名居天子様ですね、その方から少し…藍さんと妖夢さん、うどんげさんはご存知でしたね」

 

 

妖夢、鈴仙「あぁ…あの」

 

 

藍「うむ…そうだな」

 

 

ナズ「噂は聞いたことあるよ、天人でとても我が儘だと、紅魔館のお嬢様が見栄っ張りならこっちは意地っ張りだとか」

 

 

屠自古「意地張りか、そういうのに振り回されてんのか?」

 

 

衣玖「それは可愛い部類です! もっとあるんですよ!」

 

 

ナズ、屠自古「…!?」

 

 

衣玖「異常なまでの探求心! それに私の心は日々削られております」

 

 

ナズ、屠自古「?」

 

 

衣玖「…お話しします」

 

 

 

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

比那名居天子『ねぇ衣玖、あなたのあの羽衣をドリルみたいにする技あるじゃない? やって?』

 

 

衣玖『はい? えぇ、良いですけど』スッ

 

 

 ギュイイン

 

 

天子『おぉ、これが…♪』ドキドキ

 

 

衣玖『総領娘様?』

 

 

天子『衣玖! そのまま! そのまま動かないでよ...』

 

 

衣玖『?』

 

 

 ドギュルルル!

 

 

天子『うふふっ、よーし…』ベー

 

 

衣玖『え』

 

 

天子『んー…』レー

 

 

衣玖『な、何をなさっているのですか!!?』

 

 

 ドンッ!

 

 

天子『あん♪ ちょっと衣玖! なんで突き飛ばすのよ!』 

 

 

衣玖『こちらの台詞です!! 今何をしようとしていたのですか!』

 

 

天子『そんなもん決まってるじゃない、味見よ味見』

 

 

衣玖『はい!?』

 

 

天子『私ね、まだ舌をドリルで引き裂かれた事無いのよ』

 

 

衣玖『な…!』

 

 

天子『ドリルで舌をギュイインンってされたらどんな痛みが来るのかしら、想像しただけで… っ! あぁん♪』ワクワク

 

 

衣玖『…!?』ゾクッ

 

 

天子『だからお願い衣玖! ドリルを舐めさせて!』

 

 

衣玖『許可できる訳無いじゃないですか!!』

 

 

天子『何でよ!?』

 

 

衣玖『異常ですよ!? ドリルを舐めるだなんて! お辞めなさい!』

 

 

天子『ふっざけんじゃないわよ! もうちょいだったのに! もうあなたにしか頼めないから頼んでるのに! 私の邪魔をするの!?』

 

 

衣玖『邪魔とかそういうレベルの話ではありません!! !? もう…?』

 

 

天子『何よ衣玖まで! 河童に頼んでもやらせてくんなかったし! 興醒めよ!』

 

 

衣玖『何をしているのですかぁ!!』

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

 

 

 

 

衣玖「…」

 

 

ナズ、屠自古「うわぁ…」ドンビキ

 

 

衣玖「博麗の巫女に会うまではこんなおぞましいことを言うお方ではなかったのですが…ほんと、もう何でこうなってしまわれたのか…」

 

 

ナズ「君が背負う事ではないと思う、それに誰のせいでもあるまい、引いたけど」

 

 

屠自古「あぁ確かにな、元からそういう物を持ってて何かの拍子にそれが出たんだろうな、引いたけど」

 

 

衣玖「ううう…」

 

 

鈴仙「わかりますよ、上司の娘…気遣う…それだけでストレスが溜まりますもんね」

 

 

妖夢「しかも問題がその上司の方に報告出来ない事だと…」

 

 

藍「溜め込んでしまう、永江殿は優しい性格だからね辛かっただろう」

 

 

衣玖「皆さん…そう言っていただけるだけでも心が洗われます」

 

 

屠自古「しかし何なんだ、その天人のそれは…どうすりゃいいんだよ」

 

 

ナズ「マゾヒズムだったかな…? それを超えた何かなのだろう」

 

 

藍「紫様も呆れていたな、私も『その尻尾で串刺しにしてみなさいよ!』と言われた」

 

 

妖夢「私も『十回切れば百匹分よね!? さぁ! さぁ!』とか言われました」

 

 

鈴仙「私も『お尻か…未知の領域ね!』とか言われたわね…さっぱり意味が分からなかったけど」

 

 

衣玖「あぁ皆さんにご迷惑を! 私が至らないばかりに…!」

 

 

屠自古「追い詰めてどうすんだよ!」

 

 

藍、う、妖「すいません…」

 

 

ナズ「心の病みたいな物かな? だとしたら永遠亭に診てもらうといいんじゃないかな」

 

 

鈴仙「う~ん、師匠なら何とかしてくれるかもですね」

 

 

衣玖「永琳さんにも引かれたらどうしましょう…」

 

 

ナズ「引かれるのは前提に置いておくことだ、永琳に痛みを教えてもらうとか口実を立てて連れ出すといい、後は医者の仕事だよ、永江殿、さっきも言ったがあんまり自分を責めてはいけないよ」

 

 

衣玖「はい、ありがとうございます…少し元気になりました」

 

 

藍「流石、賢将と呼ばれているだけはあるな」

 

 

衣玖「ナズーリンさん、ありがとう」ニコッ

 

 

ナズ「べ、別に…ここはほら、そういうのを話し合う会だろう?」

 

 

屠自古「鼠が照れたぞ」

 

 

鈴仙「ちゅ、ちゅう…///」

 

 

妖夢「あはは! 何ですかそれ」

 

 

ナズ「…辞めたまえ」

 

 

衣玖「ふふっ…♪」

 

 

藍「ふふっ、では賢将殿、次お願いしていいかな?」

 

 

ナズ「うむ? 私か…?」

 

 

衣玖「私に適切なアドバイスをして下さるナズーリンさんこそストレスとは無縁な気がしますが」

 

 

ナズ「いやそんな事はない、私とて精神的に来ることが多々ある、主に寺でだね」

 

 

屠自古「そういやお前って命蓮寺のメンバーじゃないのか?」

 

 

ナズ「正確には違う、住職の聖から誘われてはいるが断っているよ、嬉しい申し出ではあるんだけどね」

 

 

妖夢「そんなナズーリンさんのストレスって?」

 

 

ナズ「私の場合は…そうだな、イライラだ」

 

 

鈴仙「あなたって怒りっぽいの?」

 

 

ナズ「そんな事はない筈…だからな、想像して聞いてほしいんだ」

 

 

藍、鈴、妖、屠、衣「?」

 

 

ナズ「私がイライラしている様をね」

 

 

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

 

寅丸星『ナズ!』

 

 

ナズ『はい分かりました、探しに行ってきます』

 

 

星『えぇ!? まだ何も言ってないじゃないですか!』

 

 

ナズ『その興奮の口振り、また宝塔を無くしたんだろう? 分かっているよ、分かっているともさ』

 

 

星『…』

 

 

ナズ『さぁ教えてくれるかい? どこから宝塔の記憶がない、どこで気が付いた、誰かと一緒だったのかい?』

 

 

星『ふっふっふっ…』

 

 

ナズ『? どうしたご主人』

 

 

星『ナズ、私はいつもあなたに宝塔がない宝塔がないと迷惑を掛けてばかりでしたね』

 

 

ナズ『自覚があるのか、何よりだよ』

 

 

星『だからですね…ふふふっ♪』

 

 

ナズ『…?』

 

 

星『見つけたんですよ!』

 

 

ナズ『見つけた?』

 

 

星『そうです!』

 

 

ナズ『…?』

 

 

星『ふふっ』

 

 

ナズ『…! まさかご主人…!』

 

 

星『そうです!』

 

 

ナズ『そ、そうか! 遂に…!』

 

 

星『はい!』

 

 

ナズ『遂に自分で無くした宝塔を自分で探す事が出来たのか!』

 

 

星『はい! はい…?』

 

 

ナズ『どんくさいご主人も遂にここまで成長出来たのだね! うんうん! 初めて感心したよ! いやあ、実に馬鹿なご主人だとは思っていたが、そのご主人がとうとう』

 

 

星『違いますよ?』

 

 

ナズ『ん?』

 

 

星『だからですね、違います』

 

 

ナズ『…何がだい?』

 

 

星『私が宝塔を探せる訳ないじゃあないですか、ナズ、大丈夫ですか?』

 

 

ナズ『…』イラッ

 

 

星『見つけたと言うのは宝塔が無くならない方法ですよ』

 

 

ナズ『…ちなみに?』

 

 

星『ほらぁ、宝塔って私の知らぬ間にいつも無くなるじゃないですか』

 

 

ナズ『あぁ、まるで息をするかの如くね』

 

 

星『そうなんですよ~♪ だからですね、この寅丸星! 考えました!』

 

 

星『私が知ってる間に無くなれば自動的に帰ってくるのではないかとね!!』

 

 

ナズ『いや、その理屈はおかしい』

 

 

星『そう考えた私は早速行動に移しました! そして!』

 

 

星『思いっきり宝塔を空の彼方にぶん投げてやったんですよ~♪ これでひと安心ですね!』

 

 

ナズ『…そうか、ぶん投げたのならこの辺にあるんだろうね、ありがとうご主人』イライラ

 

 

星『いえいえ、さ、ナズ、ここに座して宝塔の帰りを待ちましょう? 茶菓子もありますよ?』

 

 

ナズ『いや、折角だが遠慮しておくよ、少し出掛ける用事がたった目の前で発生したからね』

 

 

星『?』

 

 

ナズ『それじゃあねご主人、次は他の作戦を考えておくことをお勧めするよ』イライラ

 

 

星『何故です?』

 

 

ナズ『後ろを見ればわかるよ、ではね』スタスタ

 

 

星『?』スッ

 

 

聖白蓮『うふふ』ニッコリ

 

 

星『ひ、聖!? な、何をそんなに怒って』

 

 

聖『怒っている様に見えますか?』

 

 

聖『実はですね、私先程あなたが宝塔を空の彼方にぶん投げているのを見てしまいましてね』

 

 

星『そ、そうなんですか! 聞いてくださいよ聖! この方法なら宝塔が自動的に』

 

 

聖『誰かに当たったらどうするのです?』

 

 

星『………あっ!!?』ダラダラ

 

 

聖『……いざ、南無さーん♪』グッ

 

 

 ボゴォ! アーッ!

 

 

ナズ『ご主人は実に馬鹿だな…』

 

 

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

 

 

ナズ「な? 自然にイラッとするだろう?」

 

 

藍、鈴、妖、屠、衣「うんうん」コクコク

 

 

屠自古「ぶん投げてる時点で無くなってるじゃねぇか、あの虎本当に大丈夫か?」

 

 

鈴仙「ナズーリンはあれよね、上司が馬鹿過ぎて駄目な感じね」

 

 

ナズ「上司…う~んまあそんなとこだね、君達も永江殿を除き上司そのものに振り回されてる口だろうが私の場合は少し違う」

 

 

ナズ「同じことに対して注意しても全く直そうとしないし、成長の見込みすらない、しかも自覚があるせいで余計に質が悪い」

 

 

屠自古「空回りする奴のそれだもんな」

 

 

ナズ「そうだ、悪い方悪い方に事が進む…それが正しいと自分を曲げないのもいただけない所だ」

 

 

藍「私の場合は…わざとって感じもあるしなぁ」

 

 

妖夢、鈴仙「同じく」

 

 

衣玖「もう少し柔軟な発想が星さんにできれば或いは…」

 

 

ナズ「残念だが…私も諦めている節があるほどだ」

 

 

藍「それよりも何故そんなに宝塔が無くなるんだろう」

 

 

ナズ「こっちが聞きたいよ…何かズレているご主人に愛想がついた宝塔が逃げ回っているとしか思えないよ」

 

 

妖夢「本当にそうだったらどうします?」

 

 

ナズ「あり得なくないんだよ、だから恐いのさ」

 

 

屠自古「付喪神にでもなったりするのかな」

 

 

ナズ「いっそのことなれと言いたい…」

 

 

衣玖「ナズーリンさん、先程の事の受け売りになりますが星さんも永琳さんに診てもらっては?」

 

 

ナズ「…考えたくは無かったが、覚悟を決めるしかないか」

 

 

衣玖「なら共に行きませんか? 私も覚悟のうえです」

 

 

ナズ「ありがとう、心に留めておくよ」

 

 

衣玖「はい!」

 

 

鈴仙「家は大歓迎ですよぉ♪ 治療費を払っていただければ♪」

 

 

ナズ「診るのは君ではないだろう?」

 

 

鈴仙「わ、私だって少しは手伝うもん…」

 

 

妖夢「まあまあ」

 

 

屠自古「…しかしまぁ、あんまり自分の主の事を悪く言うのは感心しないぞ?」

 

 

ナズ「君の家とは考え方も違うからね」

 

 

藍「しかしそのせいで歩み寄れない事もあると私は思うが」

 

 

屠自古「…! 痛いとこついてくるな」

 

 

妖夢「屠自古さんの家の方々とは一度剣を交えましたが…思い込みが激しいくらいしか記憶に無いですね」

 

 

屠自古「よく見てんな、概ねその通りだ」

 

 

屠自古「私の主…太子様、それから物部布都、後…あの青いの」

 

 

藍「邪仙の青娥か?」

 

 

屠自古「あぁ、ストレスはそいつからが一番受けてる…次いで布都か」

 

 

衣玖「屠自古さんの家庭が気になりますね、同じ雷の力を持つものとして」

 

 

屠自古「お前空気じゃなかったか? ま、いいか」

 

 

屠自古「私の場合、チマチマと精神的に来る、がお前達と違うのは直ぐにそれを発散出来る立場にいるってとこか」

 

 

鈴仙、妖夢「いいなぁ…」

 

 

藍「聞かせてくれるか?」

 

 

屠自古「あぁ、聞かせてやんよ」

 

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

 

屠自古『太子様、お呼びですか?』

 

 

豊聡耳神子『おぉ屠自古、待ってたよ』

 

 

屠自古『お待たせして申し訳ありません、布都のアホが私の皿の上に大根乗っけて『屠自古ぉ! 合体奥義を今こそみせる時じゃ! パワーを弾幕に!』とかアホやっていてそれの処理に手間取りました』

 

 

神子『あぁだから雷鳴が…布都もやんちゃが直らないね、もう少し落ち着いてくれると助かるんだが』

 

 

屠自古(やんちゃで済みゃあ雷はいらないんだけどなぁ)

 

 

屠自古『それより太子様、ご用は?』

 

 

神子『あぁ、実は…これを見てくれ』スッ

 

 

屠自古『? !? これは…!』

 

 

神子『どうだろう、遂先程完成してね』

 

 

神子『こころにプレゼントしようと思ってね、その名も…勇気の面!』

 

 

屠自古『ゆ、勇気…ですか』

 

 

神子『そうだよ、勇気をひしひしと感じるだろう! 希望があるなら今度は勇気をこころにあげたいと思ってね♪』

 

 

屠自古『ソ、ソウデスカ~…アハハ…』

 

 

屠自古(み、微塵も勇気が感じられねぇ!)

 

 

屠自古(なんだこの私と布都を足して二で割った様な造形は!? 希望が自分だったから勇気は私達だってか!? 嬉しいはずなのに嬉しさが無くなるのは何故なんだ!?)

 

 

屠自古(こころにこれを!? 駄目ですよ太子様! 希望の面でもこころは嫌々だったじゃあないですか!)

 

 

屠自古(や、やべぇ…! どうする、このままではこれがプレゼントされる…何とかしなければ…そして尚且つ、太子様を傷付けないように)

 

 

屠自古『た、太子様、私がこれをこころにプレゼントしてきますよ』

 

 

神子『屠自古がかい?』

 

 

屠自古『は、はい!』

 

 

屠自古(処分も考えたが太子様の事だ、こころに感想を聞くに決まってる、私からこころに事情を話して穏便に済ませるように言えばいい)

 

 

神子『う~ん、しかし…』

 

 

屠自古『大丈夫ですよ太子様、必ず届けますか』

 

 

 バン

 

 

霍青娥『はぁ~い♪ 豊聡耳様、あら屠自古さんも』

 

 

神子『おや、青娥ではないですか』

 

 

屠自古(何でこのタイミングで来やがるんだこの爆弾魔が!)

 

 

屠自古(ヤバイ! どうす)

 

 

青娥『? あら、このお面は』

 

 

神子『青娥、流石だなこれに目をつけるとは、素晴らしいだろう?』

 

 

青娥『えぇ、とても素晴らしいですねこれ♪』

 

 

屠自古(だ、黙れ…喋んななんちゃって仙人…!)

 

 

神子『これを着ければたちまち勇気が湧いて出』

 

 

青娥『ていくんですねわかりますよぉ♪ 勇気が零♪ この面が直に吸収していく仕組みですか? 豊聡耳様?』

 

 

神子『 』orz

 

 

青娥『? 豊聡耳さ』

 

 

屠自古『てめぇ何言っちゃってくれてんだゴルァ!』

 

 

青娥『はてさてなんの事やら♪』

 

 

屠自古『わざとだろてめぇ!』

 

 

青娥『屠自古さんだって私と同じ感想の癖に~♪』

 

 

屠自古『ぐっ…! あぁもうどうすんだよこの感じぃ!』

 

 

青娥『~♪ あっ、芳香ちゃ~ん♪ お札変えましょうねぇ♪』

 

 

神子『 』orz

 

 

 

 

 

 ホワンホワン…

 

 

屠自古「ま、こんな感じだな、いつものことだ」

 

 

妖夢「屠自古さんって頭の中で色々考えてから行動してるんですね」

 

 

鈴仙「驚いた…あなたって結構思考を練るタイプなのね」

 

 

衣玖「お二人とも失礼ですよ?」

 

 

屠自古「お前ら私の事何だと思ってんだよ」

 

 

妖夢、鈴仙「豪族ヤンキー」

 

 

屠自古「あぁ!?」

 

 

藍「しかし自分でストレス発散出来ているのは素晴らしい事だ、能力有っての事でもあるが…」

 

 

ナズ「それが出来る環境があるのが羨ましいと私は思うよ」

 

 

衣玖「私がやったらご褒美になってしまいますし…」

 

 

鈴仙「私は無理、反撃されるし何倍にもなって帰ってくる」

 

 

妖夢「主に剣は向けません…非常時以外は」

 

 

屠自古「……私は結構恵まれてる方な気がしてきたな」

 

 

鈴仙「恵まれてるよ、その恵みをください」

 

 

衣玖「切実ですね…」

 

 

屠自古「やってやれねぇのよ…分かれ」

 

 

鈴仙「うう…」

 

 

藍「さて、どんどん話していこうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「どうしてあんなに食べれるんですか!? 亡霊の食事はどうなってるんですかぁ!?」

 

 

屠自古「ええい! 私に聞くなぁ!」

 

 

 

 

 今日も一日お疲れ様でしたの会の飲み会は

 

 

 

 

鈴仙「うどん食えよ! そば食うな! って言われたことある!? うえーん!」シクシク

 

 

鈴仙「何かある度に可愛い可愛い言ってはぐらかされたりする事が多いんですよぉ! ちゃんと私の話を聞いてくれないのはどうしてぇ…、 私の事もっと優しくしてぇぇ…」シクシク

 

 

衣玖「わかります…いえ実はあんまり分かってないですけど、理不尽なのはわかりますよ」

 

 

衣玖(う~ん…可愛い可愛いは愚痴…?)

 

 

 

 

 深夜まで続いた

 

 

 

 

藍「ババアのバカヤロー!!」

 

 

ナズ「もう少しオブラートに包みたまえ」

 

 

 

 

 そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「ゆ、ゆかりさまのばば…グー…」zzZ

 

 

鈴仙「し、ししょー…おいてかないで…スー…」zzZ

 

 

妖夢「だめですよ…ゆゆこさ…それははくろうけ…たべちゃだめ…スー…」zzZ

 

 

屠自古「クー…クー…」zzZ

 

 

衣玖「スヤスヤ…」zzZ

 

 

ナズ「うむ、女将、もう一杯だ」

 

 

ミスティア「ナズーリンさん凄いですね、全然酔ってないじゃないですか」

 

 

ナズ「私は酒に溺れないよ、酒で精神的苦痛から逃れるタイプじゃない…まぁそれを少し羨ましいと思っている私もいるにはいるけどね」

 

 

ミスティア「…」

 

 

ミスティア「皆さん楽しそうでしたね」

 

 

ナズ「あぁ、たまにはこういうのも悪くないね」

 

 

ナズ「…」チラッ

 

 

ナズ「今日も一日お疲れ様、幻想郷の世話好き達」

 

 

ミスティア「ふふっ…♪」

 

 

 

  おしまい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《オマケ、マヨヒガのお一人様》

 

 

紫「はぁ…やっと家に着いたわ」

 

 

 紫はマヨヒガの縁側に腰を下ろす

 

 

紫「ふぅ…ら~ん、帰ったわよ~、お茶頼むわねー」

 

 

紫「ったく、あいつらときたら…ほんとにやんなっちゃうわね」

 

 

紫「四季同盟だか何だか知らないけど『自分の四季が一番良い!』だのなんだので暴れんなって話よ、特にリリーは制御が効かないんだから…」

 

 

紫「霊夢がレミリアのとこに行っちゃったから仕方なく私が鎮圧したけど…私のお仕事じゃないわよねあれ」

 

 

紫「ま、でも面白い物見れたからそれはそれで満足かな」

 

 

紫「吹っ切れ秋姉妹と雪女の倒れてるのを尻目に互角に格闘するフラワー畑とデスよー精…」

 

 

紫「やっぱ面白くないわ…パワーバランスを乱すなっちゅーのに…また阿求に伝えておかなきゃね、こんちきしょー、私に仕事を与えるでないわぁ…」

 

 

紫「? 藍? お茶はまだ?」

 

 

 シーン…

 

 

紫「……?」

 

 

紫「…藍?」

 

 

紫「…お~い、ら~ん」

 

 

 シーン…

 

 

紫「…」

 

 

紫「藍丸! 花藍! 藍暴!」

 

 

紫「淫藍狐!」

 

 

 シーン…

 

 

紫「…」

 

 

紫「ん``ん``…」セキバライ

 

 

紫「らんしゃま~、橙はここですよー!」

 

 

 シーン…

 

 

紫「? おかしいわねこの前は」

 

 

 

 

 

 

藍『ちぇぇぇぇんん♪』

 

 

紫『ざーんねん♪ ゆかりんでした♪』

 

 

藍『ぬぁっ!? おばぁ!?』

 

 

紫『ゆかりん激おこプンプン丸♪』

 

 

藍『古っ!? ってはっ!? しまったつい!』

 

 

紫『藍、覚悟しなさい!』

 

 

 アーッ…!

 

 

 

 

 

紫「な~んてやり取りしたけども」

 

 

紫「いないのかしら? 珍しいわね」スッ

 

 

 紫は藍を探しに居間に向かった

 

 

紫「藍? あれ…マジでいないわねって、ん?」

 

 

紫「手紙? それにこれは…?」ペラ

 

 

 『紫様へ、今日は私用がありここには帰れません、前に橙を偽った腹いせをしている訳ではありませんので心配しないで下さい、縁側での会話も無くなりますがお許し下さい』

 

 

紫「…」

 

 

 『なのでお夕飯ですが、この手紙の横にある物を外から持ってきたレンジで温めて食べて下さい、それとたまには仕事してください、お疲れ様のおの字も書けません、それでは行ってきます』

 

 

紫「…」

 

 

 『P.S.探さない、詮索しない、首を突っ込まないでください』

 

 

紫「新婚さんも大変ね、こうやってすれ違いが起きて次第に大きくなって離婚って違う!!」クワッ!

 

 

紫「帰らない!? 私用!? このゆかりん差し置いて!?」

 

 

紫「しかもなんなのよ! このシャンパンタワー並みに盛られたこのいなり寿司の山は!?」

 

 

紫「これを温めて食えと!? あなた絶対私が橙と偽った事を根にもってるでしょうが!」

 

 

紫「え? マジに帰ってこないの? お夕飯をゆかりん一人で食べんの? 山盛りいなり寿司を?」

 

 

紫「…」

 

 

紫「何これめっちゃ寂しい」シクシク

 

 

紫「うわーん!! れい…!」

 

 

 

 

 

霊夢『紫、今日レミリアのとこに呼ばれてるから着いて来ないでね? 先に来るなって行ったわ♪ 来たら…ふふっ』ニッコリ

 

 

 

 

紫「……」シクシク

 

 

紫「うわーん! 幽々子ぉ! 藍がいじめるぅ!」ギュオン

 

 

 紫はスキマの中へ…

 

 

 

 

 おしまい!

 

 

 

 







 読んでくださってありがとうございました!




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