東方紫藍談  ~紫と藍の幻想談~   作:カテサミン

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 『紫が藍をいじるだけ』をタイトルにしても違和感がないような…

 今回は夏がテーマになってます、それでは始まります♪



《第3談》鳥の鳥肌は大妖怪も震えて逃げる

 

 

 

  【鳥肌の立った話】

 

 

 

八雲紫「……ぬぁ~…」ダラダラ

 

 

八雲藍「……紫様」ダラダラ

 

 

紫「……ぬぉ~」ダラダラ

 

 

藍「……紫様」ダラダラ

 

 

紫「……何」ダラダラ

 

                

藍「助けて下さい……」ダラダラ

 

 

紫「……ムリ…」ダラダラ

 

 

藍「ですよね……」ダラダラ

 

 

紫「藍……」ダラダラ

 

 

藍「紫様……」ダラダラ

 

 

紫「…」

 

 

藍「…」

 

 

 

 

 ジリジリ、ジリジリ、ジリジリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫、藍「あっっっっっつい!!」

 

 

紫「なんなのよこの暑さは…これが幻想郷なの…?」

 

 

藍「はい…間違いなく…貴方の愛する幻想郷です」

 

 

紫「愛されてるのなら少しは慈悲があってもいいんじゃないかしら…管理人に対するこの仕打ち…如何なものか…」

 

 

藍「汗が止まらない…」

 

 

紫「あなたを見ててもつらいわよ…そんな暑苦しいの九本もぶら下げてるの見てたら余計にね…取り外しなさいよ…」

 

 

藍「無茶言わないで下さいよ…九尾のアイデンティティーなんですよ?」

 

 

紫「…金魚のフンみたいにくっついて…こう、スポーン! って抜けないの…?」

 

 

藍「さらっと酷いこと言いましたね…力もうがなにしようが抜けませんよ…」

 

 

紫「…暑苦しい」ダラダラ

 

 

藍「酷いなぁ…」ダラダラ

 

 

紫「まぁ確かに可哀想ではあるわ…藍みたいな獣タイプの妖怪は…」

 

 

藍「えぇほんとにつらいですよ…暑さは敵です…竹林の狼や命蓮寺の山彦はどう過ごしているのでしょうか…」

 

 

紫「藍…珍しいわね、あなたが橙の心配をしないなんて」

 

 

藍「…? あぁ、紫様はご存じないのですか? 橙なら心配無用ですよ」

 

 

紫「…?」

 

 

藍「橙はチルノ達と遊んだりしてますし、チルノが側にいればそれだけで快適でしょう、それにこの時期になるとにとり達のところに行って夏を満喫しているそうです…式神の紙が取れない様に工夫して毎日楽しいみたいですよ?」

 

 

紫「…!?」

 

 

藍「…? 紫様?」

 

 

紫「…」

 

 

藍「…?」

 

 

紫「…」スッ

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」ギュオン

 

 

藍「…」

 

 

紫「…」ススス

 

 

  ガシッ!

 

 

藍「…紫様」

 

 

紫「藍……私の美しい手を離してくれない? 何故掴むの?」

 

 

藍「嫌です」

 

 

紫「何故?」

 

 

藍「スキマを開いて自分だけどこに行こうとしてるんですか?」

 

 

紫「…別に…」

 

 

藍「橙の話を聞いたときに『その手があったか』みたいな顔しましたよね」

 

 

紫「…さすがね藍、以心伝心とはこの事ね」

 

 

藍「ありがとうございます」

 

 

紫「じゃあこの手を離して?」

 

 

藍「嫌です」

 

 

紫「…」ニッコリ

 

 

藍「…」ニッコリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「ヤダヤダ!! 離しなさい藍!! ゆかりんは橙のところに行くの!」グググッ

 

 

藍「行かせるわけないでしょう!? 色々と考えて下さいよ!」グググッ

 

 

紫「はぁ!?」

 

 

藍「貴方が橙達と『いる』ぐらいならまだしも『遊ぶ』となったらまずいでしょ色々と!! まだまだ子供のあの子達と貴方がキャッキャッしてたら霊夢が異変解決に乗り出すレベルの光景が広がるんですよ!?」

 

 

紫「私は涼みながら遊ぶだけよ!!」

 

 

藍「ほらぁ! やっぱり遊ぶ気マンマンじゃあないですか! まだ書類整理が残ってるんですよ!?」

 

 

紫「あぁんもう! コンコンコンコンうるさいキツネねぇ! 閻魔かっての!! 今日は仕事はなし! ゆかりん遊ぶ!」

 

 

藍「毎日何かしら理由付けてサボる者が遊ぶなぁ!」

 

 

紫「はぁはぁ…」ダラダラ

 

 

藍「はぁ…はぁ…」ダラダラ

 

 

紫、藍「はぁ~……」グッタリ

 

 

紫「分かった…分かったわよ藍」

 

 

藍「…分かっていただけました?」

 

 

紫「でも今日は仕事は無しで…暑すぎる」

 

 

藍「それは…う~ん…」

 

 

紫「首が中々縦に振れないわね…だったらなにか涼しくなることして」

 

 

藍「ですからそれができれば…あ、でも」

 

 

紫「?」

 

 

藍「紫様が子供達と絶賛お戯れ中を想像したら鳥肌が立って少し涼しくなりました」

 

 

紫「さらっと酷いこと言ったわね…」

 

 

藍「お返しです…」

 

 

紫「鳥肌ねぇ…藍、なにか怖い話して」

 

 

藍「貴方を恐怖させる怪談が思い付きません…」

 

 

紫「希望が絶たれたか…」

 

 

藍「紫様が話して下さいよ、そういうのは得意でしょう?」

 

 

紫「何で私が…あ」

 

 

藍「?」

 

 

紫「この前…ちょうど九日前の夜にさ? 幽々子と私で飲みに行ったじゃない? 人里に」

 

 

藍「話して下さるんですね…あぁ、はい」

 

 

紫「どこで飲むかは決めて無かったの、だから適当にフラ付いてたらあの夜雀の屋台が目に入ってね? 『あそこにしましょう?』って私幽々子に聞いたの、そしたら幽々子何て言ったと思う?」

 

 

藍「?」

 

 

紫「『いいわね♪ でも紫、少し練習させてくれない?』って言ってきたの」

 

 

藍「? 練習?」

 

 

紫「…妖夢を驚かせる練習」

 

 

藍「…はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  【9日前、人里】

 

 

 

ミスティア・ローレライ「ふぅ…仕込みはこんなものかな…?」

 

 

ミスティア「夏でもおでんは結構売れるんだよね、八ツ目鰻も準備よし! お酒よし! うん、完璧!」

 

 

ミスティア「後はお客さんよねぇ、今日は妹紅さん来るかな…? …!? つぅ…!」キィィン

 

 

ミスティア「な、なに今の!? な、なんか頭に電気みたいのがバチッ! って…」

 

 

ミスティア「…? なんか、頭の中がザワザワするような」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハラペコ ハラペコ ユユコサマー

 

 

ミスティア「!!?」

 

 

 マンプク シリタイ ユユコサマ♪

 

 

ミスティア「え!? え!? な、なに!? 声が頭の中で響いて…」

 

 

 ヤツメ~ ウナギジャ モノタリナイ

 

 

 オデン~ ヤキトリ  マダマダヨ

 

 

ミスティア「ひっ…! ひゃっ…!?」ブルブル

 

 

 エッ、ナニ? ココワタシ? …フンフンフフ~ン、フンフンフフーン

 

 

ミスティア「ひ、ひぇ…」ガタガタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイゴニ ミスティア イタダキマス♪

 

 

  ガブッ!

 

 

ミスティア「きゃああああああああああぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「紫様のスキマをミスティアの頭の中に繋いで語り掛けたと」

 

 

紫「そ♪ でも最後にインパクトがほしいって言うからね? 『そっと背中から抱きついて耳でも噛んでやったら?』って言ったの、まさかほんとにやるとは思わなかったけどね」

 

 

藍(今度迷惑掛けた侘びになにか持っていかなければ…)

 

 

藍「その後は…?」

 

 

紫「気絶した夜雀を叩き起こして普通に食べて飲んで 帰ったわよ? 夜雀の手がガタガタ震えてたのが印象的だったわ」

 

 

藍(鬼ですか貴方達は!! いや鬼でもやらないわ!!)

 

 

藍「ちゃんと謝ったんでしょうね…?」

 

 

紫「誤解は解いたわ『鳥肌が立ちましたよ…』って言われたの」

 

 

藍「はぁそうですか、それで? これの何処が怪談何ですか? ちっとも怖くないじゃないですか」

 

 

紫「…藍、あなたそれ本気で言っているの…?」

 

 

藍「…はい?」

 

 

紫「私はね、この話を今思い返して恐怖を感じているのよ!?」

 

 

藍「え?」

 

 

紫「あの子夜雀の妖怪でしょ?」

 

 

藍「はい」

 

 

紫「ってことは鳥よね」

 

 

藍「はい」

 

 

紫「鳥なら最初から鳥肌じゃないのよ!! 鳥肌の上にさらに鳥肌よ!? きっと身体中が黒色の斑模様で埋め尽くされた皮膚にあの時なっていた筈よ!? フジツボみたいに! いやぁ! おぞましい!」

 

 

藍「いやただのダジャレじゃないですか!!」

 

 

紫「どっちにしろゆかりん肝が冷えたわよ!」

 

 

藍「私は紫様のせいで『もうギャグだけしか聞こえない』ですよ!! あぁ寒い寒い!!」

 

 

 

 

 

 

 

  おしまい!

 

 

 






 今回は文字で遊び過ぎた気がします…

 ここまで読んでいただきありがとうございました。


 

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