機動戦士ガンダムSEED〜日本国自衛隊〜   作:名無之助

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 ちょっと分けます。

 見直したら直したいところ結構あり、直した分から投稿していきます。

 


最終話・地球の興亡この一戦にあり・1

 CE71年 8月21日 この日、ザフト軍宇宙要塞ヤキン・ドゥーエにて、地球連合と日本、ユーラシア連邦を主力とする連合軍と、ヤキン・ドゥーエに展開するザフト全軍との間で、決戦の火蓋が切って落とされようとしていた。

 

 連合軍は、この戦いを今次戦争での最後の戦いとするという決意を胸に進軍していた。

 

 連合軍の総指揮を任せられていた日本国航宙自衛隊、独立航宙打撃群群司令兼第一航宙打撃艦隊司令である菊地宙将は、決戦を前に全軍に対し通信回線を開き、訓示を行おうとしていた。

 

 「司令、もう間も無く時間です」

 

 「分かった…全軍への通信回線を開け」

 

 「了解です」

 

 通信回線が開くと、菊地宙将は口を開く。

 

 【全軍に達する。今回の作戦の成否は、人類のみならず、地球に生きとし生けるも全ての生命、そして何より、諸君らの家族…親や兄弟姉妹、親友や恋人、夫や妻や子供…諸君の愛する者…それらの命運を左右するものである。

 歴史を見ても、両軍合わせて1000隻近い艦艇が真正面から戦った戦闘は類を見ないだろう…しかし、私は諸君らを信じる。諸君……歴史を生むのだ。

 我らは歴史を生む…史上類を見ないほどの会戦を見事勝利で飾り、歴史を刻むのだ!諸君…本日は決戦日和である!宇宙は静かなれども我らは意気軒昂也!地球の興亡この一戦にあり!総員奮起し事にあたれ‼︎

 以上だ…全軍、攻撃を開始せよ‼︎】

 

 菊地宙将の命令を受け、連合艦隊から次々とMS隊やMA隊が出撃し、ザフト軍の防衛線へと殺到した。

 

 それは、ジェネシス攻略部隊も同じく、ジェネシス攻略のため前進を開始した。

 

 

 ジェネシス攻略部隊は、最低限の予備を後方に配置し、殆ど全ての部隊がジェネシスの防衛線へ前進、中央突破を図る。

 

 

 しかし、それは本命では無い。

 

 一部の部隊が中央突破を図る部隊と離れ、ザフト軍に気付かれないように防衛線を側面から迂回する様に行動していた。

 

 

 そしてその中には、ジェネシス破壊のため、特殊な装備を積んだMA部隊もいた。

 

 『こちら、ユーラシア連邦第71戦術航宙機戦隊リヒトホーフェン1、合流宙域に到着した!』

 

 『了解リヒトホーフェン、こちらも到着した!我々は大西洋連邦第121戦術戦闘航宙戦隊ムルーク1だ。よろしく頼む!』

 

 この二つの部隊合わせて24機が装備するのは、各MAに2発づつ装備された特殊弾頭ミサイルである。

 

 このミサイルは核では無く、日本が開発した真田機関と呼ばれるエンジンから発生した特殊なエネルギーの余剰分を研究し、弾頭に組み込む事でフェイズシフト装甲の効果を限定、阻害した上で、小型の核の凡そ4割から5割程の威力の爆発を発生させるものであった。

 

 ボアズを降伏に追い込んだエネルギー砲では、プラント本国…つまり民間人への影響の可能性が排除できないことから準備されたものであったが、準備できたのは先の2個MA隊に装備された24発のみで、失敗は許されない。

 

 そのため、この2個部隊の直掩部隊は最高のものが用意されていた。

 

 『リヒトホーフェン1及びムルーク1、こちら日本国航宙自衛隊特殊戦技教導隊アサルト1、これより直掩につく』

 

 特殊戦技教導隊が直掩に着くと、それに続くように直掩部隊が合流してくる。

 

 『こちらは同じく直掩につく、ユーラシア連邦第101独立航宙戦闘隊、グリフィス1だ。よろしく』

 

 『右に同じく同102独立航宙戦闘隊、黄色の13、我々も直掩につく…MAで心許ないかもしれないがな』

 

 教導隊とその二つの部隊が合流すると、リヒトホーウェン、ムルークの両隊の士気は最大限まで高まった。

 

 『こちらリヒトホーウェン1、日本の赤鬼や更に南十字星と黄色の死神という最高のエース部隊と一緒に戦えるんだ!むしろ心強い‼︎』

 

 『ムルーク1だ、我々もそれに同意する!よろしく頼む!』

 

 

 そうして、前進する連合軍を前に、ザフト軍も迎え撃つため、全軍に出撃命令が出された。

 

 その直前、ジェネシスに動きがあった。

 

 そう…ジェネシスは既に第一射を発射できる体制であったのだ。

 

 それにいち早く気づいたのは大西洋連邦第十艦隊を率いるグリーン・ワイアット中将であった。

 

 ジェネシスがガンマ線を収束させる段階になり、それを確認したワイアットの判断は早かった。

 

 「不味い!ジェネシスが発射体制になっている‼︎全艦散開せよ‼︎機関最大で各位全力で射線上から離脱せよ‼︎同時に射線から予測着弾地点を算出し即座に警告を行え‼︎急げぇ!!!」

 

 

 ワイアットがそう命じて数十秒後、ジェネシスが発射され、多数の艦艇がその光の束に飲み込まれることとなり、また、月の大西洋連邦軍基地も甚大な被害を受けた。

 

 しかし、警告が早く、基地は消失したが、何隻かの艦艇が基地要員を一部収容し緊急離脱に成功、基地の人員の約2割の人員の命が救われる事となる。

 

 「…やってくれたな…各艦隊の損害を知らせよ」

 

 「は、我が艦隊は約20%の艦艇と艦載機は3割が消滅しました。日本及びユーラシア連邦の艦隊は、日本は我が艦隊と同等の損害ですが…ユーラシア連邦の艦隊は射線の中心に近かった事もあり凡そ6割を喪失した模様です」

 

 その言葉を聞き、ワイアットは頭を抱えたくなるが、それを何とか抑えて冷静さを保ち、艦隊に対し各戦隊ごとに分かれて前進するよう指示を出した。

 

 ーー

 

 【我らが勇敢なるザフト軍兵士の諸君!傲慢なるナチュラル共のこれまでの所業を断じて許してはならない!ボアズに向かって放たれた超兵器!奴らは、血のバレンタイに核による報復を自制した我らに対し、あの様な核をも超える兵器を使うと言う暴挙に出た‼︎これは最早戦争では無く虐殺に等しい‼︎

 諸君‼︎ そのような行為を平然と行なうナチュラルどもを 最早 我らは決して許すことは出来ない!新たなる未来… 創世の光は我らと共にある!この光と共に今日という日を 我ら 新たなる人類コーディネイターの輝かしき歴史の 始まりの日とするのだ!!】

 

 パトリック・ザラのその演説に、ザフト軍は士気を上げ、全軍が出撃した。

 

 極少数を除き、ザフト軍で演説の内容に疑問を抱くものはいない……それは、ザフト軍、そしてプラントに住むコーディネーター達の歪みや矛盾を象徴するかの様であった。

 

 そして、演説を聞いた1人の少年は動き出す。

 

 歪んでしまった父を止めるために……。

 

 決戦は始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続編について、多分10話から20話程度になりそうです。そこで質問です。

  • 続編はここに続きで書いた方がいい
  • 続編は題名を少し変えて別に書いた方がいい
  • むしろ続編いらない

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