あと、調査官後半空気とかしてるのは気にしたら負けです。
女性情報官達がアークエンジェルに合流したのと同じ頃、もう片方のペアも、ユーラシア連邦軍のアフリカ派遣軍との接触に成功していた。
しかし、彼らを待ち受けていたのは平和的な対応ではなく、初っ端から兵士に拘束されると言う事態であった…。
何でこうなった?
といえば、隣で呑気に欠伸なんかしてやがる主席情報調査官殿が原因なわけだが……何警備の女兵士を口説こうとしてやがるこのピーーが。
そんなだから何時もあの自称美女に蹴り飛ばされたり、殴り倒されたり、男の急所を警棒で殴られそうになるんだよ……。
信じられるか?こんな奴が元警視庁のSAT出身なんだぜ?
と、そうこうしているうちにやっと牢屋から出してもらえるようだ…。
兵士に先導され歩きながら、隣を歩く主席情報調査官に文句を言う。
「全く、あんたのせいでとんでもない目にあっちまったじゃねえか…」
「まあまあ、そのおかげで内部に入り込めたわけですから…あとは、上が前以て話を通してくれてるはずですから安心して下さい」
そんな会話をしながら歩くこと少し、俺たちはある部屋へとたどり着き、入室を促されて入室すると、直後に、その部屋にいた人物に声を掛けられた。
その人物こそ、ユーラシア連邦軍アフリカ派遣軍総司令官、ランドルフ・ベルグランド上級大将その人である。
「君たちが日本からの助っ人で合っているかね?…と済まない、まずは座ってくれ」
座るように促されて座ると、上級大将はタイミングを見て更に言葉を重ねた。
「君たちが助っ人かどうか、まずは確認したいのだが、と、ところで、今日の天気はなんだったかね?」
「そうですね、今日は風が吹く日ですかね」
「そうか、そうだったか…いや済まないね、君たちが助っ人と言うのは間違い無いだろう。しかし、なぜ日本が其処までするのか…」
主席情報調査官と上級大将の会話を聞きながら、俺は返却された通信端末にもう片方のペアからアークエンジェルとの接触に成功したとの連絡が入る。
そしてそれを二人に伝える。
「どうやら、こちらは準備が整ったようですが…閣下の判断は?」
「……済まないが、各司令官を集めて協議したい。君たちも付いてきてくれ」
「分かりました。行きましょう」
「了解です」
そうして、上級大将とともに会議室へと向かった。
あと、いま俺たちがいるのはユーラシア連邦の誇る陸上戦艦、ビック・トレー級12番艦ビック・テールの艦内らしい…陸上戦艦は日本には無いからなんかワクワクする。
と、会議室についたようだ。
ーー
ユーラシア連邦アフリカ派遣軍兼第12機甲軍団司令部兼第12機甲軍団陸上艦隊旗艦ビック・テール、会議室
「諸君、紹介しよう。既に話は行っていると思うが、彼らが日本からの助っ人、アークエンジェルとの連絡を支援してくれる者たちだ」
「初めまして、日本国の情報組織から派遣されてきました。田中です」
「同じく山田です」
室内の視線は日本国の情報調査官二人に注目していたが、上級大将が言葉を発した事で、そちらに注意が向いた。
「諸君、知っての通り、先日大西洋連邦所属の艦…アークエンジェルがアフリカのザフト勢力下に降下したが、その対応を決めたい。私としては、かの艦には避難民がいることもあり救出したいのだが…意見はあるか?」
上級大将の言葉に、一人の初老の男性が挙手し発言を求めた。
「スカーレン中将か、では中将意見を」
「は、意見の前に質問をよろしいでしょうか?」
「構わんが?」
「ありがとうございます。率直に、日本国の情報…というより、助っ人の情報はどの程度信用出来るのか、お聞かせ願いたい」
「ふむ…実は、既にこの二人の仲間がアークエンジェルに接触し、連絡の確保に成功している。また、日本国民が何名か避難民としてアークエンジェルに乗っているらしい事から、まあ、高いレベルでの信用…とまで行かなくとも、ある程度は信用出来ると見ているが」
「分かりました。ならば救出には私は賛成いたします」
「私は反対だ!大西洋連邦の艦を救援した所で、こちらの被害がどれほどの物になるか……ここは少し様子を見るべきと主張したい」
声をあげたのは、少々ふくよかな体型をした将軍だった。
「レヴェンスキー中将、なぜそう考えるのか?アークエンジェルと連携出来るのなら十分勝算はあるのでは無いかね⁉︎」
「しかし、此方の損害も馬鹿に出来ない!将兵が無駄に死ぬ様な事態は避けるべきだ!」
「レヴェンスキー中将は避難民の救援は無駄だと?」
「ブレイシス大将、そうは言って居りません、ただ…大西洋連邦の艦を救援することに関して、抵抗がある……それに、アークエンジェルがアフリカを脱出出来たとして、無事にアラスカまで行けるのかにも疑問が残る。せっかく救援してもアフリカを出た途端やられましたでは、話にならん」
「中将の意見もわかるが……私は賛成する。我が戦略航空師団の哨戒機で護衛すれば良い、スカーレン中将の部隊もいるし、どうだろうか?」
「オルトロイ少将、それは無理だ。多分、アークエンジェルの護衛に戦闘機や哨戒機をつけても、無駄に犠牲を出すだけだろう…悔しいことだが…」
スカーレン中将がそう言った所で、それまで黙っていた人物が口にした言葉に一瞬だが、皆固まった。
「済まないが、アークエンジェルは兎も角として、避難民の扱いはどうするのだ?我々が保護して送還するにしても危険度は変わらない気がするのだが……」
こう話したのは、派遣軍司令部の参謀長 モルト・ロモネスキー少将である。
そして、少しの間の後、上級大将が口を開く。
「避難民については、アフリカ脱出後もアークエンジェルと行動し、日本国近海にて自衛隊に引き渡す方が危険性は減るだろう……インド洋さえ確保出来ていたら話は別だったろうが…ザフト潜水部隊のお陰で弾薬や食料、医療品すら輸送が難しくなってきているし、弾薬とて限りがある…どちらにしろ我々に時間は残されてはいない…」
「避難民については心配は要りません、予定では日本からの潜水艦部隊が極秘裏に支援する手筈ですので、」
「そうか……では決を取る、アークエンジェル救援に反対のものはいるか?」
挙手する者はいなかった。
「レヴェンスキー中将…良いのかね?」
「私だけ反対しても変わらんでしょ、ならば被害を減らすために出来ることをし、そして任務を遂行するのみです」
「そうか……ならば準備が整い次第作戦開始とする…ついでに砂漠の虎にも退場願うとしよう……諸君!!戦いだ!!!」
そうして、アークエンジェル救援作戦及び、アフリカ方面ザフト制圧作戦が決定された。
次回でアフリカ編を終わらせたい……
変なところがあれば遠慮なく教えてください。
次回では、ユーラシア連邦軍部隊が奮戦します。
完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。
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destinyルートへ行く
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宇宙戦艦ルートへ行く
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連載停止中のほかの作品を続き書けや
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新連載しつつゆっくり続きでOK
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徳田くんのR18