申し訳ありませんが、ご理解頂けると幸いです。
ヘリオポリスでの戦闘が終結してから、第一航宙打撃艦隊は、地球連邦軍所属のアークエンジェルに対し、アークエンジェルが収容した避難民の引き渡しを要求し、
その交渉時の会話の一部を紹介する。
交渉に臨んだのは、艦隊司令の菊池 純一郎 階級は宙将と、副司令の島 大吾 宙将補 艦隊の参謀 大淀 花 一等宙佐 この3人の他に、当事者の一人として、分遣艦隊指揮官でもあった、巡洋艦夕凪の艦長 模部 康太 二等宙左 が出席した。
アークエンジェル側は、艦長代理 マリュー・ラミアス大尉 副官 ナタル・バジルール少尉 と、ムウ・ラ・フラガ大尉が参加した。
「我々自衛隊側が求めるのは、貴官らが戦闘に参加させたと言う民間人を含む貴官らが保護した避難民の即時引き渡しです」
「…それは分かります、此方も避難民の引き渡しには異論ありません」
「ならば、なぜ一部の民間人の引き渡しを拒否なさるのでしょうか?これでは拉致と同じではないですか?」
「私もそう思うが、其方は何か言い分はあるかね?」
菊池宙将は、そう言いながら、マリューたちアークエンジェルの面々を観察する。
「…言いにくいのですが…」
ここで口を開いたのは、副官のバジルール少尉である
「一部の民間人に関しては此方の最高機密を操縦し、敵と交戦までしています、これは犯罪に該当する行為であり、彼等をそうしない為にこそ、彼等を、遡って志願した志願兵として登録してしまっており…」
「バジルール少尉…すると何かね?君達は彼等の了承なく彼等を志願兵としたと?」
「……そうです」
バジルール少尉の言葉を聞き、菊池宙将は、怒ると言う以前に、これではまるで詐欺ではないかと呆れてしまった。
「…つまり、詐欺のようなやり口で志願兵を取るのが連合軍のやり方と言う事かね」
菊池宙将の言葉に、アークエンジェルの面々は、言い返せなかった。
そんな中、マリューだけが言葉を発した。
「…この事態になったのも、私の責任です、ですが、私には、艦と乗員を守る責任があります…その為なら喜んで詐欺師にでも何でもなります。どちらにしろ言えるのは、私たちと共に来て、然るべき場所で除隊手続きをしなければ、彼等は罪人として追われる事になるという事です」
この言葉に、菊池宙将は、最初から不機嫌であったのが、我慢の限界を迎え、激昂した。
「軍人である貴様らの都合に民間人を巻き込むとは何事か‼︎軍とは何のために存在しているのかをよく考えろ‼︎まして他国の民間人を巻き込み、あまつさえそれが不可抗力とでも言いたいのか貴様らは!!!そんなもの言い訳にすらならんと分からんのか!!!この事態を招いたのは貴様らのその無策によるところだろうが!それで民間人に戦わせて、このまま返したら犯罪に該当する?ふざけるな‼︎貴様らはそれでも軍人か!!!」
菊池宙将のこの激昂にアークエンジェルの面々は、俯き、自分らの不甲斐なさを呪った。
「…それでも、軍人である限り、祖国の敗戦だけは、回避させなくてはなりません、そのためなら、どんな手でも使うまでです」
バジルール少尉が発した言葉に、流石のマリューもバジルール少尉を視線で制すが、少尉はそれを無視し、続けた。
「それが、たとえ容認できないものでも遂行するのが軍人ではないですか?」
その言葉を聞いた菊池宙将から…いや、協議に参加している自衛隊の面々から表情が消えた。
結局、協議で、戦闘に参加してしまった民間人以外は自衛隊への引き渡され、戦闘に参加してしまった民間人は、然るべき手続きののち、帰国できるようにするという条件で合意した。
最後に、菊池宙将の発した言葉
「たとえ、軍人が少尉の言うようなものであったとしても、超えてはならない一線というものが存在する、戦争であってもだ、ルールはある、それを破ったものはもう軍人ではないと、私は思うがね」
この言葉が、アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスの耳にいつまでも残り続けていた…。
そして、最後まで口を開かなかったムウ・ラ・フラガ は、終始、苦悶の表情を浮かべ、拳を握りしめていた。
彼も、どちらの言い分も理解できてしまうがために、苦しんでいた…。
そして、自衛隊は、民間人の救助という、もう一つの使命を果たすため、気持ちを切り替え、行動するのだった。
次回は今度こそヘリオポリス市民の救助をします。
ご意見、ご感想、お待ちしています。
完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。
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destinyルートへ行く
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宇宙戦艦ルートへ行く
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連載停止中のほかの作品を続き書けや
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新連載しつつゆっくり続きでOK
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徳田くんのR18