彦星での戦闘から一週間、自衛隊と日本国政府は事後処理に追われ、戦死者の遺体の回収や、宇宙空間に投げ出され行方不明となった隊員の捜索なども続けられていた。
そんな時、徳田新二尉は、戦闘が始まる前に山南司令が途中まで話していた事で、続きを聞かせたいとの事で呼び出しを受けていた。
「徳田新、はいります。」
新が司令官室に入ると、其処には司令の他にもう一人の人物がいた。
「来たか、紹介しよう、こちらは統合戦略試験教導団、航宙科試験教導隊隊長 南部 響介 三等宙佐だ。」
司令が紹介すると、南部三佐は新の方に視線を向け、新と真っ直ぐ目を合わせる。
新はその視線に若干の威圧感を感じながら自己紹介を行う。
「私は第3航宙艦隊 第302空間機動中隊所属、徳田新二尉であります!」
「南部 響介だ、そんなに硬くならなくて良い。」
「は、はい。」
その様に言われても、新はやはり真顔で話す彼に緊張を解くことができない。
「徳田君、彼の言う通り、あまり硬くならないほうが良い、彼は不器用でね、」
「は、はぁ…それで司令、話とは?」
「ん?あ、ああその件なら、南部君が詳しく話してくれる。南部君」
「は、君は確か試作MSのテストパイロットの選考に志願して、最終審査まで行ったそうだな。」
「はい、そうですが…結局は落選しました。」
新が答えると、南部は少し考える様な仕草を見せ、すぐに話を再開した。
「……そうか、実はテストパイロットの一人である中島 天山 三等宙尉がしばらく前に消息を絶ってな……其処で急遽、新しくパイロットを選考しなくてはいけなくなったわけだが、最終審査まで行った君にパイロットを頼みたい。」
新は暫く自分が何を言われているのかが分からなかったが、少しして、ようやく理解できた。
「……しかし、それは今の部隊を離れる事になりますよね?」
「いや、そうは為らないだろう、君の所属する部隊も教導隊に組み込む予定だ。先日の件の前、君が休暇でいない時に既に加藤一尉には話してあるのだが…ただし、君の場合、特殊な機体に乗る事になるかもしれないがね。」
其処まで話を聞いた新は、少し考えると、南部三佐に了解の意を伝えた。
ーー
その頃、日本ではある事件が起きていた。
『警視庁より各局、警視庁より各局、○○区○○にて発砲音と思われる音が聞こえたとの通報あり、また、付近の通行人より、女性が複数の男に追いかけられているとの未確認情報、付近を巡回中の車両は直ちに現場へ急行せよ。』
パトカーが現場に着くと、女性の荷物と思われる鞄が落ちていたが、女性の姿は見当たらず、さらに、近くの交番で警察官が眉間を撃ち抜かれ死亡しているのが翌日の早朝に発見された。
警察は、女性は交番へ駆け込むも、交番の警官が先に射殺され、その後連れ去られたと見て、内閣情報調査局(日本版CIA)などに協力を要請し、捜査を開始した。
この日、日本のMSのOSを開発した女性技術者が日本から姿を消した。
この事件から、歴史の歯車は狂いだす。
拉致が得意な国は?(ヒント、自力でMS開発…できる国?)
➀大西洋連邦
②ユーラシア連邦
③東アジア共和国
完結も見えてきたので、今後についてアンケートを実施します。
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destinyルートへ行く
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宇宙戦艦ルートへ行く
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連載停止中のほかの作品を続き書けや
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新連載しつつゆっくり続きでOK
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徳田くんのR18