悪魔の店   作:執筆使い

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タイトル詐欺の可能性大。この小説オリジナルのフォームが登場します(ベースはエグゼイドです)


※今回の話は前にもコラボした【東方悪夢男】とのクロスオーバーでございます。登場するのはエルム街の悪夢でお馴染みのフレディでございますが、フレディはフレディでも、フレディ(仮面ライダーエグゼイド)でございます。原作ファンの方がいらっしゃったらすいません。


そして、今回は一話完結のかなり短めな話です。







Welcome to Kamen Rider!!

 

 

 

「オオオオオオオォォォォォォンッッッッ!!」

 

 

化け物として生まれた人形は、その役割を全うする。人を喰らい、恐怖を呼び、殺戮で埋め尽くす。

人狼──不死身と成り果てた化け物は、最早、誰一人として止める事など出来ない。

 

 

 

故に

 

 

 

 

「変身」

 

 

 

 

彼に相対するのは、同じ化け物だった。

 

 

 

【レベル...■■■■■■】

 

 

帽子を被った、変わった出で立ちの男のベルトからノイズが走る。

 

 

 

 

 

 

 

POWER to TEARER(全てを飲み込め、クルーガー)

 

 

人狼以上の恐怖がその場を包む

 

 

 

 

 

 

Got to keep it real(刻め、トゥ、リアル)

 

 

男は黒と赤の鎧に包まれる。

 

 

 

 

そして...

 

 

 

 

 

 

Time judged all(今こそ悪夢は、極まれり)

 

 

悪夢(ソイツ)は、目の前に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 Freddy Krueger 〜

 

 

空が、景色が、視界に映る全てが禍々しく映る。それは最早、自分がそれ程までに狂ってしまった事か、それとも目の前の男が引き起こした事なのか。人狼は獲物を狩る目で前方を睨む。

 

 

「食ラッテヤロウカ? 何処ノ誰カハ知ラナイガ」

 

 

まるでゲームのキャラクターを身長170cm程のスリムな人間として擬人化した様な姿形。全身を覆う、スーツの様な鎧の色は黒を基調とし、赤いラインが横に5本ほど模様として入っている。右手には赤く染まり、錆びついた鉤爪がカチリ、カチリと音を奏でている。

頭に被る帽子を左手で整えつつ、鎧に包まれた男も同様に、前方を見つめていた。

 

 

「ちっ、俺を知らねぇとはな...ペニーワイズ然り、チャッキー然り、エイリアン然り、ホラー映画はシオドキってか?」

 

 

そして、名前を聞かれたという事実に彼はやれやれといった感じで肩をすぼめながら首を振る。どうやら自分の事を知らないというのが少しばかり堪えたみたいだ。

 

 

「まぁいい...俺様の名前はフレディ・クルーガー」

 

 

──代わりに約束してくれ。俺のような奴を救ってやって欲しい

 

 

「テメェを倒すイカした(れた)野郎だ」

 

 

瞬間、襲いかかる人狼。フレディと名乗る男はそれを鉤爪を嵌めている右手でいとも容易く受け止める。彼のいう事に偽りなど無く、それほどまでの実力を持つと理解した人狼は、笑みを見せつけながら言葉を話す。

 

 

「ナラバ、殺セ。化ケ物ヲ」

 

 

その目は、悲しみか、憎しみか、狂気か、それすらも嘲笑う何かなのだろうか? 人狼が何を思い、どの様な過去を味わってきたのか、フレディは理解した。

 

 

「ああ、そうするつもりだ」

 

 

故に、彼は空いた手をベルトに嵌めてあるゲームカセットの様なものに手をかける。

 

 

【ガッチョーン...キメワザ】

 

 

空間が歪む。

 

 

「グォォォォォオオオオオオ!!」

 

 

人狼は叫ぶが現象は止まりそうもなく、歪みの影響で彼は確かに恐怖を感じていた。

 

嗚呼、だが心地良い。化け物は最初と同じ笑みを浮かべていた。これで、自分の願いが叶うとわかっているから。

 

 

「テメェの悪夢は、」

 

 

【クリティカルエンド】

 

 

瞬間、フレディの姿が消える──否、その場を高速で回転した事により、視界から一瞬だけ消えていた。

 

 

「ここで終わりだ」

 

 

【ウタカタの夢】

 

 

機械音と共に、悪夢そのものとも言うべき歪められた空間を纏った蹴りがわき腹に命中する。

命中した箇所から広がる罅。決着は一瞬だった。

 

 

 

 

不死身の人狼は、決して死なない人狼は、誰にも殺せなかった化け物は、一人の男によって倒された。

 

 

 

「嗚呼...不死身の肉体が...そうか...これで...」

 

 

「...」

 

 

「ありがとう...フレディ......」

 

 

「...フレディ・クルーガー、通りすがりの、イカした(れた)仮面ライダーだ。覚えとけ」

 

 

「クルーガー...か...覚え...」

 

 

 

 

 

罅が崩れ灰となった遺骸の前で彼は佇む。

 

 

「...けっ、よりにもよってか。何でこうなるんだか」

 

 

帽子を深く被りながら、鎧を解除する男。

 

 

「俺はファイズでもなけりゃ、デビルマンでもないんだ...お陰でジョーク一つも言えやしねぇ」

 

 

ゲームカセットに書かれている文字を見ながら毒を吐くフレディ。

 

 

「悪夢を見てる奴に悪夢へようこそなんざ、誰一人として笑えねぇギャグだからな」

 

 

そう言って、彼は自分自身に手を合わせて黙祷し、それを終えたらその場を消えるのだった。

 

 

To be continued...

 

 

 

 

 

 





フレディ・クルーガー
エルム街の悪夢でお馴染みのキャラクター。基本設定はwikiとほぼ同じだが、悪人を卒業+とある理由で仮面ライダー(エグゼイド)をやっているという決定的な違いがある。



オリジナルフォーム
ナイトメアゲーマー(仮称)
この形態はレベルという概念が存在出来ず(バグに近い形態の為)、全てのパラメーターが計測出来ない(変身している本人曰く、ジャンルが違う)。
能力は恐怖と悪夢の具現、そして精神の死。ナイトメアゲーマーの展開するゲームフィールドは平時でフレディが扱う能力の悪夢そのものであり(固有結...ゲフンゲフン、メタフィールドに近い)、この場ではフレディを除くあらゆるルールが一切適応されない(但し、実力があまりにも桁違いな場合はこの限りではない)。
この形態に遭遇したら、ただただ恐怖のままに逃げるしか道はない...



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