悪魔の店   作:執筆使い

93 / 202
本編最終章第2話。本当はリクエストで先約が沢山ありましたが、どうしてもアイディアが思いうかばず先にこちらを書きました。リクエスト待ちの方...本当すいません!!



タイトルの意味は、【心なき無価値(要するに人形)】を前回に引き続き英語が超苦手な私が英訳したものです。センス0だし文法間違ってるわ〜マジないわ〜、というタイトルでしたらすいません。




※今回の話はジョースターさんの【星の一族の末裔が幻想郷で暮らすようです】とのクロスオーバーです。多分ややこしい上に分かりづらいと思うので、向こうの作品を先に読む事をオススメします。それと、物凄くゴリ押し設定+向こうの作品のファンの人達は納得できないような展開となっております。ご注意を。






heartless unsold

 

幻想郷にて日々を暮らしている星の一族、空条承太郎。

神社にて霊夢やたまたまふらっと寄ってた武と他愛ない世間話でもする、いつも通りの日常を彼は過ごす。

 

 

 

幻想郷にて日々を暮らしている星の一族、空条承太郎。

人里の寺子屋にて教鞭を振るう...いつも通りの日常を彼は過ごす。

 

 

 

 

幻想郷にて日々を暮らしている星の一族、空条承太郎。

 

 

 

 

「...残念だったな」

 

 

ふと、立ち止まったかと思えば振り向きざまに殺気を向ける。

完璧な程に再現された世界と、完璧な程に再現された住人。彼以外であればある程度騙せたかもしれないが、暗殺者の弟子である彼はほんの微かなそれを感じ取り、周囲を見て、自らの能力(スタンド)でもって最初の方から気付いていた。

 

 

「人形相手じゃあ、俺を騙せないぜ」

 

 

帰り道の木々の間の道の中。返事の代わりに出てきたのは奇襲という2文字。相手の背後を取った白いスーツの男は目の前の青年を殺す為に拳を突き刺そうする。

 

 

血の記憶(ザ・ブラッド・メモリー)

 

 

だがしかし、拳は亡霊に掴まれた。

否、亡霊に近い人型のナニカ...まるで青年のすぐ近くに居て、敵から守る超能力の具現化の類と呼べば良いのだろうか。

 

 

「...」

 

 

「何の動揺も見せてねぇって事は...その様子だとどうやら知ってるようだな、スタンドを...」

 

 

「その、様子、だと、どうやら、知ってる、よう、だな、スタンド、を...」

 

 

承太郎のセリフをおうむ返しに言う白の男。決してふざけているわけではなく、冷静に淡々と。人形である彼にはそれしかない。それが当たり前である。

 

 

その事に対して何も追求せず、承太郎は白の男(ネモ)に質問をした。

 

 

「お前も能力者か? それとも...」

 

 

能力者...ここで言う能力者は亡霊を使えるのかという事であるが、それは恐らくないと承太郎は考えた。なんでと言われれば、勘であるとしかいえないがそれでも目の前の男が使えないと確信していた。だからもう一つの質問をする。

 

 

「お前がジェルマ66か?」

 

 

それに対する男の答えは...

 

 

 

 

腕を振り払っての蹴り1発。寸前で躱したのでダメージはないが、彼は冷や汗を掻きつつ確信した。

 

 

「(なんて奴だ...躊躇が全くない。数秒反応が遅れたらまともに当たってた...)」

 

 

躊躇なき人形を前に大きく距離を取り、彼は気を引き締めて戦うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜タ,31,8,106,7,207,15〜

 

 

 

「(出し惜しみをして勝てる相手じゃねぇな)」

 

 

魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)

 

 

承太郎の背後霊の姿が変わり、赤色の鳥人となる。その影響か周囲の温度が上がり、熱気の層で景色がぼやける。普通の人間であれば背後霊なぞ見えない為、いきなり汗を掻いてしまうほどこの場所が暑くなっている事と陽炎が発生している事に狼狽えるだろうが、生憎目の前の(にんぎょう)はそんな感情なぞ持ち合わせていない。だから、彼は今度こそ息の根を止めようと突進してくる。

 

 

「流石にビビらない...か!」

 

 

赤い荒縄(レッド・バインド)

 

 

それに対応するかのように、鳥人間となった背後霊から帯状の炎を発生させて彼の手足、首を捕縛する。

 

 

「そのまま、燃え尽きな」

 

 

C(クロス)F(ファイヤー)H(ハリケーン)

 

 

更に、鉄をも溶かす♀状の炎のエネルギーをぶつける。普段の戦いで使う様な加減した炎ではなく、相手を確実に殺す為の全力のそれ。それ程までに承太郎は警戒してたのだった。

爆炎に包まれるネモ。あまりのその大きさに包まれた後の様子は見えないが、恐らく今ので死んだか、そうでなくとも動けはしない程のダメージは与えた筈だ。爆風を利用して更に後ろへ大きく跳んだ承太郎はそう結論付けて亡霊を元の姿に戻し、息を整える。

 

 

「あらら、やりすぎなんじゃないの? 灰一つ残ってないでしょこれ絶対」

 

 

「お前もわかってるだろブラッド。手を抜ける相手じゃないって事は...!」

 

 

彼は驚いていた。確かにあれを食らっても最悪生き残る事はある。但し、1500℃を超える高熱を食らえば全身大火傷ですら生温いダメージを負うのでピンピンしているなんて事は殆ど無い。生物だろうと、無生物だろうとである。ましてや、皮膚には傷跡一つ無いとなれば嫌な汗ぐらい掻くのも無理はない。

 

 

「...【剃】」

 

 

「!? しまっ」

 

 

先程の単調な攻撃はブラフである。狙いは相手が驚いた一瞬...目にも止まらぬ速さで相手の脇腹に助走をつけた拳を叩き込む。最初の一撃の時とは違い完全に油断していた事もあり、防御すら間に合わず吹き飛ばされていった。承太郎が出した背後霊も大きめのリアクションをしながら後方を少し眺め態とらしく拍手を送る。それも子供がやる様な大袈裟なものだ。

 

 

「承太郎を吹っ飛ばすなんて凄いな〜。所で君って僕のこと見えてる? 見えてない? まぁどっちにしろ、見えてる前提で話すけど...」

 

 

 

 

 

 

 

そして、背後霊は笑みを浮かべる。

 

 

 

 

 

「その程度じゃあ、アイツは殺れないよ(だって僕が消えてないし)」

 

 

 

 

-ガオンッッッッ!!-

 

 

 

後ろから聞こえる独特な効果音の次に目にしたのは、自分の下半身。自らを武装色の覇気と呼ばれる技術(わざ)で防御を固めたものの、相手が振るったのは、凡ゆるものを次元ごと断ち切る黒刀であった。先程の炎みたく防げる道理などなかった。いつの間にか自分の背後に回った男に斬られ、見下ろされている。

嗚呼、やはり目の前の男は警戒すべき相手だった...目の前の人形はそれだけを冷静に考えていた。

 

 

「ね? 言ったでしょ。このぐらいで死ぬ男じゃあ「少しは助けろこの野郎!」ゴフゥ!? ちょ、承太郎グーは止めよう。今結構アレだから、良いとこだからさ」

 

 

「それとこれとは話が別だ...やれやれだぜ」

 

 

背後霊を慣れた手つきでど突いた承太郎は、目の前の死にゆくそれを前に刀を振りかぶる。

 

 

「や、れ、や、れ、だ...」

 

 

一刀。頭を貫かれ、人形は文字通り、何一つ言わない無価値な骸へと変わり果てていったのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「厄介だな...ジェルマ66」

 

 

ほんの少し、本来であればあり得ない筈の刃こぼれした黒刀を見つめながら呟く承太郎。

 

 

「僕は夢でも見てるのかい? この刀がほんの少しとはいえ、こうなるなんてダイヤモンドでもあり得ないよ」

 

 

彼等は知らない事だが、ある世界には“覇気”と呼ばれる技術が存在する。肉体を鋼の如く鉄壁とし、実体の無い者の本体に直接触れる事の出来る技術であるそれは、極限まで鍛えればどんな攻撃だろうと防ぎ例え空間操作による干渉もある程度なら防げる代物だ。現に、その世界でも屈指の覇気使いである元海軍中将は、一定範囲内の凡ゆる物体や凡ゆる生物を切断できる能力を無効化し叩き伏せた事が出来たのだから、ジェルマ66屈指の技巧派である彼が同じ事が出来ても何ら不思議はない。

 

 

「(あの時、妙な斬り応えを感じた...マジシャンズレッドの炎を食らって無傷だった事といい、何か特殊な能力を持っているか或いは...)...とにかく、下手にこいつは使えないな」

 

 

黒い刀を鞘に戻しながらそう呟く承太郎。戦いが終わったというのに気は一切緩んでいない。

 

 

 

 

 

 

「みたいだね...ところでも一つ質問良い?」

 

 

亡霊はそう言った瞬間、いきなり出現した新手に囲まれる。数にして、6人。全員、同じ顔、同じ体格、同じ雰囲気である。

 

 

「こいつら、あと何人倒せば終わりなのかな?」

 

 

「さぁな...少なくとも、この偽りの世界(ばしょ)にいる奴等全員がこうだってのは確実だろうな...」

 

 

悪魔の店の商品に、どんな人にも成りすます事の出来るマネキン人形がある。

多くの世界の多くの人々に使われていたその人形の売れ数は、実に...数千以上といったところか。

 

 

 

 

「やれやれだぜ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷最強の男、空条承太郎。彼の相手はただの人形。何にでもなれ、人間らしい心を持ち合わせておらず、凡ゆる(体)技を使える何者でもない存在...達であった。

 

 

 

 

To be continued...

 

 

 

 

 




Q.サブタイの記号が意味不明なんですが...

A.ラーメンの具材です (意味不明)





Q.同じジェルマ66は複数体存在出来ないんじゃないの?

A.厳密にいえば、ネモの記憶と姿を似せた悪魔の店のマネキン人形であるので所謂劣化コピー+別人 (元がマネキン人形であるネモだから出来た芸当。他のジェルマ66には出来ない)




Q.そもそもネモって誰?

A.これ
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