悪魔の店   作:執筆使い

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ハーメルン小説の作者あるある(恐らく...多分...きっと...うん...)

ネタ切れ→アイディア捻ろうとする→無理矢理捻ったものなので質が落ちる→モチベーションが下がる→エタる


要するに何が言いたいかというと...最終回が近くなって来ましたけど、それまでに持ちこたえられるかなぁ、という懸念が...(もうアイディアは全て出尽くした感が...ore)








第82話

 

 

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

はてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

 

 

〜ep82 無情〜

 

 

「本日はどういったご用件でしょうか? お客様」

 

 

「...刺激を求めたい。平凡な日常...けれどそこに一つだけ存在する確かな非日常...それを感じたい!!」

 

 

「成る程...随分と刺激的なお客様ですねぇ。少々お待ちを」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「こちらでございます」

 

 

「黒い...手袋?」

 

 

「こちらを付けて頂いて...このマグカップにしましょう。少々離れてください」

 

 

そう言ってマグカップに触れて数秒経った後

 

 

 

ボンッ!!

 

 

という音と共に小さな爆発が起こった。

 

 

「こ、これは...!!」

 

 

「こちらを付ければあら不思議! 手袋越しに触れたものはお客様の任意で爆破させる事が可能です。どんなものでさえも...」

 

 

「買おう。いくら出せばいい?」

 

 

「お代は結構ですよ...忠告を守ってさえくれれば」

 

 

「忠告?」

 

 

「決して、闇へと染まらない様に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side C

 

 

激しい喜びも要らない...深い焦りも要らない...だが、そんな平凡な人生であるがやはり私は刺激を求めていた様だ。

 

 

「3...2...1...」

 

 

カチッ

 

 

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....................

 

............

 

 

『ご覧頂けたでしょうか!? これで4度目、何の前触れもなく高層ビルが爆発する現象...何より恐ろしいのは証拠や犯行声明が一切存在しないという事です!!』

 

 

私はこうやって、刺激を自ら作り出した。敢えて人が居ない日を調べるという手間、怪しまれない様に壁に触れる手間、誰にもバレない様にする手間...平凡を求めていた私に確かに存在するただ一つの非日常...良い気分だ。

 

 

「あなたー、夕飯できたわよー!!」

 

 

「ああ、今行くよー」

 

 

...この声の主に対する情は無い。平凡を求めてきた故か、私は並の刺激では満足出来ない機械の様な人間であるからだ。それでも愛妻家を演じる。それが普通で、平凡な事だからだ。

 

 

「次は何処にするか...」

 

 

「あら、何か言ったかしら?」

 

 

「いや、何でもない。仕事の話だ」

 

 

危ない危ない...バレたら一貫の終わりだからな。

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「さて...」

 

 

カタカタカタカタ...カタタタタタン...カチッ

 

 

「ふむ...この物件とかは良いな。派手でありしかも「失礼します!」ふむ、どうかしたかね? 見ての通り私は少々調べもので忙しいのだが」

 

 

「そ、それが...部長の奥さんが...」

 

 

「何?」

 

 

全く、彼女は何時もそうだ。変な所でそそかっしいというか...この前も家で転んでしまって会社にいる私に電話で泣きついて...

 

 

「病院で...重体...」

 

 

「何...?」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

そこに居たのは死人。言葉一つ言わないものであった。どうやら銀行へ向かった先で強盗団にたまたま殺されたらしい。彼女は昔から正義感の強く、お人好しな人だった。誰とも付き合おうとしない私にこんなにも...

 

 

「...」

 

 

っ、私は一体何を考えている? ひょっとして悲しんでいるのか? 強盗団に殺されたという事でに...心の底から悲しんでいるというのか...? 何だこの気持ちは...私が他人の事を、こんなにも...

 

 

「いや違う。平凡な日常を送れなくなったのに悔しい思いをしただけだ。強盗団に殺されたなど...注目されてしまう事この上ないじゃないか...だからこそ悔しい思いをしただけだ...ッッッッッ!!」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「...」

 

 

カチッ

 

 

「...」

 

 

カチッ

 

 

「...」

 

 

カチッカチッカチッカチッ

 

 

「...」

 

 

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

 

 

「何度もやっても無駄ですよ。何も触れてない状態で起爆しようとするのは」

 

 

「...こんな私を嘲笑いに来たのか?」

 

 

「貴方様は何もしないまま、普通に過ごすのですか?」

 

 

「...」

 

 

「平凡な生活を守るために何もせず、情すら浮かべず、機械の如く毎日を過ごす「私に...どうしろと言うのだ...どうしろと言うのだ!!」

 

 

男は答える

 

 

「それを決めるのは、お客様自身でございます」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「...私は...」

 

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「彼はその後どうしたか、ですか? それは生憎守秘義務ですので、読者様のご想像にお任せしますよ...情があるのか無いのか、それを決めるのは誰でもないのですから」

 

 

今日も彼は店を営む

ありとあらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 







悪魔の店の裏話(どうでもいい話なので読み飛ばして良いです)


店員のモデルについて
悪魔の店を書き始めた当初、店員には明確な設定やキャラ付け等は存在していませんでした。
というのもあくまで主役は道具を扱うお客様であり、店員は本編に殆ど関与していないただのサブキャラの位置付けだったからです(最初オリ主タグを付けていなかったのはこの為)
しかし書き進めていく上でそれを続けるのは流石に無理があるのと、私自身こういったタイプの短編ホラーが不慣れな事もあり大体7話ぐらいを書いた頃から急遽店員の性格や設定などを考え始めました(タイトルを悪魔の店に変えたのもこの辺り、だけどこの時オリ主タグ付けるの忘れてた)
とはいえ中々に思い付かない彼の性格とそれを成す設定。その時ふと、思い出したのはとある漫画の事。
実はそれと粗同時期、私は道具のアイディアの参考になるかと手◯治虫の作品集を読んでいました(割と考えさせる内容だったのでいけるんじゃないかと)
その中で〇ラックジャッ〇と鉄〇アトムを特に読んでいて、その際に「これだ! この2人のキャラクターを参考にしよう!!」という感じで現在の設定と性格に決めました。



大切なものを奪われ、復讐を誓うと同時に、医者として自らの信念を以って人々の命を救う男。
大切なものを失い、神の理に背き、取り戻そうとする為に人の心を持った彼を作り上げた男。


そんな彼等2人が今現在の悪魔店員のモデルキャラクターです...長々とどうでも良い文章すいません。




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