...ですがあくまで目安ですので、もしほかにピッタリなのがあり、そっちの方が良いと思う人は其方の声を想像してこの作品を楽しんでください。
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
さてさて、今日のお客さまは?
~ep57 夢~
「本日はどういったご用件ですか?お客様」
「...少しだけでいい。現実を忘れたいんだ」
「そうですか...それでしたら良いものがございます。少々お待ちを」
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「こちらでございます」
「枕?」
「こちらを用いて寝て貰えばあら不思議!貴方が望むがままの夢を見ることが出来ます。因みに『覚めろ』と念じれば夢から覚めることも可能です」
「素晴らしい!幾らだ!?」
「お代は結構ですよ...忠告を守ってさえくれれば」
「忠告?一体どんな忠告なんだ?」
「使うのは一夜一回としてください」
Side C
「今日も夢を見よう!」
あの店員からもらった道具を使い始めてから、私は愉悦に満ちた夜を過ごしていた。
夢の中では何でもできる
現実とは違って
夢の中では自由に楽しめる
現実とは違って
夢の中では悩みや不安が全くない
...現実とは違って
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「君は何時も同じところでミスばかりして!やる気があるのかね!!」
現実はいつもこうだ。こいつは俺の努力も知らないで毎日ガミガミガミガミ言ってくる。まるで日頃のイライラをこちらにぶつけるかのように。
「聞いてるのかね!?」
「は、はい...」
今回だって、俺はお前のミスの尻拭いを自分の担当との掛け持ちでやった上での失敗だろうが。俺が起こられる義理なんてないだろうが
「全く君は...あ、そうだった」
「...はい?」
「先程社長が私から報告してくれと言っててな」
お前の様な奴はわが社に必要ない。ま、残りの一か月間せいぜい足を引っ張らないでくれよ
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「畜生畜生畜生畜生畜生畜生ッッッッッッッ!!」
彼の周りにはおびただしい数の死体があった
人相は二種類あり、それが彼にとって今最も憎んでいる人間だということが解る
「俺が何をした!?今まで努力して、毎日一生懸命、どんな困難があろうと挫けなかった!!その結末が...」
ポタ...ポタ...
「もう戻りたくない!現実は常に俺の敵でいる!!だったら夢の世界でずっとこのまま...」
「それは少々無理な話ですねぇ」
「誰...お前は」
「私は最初に『一夜につき一回』と言いましたが...忠告をやぶr」
突如、男は無数の刃物に全身を刺され
強大な炎に包まれながら奈落の底へと落ちてしまう
「煩い...うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!ここは俺の世界...ここでは俺は最強なんだよ!!ハハハハハハハハハハハッハハ八ハハハハハ!!!」
「そうですか...それが貴方の答えということですねぇ」
男は正体を現す...
「なっ、貴様...これでも!」
男は答える...
「無駄ですよ。たかが夢如きで死ぬほど、私は脆くはありませんので」
「来るな...来ないでくれ!!」
悪魔は笑い出す
「お代は、貴方の魂とさせていただきます」
「やめろおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ...」
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「確かにお客様の言う通りだ...」
ー捕まえろ!奴を逃がすな!!
ーさっさとくたばれ!!
「この世は決して味方などしない。不平等で、実に濁っていて...」
悪魔は笑い出す
「実に...実に...心地よい世界だ」
今日も彼は店を営む
あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...
自分の執筆していた小説で、とんでもないミスをしてしまい(親切な読者様に言われるまで気付かなかった)物凄く後悔している今日この頃...やり直しカレンダーってどこにありましたっけ?
「私が売るとでも思いますか?」