悪魔の店   作:執筆使い

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あけましておめでとうございます。
読者の皆様はどの様にしてお正月を過ごしましたか?
(私は、◯ン◯トでパ◯ドラが出て狂喜してました)

...と、無駄話が過ぎましたね。とりあえず、新年最初はぞっとする怖い話(ある意味作者の体験談)を悪魔の店風にアレンジした話でございます。

『笑ゥせぇるすまん系のホラーは大丈夫だけど世にも奇妙な話系は無理です。』
という方は左上(左下)に出口(ブラウザバック)がありますので今の内に準備を。

...それでは始めます。




第48話

 

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

〜ep48 J〜

 

 

「いらっしゃいませ...雨宿りですか。通りでコートが」

 

 

店員は預けられたコートを掛けて、席へと案内する

 

 

「...ふむ。多分この分だと雨が止むまで時間がかかるでしょうねぇ。」

 

 

男は答える

 

 

「...え?怖い話?あー、お客様そういう関係の...そうですねぇ。しがない店員の話で良ければ。」

 

 

男は話出す

 

 

「実はこの店は何でも願いが叶うと評判でして、忠告という名のルールが幾つかございます。ですがそれ以外に、絶対にやってはいけない事が存在するのです。」

 

 

悪魔はお肉の入った赤いスープを差し出す

 

 

「体が冷えている事でしょう。スープで体を温めながらお聞き下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side NoC

 

「暗いなぁ...」

 

 

何でも願いが叶う店がある。そう聞いた私は今、夜中の2時を回ったであろう森の中を歩き進んでいる。

 

 

「しかし一応道の様なものはあるけど...キツいな。」

 

 

獣道とまではいかないが、一般的な山道と比べると歩くのが物凄く辛い。歩き始めてから10分しか経って無いが、いつの間にか肩で息をして汗もかなりかいている。

 

 

「運動不足とはいえ...はぁ...ゼェ...少し休憩しよう。」

 

 

ちょうど良い所に座れる様な岩があって良かった。願いを叶える前に山奥で体力を使い果たしてそのまま遭難とかしたら元も子もないし

 

 

 

...あれ?あんなところに墓なんてあったっけ?

 

 

「怖いなぁ...しかもなんか黒いメモ帳が供えられてるし...無視む...」

 

 

何故か気になった。そこにある黒いメモ帳が途轍もなく気になった。夜中の、山奥の森の、墓に供えられているメモなんて...なのにいつの間にか手が伸びてしまう。

 

 

ーそれを読んではいけない

 

 

「解ってる...でも駄目なんだ...」

 

 

結局私は手帳を取ってしまった。Jというイニシャルが手帳には書かれている...

 

 

ピラ

 

 

『◯月◯日 今日から店がひらく。うれしかった。だけどもう少しケーキがうまくできてればな...』

 

 

「?」

 

 

店...

 

ひょっとして私がこれから向かう所の事が書かれてるのか?だとしたら読んでおいて損はないのかもしれない。

 

 

「それにしても字が汚れなんかで読めないな...あ、読めるとこあった。」

 

 

『◯月◯日 始まってから3週間?がたった。お客さんもけっこう集まってる。あの子がわらってくれて、こっちもうれしい。』

 

 

「あの子?一体誰の事なんだ?」

 

 

確か噂では店は店員がたった1人で経営しているって聞いたが...

 

 

ペラッ

 

 

ペラッ

 

 

「...あった。えーと何々...」

 

 

『◯月◯日 もうあの店を開くことは無い。大切なものを失ってしまったのだから』

 

 

「...どういう事だ?」

 

 

だとしたら何で...

 

 

パラ

 

 

!?メモが勝手に

 

 

パラ...パラ...

 

 

 

パラララララララララララララララララララララララララララララララララララララ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベリ

 

 

 

 

 

「そんなにページ数は無い筈なのに...しかもひとりでにページがめくれて...」

 

 

『◯月◯日 色々と考エテミタケドヤッパリ店ヲ開コウト思ウ。めンドクサイケドコレガ一番てットリ早イ。復讐ニハ。かミモ、ソの下二付ク人間モ嫌イダカラ。手ハじメ二よリ多ク魂ガ必要ダ。ソシテソノ魂を...

 

 

 

アア...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ憎イニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「憎いですよ...ほんと。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザンッ

 

 

「へ...?」

 

 

どうして私の体が見えて...私の頭...は...?

 

..................................

 

....................

 

............

 

 

「という冗談でございます。お客様凄い汗ですよ?」

 

 

男は訊ねる

 

 

「その人はその後どうなったかですか?だから冗談ですよ。何にもありませんって。

 

...所でスープのお味は如何でしたか?」

 

 

男は答える

 

 

「スープはまるで塩水みたく塩っぱくてお肉は少し酸っぱいですか...すいません。私とした事が不味い料理を出してしまった様だ。」

 

 

店員は訊ねる

 

 

「所で何でまだ怯えているんですか?まるで冗談じゃない事を知っているみたいな表情ですが...もしや」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「となると貴方はお客様じゃなくなった。そりゃあ怖い筈ですねぇ。これから自分が如何なるのかよーく味わってしまったのだから。」

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 




※前書きである意味作者の体験談と書いたのは、この話の元ネタが私が子供の頃に見た初夢だったからです。

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