悪魔の店をかなり読んでいて、更に文章をよく読めば恐怖に震えるだろう
所謂『意味が解ると怖い話 ver悪魔の店』でございます。
因みに、私はホラー小説書くのが物凄く苦手ですのであまり期待しないでください
「お、おい...もう帰ろうぜ...」
「大丈夫だって。どうせ何もありゃしないから」
「全く...何で態々こんな山奥に...」
「いいじゃない、折角のGWだし」
真夜中のとある山の麓にて4人の学生たちが手に持つ懐中電灯片手にそれぞれ歩を進めていた。彼らは都市伝説の一つである【悪魔の店】へと向かっていたのだ。
ネット小説作品として一時期話題となっていたソレは言ってしまえばどんな願いも叶える道具が並ぶ店である。そして、話題となった理由の一つに...
「本当に存在していて、望みが叶ったという触れ込みが無ければな...」
「文句言うなっての」
実在しているという噂が立ったという事だ。それは社会現象とまでなり、多くの者が原作者の元へと向かった...だが、同時期彼は行方不明となっていたのだ。書置き一つ残さず何の消息がつかめず...人々は悪魔の仕業とまで言われていた。又、噂ではこの世界とは違うパラレルワールドにて執筆活動しているなどという声も上がっている(時折サイトに新しい話が上がっている為)
「何にせよ...俺たちはこれからその悪魔の店とやらに一人ずつ入る訳だ」
「い、嫌だよ...そんな所に行くなんて、ましてや一人で入るなんて...」
「大丈夫だっ」
カラン
「...おい、さっきまでこんな所に店があったか?」
「少なくとも先程まで明かりすらありませんでした」
「...んじゃ、さっき話した通りな」
先ず、言いだしっぺである男がドアに入る。カランコロンという音と共にドアが開かれパタンと閉まる。
「「「...」」」
少しばかり暑い季節という事もあり、それほど冷えてはいなかったが...それでも内心少しばかり別の寒気はするのだった。
..................................
....................
............
カランコロン
「たっだいま~」
「どうだったんですか?」
「ん、普通だよ。どうも店員と客が一人居たみたいだけど、ただでお土産貰っただけだし」
男はクッキーを取り出した。
「ま、まさか呪いとか!?」
「どうでしょう...とりあえず次は僕が行ってきます」
そういって眼鏡をかけた、いかにも真面目そうな男が入る。
カランコロン
..................................
....................
............
カランコロン
「ど、どうだった!?」
「も~、〇〇は心配性なんだから」
涙目になっている男を少女が笑いながら茶化す。どうやら今度も大丈夫だったらしい。最初の男同様、クッキーを貰って帰ることが出来たのだから。
「馬鹿馬鹿しい。先程のも恐らく木々にたまたま隠れただけで気付かなかっただけでしょう。普通の喫茶店でしたよ」
「でも...次は僕か...嫌だな...怖いよ...」
「あーもう!! 仕方ないわね...じゃあ次は私と〇〇の二人で入る。これで文句ない?」
余りにウジウジしているのが癇に障ったのだろう。少女がそう提案する。
「何だ? お前らデキてたのか?」
「違うわよ!! ほら早く!!」
「う、うん...」
そういって二人は店へと入っていくのだった...
カランコロン
..................................
....................
............
「いらっしゃいませ、それにしても今日はお客様が多いですねぇ」
「な、なんだ...普通の喫茶店...」
「全く、こんなことでビビっちゃダメじゃない! そんなんだからアイツらに馬鹿にされるんでしょ!!」
「ありゃ? 次は二人連れですか...それにしても仲がよろしい事で「違う!!」
先客がそう茶化すがすぐさま否定される。
「ふむ...成る程そういうことですか。とりあえずこんなところまで来たという事ですし、今日はもう遅い...嫌、早いというべきでしょうか。これをあげましょう」
店員はポケットから先程二人がもらっていたのと全く同じのを手渡す。
「「ありがとうございます」」
「いいことですよ。それにしても、どうやらここをそういった場所と勘違いする人が多いみたいですねぇ」
店員はそう呟く
「違うんですか?」
「ここは唯の喫茶店ですよ。山奥に建ってはいますが、あちらのお客様みたく態々紅茶やコーヒーを飲みに来る物好きが多いくらいです」
「...ふーん」
頷きながらクッキーをまじまじと見つめる二人。何の変哲もない、少しばかりカボチャの匂いがする。
「おっと、そろそろ時間の様です。さぁ、そろそろ出た方が良いですよ」
そういって店員は二人に話しかける
「わ、わかりました...」
「結局、何もなかったね...」
カランコロン
二人の子供は店を後にする。ふと、先客が先程とは打って変わって少しばかり神妙な面もちで店員に話しかけるのだった。
「...ひょっとして、先程から来ているのは...」
「ええ...」
「...もしかして」
「ええ、こちらでもありました」
「........そうだったんですか」
先客は少しばかり気に悔む。沈黙がしばらく続き、やがて耐えられなくなったのか先客は立ち上がる。
「...元の世界へ帰られるのですか?」
「いえ...少しばかりこちらへ残ります」
「あれから六年経っていますし、貴方様がする義理は無いと思いますが...」
「...良いんですよ。こういうのは時間や義理とか関係ありませんから」
そういって客はドアを開けるのであった。
..................................
....................
............
「いやー、結局何も無かったな」
「そうですね...」
「よ、よかった~」
「なんだか少しばかり拍子抜けねー」
丁度、朝焼けの光が4人に差し込む。
「どうせ帰るまで退屈だし、カゲオニやろ...ってあれ、出来ないや」
彼らは来た道とは逆の方向に真っ直ぐと歩いていく...
解った方は感想欄にてお願いします(できれば理由も一緒にお願いします)