悪魔の店   作:執筆使い

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17話

カランと鳴るはドアの音

コロンと鳴るはベルの音

 

 

 

悪魔の店には何でもあります

お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます

 

 

 

さてさて、今日のお客様は?

 

 

 

 

 

〜ep17 変化〜

 

「本日はどういったご用件でしょうか?」

 

 

「顔を変えたいんです。こんな酷い顔...誰も振り向いてはくれない。」

 

 

「成る程。お客様、良いものがあります。」

 

 

「本当ですか?!」

 

 

「ええ。少々お待ちを。」

 

 

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「こちらでございます。」

 

 

「仮面...ですか?」

 

 

「こちらをつければあら不思議!誰もが貴方をイケメンとして接するでしょう。」

 

 

「買います!これで足りますか?」

 

 

「お代は結構です。忠告を聞いてさえくれれば。」

 

 

「忠告?」

 

 

「決して、自分の名前を相手に言わないで下さい。」

 

 

 

 

 

Side C

 

「ねぇ...あれ誰だろう?」

 

 

「どれど...凄いイケメンじゃない!芸能人かな?」

 

 

「でもあんな人見た事がないし...」

 

 

「...フッ。」

 

 

このマスク、本当に凄い効き目だ。これを被ると皆が俺をイケメンだと思い込む。

 

 

「きゃっ!?」

 

 

「おっと...大丈夫ですか?」

 

 

「すいません...私、目が見えないものでして。」

 

 

綺麗だ...

 

 

「一緒に、何処かでお茶しませんか?」

 

 

「は、はい!喜んで!!」

 

 

こんな美人な人と一緒って...俺はなんて幸せなんだ!

 

 

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.................

 

 

「ははっ、そうなんですか!」

 

 

「ええ、それがもう面白くて面白くて!!」

 

 

このマスクの効果は本当に凄い。自分の性格さえも変える事が出来るのだから。声も、喋り方まで...

 

 

「今日はこの辺で失礼します。楽しかったです!貴方に会えて。それで...失礼ですが」

 

 

「どうしましたか?」

 

 

「貴方の名前を伺っても良いですか?」

 

 

...偽ったままで本当に良いのだろうか?彼女が好きなのはマスクを被った自分...本当の自分ではない。そんなの...

 

 

「〇〇です。」

 

 

嫌だ。

 

 

「〇〇さんですか...貴方、()()()()()()()()()()()

 

 

「え?」

 

 

男は正体を現す...

 

 

「何で...どうして?」

 

 

男は答える

 

 

「残念ながら、忠告を無視した場合追加料金が発生します。」

 

 

「嫌だ...やめろ...近付くなぁ?!」

 

 

悪魔は笑い出す

 

 

「お代は、貴方の魂とさせていただきます。」

 

 

「来るな...来るなあああァァァァ...」

 

 

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..............

 

 

 

「今回の魂は変化ですか...つくづく人間は外側で判断する生き物というのがわかりますねぇ...本当の化けの皮は内側にあるというのに。」

 

 

 

今日も彼は店を営む

あらゆる商品が並ぶ悪魔の店を営む...

 

 

 


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