毎度お馴染みリクエストスペシャル
今回は単純な身体能力最強クラスのあのキャラクター(多分タイトルからお察しの方続出かと)が出て来ます。ただ口調やら細かい性格やら設定やらが間違っている可能背があるので、原作信者の方々はどうかお引き取りをお願いします。
そして、最初に言っておきます...前回に引き続きこんなできになってしまいすいませんでした!!
カランと鳴るはドアの音
コロンと鳴るはベルの音
悪魔の店には何でもあります
お客様の願いや要望を必ず叶えて差し上げます
はてさて、今日のお客様は?
~SP35 純粋なヒーロー~
店員は状況を目の前の客に説明していた。
「...と、いうわけです」
「長い、三十字以内にまとめろ」
「おっとっと...そうですか。まぁつまり...貴方は別の世界にある私の店に迷い込んだということです」
「...」
「今度は疑りの目ですか...まぁそうですね。いきなりこんなこと言われて、のこのこ信じる方が変でしょうし...ですが」
パチン
「これは...」
客の目の前に出現したのはカツラだった。
「こちらをつけていただければあら不思議! 誰であろうと貴方をハゲだと「待て待て、いきなりなんだ?」...? てっきり髪の毛で悩んでおいでなのかと」
「...」
「...あ、植毛の方が「...るせーーーーー!!」
客は叫びだす。
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....................
...........
「ま、冗談はさておき...成程」
「?」
「随分と...純粋なお客様ですねぇ。単純で、真っ直ぐで、誰にも流されず...」
「...」
「...虚無、孤独、退屈...純粋すぎるものの行く末です。それがわからないお客様ではないと思いますが...どうして手放そうとしないのか、どうして信念があるのか、不思議でならない」
「...別に俺は信念は持ち合わせて「それほどの力を得ているということは、さぞかしの信念がお持ちでしょう」
「だからこそ不思議でならな「おい」...ふむ?」
「あんた、長年接客をやってるとか言ってる割には会話のキャッチボールが出来ない奴だな...」
その雰囲気に店員は呑まれはなかったが、一瞬戸惑った。
【キャッチボールが出来ない】人にそう言われるのはかなり久しぶりの事でもあるから。未熟だったころに一度だけ言われた言葉だから...
「ただ単純に俺はヒーローに本気で憧れていたからなっただけさ...信念なんざ、持ち合わせてない。あるのは趣味としてのこだわりだけだ」
「...【趣味】、ですか」
「ああ、【本気】のな」
「ッッッッハハハハハハハ!!」
店員は笑い出す
「成る程...そういう考えもあるのですか...」
「いきなり笑い出して勝手に自己完結するんじゃねーよ」
「おっと、失礼...ククッ...少々...ププッ...」
「おい今絶対ハゲで笑ってるだろ。視線が俺の上向いてんぞ」
「...ふぅ。久しぶりに笑わせてもらいました...ふむ...どうやら...そろそろでしょうか?」
「?」
「時間が限られているんですよ、異世界に留まるには。ですので恐らく帰れます」
「本日は誠に失礼しました、お客様。そのお詫びと言っては何でしょうが...今夜はきっといい夢が見れる事でしょう」
「何の事だ?」
「地底族...おっと、それを言ってはネタバレになりますので、では」
パチン
Side C
「孤独と退屈と無情か...」
俺は死にものぐるいのトレーニングで圧倒的な力を手に入れた...だからか、心が満たされないのは。あの店員は手放すべきだと言った...
「手放す、か。それは妥協なんだろうな...」
生憎、俺は妥協の
「...それにしてもあのカツラ...やっぱ貰ってくべきだったな」
今日も彼はヒーローを成す
ありとあらゆる敵をその拳で成し遂げる...