OBR『Sincerely -エリカの餞-』   作:半沢柚々

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002.『平穏な学校生活(後)』

 

「俺ら六人グループでよかったな、あっさり決まったし」

 

 本堂 空太(ほんどう くうた)(男子十六番)はそう言いながら、旅行の資料を捲り、斜め前の席から喋りやすいように身体を横に向けている新垣 夏季(にいがき なつき)(男子十二番)に、のほほんと笑い掛けた。

 

「まあな。でも、大部屋楽しそうで、俺は羨ましいぜ」

「確かにー。どうせなら男子全員入れる部屋、用意してくれればいいのになー」

「バーカ、そんな部屋さすがにあるわけないだろー?」

 

 二人で笑い合って、手元の資料の空欄に取り決められた各部屋の構成を書き込んでいく。なんにせよ、不満はない。基本的に宍銀中三年B組の男子生徒は、異なる性質がはっきりと現れたグループが何種か存在してはいるものの、グループとは名ばかりの大まかな振り当てであって、基本的に皆、仲が良かった。特に空太や夏季と言った極々ノーマルな男子生徒の集まり――差し当たり、男子中間派とも呼ぶべき面々の彼らは交友関係が幅広く、クラスによく馴染んでいた。学校生活においてやや問題点の多い所謂、不良と呼ばれる御園英吉率いるグループの面々すらそれは例外ではなく、空太の通路を挟んで右側の席の千景勝平が空太たちにこう声を掛けるのも、極自然なことであった。

 

「お前らも遊びに来いよ。道明寺の野郎がなにを企んでんのかは知らねえが、退屈はさせないぜー?」

「おう、行く行く、絶対行く!」

 

 そんなやり取りを聞いていた同じく不良の譲原鷹之が、物珍しそうに会話に割り込んでくる。

 

「まったく色気の欠片もない野郎共だなー、ここはまず、女子と部屋を離されたことを嘆くべきじゃね?」

「なに言ってんだ、お前……」

 

 勝平がそのあまりの馬鹿馬鹿しさに、呆れたように口をぽかんと広げながら鷹之をじっとりと睨む。

 

「どうせ俺らはまだ子供なんだし、男女混合でも問題ないと思わねえ? これって所謂、男女差別、ってやつでしょ」

「いや、そいつあ絶対に違うだろ……」

 

 鷹之の発言を聞いていた夏季が、同じく呆れたように力なく笑う。

 

「譲原みたいなのがいるから混合にしちゃマズイんでしょ?」

「おお、よく言った!」

 

 相変わらず気の抜けたような柔らかい笑顔でちゃっかりと毒舌を吐く空太の頭を、勝平が愉快そうに鷲掴んで乱暴に撫で回した。

 

「いって、やめろよー」

「あはははは!」

 

 

 

「はーいじゃあ、今度は学習班決めね」

 

 女子学級委員長の泉沢千恵梨がにんまりと微笑みながら、再び注目を黒板に集める。千恵梨の後ろで黒板の文字を消していた男子学級委員長の筒井惣子朗が、綺麗にしたばかりのその深緑の板に、新しく【学習班決め】と白いチョークを走らせていた。男女混合・四人組の班が全部で十一組できるのだと言う。

 

「ねえねえ委員長、ていあーん!」

 

 幼女のように甘く澄み透った耳心地よい声で、八木沼 由絵(やぎぬま ゆえ)(女子十九番)が無邪気に手を上げる。もっとも彼女の喋り方は緩慢でおっとりとしていて、滑舌があまり宜しくない。その平べったい話し方は耳には入りやすいのだが、聞き取りやすいとはとても言えない産物であった。

 

「くじ引きはくじ引きでもー、ペアでー、くじ引きがしたいでーす」

 

「ペアでくじ引き?」

 謎々のような物言いに千恵梨は不思議そうに小首を傾げる。

 

「要するにー、最初に好きな人とペアを作ってー、でー、くじ引きで組合せればいいと思いまーす」

「なるほど……」

 

 少し釣り上がり気味の目を丸くして千恵梨が意外そうに頷く。ぽわーんと常に微睡んでいるようなイメージのある由絵にしては、割かし真っ当な提案である。

 

「いいんじゃないか。八木沼の言うのが一番不満が出ないだろ」

 

 千恵梨の傍らで惣子朗が小声で言うと、少し考えるような仕草をしてから、千恵梨も頷いた。

 

「ま、いっか。じゃあ、男女別れてそれぞれ二人組に――」

「だってさー、勝平ー、委員長のお許しが出たよー」

 

 千恵梨の説明を遮り、途端に由絵が後ろ側を振り向いて、距離があるのも構わず勝平に満面に笑いかける。突然のことに焦った勝平が僅か頬を赤面させ、やや上擦った声で早口に捲し立てる。

 

「バカ、お前こんなの聞いてねえぞ!」

「えー、だってー、一緒に行動しようって約束してたじゃなーい」

「そ、そう、だけど……ここで言うなって……」

 

 少し離れた席で白百合美海と間宮果帆が、にやにやと悪戯な笑顔で勝平を見ている。もっとも、意地の悪い笑みを浮かべているのはこの二人だけではないのだが。

 

「八木沼さん、男女でペアを作られちゃうと、少し困ったことになるんだけど」

「どうしてー? だって男女混合なんでしょー? いいじゃなーい」

「そ、そうだけど、なんていうか……」

「あたし、勝平とずっと前から約束してたんだもん」

 

 困り果てた千恵梨の横で、惣子朗がまあまあと宥めるように二人の間に割り入る。

 

「もう一組男女ペア作ってもらえば問題ないだろ?」

「ちょっと、それでいいの?」

 

 目尻を少しだけ険しく釣り上げ、怒ったような仕草で千恵梨は腕組みをし惣子朗に向き直った。

 

「だいたい千景くんだって、いいとは言ってないわよ?」

「いや、あいつは……」

 

 罰が悪そうに赤面し、珍しくしおらしい態度で俯いている勝平に惣子朗は確認を促す。

 

「勝平、どうするんだ?」

「ま、まあ、約束はしてたし、その、な」

「はいはい」

 

 とてもとてもお熱いようです――無言で首を振る惣子朗を見やって、千恵梨は諦めたように脱力し息を吐いた。公然の場でこの様子なのだから、なにを言っても無駄なのであろう、そうなのであろう。

 

「わかったわかった、特別に許可します。じゃあ、男女ペアをもう一組作るけど、誰かやってくれる人いる?」

「はーい、委員長がやればいいと思いまーす」

 

 そう言ったのはお調子者の幸路知佳子である。基本的にこのクラスで〝委員長〟と呼ばれた場合は、千恵梨のみを差すのが一般的である。千恵梨は面食らったように一瞬硬直したが、すぐに知佳子に口軽な調子で呟くように答えた。

 

「なんであたしが……」

「で、そのお相手は乃木坂くんがいいと思いまーす!」

「ちょ、ちょっと、なにを」

 

 相変わらずの豪快さで笑う知佳子に、珍しく狼狽える千恵梨の耳朶がほんのりと淡い桃色に染まっていく。微笑ましげに眺める香草塔子と呆れ顔の武藤 灯里(むとう あかり)(女子十七番)の背後で、佐倉小桃は小さく溜め息を零した。小桃はこっそりと乃木坂朔也を見やるが、後ろ姿ではその表情の確認もしようもない。

 

「知佳子、いい加減にしなよ、千恵梨が困ってる」

 

 自他共に認める千恵梨の親友、田無 紘那(たなし ひろな)(女子九番)が見かねて知佳子を注意をすると、親友の声で我に返ったのか安堵したようにほっと息を吐いて千恵梨は肩を落とす。すぐに笑顔を取り繕って、普段のしっかりとした調子で口を開くのだった。

 

「まあ、あたしは学級委員だし、知佳子の提案も一理あるわよね。乃木坂くんさえ良かったら、あたしは――」

「いってーなっ、なにするんだよ白百合!」

 

 と、大きく喚いて立ち上がったのは不良グループの面子の秋尾俶伸だった。唐突の反応に注目が俶伸に集まっていく。

 

「え、なあに?」

 

 隣に座る美海が不思議そうに俶伸を見上げるのを、俶伸は顔を朱色に染め上げてじりじりと睨み付ける。無垢を装ったその大きな瞳の奥に、小悪魔のような無邪気さが見え隠れしているのを知っているからだ。

 

「なにじゃねえよ、お前な」

「どうした、秋尾?」

 

 惣子朗が頭の上で疑問符を乱舞させながら不思議そうに訊ねる。言葉を遮られてしまった千恵梨はいささか不満顔であった。

 話を振られた俶伸はもう一度美海を見やって、その爽快で涼しげな笑顔に言葉を失い、観念したように肩を落とした。

 

「あー、いや……勝平ってさ、俺らと仲いいだろ? だから、俺……そこに入ってもいい、けど」

 

 言いながら、俶伸の視線は美海とは別の人物をちらちらと落ち付きなく捕らえていた。もっともそれに気付いたのは極少数の限られた生徒だけだったが。

 

「あ、あの、私も」

 

 次に声を上げたのは、普段は榎本留姫や朝比奈 深雪(あさひな みゆき)(女子一番)と三人で行動することの多い、都丸 弥重(とまる やえ)(女子十番)だった。クラスでは大人しくてあまり目立たないが、行事毎には割と積極的に参加する方で、普段から人が嫌がる役割を率先して引き受けてくれる等、心優しい女子生徒だ。目立たない故に、そう言ったことに気付いているのは極一部ではあったが。

 控えめに笑いながら、やや聞き取りにくい小さな声で、ぽつりぽつりと言葉を零した。

 

「私たち、三人組だから、さっき留姫ちゃんが部屋決めで譲ってくれたし……あの、八木沼さんさえ良かったら、私がそこに入ろうかなって」

「ほんとー? 由絵は大歓迎だよー、仲良くしよーね!」

 

 由絵がそう言って嬉しそうに頬を綻ばせながら、招き猫のように手を振る。班での行動が始まれば由絵はほとんどの時間を勝平と過ごすつもりでいるのだが、どうせなら、仲良しの美海や果帆が入ってくれればいいなと思っていた。だが都丸弥重は優しくて、たまに言葉を交わせば不思議な言い回しをしたり、意外と楽しい少女だと由絵は以前から好感を持っていたので、大歓迎、との言葉は自然と口から零れ落ちたのだった。

 惣子朗が「よし、決まりだな」と微笑んで黒板に名前を書き記していく。被害を受けそうだった千恵梨もこうなれば特に異存はないようで、胸を撫で下ろしつつ、予め用意していたくじ引きの紙を持ち上げた。

 

「すんなりと決まって良かったわ、二人ともありがとね。それじゃあこれから、男子は男子、女子は女子でペアを作ってね。作ったらこの紙に二人分の名前を書いて、男子はこっち、女子はこっちの箱に入れることー。はい、始め!」

 

 合図と同時に、いっそう賑やかにクラスメイトたちが各々と教室を移動する中で、俶伸は隣の席の美海を恨めしげに見詰めた。

 

「白百合~」

「あら? あたしは秋尾くんをちょっとだけ抓ってみただけなんだけどなー」

 

 学年一の美少女と評判の笑顔でそう返されては、俶伸も観念する外ない。美海は楽しげに声高らかに笑んで席を立った。

 

「果帆、紙取ってくるね」

「あいよー、よろしくー」

 

 

 

 

 

   * * *

 

 

 

 A班 秋尾・千景・都丸・八木沼

 B班 新垣・本堂・白百合・間宮

 C班 小田切・目黒・小日向・和歌野

 D班 菫谷・関根・七瀬・深手

 E班 金見・森下・羽村・武藤

 F班 筒井・竜崎・香草・幸路

 G班 如月・乃木坂・泉沢・田無

 H班 有栖川・道明寺・佐倉・水鳥

 I班 福地・御園・朝比奈・榎本

 J班 高津・譲原・鈴茂・萠川

 K班 桧山・与町・野上・渡辺

 

 

 

「さいあくー」

 

 黒板に書き綴られた名字の羅列を見て、オレンジ色の唇を突き出しそう呟いたのは渡辺彩音だ。隣ではツインテールの野上雛子が同じく怪訝顔で溜め息を零している。クラスの女子の中で一番、今時で洒落ていると自称するグループに属する二人は、オタクコンビと呼ばれる桧山 洋祐(ひやま ようすけ)(男子十四番)と与町 智治(よまち ともはる)(男子二十一番)との組合せに不満が隠せない様子である。

 

 

「お前ら失礼すぎるだろ」

 

 それを聞いていたライオンの鬣みたいに派手な髪型の高津政秀が、意地が悪そうににやけながら二人の顔を覗き込む。まるでご愁傷様、とでも言いたげである。傍らにはその政秀と同じ班になったスケベの譲原鷹之と、長身の萠川聖、ガーリーな鈴茂まなみの三人が寄り合っている。元々交友する機会の多かった不良グループとギャルグループが挙って同じ班になったのは、よりにもよってオタクと組まされた彩音や雛子から見たら羨ましい限りであった。どうやらこの両問題児グループとオタクコンビとの間には、深い溝があるようである。

 

 

 しかし反対に、こんな意見も飛び交っているのだった。

 

「どうして私が、あんな野蛮な人たちと……」

 

 クラスの女子で唯一眼鏡をかけている朝比奈 深雪(あさひな みゆき)(女子一番)は、げんなりした様子で眼鏡のテンプルの部分に指を添え、頭を抱えるような仕草をする。休憩時間はもっぱら保健室に入り浸っている彼女は、どちらかと言えば大人しくて目立たない部類の女子生徒で、交友関係は狭く、特に男子に対しては近寄り難い雰囲気を醸し出していた。そんな少女なので、不良グループの二人、御園英吉と福地旬と組まされたことが大いに不満な様子であった。一足先に班が決まっていた都丸弥重が、やんわりと彼女を宥めている。だが同じく保健室組で同じ班の榎本留姫は、大して興味もないのか文句の一つも口にせず、ポニーテールを頬の端に垂らしながら黙々と読書を始めていた。

 

 

 その様子を近くで眺めていた道明寺晶と有栖川直斗の二人は呆れたように笑い、同じ班となった佐倉小桃と水鳥紗枝子にこっそりと耳打ちするような仕草で言う。

 

「俺らは仲良くしような、よろしく」

「ええ、こちらこそよろしくね。……水鳥さんも」

 

 女子学級委員長の泉沢千恵梨が率いる、極々平均的なグループ――差し当たり女子の主流派と言ったところ――に属する小桃は、今回は本来のグループのメンバーではなく、クラスではやや孤立気味の大人びた美女、水鳥紗枝子とペアを組んでいた。小桃の言葉に紗枝子が軽く微笑んで頷く。

 

 

 晶や直斗と親しい真柄の乃木坂朔也は、小桃と同じように男子内でやや孤立している如月仁と組んでいた。小桃たちからは少し離れたところで、その二人と同じ班で行動することになった千恵梨と田無紘那と一緒に、穏やかな雰囲気で談笑している。

 

「乃木坂くんとなら心強いわ、一緒になれて嬉しい」

「ははは、こちらこそ、委員長とご一緒できるなんて光栄ですよ」

 

 

 同じく学級委員長の筒井惣子朗は、同じ野球部所属の竜崎圭吾と共に、女子主流派のメンバーで一際賑やかなこの二人組、ムードメーカーの香草塔子と幸路知佳子と教卓の付近で輪を作り、シャープペンシルを握り締めながら旅行の資料に目を落としていた。

 

「筒井くんと竜崎くんなら、あたしらがなにやらかしても平気そうな気がするよ!」

「ねえー!」

 

「……ははは」

 

 天然ボケとトラブルメーカー。先が思いやられた圭吾の乾いた笑い声に気付いた者はいなかった。

 

 

 女子の中でも特に絵に描いたような優等生のこの二人組、武藤灯里と羽村 唯央(はむら いお)(女子十三番)は、男子中間派の中でも比較的大人しめで無愛想な金見 雄大(かなみ ゆうだい)(男子四番)と、少女のように小柄な森下 太一(もりした たいち)(男子十九番)と同じ班になっていた。とは言え、クールな灯里と大人しい唯央と雄大なので、会話らしい会話は特に生まれなかった。それなりに人懐っこい太一も、空気を読んで沈黙せざるを得ないのだった。

 

 

「行き先はしっかり者の二人にまかせるね、よろしく」

「菫谷お前、少しは協力しろよ……」

 

 あまり上手く行っていなさそうな灯里と唯央を心配しつつ、七瀬 和華(ななせ のどか)(女子十一番)もまた、今後が思いやられていた。大食いで有名な関根 春生(せきね はるお)(男子七番)はともかくとして、男子中間派に所属しているのが不思議なくらい生活態度の乱れた男、菫谷 昴(すみれたに すばる)(男子六番)と同じ班になってしまったからだ。不真面目でいい加減、あまつさえ協調性は皆無――容姿端麗と名高いのに勿体ないと思う。和華は深手 珠緒(ふかで たまお)(女子十四番)と顔を見合わせつつ、張り付けたような愛想笑いを浮かべるのであった。

 

 

「サキ、どこ行きたい?」

「そうね、花菜が私のために決めてくれたところなら、どこでもいいわ」

 

 百合の花にでも囲まれていそうな、まるで別世界に迷い込んでしまったような感覚で、小田切 冬司(おだぎり とうじ)(男子三番)と目黒結翔の二人は、仲陸ましげに談笑する小日向花菜と和歌野岬を呆然と眺めていた。彼女たちは普段、白百合美海や間宮果帆、八木沼由絵と五人で行動することが多いのだが、中でもこの二人は異色な世界観を醸し出していた。男子用の制服ズボンを愛用する等、大柄で男勝りな花菜と、小柄で可憐な岬は〝宝塚コンビ〟との異名があり、ある意味このクラスの名物のような存在である。

 冬司と結翔が普段特に親しくしている運動部所属の他二人も、色々な意味で騒がしい女子二名と組まされたことを思えば、ある意味、一番の貧乏くじを引いたのは自分ら体育会系グループなのではないかと、彼らもまた、不安に駆られるのであった。

 

 

「お前と同じ班になるとはねえ、荷物持ちはまかせたわ!」

「ちょ、無茶言うなよー、間宮の方が俺より力ありそうじゃん!」

「あははは、本堂くんそれ失礼すぎー」

「俺の荷物も頼むわ。白百合のは俺が持ってやるからな」

「なんで夏季のまで俺が持つんだよ!」

 

 多分、誰が見ても一番楽しそうにまとまっているのはこの班であった。本堂空太と間宮果帆を中心として愉快な雰囲気が広がり溢れている。明るくて可愛いと名高い美海と、綺麗で格好良いと名高い果帆と同じ班ともなれば、男として悪い気はしないと言うものである。新垣夏季はだらりと鼻の下を落とし、終始にやけ面を隠せないほどに浮かれるのであった。

 

 

「沖縄旅行、楽しみだな~」

 

 秋尾俶伸と千景勝平に微笑みかけながら、八木沼由絵はそう呟いた。

 

 

 

 

 

2013/10/06 PM14:24~

 


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