召喚したらチートだった件   作:uendy

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いや~、今朝方まどろみながらFGOのガチャ10連×2 回したら
マリーちゃんに スク水エレちゃん礼装(二枚)さらに弓王来て思わず飛び起きました。

その勢いのせいで、ベットの足に脛を強打してもんどりを打ったのは内緒


四話~ 駄神からの試練

 

「な、なんであの短時間に〝フォレス・ガロ〟のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備している時間もお金もありません!」「一体どういう心算があってのことです!」「聞いているのですか三人とも!!」

 

 

「「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」」

 

 

「黙らっしゃい!!!」

 

 激怒する黒ウサギを十六夜が止めに入る。今までニヤニヤ笑っていたその表情を収めてはいるが、それでもまだ楽しそうな色を表情に浮べたまま。

 

「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思ってるかもしれませんがこのゲームで得られるのは自己満足だけなんですよ?この〝契約書類ギアスロール〟を見てください」

 

 十六夜は黒ウサギに差し出された羊皮紙、”契約書類(ギアスロール)”を受け取り書かれているないように目を通す。

 

「"参加者が勝利した場合、主催者は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する"まあ、確かに自己満足だ。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを負ってまで短縮させるんだからな」

 

ちなみに飛鳥達のチップは罪を黙認する、というものだ。それは今回に限ったことではなく、これ以降もずっと口を閉ざし続けるという意味だ。

 

「でも時間さえかければ、彼らの罪は必ず暴かれます。だって肝心の子供達は……その、」

 

 黒ウサギが言い淀む。悪評は聞いていても、これほどひどい状態だとは思ってなかったのだろう。

 それに、と飛鳥はつなげる。

 

「黒ウサギ、私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに違いないもの」

「ま、まあ……逃がせば厄介かもしれませんけれど」

 

「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」

 

ジン君も同調し、黒ウサギは諦めたように頷いた。

 

「はぁ〜・・・・・仕方が無い人たちです。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。”フォレス・ガロ”程度なら十六夜が一人いれb」

「何言ってんだ、これは俺達が売り、奴らが買った喧嘩だ。十六夜に参加なんかさせねえよ」

「その通りよ。十六夜君は参加なんかさせないわ。」

「当たり前だ。俺は参加しねえよ。」

 

 フン、と鼻を鳴らす二人。そんな二人に黒ウサギは慌てた様子で食ってかかった。

 

「だ、ダメですよ!御四人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

「そういうことじゃねえんだよ黒ウサギ。」

 

 十六夜は真剣な顔で言った。

 

「この喧嘩はコイツらが売った。そして奴らが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

「あら、わかってるじゃない」

「・・・。ああもう、好きにしてください。まぁ、零仁もいますしそこまでひどくはn」

「悪いが今回は俺も参加しない」

 

 零仁の一言に、黒ウサギだけでなく飛鳥や十六夜も怪訝そうな表情をした。

 

「あら、あなたが一番やりたいと思っていたのだけど?」

「ああ、俺一人なら参加するどころか、その前にあの首をたたき落としてたよ。それくらいムカついている。」

「ならなぜ参加をしないのですか?」

「『獅子はウサギを狩るのにも・・』とよく言うが、だからと言って たった数人相手に数百人を動員するようなマネをするわけじゃないだろ? それと一緒だ。――――()は強者だ。だからこそ、過剰戦力で圧勝するような無様をさらすことは許されない。そういうわけだ」

 

 一瞬だけ雰囲気の変わった零仁に少し気おされながらも飛鳥と十六夜は得心が言ったというような表情になり、黒ウサギも納得がいかないまでもしぶしぶといった様子である。

 

「ま、あの程度に二人後れを取るとは思えないし、どうせ失うものもあって無いようなものだしな」

 

 いつも通りの雰囲気に戻った零仁はそう締めくくった。

 

******

 

いやー、やっと落ち着いてきたね。ラフィーも迷惑かけたね。

『いえ、お気になさらないで下さい マスター』

せっかくの異世界なんだしやっぱり楽しまないとね。ウン

にしても、”魔王”か全く何の因果なんだか。

『えぇ、中々に頓知が聞いておりますね。ですがまぁ、所詮マスター相手ではたいていが格下ですよ』

いやいや、それはどうだろう ジン(アイツ)も魔王と言ってもピンキリなところがあるって言ってたから。でも、お前と一緒なら負ける気はしないよ。

『お任せくださいマスター』

 

 相棒との結束を固めていると、超巨大商業コミュニティ”サウザンド・アイズ”でギフト鑑定を行うことになっていた。

 正直俺の力の大半は理解してるし、何かあってもラフィーが常時観測しているので問題はないが、その超巨大商業コミュニティが気になるので着いていくことにした。

 

 道中、俺たちは興味深く街並みを眺めていた。

 

「桜の木・・・・・ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏にもなって咲き続けてるわけがないもの」

「いや、まだ初夏になったばっかりだぞ。 気合の入った桜が残っていてもおかしくはないだろ」

「・・・・?今は秋だったと思うけど?」

「俺のとこは春分手前だったぞ」

 

 ん?とかみ合わない顔をしている三人に、俺は回答を出す。

 

「おいおい、呼び出された異世界と自分たちの元居た世界の季節が一緒だとは限らないだろ?それに、服装を見ている感じ呼ばれた時代自体も違ってると思うから、季節ぐらいズレたっておかしくないと思わないか?」

「その通りです。皆さんはそれぞれ違う場所から召喚されているのデス。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」

「へぇ?パラレルワールドってやつか?」

「近しいですね。正しくは立体交差平行世界論というものなのですけども・・・・・今からコレの説明を始めますと一日二日では説明しきれないので、またの機会ということに」

 

 どうやら店についたらしい。超巨大の割には随分とこじんまりしている。まぁ、黒ウサギの話では、この辺は田舎っぽいし、ソコの支店となればこんなものか。

 

 などと考えていると、日が暮れ、看板を下げている女性店員に黒ウサギがストップを―――――

 

「まっ」

「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやっていません。」

 

 ―――――をかけることはできなかったようだ。

 黒ウサギは悔しそうに店員を睨みつけるが、流石は超大手の商業コミュニティ。押し入る客の拒み方にも隙が無い。

 

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

「ま、全くです!閉店時間の五分前に客を閉め出すなんて!」

「文句があるなら他所へどうぞ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎなのですよ!」

「なるほど、〝箱庭の貴族〟であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいですか?」

「…………う」

 

 そんな中躊躇いもなく名乗る十六夜。交渉は十六夜に任せてとりあえず俺は疑問解消に動く。

 

「なぁ、黒ウサギこの店に来慣れてる風だったがどういうことだ?」

「いえ、・・正確にはこの店のオーナーである方と懇意にしておりまして」

「ほうほう(梟)ところで、その人の名前は?」

「白夜叉様です」

 

 名前を聞いた俺はとりあえず十六夜を下がらせ、耳をふさぐ(・・・・・)よう皆に告げる。

 女性店員が俺の行動に勘づき止めに入る前に俺は行動を完了させた。

 

「白夜叉さーーん! 黒ウサギであーそびーましょー!」

 

「な、なんて大声を出すんd―――――――

「いいぃぃぃぃやほおぉぉぉぉぉ!!久しぶりだ黒ウサギイィィィィィ!!」

 

 俺の暴挙を女性店員が咎めようとした瞬間。それは来た。

 店内から爆走してくる着物姿の真っ白い髪の少女に抱き(もしくはフライングボディーアタック)つかれそうになりとっさに回避する俺、それにより俺の真後ろにいた黒ウサギは少女と共にクルクルと空中四回転半ひねりして街道の向こうにある浅い水路まで吹き飛んだ。

 

 ボチャン。

 十六夜たちは目を丸くし、店員は痛そうな頭を抱えていた。

 

「……なあ、この店にはドッキリサービスでもあるのか? なら俺も別バージョンで」

「ありません」

「なんなら有料でも」

「やりません」

 

 そんな会話をする二人をよそに、フライングボディーアタックを黒ウサギに仕掛けた白い髪の幼女は黒ウサギの胸に顔を埋めて擦り付けていた

 

「し、白夜叉様!? どうしてあなたがこんな下層に!?」

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに! フフ、フホホフホホ! やっぱりウサギは触り心地が違うのう! ほれ、ここが良いかここが良いか!」

 

 スリスリスリスリスリ。

 やってることは完全に変態エロ親父である。

 

「白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

 白夜叉を無理矢理引き剥がし、頭を掴んで店に向かって投げつける。

 くるくると回転しながら飛んでいった少女を十六夜が足で受け止める。

 

「てい」

「ゴバァ!・・・お、おんし飛んできた美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

「十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロり」

 

 漫才を繰り広げている二人はとりあえず放置して、俺は、黒ウサギを引き上げ乾かしてやる。

 

それにしても、とんだ大物だったようだな

『・・・・・ええすさまじいですね』

とりあえずは無さそうだと思うけどもしやり合ったらどうなるかねぇ

『まず無策では、ほとんど無理かと・・』

だよなぁ、神魔の遊技場と聞いて覚悟なり好奇心なりを膨らませたが、軽く超えていかれた感じがするな。

『・・・・楽しみですか(・・・・・・)?マスター』

あぁ、最高だね。クリスマスや遠足前夜の小学生の気分だよ。

 

「まあいい、話があるなら店内で聞こう」

「よろしいのですか? 彼らは旗も持たない”ノーネーム”のはず、規定では」

「”ノーネーム”だとわかっていながら名を訪ねる、性悪店員に対する詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

 

 むっ、と拗ねるような顔をする女性店員に睨まれながら暖簾を潜り店の中に入る。

 

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

 案内された和風の中庭を進み、縁側で足を止める。

 障子を開けて招かれた場所は香のような物が焚かれており、風と共に五人の鼻をくすぐる。

 

「へぇ・・・・良い趣味してるな」

「む、わかるのか?」

「詳しくは無いし、この世界特有のものの可能性もあるからわからんがな。ただ、美しいものを美しいと言える感性は持っているよ」

 

 個室というにはやや広い部屋に入る。

 上座に腰を下ろした白夜叉は大きく背伸びをして俺たちに向き直る。

 

「もう一度自己紹介しとこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている”サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな、コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやってる器の大きい美少女と認識しといてくれ」

「はいはい、お世話になってますよ、本当に」

 

 投げやりな言葉で受け流す黒ウサギに、お世話になっているが同じぐらい苦労させられているのだろうということが良く分かる。

 耀が小首をかしげ、白夜叉と黒ウサギに問いかける。

 

「その外門、って何?」

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ、数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強大な力を持つ者たちがすんでるのです」

 

 黒ウサギが描く上空から見た箱庭の図は、外門によって幾重もの階層にわかれている。

 その図を見た4人は

 

「・・・・超巨大タマネギ?」

「大木の年輪を思い出した」

「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

「そうだな。どちらかと言えばバームクーヘンだな」

 

「ふふ、うまいこと例える。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番薄い皮の部分に当たるな。更に説明するな、東西南北4つの地区の区切りの東側にあたり、外門のすぐ外〝世界の果て〟と向かい合う場所になる。あそこにはコミュニティに所属こそしていないものの強力なギフトを持った者たちが棲んでおるぞ ―――――――その水樹の持ち主などな」

 

 確か”世界の果て”のトリニトスの滝に住んでいた蛇神が持ち主だと言ってたっけ。

 

「して、おんしが勝ったのか?知恵か、勇気か、それとも――――力比べか?」

 

 わざわざ特定してくる辺りバレてるなこりゃ。とりあえず今は質問に返答するか。

 

「いや、俺は何にもしていないよ。やったのはこっちの十六夜だ」

「ああ、素手で叩きのめしたよ」

「なんと!? よりにもよって力比べで倒したとな!? ではその童は神格持ちの神童か?」

「いえ、それでしたら黒ウサギがわからないわけないですし。」

「つうか、そもそもその神格ってなんだ」

 

 曰く、神格とは存在を種の最高ランクまで押し上げるギフトの1つ。

 蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。

 人に神格を与えれば現人神や神童に。

 神格を持つことで他のギフトも強化され、箱庭の上層を目指すコミュニティの多くは神格を手に入れることを第一目的としているそうだ。

 その答えに、内心冷や汗を流すと同時に安心をする俺、モロバレではなかったようだ。

 

「白夜叉様はその蛇神様とお知り合いだったのですか?」

「うむ。おそらくじゃが私が神格を与えた相手じゃろう。もう何百年も前の話しだがの」

「へぇ?じゃあオマエはあのヘビより強いのか?」

 

 白夜叉の言葉に十六夜が物騒な色を浮かべ瞳を光らせる。

 

「ふふん、当然だ。私は東側の”階層支配者(フロアマスター)”だぞ。この東側四桁以下のコミュニティでは並ぶものがいない、最強の主催者(ホスト)なのだからの」

 

 その言葉に、瞳を輝かせる者がいた。

 

「そう・・・ふふ、つまり。あなたのゲームをクリアできれば私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティということになるのかしら?」

「無論、そうなるのう」

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

 剥き出しの闘争心を視線に込めて白夜叉を見る三人。

 命知らずというべきかこの力量差を見破れないのは致命的だな。

 というか、なんだかんだで向こうさんも乗り気だし。

 

「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」

「ちょ、ちょっと御三方!?」

 

 慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。

 

「よいよ黒ウサギ、私も遊び相手には常に飢えている」

「あら、ノリがいいじゃない」

「ふふ、そうか――――しかし、ゲームの前に1つ確認しておくことがある」

「「「?」」」

 

 白夜叉は着物の裾から〝サウザンドアイズ〟の旗印の紋が入ったカードを取り出し、壮絶な笑みを浮かべ一言。

 

 

 

「おんしらが望むのは”挑戦”か――――もしくは”決闘(・・)”か?」

 

 

 

 

 

 




次回戦闘シーンだけどどうすっかな。

少し時間がかかるかもです。

では、また次回に

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