召喚したらチートだった件   作:uendy

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書き忘れていましたが、主人公は「転スラ」の書籍版読んでいるという設定ですので、 うp主は小説家になろう版をしか読んでいないので多少の違いが存在しています。

あと、「問題児」を主人公は呼んでいません。


YES! ウサギが呼びました!
一話~ 呼び出されて


冬も過ぎてめっきり暖かくなってきた今日この頃、晴天の中 俺は京都にある行きつけの茶屋でこの店特製の団子を頬張っていた。

 

「お茶のお替りいかがですか?」

「・・ングッ お願いしてもいいですか?」

 

茶屋の看板娘(文字通り)がお茶を告ぎに来てくれた。

 

「はーい それにしてもいつも幸せそうに食べてますね。見てるこっちまで癒されちゃいますよ。

はい、お茶どうぞ」

「ドモ です。 実際幸せですよ。最近暖かくなってきて余計にね」

「あー、わかります。今はお客さんがいるから大丈夫ですけど、減ってくると眠くて仕方ないですよ」

「ズズーッ あーおいしかった。ごちそうさまです。お勘定 お願いします」

「はい、では ”特製団子セット”五つで4500円です。 いつものことながらホントよく食べますね」

「それだけ好きなんですよ。・・あと一枚ット これで4500円丁度ですね。午後からのお仕事頑張ってください」

「はーい。ありがとうございます。では、またのお越しを―」

 

看板娘さんの元気な挨拶を聞きながら、ホクホク顔で帰りつつ、茶屋で何の前触れもなく降ってきた(・・・・・・・・・・・・・・・・)手紙を眺める。

 

「さーて、どうすっかね。コレ」

『私ですら気づけませんでしたしね。ソレ』

 

頭の中に《相棒(ラフィー)》の声が響く。

 

「でもしっかり、手紙には俺宛って書いてあるし、それこそ魔術結社の連中ならお前が気づけないわけないしなぁー」

『ですが、私ですら気づけない上に、手紙の中にも特殊な術式が入っているようです。ですので、捨ててしまうのが得策かt――――――――

「だが開ける(バリっ)」

だと思いましたよッ!』

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』

 

 

 

 

――――――――――次の瞬間、目の前に見たことのない景色が広がった、遥か上空から(・・・・・・)というおまけ付きで

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

「わっ」

「きゃっ!」

一瞬の浮遊―――からの転落上空4000mの紐なしバンジーとは思わなかったな。しかも同乗者付き

 

『冗談を言っている場合ではありません。 重力魔法を展開します』

んじゃ、ついでに同乗者’sもよろしく

『イエス、マスター』

 

落下地点に幾重もの水膜を破り、重力魔法によって湖面ダイブを阻止する。

 

「「えっ?」」

「へぇ~ こいつはスゲーな」

 

三人がそれぞれの反応を示しているようだが、とりあえず、岸に向かうか。湖面をスイーと滑っていく。

それにしても、わざわざ膜作るのなら普通に呼び出せばいいのに。

『同感です。おかげで少し濡れてしまいましたね。』

すぐに乾かせるんだからそれはいいんだけど。

 

「さて、御三方そろそろ下しますよ。」

「ん、ありがと」

「・・え、えぇ。ありがとう。あなたがいなかったらみんな揃って濡れ鼠になっていたわ。

でも、やっぱり言わせてほしいの、  信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙句、空中に放り出すなんて。」

「とりあえずは助かったぜ。俺も同意見だぜクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中のに呼ばれたほうがまだ親切だ。」

「どっちにしろ、召喚には失敗しているじゃないですかーヤダー」

「・・・・・・。いえ、反応するところが違うわ。第一石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

「さっきみたいに呼ばれて一呼吸分の間があれば何とか。」

「そう、身勝手ね」

 

そう言って二人の男女はフン、と互いに水膜で少し水を吸った服を扇ぐ。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前たちにも変な手紙が?」

「そうだけど、まずは”オマエ”って呼び方を訂正して。―――――――私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱えているあなたは?」

「・・・・・春日部耀。以下同文 それより、」

とりあえず、乾燥でもさせようかと考えていると、耀がコートの端を引っ張りながら聞いてきた。

 

「(目をキラキラさせて)さっきのは何?」

「魔法かな?一応魔法使いだしね」

 

そういいながら指パッチンをすると、

 

「「「!」」」

 

―――――その場の全員の服が瞬く間に乾いた。

 

「では、自己紹介を、俺の名前は 夜刀神 零仁(やとがみ れいじ)先に断っておくが、男だ」

 

これまた三者三様の反応を見せる。特に食いついたのは、飛鳥だった。

 

「・・よく見ると確かにそうね」

「ハイハイ女顔で、声も高めですよ」

「ごめんなさいね。でも魔法使いなんて素敵ね」

「ん~、本当にただ使えるってだけでコイツで人助けはしたことないがな」

「つい今さっき助けてもらったと思うけど?」

「気分がよかったんだよ。好物を食べた後だったし」

「フフッそう、では改めてよろしくね 春日部さん 夜刀神君。最後に野蛮で凶暴そうなそこのあなたは?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろったダメ人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「取り扱い説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハッ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

なんというかまぁ、問題児だなぁこいつ等

『マスター』

ん?どうした?

『三人の分析を行いましたが、これは・・・』

・・・・・・・・へぇ能力の細かい効果などは図りとれないが、三人とも間違いなく人類という枠を一つ飛び越えているといっても差し支えない才能の持ち主だったようだ。

全くいったい何の用で呼び出したのかね?

『聞いてみるのが一番かと・・丁度近くにいるようですし(・・・・・・・・・・・・)

だよなぁ、でもこの問題児っぷりに気が引けてるみたいだよ 彼女

 

 

***黒ウサギ***

気づかれているとはいざ知らず、物陰から見ていた黒ウサギは思う。

(うわぁ・・・・なんか問題児ばっかりですねぇ・・・・・)

召喚しておいてなんだが、彼らが協力する姿が客観的に想像できない。

今後の事を想像した黒ウサギは陰鬱そうにため息を吐いた。

 

そんな黒ウサギの心情を知ってか知らずか問題児たちは話を進めていく。

「で、呼び出されたはいいけど何で誰もいないんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねぇのか?」

「そうね、何の説明もないままでは動きようがないもの」

「・・・この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思う」

(全くです)

 

もっとパニックになってくれれば飛び出しやすかったのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れない黒ウサギである。

(まぁ、悩んでいても仕方が無いデス。これ以上の不満が噴出する前にーーー)

 

「(パンパン)まぁ、悩んでいても仕方ない、向こうで何か問題が起きたとかかもしれないし、とりあえずさっき上から見えたところに行ってみない?たぶんあれが”箱庭”なんだろうからさ。・・・それに、そっちのほうが楽しそうでしょ?」

 

意味ありげな微笑みとともに零仁が提案する。すると、その提案がお気に召したのか

 

「・・・・そうだな。うだうだ言っているのも趣味じゃねーし」

「・・・・そうね。知りたいなら、自ら行動することも大切よね」

「・・・・意義なーし」

 

(あわわ・・・アグレッシブが過ぎるのですよ。ですが、ある意味チャンスですね。先回りして偶然を装うのが――――――

  ――――ガシッ

フギャッ?)

 

黒ウサギが足元を見るとそこにはかなり複雑に絡まり、ちょっとやそっとじゃ解けそうにない。

何よりさっさと進んでいく問題児たちの姿が・・ここで黒ウサギが取れた行動は一つだけだった。

 

「すみませんそこの四名様方、捕まってしまい、出ようにも出られないのです。どうか助けていただけませんかー?」

 

恥を捨て、大声で助けを求めること。少し間抜けな部分を見せ相手の気を引く作戦なのだと付け加えた。主に自らのメンタルのために。

だが、作戦としては悪くはない。ただ、―――――

 

「? なんか聞こえた?」

「「「いいや、何にも」」」

 

―――――彼らに良心と呼べるものがあったらの話だが

 

「というか、絶対聞こえておりますよね!? 初めから黒ウサギのこと気づいていましたよね!?」

 

「やっぱりお前ら気づいてたんだな」

「当然。」

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

「かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱いてる奴も気づいていたんだろ?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「・・・・へえ?面白いなお前」

 

話が進まないことを危惧したのか、四人とも しぶしぶ黒ウサギのそばに近寄り、見下ろす。

 

「や、やだなあ御四人様。そんな狼おおかみみたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独こどくと狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱ぜいじゃくな心臓に免じてここは一つ穏便おんびんに御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

「却下きゃっか」

「お断りします」

「うーん、無理かな」

「あっは、取りつくシマもないですね♪」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。しかし、その眼は冷静に三人を値踏みしていた。

もちろん、捕まったまま。

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝気は買いです。 まぁ、扱いにくいのは難点ですけども)

黒ウサギはぱっと見おどけて見せている―――と、春日部耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、大分青みのかかった黒いウサ耳を根っこから鷲掴わしづかみ、

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

力いっぱい引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる業わざ」

「自由にも程があります!」

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。

 

「………。じゃあ私も」

 

今度は飛鳥が左から。だがここで黒ウサギの救世主が――――

 

「こらこら、三人ともやめなさい。」

「・・・(ジーン)零仁さん。・・ありがとうごz

 「ケモ耳はモフるためのものであって、引っ張るものではないよ。」

ですよねー 知ってましたとも、えぇハイ というかこれ解いて・・くれませんよねー」

 

(もうどうにでもなーれー☆)

 

―――――――現れるはずもなく、ただひたすら項垂れる黒ウサギであった。

 

このとき、ある存在が『相当な格を持っていても、マスターからすればウサギはウサギなんですよね。頑張ってください』と同情の念を送っていたを彼女は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うーん進まないし、地の文が一人称と三人称とをふらふらしてる。(苦笑)
だが私は謝らない(キリッ)

文の間もっと開けたほうが見やすいですかね?
とりあえず、手探り状態で書いていきますので、どうかご容赦を。

では、また次回に

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