銀輪蓮廻魂≼⓪≽境東夢方界   作:カイバーマン。

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#58 銀頼光時

夜中、夕食を終えてお腹パンパンになった銀時の所へ

 

まさかの

 

悪霊・桂小太郎

 

大妖怪・坂本辰馬

 

死神・高杉晋助

 

という世界でも征服しかねない連中がこぞって集まって来たのだ。

 

久しぶりの四天王勢揃いによってまさかの小さな部屋での飲み会

 

「奥さんに捨てられた銀時君を励ます会」が始まったのである。

 

「いやーこうして4人集まるのは何時振りじゃ? 頼光殿の所におった頃を思い出して懐かしくなるのぉ」

「うむ、頼光殿が亡くなってからは皆バラバラになり己の道を歩んで行ったからな」

 

久しぶりの勢揃いに坂本は嬉しそうに酒を飲むペースが上げ

 

桂も彼に合わせながら満更でも無さそうにフッと笑う。

 

「坂本は地獄で妻に束縛されながら奴隷の様に働き、高杉は天界で娘の尻を追いかけ回し、銀時は幻想郷で妻に愛想尽かされて家から追い出され、そして俺は現世で祟りを撒き散らしていた、皆充実した人生であったな、乾杯!」

「どこが充実した人生!? どいつもこいつもロクな目に遭ってねぇじゃねぇか! お前に至っては自分から災厄振り撒いてるし!」

「おいヅラ、誰が小娘のケツを追いかけ回してるって?」

 

満足げにコップを掲げて乾杯の音頭を取る桂にすかさずツッコミを入れる銀時と

 

不服そうに片方の目を細めながら酌を手に取る高杉

 

「俺が野郎を追いかけてるのは殺す為だ、長く生き過ぎた連中を殺す事が俺の仕事、テメェも銀時も、あの娘を片付けたらすぐに斬り捨ててやるよ」

「いや待て! 俺はもう既に死んでる身だぞ! 既に生きていないのだから俺はノーカンにするべきであろう! 殺すのは銀時だけにしてくれ!」

「テメェなに平然と俺を生け贄にしてんだコラ! お前はさっさと殺されて成仏しろ悪霊!」

 

霊だという事を利用してすぐに誤魔化しに入る桂だが、残念ながら死神の高杉には効かない。

 

「現世で祟り引き起こしてる悪霊の時点で立派な抹殺対象だよお前も、坂本、この飲み会が終わったらコイツを地獄に連れてってやりな」

「承知しました軍曹殿ー!」

「……お前もう酔ってるのか?」

「酔ってないでありますよ隊長殿ー!」

 

周りの者達はまだ酔いすら回っていないのに

 

一人だけ顔を真っ赤にして坂本はベロンベロン状態になっていた。

 

すっかり上機嫌の様子で高杉に敬礼すると、ちゃぶ台にバタリと頭から倒れる。

 

「か~こげに美味い酒飲んだのも久しぶりじゃきん! やっぱおまん等と一緒に飲む酒は別物じゃて!」

「俺はお前等には一刻も早くこっから立ち去って欲しいんだけど」

 

勝手に舞い上がっている坂本をよそに、銀時は苦い表情を浮かべながら酒をすする。

 

「なんなんだよホント、どうしてこんな狭い部屋に野郎4人で酒飲まなきゃいけねぇんだよ、俺もう腹一杯だし眠いんだよ、さっさと寝かせてくれよ」

「そうつれん事言うモンじゃなか、金時よ、わし等はお前の為にこうして集まっておるんじゃぞ」

「いや金時の為に集まってるなら人違いなんだけど? 俺銀時なんで」

 

もはや千年以上の長い付き合いであるのに何故にこの男は自分の名前を覚えられないのかと

 

心底呆れながら銀時は坂本に訂正していると、桂がうんうんと頷き

 

「坂本の言う通りだ、俺はお前が妻に見捨てられた事で心身共に弱り果て、今にも腹を切って自刃しかねないと永琳殿から聞いて参ったのだぞ。希望を捨てるな銀時、もう一度這い上がって俺と共にこの幻想郷に天誅を下そう」

「いやそれ自分の家にウンコ投げる様なモンだからね俺の場合、つうか腹切っても俺死なねぇから」

 

自分を勧誘する事に積極的な桂に冷ややかに拒否していると高杉がニヤリと笑い

 

「クックック、ヅラ、お前知らねぇのか? コイツ嫁に捨てられた後すぐに別の女に鞍替えしたんだぞ。何食わぬ顔でここに住もうとしているのが動かぬ証拠だ、なんでも永遠亭の主の輝夜とかいう女と所帯を……」

「お前はお前で一番ぶっ飛んだ誤解してるよね高杉君! なにそれどこ情報!? どこでそんな屈曲した話聞いて来たの!? 俺まだ紫と別れてねぇしそもそもここの主と何もねぇからホントに!」

 

笑いながらなに言い出すんだとツッコミながら、改めて卓を囲む彼等を見まわしながら銀時ははぁ~と一段と深いため息を突く。

 

「お前等ってホント自分勝手だよな、勝手に集まって勝手に飲み会始めて勝手に俺を嫁さんに捨てられた哀れな夫に仕立て上げやがって……こういう時に頼光の野郎がいればなぁ、すぐにこの場を収めて俺はさっさと寝れるっつうのに」

 

「自分勝手なのはお前もであろう、まあだが、頼光殿がここにいればと思いを馳せるのはわからんでもない。俺もたまに遠い昔の事を思い出す時があるからな」

 

「確かに、頼光殿は素晴らしい御方じゃった。わし等みたいな胡散臭い連中を集めて導いてくれたすんごい男じゃき、それもただの人間の身でありながらじゃ」

 

「あの人は俺達なんかじゃ計れねぇとんでもなくデケェ器を持っていた、だからこそ俺達みたいな好き勝手しまくって、てんでバラバラの方向を向いていた化け物供を纏めることが出来たのさ」

 

銀時が頼光という名を呟くと、桂や坂本、そして高杉までも「源頼光」という男の存在の凄さにフッと笑う。

 

そして銀時は一人、遠い昔にあった頼光との中であったある日の会話を思い出していた

 

アレは確か、自分が紫と結婚する事を決めた時である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀時、私に話とは何ですか?」

「……」

 

源家ゆかりの大きな屋敷の門前にある長い階段に座り

 

屋敷で他の連中がワイワイ騒いでる中、一人で酒を飲んでいた坂田銀時の所へやって来たのは

 

彼の主君・源頼光だった。

 

長い髪を風になびかせ優しそうな目でこちらを見下ろす頼光に、銀時は言い辛そうにしながらそっと月を見上げる。

 

「頼光、俺あの妖怪を嫁に取るわ」

「……そうですか、そろそろ頃合いかと思っていましたが、めでたい事ですね」

「んだよ、いずれ俺がアイツを迎えるのをわかっていた口振りじゃねぇか」

「ええ、あなた達二人なら、そうなるのも時間の問題だとわかっていましたよ」

 

全てわかっていたかのような口ぶりに銀時は少々面白くなさそうにしかめっ面を向けると、頼光は微笑みを崩さないまま彼の横に立ったまま一緒に月を見上げる。

 

「今宵は満月ですか……満ちた月をこうしてぼんやりと眺めていると、妻や娘といた日々を思い出します」

「あぁ、前に言ってたなそういや。参考の為に聞くけどお前の嫁さんはどうだったんだ?」

「一般が求める妻としての理想像とは程遠い人でしたが、私には勿体ないぐらい良い人でしたよ」

「じゃあ娘の方は?」

「一般が求める娘としての理想像とは程遠い子でしたが、私には勿体ないぐらい良い子でしたよ」

「なるほど、つまり両方共まともじゃねぇ変人だって事か」

 

似たようなセリフを2回連続で言う頼光に、銀時はジト目を向けながら酌に入った酒を一口で飲み切る。

 

「カミさんと娘には会いに行こうとか考えた事ねぇの?」

「ありますよ、二人には長年苦労を掛けてますし。けど私はこの地から離れる事は出来ない、この地で人間として生き、人間として死ぬ、それが今私がやるべき責任ですから」

 

そう言いながらゴホゴホと軽く咳を突く頼光

 

ここ最近の彼は日に日に弱っているのか、咳を突いたり床に着く事が増えて来ていた。

 

その事に関しては銀時からは何も言わないが、何か嫌な胸騒ぎを感じているのは事実である。

 

「最愛の存在をもうこの手で二度と抱きしめることが出来ないというのは、ある意味この世で最も辛い事です。あなたもあの子と共に生きるというのであれば、それ相応の覚悟を務めなければいけない」

「……」

「あの子はずっと孤独に歩き続けてようやく君に会うことが出来たんです、どうか彼女の残された時間の許す限り、あの子の傍にいてあげて下さいね、彼女のお侍さん」

「残された時間ってなんだよ、アイツは確かに俺と違って不死者じゃねぇが妖怪だぞ? 少なくとも千年以上は生きれるんだ、そんだけありゃあお互い気楽に仲良くやっていけんだろうよ」

 

何を言ってんだと笑い飛ばしながらおもむろに銀時は立ち上がると

 

頼光に背を向けたまま「そんじゃ」と手を軽く上げる。

 

「今からちょいと野暮用で出かけてくるわ」

「おやおやこんな時間に何処へ行くんですか? 家であの子が待っている筈ですよ?」

「いやさ、俺一応結婚するだけど、それまだ先の事だし」

 

そう言って銀時は頼光に小指を立てながら振り返った。

 

 

 

 

 

 

 

「結婚する前にちょいと妹紅の奴の所へ行ってくる、アイツには朝になったら戻るって伝えておいて」

「……そうですか、では私から一つ指導をあなたに与えます」

 

婚前とはいえ堂々と別の女に会いに行くとぶっちゃける銀時に

 

頼光は微笑みを崩さずにゆっくりと右手を掲げると

 

「家で待つ最愛の存在をほったかしにして浮気を行うなど……一万年早い」

「ぶふぅ!!」

 

頼光の拳が銀時の頭部に炸裂した途端、彼は一瞬にして階段にめり込んでしまった。

 

首だけ残したまま頬を引きつらせてこちらを見上げる銀時に、頼光はいたずらっぽく小首を傾げながら笑いかけた。

 

 

 

 

 

「私と約束して下さい、どうかあの子の事ずっと護ってあげて下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

「もし約束を破りでもしたら、死後生まれ変わって、もう一度ゲンコツ食らわしますから」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいどげんした金時、ボケーっとした表情浮かべながら上の空になってからに」

 

坂本に尋ねられて銀時はハッと我に返った。

 

つい昔の出来事を思い出してしまった事に銀時はボリボリと後頭部を掻きながらバツの悪そうな顔で

 

「なんでもねぇ、昔の頃思い出したらしょっちゅう頼光にゲンコツ食らわされたの思い出しただけだ」

「アハハハハハ! やっぱおまんも思い出しちょったか! いやーわしも昔の事を振り返るとその事ばかり思い出してのぉ!」

「ゲンコツか、フ、そういえばお前達がしょっちゅうトラブル起こすせいで俺も散々巻き込まれて大変だったな、アレは痛かった」

 

銀時の呟きに坂本も同意しながら高笑いを上げ、桂も思わずフッと笑って見せて懐かしむ。

 

「一番頼光殿に殴られていたのは間違いなく銀時であったが、二番目はお前であったな高杉」

「け、やな事思い出させるんじゃねぇよ、俺はコイツがいちいち突っかかって来るからその度に追い払おうとしてただけだ。ゲンコツねぇ……」

 

昔は銀時としょっちゅう喧嘩していたので、その度に頼光から鉄拳制裁を食らっていたのだ。

 

高杉は渋い表情でそれを思い出し、キセルを吸いながらふとある事を呟いた。

 

「そういや天子の野郎が、随分前にどこぞの寺子屋でとんでもねぇゲンコツを食らわす女教師に出くわしたとかほざいてやがったな、人一倍頑丈なあの野郎が言うんだから相当痛ぇんだろうな」

「高杉、おまん殺そうとしちょる奴とそげな日常的な会話しとるんか? ホントは仲良いんじゃか?」

「気持ち悪い事言うんじゃねぇよ、アイツと俺は常に殺し合いの日々だ。会話すんのは定休日ぐらいのモンだ」

「定休日!? 死神の活動って休みとかあるんか!?」

「週休二日制だ」

「い、意外とまともな職場なんじゃの死神って……」

 

高杉の死神としての活動にもちゃんと休みがあるのかと驚く坂本をよそに

 

ゲンコツを食らわす女教師と聞いて桂と銀時もふと眉を顰める。

 

「そういえば以前幽々子殿の屋敷出向いた時にそんな話を俺も聞いたぞ、亡者である自分でも凄く痛いと感じるゲンコツを食らわすとんでもない半妖と人里で出会ったと」

「あぁ、俺もアリスから聞いた事あったなそういや。多分人里で寺子屋開いてるあの半妖の女教師だろうな」

「知っているのか銀時?」

「直接顔を合わせる事は滅多にねぇが、妹紅がアイツと仲良いから話だけならよく聞いてんだよ、えーとそいつの名前は確か……」

 

顔はハッキリと覚えているが名前はちょっとド忘れてしまった銀時

 

思い出そうと懸命に頭をひねっていると

 

部屋の襖が静かに開き、隙間から一人の女性がひょっこり頭を覗かせた。

 

「む? 珍しく今日は騒がしいなと思ったら男4人で卓を囲んで仲良く飲んでいたのか」

「確か慧音とかそんな名前だった気が済んだよな~」

「ああ、私が慧音だがどうした?」

「え?」

 

やっと捻りだして名前を呟いた銀時にその女性がキョトンとした様子で話しかける。

 

銀時はすぐにバッとそちらに振り返ると「あ!」と声を出しながら彼女を指差して

 

「コイツだコイツ! 寺子屋で人間のガキ相手にクソ面白くねぇ授業やってる半妖って奴!」

「いきなり人を指差しながら私の授業がクソ面白くないだと……喧嘩売ってるのかお前」

 

女性こと上白沢慧音はいきなり失礼な事を言われてカチンときた様子で眉間にしわを寄せる。

 

「授業に面白いも面白くないも関係ない、大事なのはいかに生徒達の頭に知識を加え込むのが大事なんだ、近年では画期的だと称して生徒達に面白愉快に授業を教えるのが流行っているというがアレは大いなる間違いだ、私から言わせればあんな遊んでるだけの教え方じゃ全然なってない、そもそも……」

「あ~もういいからいいから! ここでいきなり授業始めようとすんじゃねぇよ! ったく妹紅の言う通りホントに隙あらば他人に教えたがるなお前……」

「妹紅? あ、そういえばお前は……」

 

長ったらしい授業を始めようとする慧音を銀時が慌てて止めに入ると、彼女はふと銀時が誰なのか気付いた様子で

 

「妹紅と男女の関係である銀時という男だったな、確か幻想郷の管理を務める八雲紫の夫で……あれちょっと待て? 妹紅と付き合っていながら所帯持ち? 一体これはどういう訳だキチンと説明しろ、場合によっては私の友人をたぶらかした罪で裁かせてもらうぞ」

「自分で言って自分で疑問持ってんじゃねぇよ……俺と妹紅はもうとっくに終わってんの、今の俺の相手は紫唯一人だから」

「……妹紅と言っている事が合わないんだが?」

「アイツどんな風に俺の事説明したんだよ……」

 

こちらを怪しむ様に目を細めて来る慧音に、銀時はここにはいない妹紅に対して軽く舌打ちする

 

「つうかお前こそなんで永遠亭に?」

「なんか話をはぐらかされたような……私は永琳と話に来たんだ、時間も時間だし今日は短めですぐに帰るつもりだがな」

「……お前等って仲良かったっけ?」

「ああ、頻繁ではないがちょくちょくここに誘われるんだよ、なんでも私と話をすると落ち着くだとか。きっと私の教えが彼女の心に優しく響いているのだろう」

 

お前の話聞いてもただ退屈で眠たくなるだけだろ、安眠療法に使われてるだけじゃね?と言いかける銀時であったが

 

得意げに笑っている彼女にそれ言うと何されるか容易にわかるので言わないでおく事にした。

 

「というか私はともかくそちらはどうしてこんな所に集まっているんだ?」

「妻に見捨てられた銀時を励ます会としてここに集まった」

「おいヅラ! 余計な事言うんじゃねぇ!」

「妻に見捨てられた? どういう事だ?」

 

慧音の疑問に桂が銀時の制止も聞かずに真顔で話を続ける。

 

「どうやら銀時の方が粗相を働いたらしくてな、それで堪忍袋の緒が切れた妻が銀時を家から追い出してしまったらしい」

「……この男が粗相を働いたという部分を詳しく説明してくれ」

「なんで乗り気になってんだよお前も!」

 

腕を組んで静かに話を聞く態勢に入る慧音に、桂と坂本、高杉が同時に

 

「「「浮気した」」」

「ってオイィィィィィィィィ!! なにデタラメ言ってんだゴラァ!!」

「……なるほど非常にシンプルかつ男として最低な行いだ」

 

三人の答えに銀時がすぐに抗議しようとするも

 

慧音は腕を組みながら深く頷き、銀時を冷たく見据える。

 

「よしそこの者、私の前に立て」

「は!? いやだから違うんだって! 俺は浮気とかしてないから! 遊んでる様に見えるけどそっちは真面目だから!」

「ホントに言い切れるのか浮気してないと、私の目を見ながら一度もそんな間違いは犯してないと誓えるか」

「……」

 

そう言われて銀時は言われるがまま彼女の前にバッと立って言い訳しようとするも

 

ふと前にアリスと酔った勢いで何かやらかしてしまったのではとパニックになった時の事を思い出した。

 

銀時は頬を引きつらせながら無言で彼女から目を背けると

 

何か隠してるとすぐに勘付いた慧音は彼に向かって優しく微笑む。

 

「そうか、君は先生に何か隠しているのか。ではそんな君の為に先生から一言」

「い、いや待って! アレは未遂だ! 未遂な筈だから! 確証たる事実も無いんだし……!」

 

スッと右手で拳を握って上に掲げて来た慧音に慌てて銀時が何か言おうとするも……

 

 

 

 

 

 

「護るべき愛する存在がいながら! 他の女に現を抜かすなど!! 九千年早い!」

「だっふんだ!!」

 

慧音の教育的鉄拳が銀時の頭部に直撃し

 

彼はそのまま床を抜けてズボッとめり込んだまま、頭だけ出した状態のまま白目を剥く

 

そしてあまりの痛みに意識が朦朧としている彼に向かって

 

慧音はいたずらっぽく小首を傾げながら笑いかけた。

 

 

 

 

 

 

「忘れるな、お前が思うよりもずっと、お前の妻はお前の事を愛し続けている事に」

 

 

薄れゆく意識の中で銀時はぼんやりと目を開けながらこちらに微笑む慧音を見上げた時

 

ふと一瞬、別の人物に見えたような気がした。

 

 

 

 


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