怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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黒の恐怖

※誤字脱字報告がありましたので訂正しました!


5話 模擬戦

「どうしてこうなった・・・」

 

「すいません・・俺が言ったばかりに・・」

 

「いえ・・いいんですけど・・これは・・・」

 

俺とモモンガさんは闘技場の通路にいた。それはリハビリもかねてスキルの実験をするためなのだが・・・

 

「「どうしてこんなにいるの・・・」」

 

そう、闘技場の観客席にはNPCたちがいて、席がまったく無い満席状態であった。

 

いや、呼んでもいいって言ったけどこれは多すぎだろ!それともあれか、伝言ゲーム式に広まったのか!

 

「「はぁ・・・」」

 

そう思いながら二人の至高の存在はため息を漏らした。

 

「・・まあ、ナザリック内じゃ見せたこともなかったから丁度いいかもしれませんね」

 

「そういえばそうですね。戦いは外だけでしたし」

 

「それにたまにはこういうのもいいかもしれませんね」

 

「ははは、頑張ってください。俺も見てますので」

 

『・・・モモンガ様。準備が整いました』

 

デミウルゴスからメッセージが届き俺たちは闘技場に入った。

 

今回の模擬戦はデミウルゴスが召喚した悪魔たちで模擬戦をしようということになったのだ。その数は300。

そして最後にはシャルティアとの戦いもあり、激しい戦いが予想される。被害は最小限に抑えるようにしなくては・・・。

 

 

 

 

~~~~

 

コキュートスはいつにもまして興奮していた。無理もない。武人としてゾルディオの戦いに興味があるのだ。そしてその戦いを見たものは至高の41人しかないと言うこともあり、さらに興奮していたのだ。

 

「ヨウヤク・・・ゾルディオ様ノ戦イガ見レルノダナ」

 

「興奮するのは勝手だが、冷気を出しすぎないように。コキュートス」

 

「ム。スマナイ、デミウルゴス」

 

「いえ、いいんですよ。そういう私も内心興奮気味なのでね」

 

この戦いを興奮しないで見れるものはモモンガ様くらいだろう。とデミウルゴスは言うと自分の召喚した悪魔たちに指示を出した。そろそろ始まるのだろう。

その時、モモンガが出てきて

 

「これよりゾルディオさんの模擬戦を行う。皆、よく目に焼き付けておくように」

 

そう言うとモモンガが現れた場所から深紅のマントをしたすさまじいオーラを放っているゾルディオが現れた。

 

「オオ・・・アレガ・・・ゾルディオ様ノ本当ノオ姿カ。ナント・・ナントイウオーラダ・・・」

 

「なんとお美しい・・・まさにあれこそが破滅と絶望の象徴のお姿でありんす・・」

 

皆が言うのも無理は無い、腕輪にマントをしただけであれだけの圧力を感じさせるとは・・・。流石は至高の御方。

そしてゾルディオの向かうほうにデミウルゴスが召喚した悪魔たちが姿を現した。最初に前に出たのは地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)の群れ、その後ろに悪魔たちが大勢いた。

 

戦いは地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)の産声で始まった。

 

 

 

 

まず二頭の地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)がゾルディオに噛み付こうと襲い掛かる。だが

 

「ぬるいな」

 

そうつぶやくと瞬時に地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)の真上に移動し二頭の地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)の頭を踏み抜いた。そのまま脚を上げ、蹴るように地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)の体を吹き飛ばした。あたりには臓器が飛び散り、血が噴き出す。蹴りの速度はやや遅いものの威力は底知れないものだった。そしてまた瞬時に移動を繰り返し手刀、蹴り、踏みつけ、掌打と攻撃を繰り出し、地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)を次々と潰していった。

 

 

「あれは・・転移?」

 

ユリがそう呟くが転移魔法にしてはあまりに出が早く、リキャストタイムが短すぎる。

 

「・・恐らくスキルでしょう」

 

セバスのその一言にプレアデス達は驚いた。

 

「ええ!?あんなに早く転移できるっすか!?」

 

「私は魔法には疎いので何とも言えませんが・・・ナーベラル、どうですか?」

 

「・・・実際の転移魔法はあそこまで早く連続に発動はできません。たとえモモンガ様でも・・・」

 

あまりの出来事に観客席は驚愕に包まれた。無理もない。あそこまで自在に転移されたら当たるはずの攻撃も当たらないのがだから。

 

 

ゾルディオが使っているスキル《簡易転移(イージーテレポーテーション)》は自分の半径10m程度を瞬時に移動可能で、MPの消費量は極めて少なく連続で使用は不可。ただし次の発動までのリキャストタイムは3秒と短い破格のスキルだ。この転移攻撃を完璧に見抜けるものは至高の41人でもたっち・みーさんかウルベルトさんぐらいなものだ。

 

 

 

「なんというスキルだ。あれを使われ続けたらひとたまりもない」

 

「アア・・アレハ・・トテモ見切レルモノジャナイ。我デモ・・アレハ至難ノ業ダ」

 

コキュートスでも見極めるのは至難と言わしめるスキルを目の当たりにして、デミウルゴスは体を震わせた。

 

「流石は至高の御方の御一人!まさに恐怖の象徴でありんす!」

 

そして気づいたころには地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)は全滅していた。

 

次に出てきた悪魔たちを見て

 

「さあ、恐怖と絶望に飲まれろ・・・」

 

 

 




転移攻撃中・・・
ゾルディオ(うぅ・・酔いそう)
モモンガ(なんか体調悪そう・・)

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