怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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アインズからの誘い

※誤字報告がありましたので、訂正しました!


56話 運命の分かれ道

セバスはツアレを連れ部屋を出た数分後、何故かセバスは顔を真っ赤にして戻ってきた。

 

「どうしました?セバス。熱でもあるのですか?」

 

そう心配そうにゾルディオが訊くと、セバスは一瞬慌ててすぐに呼吸を整えた。

 

「い、いえ、何でもありません。あのような失態をしてしまった私ごときに、ご心配してくださりありがとうございます」

 

「いえいえ、そんな感謝されるようなことはしていません。それに、何もなければそれでいいです」

 

「・・・では、そろそろ話をするぞ。セバスよ、ツアレの処分についてだが・・・」

 

「はっ」

 

「私の考えとしては、記憶を弄り金でも与えてどこかに放り出そうと考えているんだが・・・私の今の案より、良い案を考えている者はいるか?」

 

そうアインズが言うと、横にいたデミウルゴスが一歩前に出て

 

「私の意見をよろしいでしょうか?」

 

「うむ、なんだ?」

 

「はい、そのようなことをせずとも殺してしまえばよいのではないかと・・・」

 

デミウルゴスの意見に、アインズは考えるそぶりをした。

そして、同時にセバスの内心は慌てていた。このままではツアレは殺されてしまう。そう思い別の意見を言おうとした時、

 

「デミウルゴスには悪いですが、その案は私としては止めて欲しいですね。あまり無駄な殺生は好きではありません。それよりも、何か他に利用価値がないかを考えたほうが良いかと」

 

ゾルディオが手を上げ発言した。

 

「私もそう思っていたところです。すまないな、デミウルゴス」

 

「いえ、至高の御方々のお考えこそ優先すべき案です。お気になさる必要はございません」

 

殺すという案が消え、セバスは心の中で安堵した。

するとデミウルゴスは新たな案として、デミウルゴスが管理している混合魔獣(キマイラ)の牧場で働かせるという案を出した。

そこから少し話がずれて、混合魔獣の新たな利用方法や餌の話になった。そして、アインズとゾルディオははデミウルゴスの良い働きに満足しつつ、話を戻しその案を候補として考えた。

すると、セバスがまた違った案を出した。

それは、ツアレをナザリックで働かせるというものであった。

その案に、アインズはどのような利益をもたらすかを聞いたところ、ツアレは一般的な家庭料理することができ、今後の指導によってはナザリックに出せるレベルになると言った。

だが、その案にデミルゴスは反対気味に意見を言い、セバスと口論となった。

そして、その様子をただただ見ているアインズとゾルディオは

 

 

(ゾルディオさん)

 

(はい)

 

(なんか、あの二人を見ていると懐かしく感じますね)

 

(ええ、本当に。セバスがたっちさんで、デミウルゴスがウルベルトさん)

 

(そういえば、よくどっちのモンスターを狩るかで喧嘩してましたね)

 

(そうそう。しかも、何故か他の所でも戦闘が勃発しそうにもなりましたね)

 

(ありましたね!それでもって、最終的には多数決で決めてましたね)

 

(・・・ふふふ)

 

(はははっ)

 

 

「イイ加減ニシロ!至高ノ御二方ノ御前ダゾ!」

 

コキュートスの怒りを含んだ声に、デミウルゴスとセバスは我に返った。すぐに二人は、アインズとゾルディオの方に振り返り頭を下げた。

 

「至高の御二方の前で、失礼いたしました!」

 

「大変愚かな行為をお見せしてしまい、申し訳ございません!」

 

二人の謝罪に、アインズとゾルディオは

 

 

 

 

 

「あっはははは!」

 

「あははははは!」

 

 

 

 

 

今まで聞いたことのないような大きな笑い声を上げ、楽しそうにしていた。

その様子に、シモベたちは何が起きたのかわからない状態でいた。

 

「ははははは!構わん!構わんぞ!二人とも!そうやって喧嘩をしないとな!」

 

「くっくくく・・・ははははは!」

 

一体何が二人の琴線に触れたのかわからないが、とりあえず何とかなるかもしれないとセバスは思った。

 

「ははははは・・・あ、抑制されてしまいました」

 

「ちっ、こっちもです。まあ、仕方ないですね」

 

そう言って、名残惜しそうにしていた。

 

「それで、セバスよ。ツアレを私の前に連れてきてくれ。それから決めよう」

 

「!はっ。畏まりました」

 

セバスはすぐに部屋を出て、ツアレを連れてきた。

 

「アインズ様、連れてきました」

 

「ああ」

 

そう言うと、アインズとゾルディオはツアレをじっと見つめた。

 

「・・・似てますね」

 

「ええ・・・よく来たな、ツアレ。最初に言っておくが、私は通常警告は一度しかしない。理由は、私はその者の選択を尊重するからだ。たとえ、その選択をした結果がその者に不幸をもたらすとしてもな。今のを踏まえたうえで、お前にいくつか質問をする。この質問に嘘、または偽りを言った場合はそこで終了、私が望む答えを言わなくても終了だ」

 

ツアレはアインズの話を聞いて唾を飲み込んだ。それもそのはず、アインズが言っていることは脅しに近いものなのだから。

 

「では質問だ。お前のフルネームは?」

 

セバスは何故そんなことを聞くのか疑問に思った。そんなことを聞いてどうするというのか、主人の意図を掴めずにいた。そして、心の中でツアレが正直に答えてくれることを祈った。

ツアレはしばらく沈黙し、ぽつりと小さな声で答えた。

 

「ツ・・・ツアレ・・・ツアレニーニャです」

 

「下の名は?」

 

「・・ツアレニーニャ・ベイロンです・・・」

 

「・・・なるほど。では聞こう。お前はこれからナザリック地下大墳墓に行き、そこで暮らすという事でいいのか?ナザリックには人間がいない地だ。だから、お前に適した場所かどうかは不明だ。それでもいいのか?私の財を与え、遠く離れた人のいる地で暮らすという選択もあるが・・・」

 

アインズの誘いに、ツアレは一切の迷いなく答えた。

 

「セバス様と・・・一緒がいいです」

 

「・・・良いだろう。ゾルディオさんは・・・聞かなくてもいいですね」

 

そう言うと、ゾルディオは小さくサムズアップして答えた。

 

「・・・では、これよりツアレニーニャ・ベイロンは、私アインズ・ウール・ゴウンの名のもとに保護される。ナザリック地下大墳墓の客人扱いとして―――」

 

その後、ツアレは正式にナザリック地下大墳墓の一員となり、セバス直轄のメイド(仮)となっり、プレアデスの一人になった。そのため、六連星(プレアデス)七姉妹(プレイアデス)に変更され、ユリ・アルファがチームリーダーとなった。

そしてそのままアインズ達はナザリックへ帰還し、セバスたちは撤収準備をし明日帰還となった・・・のはずだった。

 


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