怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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びっくり!ゾルディオがすでにいた

※誤字報告がありましたので、訂正しました!


50話 真面目すぎる守護者たち

俺とアインズさんは一日だけの休日を終え、再び冒険者の仕事に戻った。

その間、コキュートスに蜥蜴人の村を壊滅させるべく、アインズさんが生み出したアンデッド軍を引きつれ向かった。

だが、一緒に向かわせたエントマからの報告によるとコキュートスはどうやら戦いに敗北したみたいだ。ま、無理もないね。なんせ

 

 

 

 

 

 

負けるであろう戦力だけで向かわせたのだから。

 

 

 

 

 

 

なぜそうしたかというと、それは―――

 

 

 

 

 

 

~コキュートスを遠征に向かわせる前~

 

俺とアインズさんはある相談をしていた。それはNPCたちの成長に関する相談だった。

 

「成長・・・ですか?」

 

「はい」

 

「・・・具体的には?レベルでしたら多分無理だと思いますけど」

 

「いえいえ、レベルは恐らくどうやってもこれ以上上がることは無いと思います。レベルではなく、技術的な成長です」

 

「技術的な・・・成長?」

 

俺はそれを聞いた瞬間、頭がちんぷんかんぷんになった。

 

「・・えーっと、つまりですね、コキュートスは恐らく力に物を言わせたような戦略で挑むはずなんですよ」

 

「まあ、そうですね。言い方悪くなりますけど、コキュートスは戦略をきちんと考えて挑むようなタイプじゃないですからね」

 

「そこで、今回コキュートスには実戦を経験して成長してほしいんです。この戦力では無理とか、もっと相手のことを調べるべきだったとか、そういうことに気付いて成長してほしいんです」

 

「あー、大体わかりました。コキュートスに自分で考えて行動するという事を実戦で教えるってわけですね」

 

「つまりはそういう事です」

 

「なるほど・・・でも、気づいてくれますかね?」

 

「大丈夫でしょう・・・・・・たぶん」

 

(本当に大丈夫かな?)

 

 

 

 

 

 

――と、いうことだ。

 

そして今は玉座の間で、(第4階層守護者を除く)全階層守護者を呼び出しての報告?ていうのかな。みたいなものをやるわけだ。

そんでもって俺はというと、

 

(・・・意外に暇だな)

 

先に玉座で全員が集まるのを待っていた。ちなみにアインズさんは今アルベドとちょっとした報告会をしている。内容は冒険者となって稼いだ金のことや、今のナザリックの活動報告であった。それくらいならアルベドと二人でできる、という事で俺は先にここで待っているのだ。

 

(早く誰か来ないかなー)

 

と思っていると、突然扉が開いた。

 

「ん?」

 

俺が扉に目を向けるとそこには綺麗に列を作ったアルベドを除く守護者たちの姿があった。

 

「!ゾルディオ様!」

 

先頭に立っていたデミウルゴスが驚いた表情でいた。そんなに驚くかね?

 

「おや、守護者の皆さん。良く来てくれましたね。さ、どうぞ入ってください」

 

「は、はい。では、失礼いたします」

 

うん?何やらデミウルゴスが申し訳なさそうな感じだ。何かあったのかな?そのデミウルゴスに続くように後ろから次々と守護者たちとその下部たちが入ってきた。みんなもデミウルゴスと同じような申し訳なさそうな感じだった。どうしたのだろうか?

そして、守護者たちが全員玉座の間に入り、各下部たちは後ろに、守護者たちは玉座の階段下で一列に並び、アインズ・ウール・ゴウンの旗と俺に向かって一礼し、玉座に向かって跪いた。

てか毎回これやってんのかな?こんなのどこの学生も適当なのに・・・いや、むしろ流石と思うべきか。それにしても、皆そんな悲しい表情でいるけど、本当にどうしたのかな?

 

「・・・守護者たち。そんなに悲しい顔をしているようですが、何かありましたか?よければ今話してもらえますか?アインズさんが来る前に」

 

俺がそう言うと、全員跪いたまま俺に体を向けた。すると、デミウルゴスが代表して顔を上げ

 

「私ども下部は、至高の御方々よりも早く崇高な玉座の間へ赴き、こうして頭を垂れ至高の御方々をお待たせすることなくいるべきなのですが・・・今回私どもはゾルディオ様よりも遅く玉座の間に到着し、ゾルディオ様をお待たせしてしまい、申し訳ございません」

 

「・・・」

 

なるほどねー、ってか皆真面目すぎだろ。それだけでそんなになるかね?・・・いや彼らからしたらかなりの罪のようなものか。

と考えていると

 

「ゾルディオ様、今回の失態は臨時で守護者代表を務めさせていただいております私の責任です。どうか私に罰を・・・」

 

・・・罰?いやいやデミさん、何もそこまですることはないでしょ。

 

「イエ、オ待チクダサイゾルディオ様。デミウルゴスハ悪クアリマセン。ゾルディオ様ヲオ待タセシテシマッタノハ、私ガ遅レタカラナノデス。ナノデ、罰ハ私ニ」

 

「コキュートス!これは私の責任です。ゾルディオ様、どうか私を罰してください」

 

「イエ!私ヲ罰シテクダサイ!」

 

デミウルゴスとコキュートスが罰してもらうのは自分だ、と主張している間シャルティアと、アウラ、マーレはどうすればいいのかわからない様子だった。

俺はこの状態を続けるわけにもいかないと思い、

 

「そこまで」

 

「「!」」

 

「二人の言い分はよーくわかりました。では、ここは平等に二人に罰を与えるとしましょう」

 

「「はっ!」」

 

「二人には・・・」

 

少しの静寂が流れ、誰かが喉を鳴らす音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度私と一緒にバーでお酒を飲むことにしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・・え?」」

 

「これに拒否権はないですよ、なんせ罰なんですら。いいですか?二人とも」

 

俺が二人に訊くが、二人はぽかーんとしていた。よく見ると、他の守護者も同じようだった。

 

「もう一度言います。いいですか?二人とも」

 

さっきよりも少し大きな声で言うと、慌てたように

 

「は、はい!畏まりました!」

 

「ハイ!ワカリマシタ!」

 

「はい。それと、今後玉座の間に集まる時は私のことは気にしなくて構いませんよ。今のナザリックの頂点はアインズさんなんですから、アインズさんを待たせるようなことをしなければいいです。いいですね?守護者の皆さん」

 

「「「「はい!」」」」

 

「では、アインズさんが来るまで待ちましょう」

 

そう言うと、守護者たちは再び玉座へ体を向きなおし静かに跪いて待機した。

 


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