今回は短めとなっております!
※誤字報告がありましたので、訂正しました!
吸血鬼の事件後、チーム「ユグドラシル」は全員アダマンタイト級冒険者となり、エ・ランテルではこのチームを知らない者はいないほどになっていた。そして、アダマンタイト級冒険者となったことにより、自然とチーム全員に二つ名を付けられた。
チームのリーダーであり、人類史上最高ともいえる冒険者。『漆黒の英雄』モモン。
チームを陰ながら支え、その実力はリーダーのモモンとほぼ同格。『蒼き剣豪』ザムシャー。
若くして第3位階魔法を扱え、さらにその美貌は老若男女問わず誰もが振り向いてしまう。『美姫』ナーベ。
ナーベ同様、第3位階魔法を使用することができ、明るく元気に振る舞う美女。『聖女』ルプー。
そんな誰もが認める完璧な冒険者チームが、冒険者組合に現れた瞬間、組合内は
「おい。あれが例のアダマンタイト級冒険者、チーム『ユグドラシル』だぜ」
「あれが噂の『漆黒の英雄』モモン・・・そしてその隣にいるのが『蒼き剣豪』ザムシャー・・・・噂通りだな。強者のオーラってやつか?そんなのがビンビン伝わって来やがる」
「あれが『美姫』ナーベさんに『聖女』ルプーさん・・・・なんて美しいんだ・・・・」
「噂によると、森が一部を焼き払ったのはあのチームリーダーの彼らしいぜ・・・」
「確か武技であれだけのことをやったってい聞いたぜ?もし本当なら人間じゃねぇな・・・」
「いや、そいつはどうかな?それだけのことが出来る一握りなんじゃねぇか?俺は彼がアダマンタイトの中のアダマンタイトとしても納得するね」
と、周りから口々にもはや伝説かのように語られ、尊敬や憧れの視線を受けながら、モモンとザムシャーはカウンターに向かっていった。
「請け負った仕事はすべて片付けた。他に依頼はないかね?」
そうモモンがカウンターの女性に聞いてみるが、女性は
「申し訳ございません、モモン様。現在、モモン様にご依頼できる仕事は残っていないのです」
「ん、そう――」
モモンは突然言葉が途切れ、数秒後再び口を開いた。
「――そうか、丁度良かった。こちらも急用を思い出してな、私たちは宿屋に戻る。もし、何か私たちに至急の依頼があった場合は、宿屋に伝えに来てくれ」
「わかりました。『黄金の輝き亭』ですね?」
そう女性が訊くと、モモンは振り返りながら後ろに手を振り答えた。
組合を出ると、モモンは『伝言』を使用し
「ガルガンチュアを起動せよ。そしてヴィクティムも呼び出せ。コキュートスが戻り次第、全階層守護者で向かうぞ」