怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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死闘!ゾルディオVSシャルティア

※誤字報告がありましたので、訂正しました!


42話 激しくなる戦い

シャルティアは涙をぬぐい、スポイトランスを構えた。

すると、シャルティアの背中から鎧を貫通して蝙蝠の翼が生えた。その翼の後から何体もの蝙蝠が生み出された。それは、シャルティアによる《眷属召喚》で作られた古種吸血蝙蝠(エルダー・ヴァンパイア・バット)吸血蝙蝠の群れ(ヴァンパイア・バット・スウォーム)であった。そして眷属たちはゾルディオに向かって飛んできた。

 

「鬱陶しい!」

 

そう言いゾルディオはキングブレスレットに触れた。

すると、切れ味が鋭い刃が着いた変わった形の銀のブーメランと、造形が似ている二つのブーメランがゾルディオの周りに浮いて出た。

 

「ふっ!」

 

ゾルディオが手を前に突き出すと三つのブーメランはシャルティアが作り出した眷属に向かって飛んで行った。すると、眷属たちは瞬く間にすべて切り落とされた。

 

「!?」

 

その光景を見たシャルティアはすぐさま飛んでその場から離れた。

 

「はぁ!」

 

ゾルディオは拳を突き出し、その後人差し指と中指を立てて右から左に振ると三つのブーメラン、「アイスラッガー」と「ゼロスラッガー」は合体し手裏剣状になりシャルティアを追って行った。

 

「!この!」

 

シャルティアはスラッガーをスポイトランスで防ぐが、徐々にダメージを負い防げなくなっていく。

 

「くっ!《不浄衝撃盾》!」

 

シャルティアはスラッガーを《不浄衝撃盾》で撃ち落とした。

 

「相変わらず恐ろしい物になりますね」

 

「ま、こういうものですから」

 

「ふふっ、では私も・・・」

 

そう言うとシャルティアも腕につけてた量産型ウルトラブレスレットに触れた。すると、ブレスレットは中央部に持ち手がある大きな三日月状の大剣、「ゼロツインソード」に変わった。

 

「!来たか・・・」

 

「うふふ、いきますよ!」

 

シャルティアは右手にスポイトランス、左手にはゼロツインソードを持ちゾルディオに向かってきた。

応戦するようにゾルディオもウルトラブレスレットに触れ、長い剣「エースブレード」に変えた。

 

 

 

 

「アレハ!?」

 

「なんでシャルティアが!?」

 

「え?え?」

 

「アインズ様。私の記憶に間違えがなければ、シャルティアはあのようなアイテムを所持していなかったはずですが・・・」

 

ナザリックでゾルディオとシャルティアの一騎打ちの様子を、《水晶の画面》で見ていたアインズと守護者たちはシャルティアの使ったアイテム、「ウルトラブレスレット」を見て驚愕していた。

 

「あれは模擬戦の後、ゾルディオさんがシャルティアに傷をつけた詫びと褒美を兼ねて渡したアイテムだ」

 

「シカシ、アレハ至高ノ御方ノ・・・」

 

「私もゾルディオさんも公認している。それにあれは量産型であり、その中の一つだ。問題ない」

 

「そうでしたか・・・」

 

アインズの話を聞き、守護者たちはシャルティアに少し嫉妬した。それに気づいたアインズは

 

「・・・安心しろ。ゾルディオさんはお前たちにも良い働きをしたら与えると言っていた」

 

そのことを聞き、守護者たちの嫉妬は仕事への熱意に変わった。

 

(はぁ、やれやれ・・・)

 

 

 

 

「はぁ!」

 

ゾルディオはエースブレードを使い、転移しつつシャルティアに対抗したがゾルディオの転移攻撃に慣れ、さらに手数の多いシャルティアは、スポイトランスとゼロツインソードを巧みに使い、徐々にゾルディオを押していた。それと同時にスポイトランスで回復もしていった。

 

「まずい!」

 

そう思いゾルディオはエースブレードをしまい、態勢を整えようと下がった。

 

「てや!」

 

シャルティアはツインソードをゾルディオに向かって投げつけた。しかし、ゾルディオはすぐに転移し上空に避けた。だが、

 

「逃がしません!」

 

シャルティアが、先ほどゾルディオがした動作と同じように手を前に出すと投げられたツインソードは、意志を持っているように軌道を変えゾルディオを追った。

 

「!しまった!」

 

追ってきているツインソードに気付き、ゾルディオは再びウルトラブレスレットに触れ、盾「ウルトラディフェンダー」に変えツインソードを防いだ。しかし、

 

「まだまだ!」

 

ツインソードはシャルティアの操作によってゾルディオを攻撃していった。

 

(クッソー!やっぱりガチ武器だ!ペロロンチーノさん、本気で考えてたからなぁ。それにしても、相手に使われるとこうも手強いものか・・・でも、うまく使いこなしてるじゃないか。嬉しいな。こういう形で戦わなかったら素直に喜んでたな・・・)

 

「こんな時に考え事ですかゾルディオ様!」

 

そう言いながら、シャルティアはスポイトランスとツインソードの遠隔操作でゾルディオを四方八方から攻撃する。

 

「ぐぅぅ!」

 

シャルティアのスポイトランスによる回復を防ぐため、ディフェンダーでランスを集中的に防御しているため、ディフェンダーの死角から攻撃してくるツインソードを防げずにいた。

 

「あはは!どうしました!ゾルディオ様!このままじゃやられちゃいますよ!」

 

「うぅ・・・ぜあ!」

 

ゾルディオはディフェンダーを戻し、《パーフェクトバリアー》を使用して攻撃を防ぐ。

 

「・・攻撃しても無駄なようですね」

 

そう言いながら、ツインソードを左手に戻しゾルディオから距離を取った。

 

「・・《エインヘリヤル》」

 

シャルティアは次で決めるつもりか、自分の分身《エインヘリヤル》を出した。

 

(このままじゃまずいな・・・やはり、アレを使うか)

 

「では・・・いきます!」

 

エインヘリヤルとともにシャルティアはゾルディオに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・《復讐心に燃える銀河皇帝(Galactic Emperor vindictive mind)》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、ゾルディオに闇のように黒い雷が落ちた。

 

「なに!?」

 

シャルティアはその異様な光景に動きを止めた。ゾルディオがいた周りは炎が燃え盛り、ゾルディオの姿を視認することができないほどだ。

やがて、炎の中からゆっくり歩いてくる一人の姿が見えた。だが、

 

「・・・・!?」

 

その姿はゾルディオではなかった。

体は真紅の禍々しいマントで覆われ、昆虫のような外見はなくなり、姿は人間に近いものになった。手は鋭い鉤爪状となり、目はつりあがり、口は大きく裂けている。そして、胸の真ん中には紫色の丸いボタンのようなものが光っていた。

 

「その姿は一体・・・」

 

 

 

 

 

「さあ、第二ラウンドと行こうか・・・」

 

 

 

 

 




ブレスレット 変形紹介

トリプルスラッガー
ゾルディオのキングブレスレットが変形した武器。元は「アイスラッガー」と「ゼロスラッガー」と別々の物だったが、ゾルディオの趣向で「どうせなら一緒にしちゃおう」とのことで、一緒にして出来た武器。
MPを毎秒1消費し続けることで自由に遠隔操作可能。合体させ手裏剣状にすることで威力を上げる「コンビネーションゼロ」や、手に持ちナイフとして使用することも可能。一見最強にも見えるがスラッガー自体の耐久力は低く、うまく攻撃を当てることができればブレスレットに戻る。

エースブレード
ゾルディオのウルトラブレスレットが変形した武器。一言で言うと、切れ味抜群の長ドス。普通に剣として使用する。ちなみに、サイズを変えることも可能。

ウルトラディフェンダー
同じくウルトラブレスレットが変形したもの。銀色に輝く大きな盾。防御力は高く、超位魔法以外の魔法であればダメージを最小限に抑えることができる。さらに、第9位階以下の魔法は反射することができる。
ただし、盾を向けている方向以外はほとんどガラ空きであり、その部分に攻撃を受けた場合盾の効果はない。そして、反射を行った場合盾は自動的にブレスレットに戻る。
  
ゼロツインソード
ペロロンチーノ考案、量産型ブレスレットの変形武器。「トリプルスラッガー」同様MPを消費し続けることで遠隔操作可能。ただし、MPを毎秒2消費しなければならず、長時間の遠隔操作は難しい。
量産型ブレスレットのため威力は落ちるが、使い勝手が良く量産型とは名ばかりの武器。1日2回まで使用できる。
ペロロンチーノ曰く「割とガチで自分でも使える強いのを選んだ」だそうだ。

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