怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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アインズの秘密

※誤字報告がありましたので、訂正しました!


40話 真意

 

アインズとの話を終えたゾルディオは、メフィラス星人を連れてシャルティアのいる場所から少し離れた場所にいた。

 

「超位怪獣創造『アーマードダークネス』、『インペライザー』」

 

ゾルディオはその場に二体の怪獣を作り出した。

 

 

 

暗黒魔鎧装アーマードダークネス。

 

本来は鎧として着用することによりその力を発揮するが、この鎧は自我を持っており、鎧の着用者はその鎧の暗黒エネルギーに耐えられなくなり死をもたらしてしまう。だが、自我がある鎧ということで自立行動が可能。鎧を着ける者がいなくてもその力は凄まじい。ちなみにゾルディオも装着可能。

 

 

 

無双鉄神インペライザー。

 

テレポート能力を持つ自立戦闘兵器。体に取り付けられている武器の全てが第9位階魔法を超える威力を持つ。そして装甲の防御力は非常に高く、レベル90代のプレイヤーでも大きなダメージを与えることができないほどである。さらにHPを常に回復し続け、傷ついた装甲も同時に回復する。そして、たとえ倒したとしても1度だけHPと装甲を完全回復し蘇生する。

 

 

 

「中位怪獣創造『ガンQ』」

 

ゾルディオは続けざまに中位怪獣を作り出した。

 

 

 

奇獣ガンQ。

 

名前の通り全身が目玉だらけの怪獣。目玉を操り、攻撃はもちろん周囲に飛ばして探索も可能。頭部には巨大な目玉があり、その目からは破壊光線を放つことができる。だが、最も恐ろしいのは破壊光線ではなくもう一つの光線、吸収光線である。吸収光線は、どんな物体も吸い込み体内に取り込んでしまう。取り込まれては最後、HPMPはじわじわと減り続け、死ぬのを待つことしかできなくなる。

 

 

 

「では、メフィラスにはこの三体の怪獣を預けます。ガンQは周囲の索敵、他の二体はもしもの時に備えて預けます」

 

「はっ!」

 

「では、三体とも。メフィラスの言うことをよく聞いてくださいね」

 

ゾルディオがそう言うと、アーマードダークネスは小さく頭を下げ、インペライザーはお辞儀をして、ガンQはその場で両手を大きく振って答えた。

 

「ふふっ・・では・・・・頼んだぞ」

 

それだけ伝え、ゾルディオは飛行し一直線にシャルティアに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

アインズはゾルディオが出た後、すぐに守護者全員を呼び集めた。

アインズが呼び出した場所は、長テーブルに長椅子がある部屋。長テーブルには《水晶の画面》があり、椅子にはアインズが一人座っている。

 

「皆、揃ったな」

 

「はい、アインズ様。シャルティア、第4第8階層守護者を除く全階層守護者、ここに揃いました」

 

「うむ」

 

守護者たちは横に整列し、その場で跪こうとした。その時、アインズが

 

「よい。それよりも皆も座れ」

 

「いえ、私たちが椅子に座るなど不敬に・・・」

 

アルベドが守護者を代表して言うが

 

「構わん。座るがよい」

 

「・・では」

 

そう言うと、各自椅子に座った。全員が座るのを見て、アインズが口を開く。

 

「皆に集まってもらったのは他でもない。実は、ゾルディオさんが単騎でシャルティアとの戦いに向かった」

 

その言葉を聞き、守護者たちは驚いていた。

 

「な、なぜお、お一人で向かわれたのですか?」

 

そう聞いてきたのはマーレだった。それに続くようにデミウルゴスが焦るように

 

「そうです!シャルティアの討伐でしたら、私たち守護者全員で対処いたします!たとえ守護者最強のシャルティアでも、私たち全員なら・・・」

 

「これはゾルディオさんの罪滅ぼしなのだ」

 

そうアインズが言うと、部屋は少しの静寂が訪れた。

 

「・・・罪・・滅ぼし・・・ですか?」

 

そう言ったのはアルベドであった。

 

「ああ、彼は言っていた。1度はナザリックを離れ、皆を悲しませてしまった自分が許せない、と」

 

アインズの話を聞いて、守護者たちは全員下を向いてしまった。だが、そんなことは気にせずアインズは続ける。

 

「ゾルディオさんはシャルティアを殺す。理由としては、殺した後にナザリックで復活させるのが唯一シャルティアを救う方法だからだ。だが、シャルティアはペロロンチーノさんが作ったNPC、つまり娘だ。そのペロロンチーノさんの娘を殺す役を、ゾルディオさんは私の代わりに受けた」

 

「お待ちください。()()()()()()・・・とはどういうことですか?」

 

アインズの話に疑問を持ったデミウルゴスが訊いてきた。

 

「・・本当は、

 

 

 

私がシャルティアと単騎で戦うことになっていた」

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

守護者たちは驚きの表情で固まっていた。そんな中、アルベドが

 

「そ、それはどういうことですか!?ア、アインズ様がシャルティアと単騎で!?それh」

 

「それは無謀と言いたいのだろう?さっきゾルディオさんに同じことを言われた。実は、私は本当に皆の主人でいいのか、こんな抜けた支配者でいいのか疑問に思っていてな」

 

「そんな!?アインズ様は――」

 

アルベドの言葉をアインズは手を上げて遮った。アルベド以外にも、全員席を立ちあがり言いたいことがある表情でいる。アウラとマーレに至ってはすでに泣きべそをかいていた。

 

「皆、落ち着くのだ・・・それに関してもゾルディオさんと話した。そしたら、彼は何と言ったと思う?」

 

突然の質問に守護者たちは考え込んだ。そんな様子を見ながら、アインズは

 

「彼はこういったのさ。

 

 

 

 

 

完璧な存在などいない、

 

 

 

 

 

とな」

 

「それは・・・一体どういう・・」

 

「そのままの意味だ。私やゾルディオさん、その他の至高の存在は皆完璧ではないのだよ。必ずどこかミスをしたり、弱点を突かれる時もある。だがな、それを補うために仲間がいる。友がいる。そして、

 

 

 

 

 

 

お前たちがいる」

 

 

 

 

 

 

再びの静寂が訪れる。守護者たちはアインズの話を聞き逃すまいと、話に集中しているためだ。

 

「私は自分に完璧を求めすぎていた。そのため、誰かに頼ることをしなかった。頼るということはすなわち、完璧ではなくなると思ってな。それにもし、お前たちにシャルティア討伐を任せていたなら、それはうまくいくことだろう。だが、その代わり被害は大きい。私は皆を傷つけたくない。だから、お前たちに頼れなかった。すまなかった」

 

そう言いながら、アインズは頭を下げた。その様子に見かねたアルベドが

 

「そんな!おやめください!私共に頭をお下げにならないでください!」

 

「私は皆を平等に愛している。もちろんシャルティアもだ。たとえ、ナザリックに害をもたらす存在になろうと、私はお前たちを愛する。もちろんゾルディオさんも同じ気持ちだ。だから・・・わかってくれるな?」

 

そうアインズが言うと、守護者たちは全員涙していた。普段はクールに決めているデミウルゴスや、武人として涙を流さんとするコキュートスでさえ涙を流していた。

 

「これはゾルディオさんに任せてくれ。彼は必ずナザリックに戻ってくる」

 

アインズの言葉に、守護者たちは決意し涙を拭って椅子に座りなおした。その様子を見て安心したアインズはコキュートスに

 

「それで、コキュートスよ。ゾルディオさんとシャルティアの勝率はどれくらいなんだ?」

 

「ハッ、五対五デス。シカシ、模擬戦デゾルディオ様ガ最後ニオ見セニナラレタアノオ姿ニナレバ九対一カト」

 

「そうか・・・実はあの姿、《超越進化》は使わずに戦うそうだ」

 

「ナント!?」

 

「失礼を承知でお訊きしますが、それは何故なのでしょうか?」

 

「ゾルディオさんはシャルティアと約束をしたのだ。もうあの姿でシャルティアと戦うことはない、とな」

 

「だ、大丈夫でしょうか?」

 

マーレが不安そうに言うと

 

「なーに言ってんのよ!ゾルディオ様があんなペタン胸に負けるわけないでしょ!」

 

「で、でも~」

 

「安心しろ。ゾルディオさんがそれくらいで負けるわけがない。それに、お前たちはゾルディオさんの力をまだわかっていない」

 

「モシカシマスト、他ニ隠サレタオ力ガ・・・」

 

「ふっ、まあ見ておけ。ゾルディオさんの力を」

 

 


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