びっくり!アインズの不安
玉座で調べ終えたアインズさんと俺は、アインズさんの部屋に二人だけでいた。
一体何なんだろうか?でも、俺も話すことがあるし丁度いいか。
「すみません、急に」
「いえ、大丈夫ですよ。それに、俺も話したいことがありますので」
俺がそう言うと、アインズは首をかしげて
「?そうなんですか?」
「はい。ですが、まずはアインズさんからどうぞ」
「・・では、先に。実はですね、俺・・・
シャルティアと一騎打ちをしようと思うんです」
「・・・・え?」
なんと?今なんといったのかな?
「・・えぇ~すみません。聞き間違えですかね?今、一騎打ちと聞こえたような・・」
頼む、聞き間違えであってくれ!
「ええ、言いましたよ。俺はシャルティアと一騎打ちをします」
・・・マジか。
俺は頭を抱えた。まさかだったな・・・
「そんなに驚きますか?」
「驚きますよ!だってアインズさんとシャルティアじゃ、相性悪いじゃないですか!何言ってんですか!」
俺は怒りながらアインズさんに迫った。
そりゃそうだろ。アンデッドで、しかもシャルティアには効き目が薄い死霊系の魔法詠唱者のアインズさんは、まず普通では勝てない。それに加え、アインズさんはロールプレイとしての職業構成に対して、シャルティアはペロロンチーノさんが考えた
正直言って、差は歴然としている。死にに行くようなものだ。
「確かに、シャルティアは俺の天敵。普通に勝てるはずがありません」
「だったら――」
「ですが、俺は思ったんです。このまま俺が皆を仕切っていいのか、って」
「・・・どういうことですか?」
「俺がもっとちゃんと考えていればこんなことにならずに済んだはずです。この世界にも、俺たち以外のプレイヤーがいる可能性を考慮すれば世界級アイテムがあるという可能性も判断できたはず」
「・・・」
「こんな抜けた支配者で本当にいいのか。笑っちゃいますよね、こんな支配者」
「笑いませんよ」
「え?」
「アインズさんは、何でも完璧にしようとしすぎるんですよ」
「ですが、至高の存在はNPCたちにとって完璧でなくては・・・」
「そうだとしても、完璧な存在なんていないんですから。誰だってミスはします。俺も、アインズさんも」
「それは・・・」
「それに・・・ここにはアインズさんしか至高の存在はいないんですか?」
俺はそう言いながら肩をすくめた。
「?・・・あ」
「俺もいるんですから、もっと頼ってくださいよ。リーダー」
そう言うと、アインズさんは慌てながら
「で、ですが、今回は俺のミs」
「俺のミスです」
アインズさんはよくわからないような顔?をしていた。まぁ当然だわな。
「それは・・何故ですか?」
「実は・・・メフィラスにシャルティアの《血の狂乱》を教えずに護衛させていたんです。もし俺が教えていたら、《血の狂乱》は発動することはなかったでしょう。そして、シャルティアは支配をされず使命を全うしていたはずです」
「しかし――」
「それにアインズさんはこのナザリックの支配者ですよ?支配者が自ら出るにはまだ早いですよ。支配者なら、もっとどーんっと構えていないと!」
そう言いながら俺は両手を大きく上げた。
「それと、これは俺にとっての罪滅ぼしなんですよ」
「罪滅ぼし?」
「はい。俺は1度ナザリックを離れた。そして、皆を悲しませてしまった。俺はそんな自分を許せないんです。だから、これは俺なりの罪滅ぼしみたいなものなんです。まあ、これくらいで罪が消えるとは思っていませんが・・」
「ゾルディオさん・・・」
「だから、ここは俺に任せてください。お願いします」
アインズさんはしばらく考えていた。そして
「・・わかりました。ゾルディオさん、頼みます」
「はい!任されました!」
「ふふ・・・」
そう言い俺は右手でサムズアップした。アインズさんもそれにサムズアップで答えた。
ゾルディオ「あ、そういえばアインズさん」
インズ「なんですか?」
ゾルディオ「いや、あのーシャルティアとの一騎打ちのことなんですが、他の守護者にも言いますよね?」
アインズ「それはそうですよ。言わなきゃ何をしでかすかわからないんですから。あ、それと一騎打ちの様子は《水晶の画面》で見させてもらいますよ。何かあってはいけませんから」
ゾルディオ「やっぱりですか・・・いや実は《超越進化》は使わないで戦おうと思いまして・・・」
アインズ「え!?それって勝てるんですか?」
ゾルディオ「正直、今の状態では勝率は五分かそれ以下になるでしょう」
アインズ「何故使わないんですか?」
ゾルディオ「シャルティアと約束しましたから。それに、俺にはまだアレがあります。アレなら十分にやれます」
アインズ「アレ?・・・あ!アレですね!」
ゾルディオ「ええ、久しぶりに使います」