怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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闇に光る目

投稿が遅くなってすみません!

※誤字報告がありましたので訂正しました!
一部文章を変更しました!本当にすみません!


34話 馬車での会話と奇襲

月が出ている静かな夜に、城塞都市を後ろに一台の馬車が走る。その馬車は六人以上が乗っても余裕がある大型馬車を、がっちりとした体つきの良い四頭の馬が引いている。だが、馬車で移動するには適さない暗さである。

 

 

 

そんな馬車に乗っているのは異形なものたちであった。

 

 

馬車の中にはソリュシャン、セバス、メフィラス星人と並び、向かいに吸血鬼の花嫁がシャルティアを中心に挟むように座っていた。

 

「――それにしても、まさかゾルディオ様がご創造された方もご一緒とは、少々驚きました」

 

「それは申し訳ありません。事前に連絡を取れればよろしかったのですが、何分急でしたので」

 

「いえいえ、構いません。お気遣いありがとうございます」

 

馬車内は異形な者たちによる会話が繰り広げられていた。

 

「シャルティア様、前々から気になっていることがあるのですが」

 

「ん?何でありんしょう?セバス」

 

「はい。シャルティア様とアウラ様はあまり仲がよろしくないように見えますが、何か特別な理由があるのですか?」

 

「そうでありんすね。まあ、実をいうと本気で悪いとは思ってないでありんす」

 

と、シャルティアは自分の爪をやすりで弄びながら、つまらなそうにセバスの質問に答えた。

 

「・・・私にはそうは見えませんが」

 

「わたしはペロロンチーノ様が仲が悪いと決められしたから、適当にからかっているだけでありんすよ。それに、私の創造者であるペロロンチーノ様とあのチビの創造者であるぶくぶく茶釜様はご姉弟でありんすし、それを言うと私たちはある意味で姉妹でありんすぇ」

 

「そうだったのですか!」

 

「昔、ペロロンチーノ様と他の至高の御方々――ゾルディオ様と弐式炎雷様とご一緒に私の領域を歩いていられた時にそのようなことをお話をされていたでありんす」

 

 

 

 

~~~~~~

 

 

『あれ?ペロロンチーノさん、どうしましたか?』

 

『何かあったんですか?』

 

『・・この前買ったエロゲに・・・・姉ちゃん出てたんですよー・・・』

 

『あー、ぶくぶく茶釜さんが出てたんですか・・って買う前に声優を確認すれば良かったじゃないですか』

 

『迂闊だった・・・まさかこんなことになるとは・・・・・』

 

『あはは・・お姉さんじゃやれませんね』

 

『そうなんですよ~、もう買い損ですよ。あ、良かったら買いません?』

 

『『買いません』』

 

『ですよねー』

 

 

~~~~~~

 

 

と、言うことであった。

 

「“せいゆう”・・・・確か声を使うご職業でしたね。歌も歌うみたいですから、吟遊詩人に似ているのでしょうな」

 

セバスがそう言うと、シャルティアはクスリと笑い

 

「それは違うわ、セバス」

 

「と、言いますと?」

 

「せいゆうとは声を吹き込んで魂を与えるご職業とぶくぶく茶釜様ご自身がおっしゃっていたでありんす。ようするに、生命創造系のご職業でありんすぇ」

 

「おお!そうでありましたか。それは教えていただきありがとうございます、シャルティア様」

 

「至高の御方々のお話が伺えるとは、光栄の極みでございます」

 

ソリュシャンはシャルティアに軽く頭を下げ、セバスは二度とせいゆうの職業の意味を間違えなように心の中で数度繰り返した。

 

「それくらい別に良いでありんすよ」

 

その後、シャルティアはセバスに様付けをするのをやめるように言ったり、セバスとデミウルゴスの仲を聞いたり、第八階層についてシャルティアがセバスに訊いてみたり、アインズの作り出したNPCの話と会話を続けていった。

 

「―――そういえば、ゾルディオ様は誰かご創造された存在はいるのでありんすか?」

 

「と、言いますと?」

 

「アインズ様がご創造された存在は宝物殿におられることは分かったでありんすけど、ゾルディオ様がご創造された存在は見たことも聞いたこともありんせん」

 

「すみませんが、私も存じ上げません」

 

「そうでありんすよねぇ。メフィラス星人は何か知っているでありんす?」

 

「陛下がご創造された存在はいません。陛下がご創造なさるのは私達のみです」

 

そう答えると、メフィラス星人以外の者は皆驚いた表情を出した。

 

「そうだったでありんすか」

 

「はい。陛下は私たちに多大な信頼を置いているようで、特別な存在をお創りすることはありませんでした」

 

メフィラス星人がそう言うと、セバスとシャルティア、ソリュシャンは納得したように頷き

 

「なるほど。それは納得ですね」

 

「ええ、ゾルディオ様がご創造される者は皆優秀でありんすから」

 

「恐れ入ります」

 

そう言い、メフィラス星人は軽く頭を下げた。するとシャルティアは何か思いついたように

 

「あ。そういえば先ほども話したでありんすけど、ナザリックに逆らう愚か者どもが攻め込んできた日、ゾルディオ様は何をしていらしたでありんすか?」

 

「それはどういうことですか?」

 

「あの日、攻め込んでくる数時間前ゾルディオ様がナザリックの外に向かうのをお見掛けしたでありんすよ」

 

「そういえば私もプレアデスたちとともに第9階層にいましたが見ておりませんでした」

 

全員の視線を受けながらメフィラスは答えようとした。

 

「・・あの日は―――」

 

その時、急に馬車が止まった。そして外からは

 

「おらぁ!出てこい!さっさと出てこい!」

 

男の叫び声が聞こえた。

 

「ふふふ、獲物が引っかかったみたいでありんすね」

 

「では、この話はまたの機会に」

 

「ええ、楽しみにしているでありんす」

 

そう言い、シャルティアが馬車の外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬車の周りには統一性のない装備をした男たち、野盗が集まっていた。その中に、先ほどまで馬車を走らせていた男もいた。

男たちは武器を取り出し、いつでも戦闘に入れる状態であった。

 

「さっさと出てこい!聞こえてんのか!」

 

「へへっ、ちゃ、ちゃんと女は俺に回してくださいよ!お、俺が手引きしたんすから!」

 

「分かってるからそう焦んな」

 

しばらくして馬車から

 

 

 

 

 

小柄な黒いドレスを着た赤い目をした女の子が出てきた。

 

 

 

 

 

「・・ん?」

 

馬車を引いていた男、ザックは驚いた。なぜなら、自分が引いていた馬車の中には金髪の見るものは目を奪われる美しい女性と、屈強な体をした紳士的な執事の二人の筈。ザックは不思議に思いつつその女の子、シャルティアを見ていた。すると一人の男が

 

「へっへっ悪いな嬢ちゃん、この馬車から降りてもらうぜ。それにしてもガキのくせにいいもん持ってんじゃねぇか」

 

そう言いつつ、野盗の一人がシャルティアの胸に手を伸ばす。が

 

 

 

 

 

伸ばした手は手首から先が無くなり、地面に落ちた。

 

 

 

 

 

「ぎゃあああああああ!!!お、俺の手がああああああ!!」

 

男は手から血を吹き出しながら叫んだ。

 

「全く騒々しいでありんすねぇ」

 

「ええ、全く」

 

「へ?」

 

男たちが声がしたほうに向けるとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の闇の中に光るものがあった。それは目のようにも見えた。その正体は人間とは思えないまるで悪魔のような姿をした黒い怪物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この失礼な輩にはご退場願いましょう・・・いえ、この場にいる全ての輩は、ですね」

 

そう言い、黒い怪物、メフィラス星人は手首がない男の頭を掴み上げた。

 

「あああああああああ!!いだ、いだいいいいいい!!」

 

「お静かに、すぐに楽になります」

 

そう言い、男の頭はバキバキッと頭蓋骨を砕きそのまま握りつぶした。

 

「いい音でありんすぇ」

 

「ふふっありがとうございます。シャルティア様」

 

メフィラス星人は手についた血を振り落とした。

 

「な、なななんなんだあいつは!?」

 

「ば、化け物!!」

 

男たちは仲間の無残な死を見て口々にそう言い怯えた。

 

「狼狽えるな!相手はあのモンスターに娘が一人!やれねぇわけねぇだろ!」

 

そう一人の男が言うと全員武器を構えた。

 

「私としては出来ることなら争いは避けたいのですが・・・」

 

「なら俺たちに殺されるんだな!」

 

「・・仕方ありませんね。なるべく楽に殺したかったですが、お望みではないとのことなので」

 

そう言うとメフィラス星人は両手を男たちに突き出した。すると、

 

 

 

 

 

 

一人を残し全員宙に浮いた。

 

 

 

 

 

 

 

男たちは突然の出来事に驚くのと同時に恐怖を感じた。魔法詠唱者でもないのに自分たちが浮いているのと、これを行ったのが目の前の化け物であるということに。

 

「何をするんだ!?」

 

「な、なんだこれは!?」

 

「お、降ろせ!降ろせぇ!」

 

「そう焦らずともすぐに降りれますよ」

 

そう言うと、メフィラス星人の後ろからどこからともなく小型の宇宙船が次々と現れた。その小型の宇宙船は男たちにの周りに配置された。

 

「フーン!!」

 

メフィラス星人は掛け声を上げ、右手を大きく弧を描くように振った。

すると配置された宇宙船が一斉に光線を放ち攻撃を始めた。

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

「あああああああ!!」

 

男たちは多数の光線を受け、悲痛な叫びをあげた。その断末魔の悲鳴は夜の闇に響き渡った。光線を受けた男たちの体は爆発し、腕や足などが周囲にまき散った。

 

「あ、ああ、ああぁぁ・・・おえええぇぇぇぇ」

 

残された男は腰を抜かし、嘔吐しだした。

 

「さて、残されたあなたに聞きます」

 

「な、なな、なんでしょう?」

 

「あなたたちの仲間の居場所を教えて欲しいのです。そして、その中に武技を使用できる者も教えていただければ幸いですが」

 

「そ、それを教えれば、俺は・・助かるのか?」

 

「答えによりますが・・」

 

「よ、よし、なら教える。ここから少し行ったところに俺たちの拠点がある。そこに用心棒として武技が使える男がいる。そ、それでいいだろ?」

 

「ええ、これはいい情報が入りました」

 

「な、なら、お、俺は行くぜ?・・・・うわああああああ!」

 

男は走ってその場を逃げた。しかし

 

 

 

 

 

「――ですが、誰も逃がすとは言っていません」

 

 

 

 

 

そう言うと、逃げた男に向かって両手を突き出した。

するとさっきとは違い、波状の破壊光線《ペアハンド光線》を出した。

その光線は逃げた男に見事に命中し爆発した。

 

「まったく、見事な働きでありんすぇ。流石はゾルディオ様の信頼する部下でありんすぇ」

 

「お褒めの言葉、ありがとうございます」

 

情報を聞き出し処理を終えた時、森からソリュシャンが出てきた。どうやらザックを捕食するために森の中に入っていたようだ。

それと同時にセバスが

 

「それではシャルティア。私たちはこれから王都に情報収集がありますので、ここで失礼します」

 

「ええ、ではまたナザリックで会いんしょう」

 

「ええ、では失礼します」

 

そう言いセバスとソリュシャンは馬車に戻り、そのまま王都に向かった。

 

「――では私達も向かいんしょうか」

 

 




シャルティア「そういえばメフィラス星人?さっきの馬車で言いかけたこと・・」
メフィラス星人「ああ、そうでした。実はあの日--」

・・・・
・・・
・・


メフィラス星人「――と言うことです」
シャルティア「・・・そうだったんでありんすね。ゾルディオ様には感謝しきれないでありんす」

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