怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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謎の森の賢王

※誤字報告がありましたので訂正しました!


25話 薬草採取

俺たちはンフィーレアさんに森について・・・主に森の賢王についての説明を受けた。

 

森の賢王とは、魔法を使用する強い魔獣らしい。森の奥に潜んでいるため、目撃情報は皆無だが、存在自体は語り継がれていて、一説では数百年も生きており蛇の尻尾を持つ白銀の四足の魔獣、だそうだ。

 

その魔獣にアインズさんは興味を持っていた。捕らえることができればナザリックの戦力強化にもつながり、さらに賢王というのだから、この地の知識もあることだろう。それにユグドラシルにも同じようなのがいたし、もしかしたらユグドラシルのモンスターの可能性もある。

出来ればこの薬草採取の時に会っておきたかった。

 

「ではこれより森に入りますので、警戒お願いしますね」

 

「任せとけって!こっちにはチーム『ユグドラシル』がいるんだぜ?怖いものなしだぜ!」

 

「・・もし森の賢王とやらに出くわしましたら、私たちが対処しましょう。その際は、皆さん全力で森の外まで走ってください。森の賢王がどれほどのものかわからない以上、被害は大きいと考えていいでしょう」

 

「ではその時は私達でンフィーレアさんを守ります」

 

「・・モモンさん、できれば森の賢王は殺さずに森に追い返してもらえないでしょうか?」

 

「・・・なぜです?」

 

「それは、森の賢王がこの辺りを縄張りとしていることで、そのおかげでカルネ村は今までモンスターに襲われなかったのです。それがもし、森の賢王がいなくなりますと・・」

 

「なるほど・・」

 

「流石にそいつは無理だろ。そんな追い返せる余裕なんか――」

 

「わかりました」

 

「はい!?」

 

そのアインズさんの一言でまたもや『漆黒の剣』は驚いた。

 

「強者だけに許された余裕、ってやつなのであるな・・」

 

「でもこのチームならもしかして・・」

 

「なんていう自信だ・・」

 

まあ、こちらの狙いはそいつと出会うことだ。そいつが出てきたら捕獲、最悪は殺すしかないが、どちらにしても俺の怪獣で代用可能だし。

カルネ村については解決策はある。問題があるとすれば、森の賢王がすんなり出てきてくれることだが・・・。

 

「良し!では早速ですが、僕が探している薬草はこれです。これと同じのを探してください」

 

そう言ってンフィーレアさんが取り出したのは、しなびた草だった。それを取ればいいのか。

 

「いいですか?モモンさん」

 

「はい。大丈夫です」

 

「予定としましては、森の中に開けた場所がありますので、そこで採取をする予定です。そこまでの案内はルクルットさんにお伝えしてありますので、では案内お願いします」

 

そのまま森に入ろうとした時、アインズさんが

 

「―少し待ってください。万が一、森の賢王がこの近辺にいる可能性があります。そこで、私達は最初、自由に行動させてもらいたいのですが」

 

「いいですよ。ですが、あまり離れすぎないようにしてください」

 

「わかりました」

 

「はぁ、ナーベちゃんとルプーちゃんもいなくなっちゃうのかー。俺もついていっちゃおうかなー」

 

「来るな下等生物(ウジ虫)」「来たら殺っちゃうっすよ?」

 

・・ナーベラルのこの人間を虫呼ばわりするのはもうやめさせられないかもな。

 

「止めなさい、ナーベさん、ルプーさん。ルクルットさん、戦闘になる可能性が高いのでそれは賢明ではないかと・・」

 

そう言いながら、森の広場まで足を運んだ。

 

 

 

 

「では、ここで薬草の採取をします。皆さん、お願いします。モモンさんたちも」

 

広場につき、各自作業を始めた。さて、こちらも動きますかな。俺たちはンフィーレアさんたちから離れ、こちらの姿が見えないところまで来た。

 

「・・ここらでいいかな」

 

そうアインズさんが言うとその場で止まり

 

「では、これより私の名を高めるための打ち合わせをする」

 

「はい。・・ですが、一体何をされるおつもりですか?」

 

「あいつらが探してる薬草を大量に集めるのですか?」

 

「ルプスレギナ、そうではない。私は森の賢王と戦うつもりだ」

 

「やっぱりですか。まあ、そうなりますよね」

 

すでにそういうと思っていた俺はその意味を理解していた。だが、納得のいってない様子のナーベラルとルプスレギナ。

 

「お力を見せつけるのはもう十分ではないのですか?」

 

「昨日の人食い大鬼や子鬼だけじゃダメですか?」

 

人食い大鬼(オーガ)程度を一刀両断しただけではインパクトに欠ける。だが、伝説とされる森の賢王を倒せばもっと明確な力の証明になるだろ?」

 

ナーベラルとルプスレギナは、その答えに納得がいったみたいだ。

 

「おお!流石です!アインズ様!」

 

「流石でございますアインズ様!ですが、森の賢王はどうやってお探しになられるのですか?」

 

そうだ。俺も気になっていた。どうするつもりなんだろう。

 

「その点は万全だ」

 

そう言うとどこからともなく

 

「はーい!ということであたしがやってきました!」

 

お?この声は・・・。そう思い、声が聞こえた場所に視線を移すと、そこにはアウラがいた。

 

「「ア、アウラ様!」」

 

ナーベラルとルプスレギナは驚いたように声をはもらせていた。・・そんなに驚くかね?

 

「ではアウラよ。この森にいる生物の中で、尻尾は蛇のようにが長く、四足の獣らしい魔獣はいるか?」

 

「はい!たぶんあいつのことだと思います」

 

「よろしい。作戦は覚えているな?」

 

「はい!そいつをアインズ様にけしかければいいんですよね?」

 

「そうだ。頼んだぞ」

 

「はい!では、早速やってきます!」

 

そう言ってアウラは森の賢王のもとに行こうとしていた。だがそこを

 

「アウラ。少し待ってください」

 

「?はい。なんでしょう?」

 

「私が創造したアレは役に立っていますか?」

 

「はい!非常に助かってます!おかげで施設建設は一番進んでいます!」

 

「そうですか。それはよかったです。また、他に必要になりそうな怪獣がいれば言ってください」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 

アウラとマーレの仕事はこの森の把握、そしてもしナザリックに帰還できなかった時の隠れ場とするための物資蓄積場所の設営だ。森の把握は大丈夫だろうが、設営となると人手が足らないことは一目瞭然だ。たとえ疲労を感じないゴーレムやアンデッドがいてもなかなかはかどらないものだ。そこでゾルディオは、下位怪獣(モンスター)ヘクトールを創造し、アウラとマーレの建設の手伝いをさせていた。

 

 

ヘクトールはブルドーザーにパワーショベルを両脇に二つ付け、ブレード部分の中心にドリルを付けた重機のような怪獣だ。まさに建設にはうってつけな怪獣である。

 

 

 

「では、行ってきます!」

 

そう言い、アウラは森の奥へと向かった。

 

「私たちは戻るぞ」

 

 





~冒険者になる一日前のこと~
ゾルディオ「シズ、私の機械怪獣を創造しようと思いますので、なにか機械の部品はないでしょうか?」
シズ「はい・・少しお待ちください・・・・こちらに・・・」
ゾルディオ「はい、ありがとうございます。では・・下位怪獣創造!ヘクトール!」
シズ「・・・素晴らしいです・・・ゾルディオ様」
ゾルディオ「そうですか?ありがとうございます。では、この怪獣をアウラとマーレにお貸ししなくては・・・調度いいのでシズも一緒に行きましょう」
シズ「はい・・分かりました・・・」
その後、シズと一緒にアウラとマーレにヘクトールを渡した。


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