怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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栄光は誰のために

※誤字報告がありましたので訂正しました!


18話 目的

~ナザリック・アインズ自室~

 

「・・・ではこれでご説明を終了とさせていただきます」

 

自室では、アインズさんと俺とアルベドによる説明会を行っており、今終わったところだ。説明内容は、捕らえた陽光聖典のニグン?だったかな。そいつを氷結牢獄に送ったこと、騎士の格好をした者たちから剥ぎ取った鎧の調査、戦士長の処分についてだった。

まあ、ほとんどアインズさんが決めてくれたんだけどね。そして説明が終わった時

 

「アルベドよ。・・・お前の私に対する愛情は私が歪めたもの。それを決してお前の――」

 

「私の愛は、ご迷惑でしょうか?」

 

「い・・いや。そんなことはないぞ」

 

「なら、よろしいのではないでしょうか?」

 

アルベドの設定を勝手に変えてしまった罪悪感によりアインズさんはアルベドに一言言いたかったみたいだ。でも、アルベドがその先の言葉を遮り、言わせなかった。

 

「・・・あー」

 

・・・そんな助けを求めるような目で見ないでください。俺はいいんじゃないかと思うけど。タブラさんも分かってくれるだろうし。

 

「タブラさんが作った設定を歪めてしまったのだぞ?」

 

「タブラ・スマラグディナ様であれば、娘が嫁に行く気分できっとお許し下さると思います」

 

「・・・そ、そうか?」

 

あ、ようやく折れた。結構引きずってたんだな。そう考えてると、金属音が部屋に響いた。

それは、アインズさんがナザリックに帰ってきてから創造した死の騎士(デス・ナイト)が落としたロングソードだった。

しかし、ロングソードしかなく、死の騎士(デス・ナイト)の姿は見当たらなかった。

 

「ふむ、どうやら通常の創造では規定時間の経過とともに帰還する、ということか」

 

「この状態を見る限りそうみたいですね。ということは私が死体で創造したツルク星人も同様に帰還しないということに」

 

「その可能性は高いな」

 

「・・試しに私の怪獣、星人も一体ずつ通常創造して実験してみますか?」

 

「頼む」

 

「では、中位怪獣(モンスター)創造、エレキング。中位星人(エイリアン)創造、ケットル星人」

 

そう言うと、全身が黄色で黒色の模様が入り、長いしっぽが特徴の「宇宙怪獣エレキング」、

人型に黒い全身タイツに手には槍、そして長い銀髪が特徴の「怪異宇宙人ケットル星人」が創造された。

 

エレキングは呼ばれたことに喜んでいるのか、尻尾を動かしていた。対してケットル星人はすぐさまゾルディオにひざまずき、命令を待っていた。

 

「エレキング、嬉しいのはわかりますが尻尾は止めて下さい。それと、あなた達には実験をしてもらいます。実験と言っても、この世界に来てからの創造され帰還するまでの時間を知るために創造しました」

 

エレキングは主人の手伝いができないことにショックを受けたのか、頭を下げてしまった。ケットル星人も少し残念そうな雰囲気をしていた。

 

「・・と言っても、せっかく創造したのですから、しばらくは私達、ナザリックのために働いてもらいますよ」

 

そう言った瞬間、二人は喜んだ。・・・こんな奴らだったか?

 

「エレキングには・・・そうですね、第6階層守護者のアウラとともに働いてください。ケットル星人は第5階層守護者のコキュートスの下で働いてもらいます。いいですか?」

 

二人ともいいようだ。

 

「では、私はこの子たちを預けてきますので、ここで一旦退席します。何かあったらメッセージで」

 

「わかりました」

 

「では、行きますよ」

 

そう言い、指輪で転移した。まずは第6階層にいきアウラに頼んだ。アウラは喜んで引き受けてくれた。

次に第5階層に行きコキュートスに頼んだ。コキュートスは武人としての血が騒ぐのか、ケットル星人の槍を見て、少し手合わせさせて欲しいと言ってきた。俺はもちろん死なない程度に構わないと言い預けた。二人にはエレキングとケットル星人が帰還した場合、すぐにメッセージをするように伝えてある。

よし、これで後は・・・っとメッセージが

 

 

(ゾルディオさん)

 

(はい、アインズさん。どうしました?)

 

(そろそろ時間なのでそのまま玉座の間に来てください)

 

(了解しましたー)

 

 

どうやら時間のようだ。早く玉座の間に向かうか。

 

 

俺が玉座の間の廊下についた丁度にアインズさんとセバスが来た。

 

「ぴったりですかね」

 

「完璧なタイミングです」

 

「では、行きましょう」

 

そのまま俺はアインズさんの少し後ろにつき、ゆっくりと玉座の間に入った。中はすでに全員がそれっており、後は俺たちが揃えば、完璧の状態だった。そして、アインズさんが玉座に座り、俺はその横に立つ形となった。

 

「まずは私たちが勝手に動いたことを詫びよう。何があったかはアルベドから聞くように。ただ、その中で一つだけ至急、この場の者、そしてナザリック地下大墳墓の者に伝えるべきことがある」

 

配下の者たちは真剣な面持ちで、緊張しつつ聞いた。

 

「私は名を変えた。これから私の名を呼ぶときはアインズ・ウール・ゴウン――アインズと呼ぶがよい」

 

「異論あるものは立って示してください」

 

俺たちの言葉に対して言うものはいない。そしてアルベドが満面の笑みで

 

「ご尊名伺いました。アインズ・ウール・ゴウン様万歳!いと尊きお方、アインズ・ウール・ゴウン様、ナザリック地下大墳墓全ての者よりの絶対の忠義を!」

 

遅れて守護者たちが

 

「アインズ・ウール・ゴウン様、万歳!至高の御方々のまとめ役であられるアインズ・ウール・ゴウン様に私どもの全てを奉ります!」

 

「アインズ・ウール・ゴウン様、万歳!恐るべき力の王、アインズ・ウール・ゴウン様、全ての者が御身の偉大さを知るでしょう!」

 

後に続き、配下の者たちが唱和し、万歳の連呼が玉座の間に広がる。

 

「では、お静かに」

 

そう言うと、玉座の間は一瞬で静かになった。

 

「これよりアインズさんから我々のこれからの指標となる方針の厳命があります」

 

 

 

「アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説とせよ」

 

 

 

アインズさんは右手に握っていたスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを床に突き立て

 

「英雄が数多くいるなら、すべてをつぶせ。アインズ・ウール・ゴウンこそ大英雄だと、生あるもの全ての者に知らしめてやれ!より強きものが、もしこの世界にいるのなら、力以外の手段で。数多くの部下を持つ魔法使いがいるなら、別の手段で。今はまだその前の準備段階に過ぎないが、将来、来るべき時のために働け。このアインズ・ウール・ゴウンこそが最大の支配者であるということを知らしめるためにだ!」

 

「微力ながら私もアインズさんのお力添えをしたいと思います」

 

「頼もしい限りです。これからよろしくお願いします」

 

「こちらこそ」

 

そう言い、俺とアインズさんは握手を交わし、玉座の間での会合は終わりを告げた。

 

 

 

主人を失った玉座の間はしばらくの静寂が訪れた。そこにアルベドが

 

「皆、面を上げなさい」

 

主人が退席したにもかかわらず、今でも頭を下げている者たちが一斉に顔を上げた。

 

「これから重大な話をします。ではデミウルゴス。至高の御方々のお話をした際のお言葉を皆に」

 

「畏まりました。至高の御方々は夜空をご覧になられた時、私に仰いました。『私達がこの地に来たのは、この誰も手に入れていない宝石箱を手にするため。私一人で独占すべきものでもないな・・・』と。この場合、宝石箱とはこの世界のこと。つまり、至高の御方々の真意はそこにあります。そして最後にこう仰いました。

 

 

 

『世界征服なんて、面白いかもな』と」

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、玉座の間にいる全ての者の目が鋭くなった。そしてアルベドがゆっくりと立ち上がり

 

 

「各員、ナザリック地下大墳墓の最終目的は至高の御方々に宝石箱――つまりこの世界をお渡しすることだと知れ」

 

 

その瞬間、ナザリックの最終目的が決められた。

 

 




アインズ「そういえば尋問を終えたやつらの処分ですが、死の騎士の素材にしていいですかね?」
ゾルディオ「あーいいですが、5人ぐらい残しておいてください。こちらも使いますので」
アインズ「わかりましたー」

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