怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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ガゼフを捜せ

※誤字報告がありましたので訂正しました!


15話 王国戦士長

村に白い鎧を付けた騎士たちがやって来た。

 

「私はリ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフだ、この近隣を荒らし回っている帝国の騎士達を討伐するために王のご命令を受け、村々を回っているものである」

 

「王国戦士長・・・」

 

そう村長が呟き、誰か聞いてみると

 

「商人達の話では、かつて王国の御前試合で優勝を果たした人物で、王直属の精鋭騎士達を指揮する方だとか。私も噂話でしか聞いたことがないですが・・・」

 

そうこう話していると

 

「この村の村長だな?横にいるのは一体誰なのか教えてもらいたい」

 

「それには及びません。どうも、王国戦士長さん。私の名はアインズ・ウール・ゴウン、魔法詠唱者(マジック・キャスター)です。そして私の隣にいるのが友人のゾルディオ。その後ろにいる者たちは私の部下たちです」

 

紹介が終わると、戦士長は馬から降り頭を下げながら

 

「この村を救っていただき、感謝の言葉も無い」

 

ゾルディオはその姿を見て感心した。こんな化け物の集まりのような者たちに見下しもせず、対等の立場として見てくれている。この男はいいやつなんだなと直感的に感じていた。

 

その後、モモンガさんの仮面を外して欲しいと頼まれたが、魔法詠唱者(マジック・キャスター)としての効力が弱まり、死の騎士が暴れだすかもしれないから無理だと適当な理由を言った。

 

しばらくモモンガとガゼフが会話していると、ガゼフの騎士の一人が焦ったように

 

「戦士長!周囲に複数の人影。村を囲むような形で接近しつつあります!」

 

 

 

俺たちは村長の家に隠れて様子を窺っていた。彼らの周囲に浮いているのはどうやら天使のようだ。

 

「なるほど……確かにいるな」

 

「彼等は何者で狙いは一体、何処にあるのでしょうね? 私はこの村にそこまでの価値があるとは思えませんが」

 

「ゴウン殿に心当たりが無いとすれば狙いは……一つしか思い浮かばないな」

 

「成程・・どうやら、あなたは憎まれているようだな」

 

戦士長の地位は恨まれ役、か。だとしても一人相手にあの人数か。よほど戦士長が嫌いなんだな。

 

「天使を使役しているところを見ると、奴らは恐らくスレイン法国。それもあれだけの魔法詠唱者(マジック・キャスター)を揃えられるところをみるとあれは特殊工作部隊群・・・・噂に聞いた六色聖典か・・」

 

「その六色聖典とは?」

 

「スレイン法国が誇る最強の戦闘集団のことだ・・・目の前にいる部隊はその一つだ」

 

ふーん、最強の戦闘集団ねぇ。でも、あの天使共はユグドラシルにもいた「炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)」。この世界に俺たち以外のプレイヤーがいるかもな。

 

「アインズさん、あの天使たち、ユグドラシルにもいましたよね」

 

「ええ。確かに「炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)」に酷似していますね」

 

「もしアレが「炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)」だったら俺たちのほかにも・・・」

 

「可能性はありますね」

 

アインズとゾルディオの会話に、戦士長は割って入り

 

「ゴウン殿、ゾルディオ殿。我々に雇われないか?」

 

戦士長は提案をした。が・・

 

「断らせていただきます」

 

「アインズさんが言うなら、申し訳ありませんが私も」

 

「そうか・・ならば王国の法を用いる事もやむを得ないが?」

 

「それは賢明な判断とは言えませんな、戦士長殿」

 

「あそこの者たちとやりあう前にこちらでやりますか?」

 

「・・・怖いな。そうなれば我々が敵と会する前に全滅か・・・」

 

・・まあ、俺ならこの人だけ残して配下にするかもな。

 

「ではゴウン殿、ゾルディオ殿、お元気で。この村を救ってくれた事を感謝する!」

 

最後にこの村だけは守っていただきたいと言われ、守ることを約束した。

 

そして戦士長が満足な顔をしてこの村を出ようと扉に向かったところでアインズさんが呼び止め

 

「・・・戦士長殿、その前にこれをお持ちください」

 

アインズさんが戦士長に渡したアイテムって確か・・・ああ、なるほど。なかなか粋なことを。

それを受け取り、戦士長は騎士たちを連れ村を出た。

 

 

「・・行きましたね」

 

「ですね。では、私たちはここで時が来るのを待つとしよう」

 

「やっぱりそういうことですか。結構、粋なことをしますね」

 

「ふっ、そうか?」

 

 

 

~~~~~

 

王国最強の騎士、ガゼフ・ストロノーフは今、絶体絶命であった。

共に連れた仲間は天使たちの攻撃で瀕死、ガゼフ自体も体力は限界を迎え、頼りの剣も折れてしまっていた。

 

「ハァ・・ハァ・・クッ、クク・・・クク」

 

「ハハッ、この期に及んで笑うとは狂ったか?ガゼフ・ストロノーフ」

 

「狂ってなどおらん。お前達の死に様を思ったら滑稽でな・・・」

 

「減らず口を・・・まぁ良い。貴様もあの村もどうせ消えるのだ」

 

「馬鹿め、お前達は分かっていない。あの村には俺よりも強い御仁達が居る。お前達は、お前達はお終いだ・・・」

 

「くだらん、貴様より強い者などこの国に居るはずなかろう」

 

そして陽光聖典の指揮官ニグン・グリッド・ルーインは部下に指示を下し、天使たちをガゼフに仕向けた。その時

 

 

ガゼフの姿が消え、代わりに見たこともない格好をした仮面をかぶった者と、明らかに人間ではない化け物の姿をしたものがそこにいた。

 

 

「な、何者だ!?貴様ら!?」

 

 

「はじめましてスレイン法国の皆さん。私の名前はアインズ・ウール・ゴウン。親しみを込めて、アインズ、と呼んでいただければ幸いです・・・そして隣にいるのが我が友人のゾルディオ、後ろにいるのがアルベド。まずは皆さんと取引をしたいことがあるので、すこしばかりお時間をもらえませんでしょうか?」

 

 

 




アインズ「あの戦士長の使っていた「武技」というもの、調べる必要がありますね」
ゾルディオ「ですね。後で調べましょう」(ツルク星人に覚えさせられないかな?)

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