※誤字報告がありましたので訂正しました!
しばらくしてアウラとマーレが部屋に来た。
「よく来てくれました。アウラ、マーレ」
「はい!それで何のご用でしょうか?」
「はい。実は私が闘技場をめちゃくちゃにしてしまい、その修復を二人に任せっきりでしたので、そのお詫びをしようかと」
「ええ!?い、いいんですよ!あれくらい!」
「そうですよ!それに至高の御方から何かをもらうなんて・・・」
「うーん。困りましたねぇ、モモンガさん」
「そうですね。・・・ではこうしよう。アウラ、マーレ」
「「は、はい!」」
「ゾルディオさんの気持ちを受け取るのも、配下の者としての立派な忠義になるんじゃないか?」
「そ、それは・・・」
「だから、素直に受け取るがよい。ゾルディオさんも嫌であげるわけじゃない。受け取ってほしいから言っているんだ」
「・・わ、わかりました!」
「お姉ちゃん!?」
「マーレ、モモンガ様もおっしゃってたでしょ。気持ちを受け取るのも配下としての立派な忠義だって」
「で、でも・・・わ、わかりました」
「では決まりですね!では二人には・・・これを」
そう言い、ゾルディオが二人に渡したのは、小さな銀色のケースだった。中には色の違うカプセルが3つ入っていた。
「ゾルディオ様、これはなんですか?」
「それは「カプセル怪獣」と言いまして、中に私が創造した怪獣が入ってます」
「ゾ、ゾルディオ様が、ご創造された怪獣が!?」
「そうですよマーレ。これをお二人にあげましょう」
「い、いいんですか!こんなにすごいものを!」
「はい。私も同じ怪獣を創造できますので、大丈夫ですよ」
そう言うと、ケースの中から1つ取り出し、
「使い方は投げるだけです。見ててください」
部屋の真ん中にカプセルを投げ、中からカプセル怪獣「アギラ」が出てきた。
「うわ!出てきた!」
「この怪獣は「アギラ」。とても温厚な性格ですが、戦闘になると自慢の俊敏さで敵を翻弄しつつ戦う怪獣です」
アギラは甘えるようにゾルディオのもとに駆け寄った。
「アギラ、今日からこの子たちがお前の主人だ。呼ばれたら必ず守ってやってくれ」
そういうと一瞬悲しそうな目をしてゾルディオを見つめたが、すぐに切り替え、アウラとマーレのもとに寄った。
「いい子だ。ではアウラ、そのケースを持ってこう言ってください。「戻れアギラ」と」
「はい!戻れ!アギラ!」
そう言うと、アギラはケースの中のカプセルに戻った。
「そのケースの怪獣たちは、みんな言うことを聞くいい子たちです。大切に使ってください」
「はい!大切にします!」
「・・大切にするだけでなく、ちゃんと使ってくださいよ?」
「はい!大丈夫です!」
「よろしい!マーレも使ってくださいね?」
「は、はい!ありがとうございます!」
「ではこれから私とモモンガさんは話があるので席をはずしてもらってもよろしいですか?」
「はい!ではあたしは第6階層に戻ってます!」
「ぼ、僕はナザリックの偽装に・・」
「私も席をはずしますか?」
「頼む、アルベド」
そう言うと3人は部屋から出た。
「・・・ふぅ。結構疲れますね。このロールプレイ」
「そうですか?俺は慣れましたよ」
「早く慣れたいです・・」
「ははは・・・で、これからどうしましょうか?」
「ですねー・・・外に行ってみませんか?」
「え?外ですか?」
「はい。まだ見てませんよね?なら見に行きましょう!」
「そうですね。気分転換に」
「あ、でもこの格好だとバレますよね」
「あー、そうですね・・・自分は鎧着ますけど、ゾルディオさんはどうします?」
「うーん・・・あ!じゃあスキルの「
ゾルディオはスキルを使い、20代後半の人間の男になった。
「それって長時間使えますか?」
「心配いりません。一回使えば、後は任意で解除可能です」
「そうですか。では装備を変更していきましょう」
数分後モモンガは漆黒の鎧を、ゾルディオは青色の鎧武者を装備し、外へ向かった。
途中デミウルゴスに出会ってしまい、せめて一人だけでも供を連れてってくれと頼まれ、デミウルゴスも同行した。外に出た後、すぐに空に向かって飛んだ。雲を突き抜けた先に、満天の星が見えた。
「モモンガさん・・・綺麗ですね」
「ええ・・・とても綺麗です」
「まるで宝石箱みたいですね」
「私達がこの地に来たのは、この誰も手に入れていない宝石箱を手にするため。私一人で独占すべきものでもないな・・・」
「お望みとあらば、全軍をもって手に入れてみせます」
「・・・そうだな。世界征服なんて、面白いかもな」
「せっかく新しい土地に来ましたし・・・いいんじゃないですか?」
「!!?」
(なんてつい言っちゃいましたねw)
(支配者ロールしてるとついその役になっちゃいますよねww)
(まあ、征服は冗談でも、この地に「アインズ・ウール・ゴウン」の名が知れ渡れば)
(まだどこかにいるかもしれない仲間たちが知って、来てくれるかも知れませんよね)
そんな二人の冗談と気づかず、本気にするデミウルゴスであった。
その後、地上に戻ろうとしたら、ナザリックに魔法で土をかけ、偽装していたマーレの姿があった。
3人はマーレの近くに降り、それにマーレが気付き
「モモンガ様!ゾルディオ様!どうしてこちらに?」
「ナザリックの発見を阻止するお前の仕事は、もっとも重要な仕事だ。だからこそ、私がどれだけ満足しているかを知ってほしい」
そう言うとマーレに「リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」を渡した。
「これは至高の方々しか所持を許されない物・・・受け取れるはずが・・・」
「さぁ、これを受け取り、ナザリックに貢献せよ」
(いいですよね?ゾルディオさん)
(いいと思いますよ。マーレはナザリックを動き回る可能性がありますし)
多少戸惑いつつも、受け取ったマーレは指輪を左手の薬指にはめた。
なんで薬指!?しかも左手の!意味わかってるのかな?
「ありがとうございます!!今後もこれほどの宝に相応しい働きをお見せしたいと思います!」
その後、マーレがなぜこの格好をしているか聞いたが、まるでタイミングを見計らったかのように登場したアルベドが答えた。
・・・いつから居たんだ?
デミウルゴス「至高の御方々がこの地を征服されるおつもりのようです」
守護者たち「ナ、ナンダッテー!!」