怪獣と骸骨の異世界蹂躙物語   作:きょろりん

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決戦!ゾルディオ対シャルティア


8話 復活の邪神

 

 

「さあ、久しぶりにお見せしましょう・・・私の本気の姿を!!」

 

ゾルディオはそう言うと装備していたものをしまい、まるで気を溜めるようなポーズをとった。

 

「はぁぁぁぁぁぁ」

 

 

まさか、あれで本気ではないと言うのか!?闘技場にいたNPCたちはそう思った。無理もない。あの姿だけでもシャルティアとほぼ互角なのだから。それが今からさらに差が出るというのだ。

 

(まさかゾルディオさん、あれを使うつもりなのか!?シャルティアが無事だといいけど・・)

 

モモンガがそう心配しているがもう遅い。

 

「はぁぁぁぁぁ・・・はぁ!!」

 

その時、ゾルディオが黒いオーラに包まれた。そして姿が変わっていった。

 

 

(・・!?な、なんなんだこの寒気は!?戦わなくても分かる、アレは・・・危険だ!?)

 

「ナ・・・ナンナンダコノ震エハ!?アノオ姿ヲ見テカラズット止マラヌ・・・」

 

「わ、私もです。ここまで純粋な恐怖に震えたことはありません」

 

・・・よくみるとプレアデスたちは皆、恐怖に飲まれ涙を見せ、尋常じゃないほど震えている。あのセバスでさえも冷や汗を大量にかき、体を震わせていた。

 

(戦わずして戦意を無くさせるほどとは・・・どこまで強いんだあの御方は!?)

 

 

ゾルディオの姿はさっきまでの姿とは違い、体は細くなり、腕は指を無くなり、代わりに凶悪な剣のような腕に変わっていた。背中の羽はまさに悪魔のようなものに変化した。

その姿はまるでハイパーゼッ○ンだった。

 

 

「あ・・・あぁ・・・」

 

シャルティアはその姿を見て思わず固まってしまった。

 

「さあ、こっからが本番だ。気を付けろ、この姿になるとさっきほど優しくないぞ」

 

そう言うとゾルディオは《簡易転移(イージーテレポーテーション)》の強化版《超越転移(ハイパーテレポーテーション)》を使用しシャティアの前まで高速接近した。

 

「!?」

 

一瞬だけ反応が遅れたシャルティアは手に持つ「スポイトランス」で攻撃した。だがその攻撃は空を切った。ゾルディオは今度は真横にいた。シャルティアは何度も攻撃するが一発も当てられず、ゾルディオに遊ばれていた。

 

「遅いな、そんなんじゃ当てられんぞ」

 

(そんな!?さっきよりも転移の速度が速い!?私の反応がついていけない!)

 

シャルティアは戸惑いつつ後ろに下がろうとした。だが

 

「どこに行く?」

 

「!?」

 

下がった瞬間に後ろに回り込まれていた。そしてそのままゾルディオはシャルティアの背中に蹴り(ヤクザキック)を繰り出した。

 

「!!がっ!!!」

 

シャルティアの背中がメキメキと音を上げ吹き飛ばされた。そのまま声にならない叫びをあげていた。

 

「~~~~!!!!」

 

 

少しするとシャルティアはゆっくりと立ち上がった。

 

「はぁ・・はぁ・・」

 

「お、大丈夫みたいだな。良かった良かった」

 

(なんて威力の蹴り・・さっきまでと比べ物にならない・・)

 

「じゃ・・続けるか」

 

「!!《エインヘリヤル》!!」

 

そう叫ぶと真っ白な自分の分身を出現させた。そしてエインヘリヤルはゾルディオに突撃した。

 

「《眷属招来》!!」

 

次にシャルティアは「古種吸血蝙蝠(エルダー・ヴァンパイア・バット)」、「吸血蝙蝠の群れ(ヴァンパイア・バット・スウォーム)」、「吸血鬼の狼(ヴァンパイアウルフ)」を召喚し、「スポイトランス」で攻撃し回復し始めた。

 

(これでできるだけ回復したいけど・・・!?)

 

シャルティアが回復している間、エインヘリヤルは消えかけていた。ゾルディオの戦いは何もかも超越していた。

 

エインヘリヤルの攻撃は一切当たらず、二体のゾルディオに攻撃されていた。

 

 

超越転移(ハイパーテレポーテーション)

 

それは転移をはるかに超えたもの。進化前のゾルディオではリキャストタイムが発生したが、この状態のゾルディオにリキャストタイムは存在しない。連続使用が可能なうえ、範囲も広がる。MPはもはや消費されなくなる。さらに2秒間だけ残像を作り同時攻撃も可能。

 

 

そんな波状攻撃を受け、エインヘリヤルは1分持たずに消えた。

 

「!?《清浄投擲槍》!!」

 

シャルティアは《清浄投擲槍》を二連続で放った。しかし・・・

 

(これなら避けられないはず!!・・・え?)

 

「いただき」

 

シャルティアが投げた《清浄投擲槍》は、ゾルディオが作り出した黒い渦の中に消えていった。

 

(何が起きたの!?)

 

「じゃ、お返し」

 

そう言うとゾルディオは両腕を前に出し、赤いレーザーを放った。そのままシャルティアに命中し、シャルティアは吹き飛んだ。

 

 

 

(まさか・・・あのシャルティアが!?)

 

アルベドは内心ずっと驚かされていた。悪魔たちによる模擬戦は想定内だったが、エインヘリヤルを出したシャルティアがこうも子供のように遊ばれる姿を見て、ゾルディオに恐怖した。たとえ守護者総括といえどシャルティアと戦えば勝てる自信はなかった。

だが、こうも簡単に倒されるシャルティアを見て、あれこそが本当の「滅亡の邪神」だと感じた。

 

「モ・・モモンガ様・・・・あ、あれは・・」

 

「あれは・・私たちでもなかなか見れないゾルディオさんの最終兵器だ。あれを出したのは確か・・・ナザリックに1500人攻め込んできた時以来か・・」

 

それを聞き、アルベドはこう思ってしまった。敵でなくて良かったと。

 

 

シャルティアが吹き飛ばされ闘技場は土煙が舞っていた。その中で一つの影が現れた。

 

「ゾ・・・ゾルディオ・・様。こ・・降参したいでありんすが・・・」

 

 





ゾルディオ(・・・やべ、やりすぎた。ペロロンチーノさんに殺される・・・)

ペロロンチーノ「なんか急に怒りが・・」

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