特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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その後

「小町、俺が倒れた後どうなった?」

 

目覚めた八幡は様々な検査などを受け、安静にしていれば大丈夫と確認が取れて落ち着いたころに小町に聞いた。

 

「えーと、まずは戦功からだね」

 

そして小町は特級戦功から順にタブレットをみながら説明していった。八幡はもちろん特級、三浦達も人型1人と裏切っていた葉山隊捕縛などの功績から特級に数えられていた。

 

「八幡!?」

 

戦功の説明が終わった頃に部屋に人が飛び込んできた。

 

「あんたもう大丈夫なの!?」

 

「小南か……しばらくは入院だがもう大丈夫だとよ」

 

そう八幡が言うと

 

「そ、そうよね!ゾ、ゾンビみたいな、あんたが簡単にくたばるわけ……な、いものね」

 

小南は八幡に顔を見せないようにし、強がりながら言う。

 

「あー……その、何だ……心配かけたな」

 

「だ、誰も心配したなんて……」

 

なお小南が強がろうとしたが

 

「小南お姉ちゃん、今強がるとお兄ちゃんショック死しちゃいます」

 

小町が言うと

 

「えっ!?……うぅ……」

 

小南はひとしきり唸ったあと

 

「心配かけるんじゃないわよ!!バカ八幡!!」

 

小南は八幡に向き直り

 

「ホント……どれだけ心配したと……」

 

そして小南は泣き出してしまった。

 

 

 

 

 

 

「忘れなさい……」

 

「無理」

 

ようやく落ち着いた小南は泣き顔を忘れろと八幡に迫るが

 

「久しぶりに見たな、お前の泣き顔」

 

「うぐっ……はぁ、まぁ軽口叩けるなら本当に大丈夫か」

 

そして小南は用事があるからと病室を出ていった。

 

「そうだ、お兄ちゃん。今日ボーダーの会見があるんだよ!!」

 

今まで静かにしていた小町が思い出したように言い、テレビをつけるとちょうど会見が始まるところだった。

 

内容は最初に大規模侵攻に関しての報告が主に話された。そして

 

「次に大規模侵攻に大きく関わったと思われる、元葉山隊のメンバー、葉山隼人、雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣の3名につきましては昨年の夏に発表しましたように、国や司法機関とも協議した上で処分を決定いたします。」

 

そして

 

「今回の大規模侵攻で行方不明となった隊員達についてはどうなさるつもりですか!?」

 

1人の記者が叫ぶように質問した。

 

「この人は根付さんの仕込みだな」

 

八幡がボソッと呟くと小町が何で?と聞いた。

 

「普通の人の感覚なら葉山隊の処分に関して発表された直後ならそれに関係する質問がされるはずだ。例えば規律違反者にはどんな罰則があるかとか、重罰は何があるかとかな」

 

八幡はひと息つくと

 

「それを発表したら話す程度はどうであれ、ボーダーに陰を落とす。だからその陰をかき消す光を出すつもりだろうな」

 

「うぅ……小町にはよく分からないや」

 

「見てればわかる」

 

そして

 

「現在ボーダーは連れさられた隊員の奪還計画を進めている。我々はすでに無人機での近界への渡航、往還実験に成功した」

 

城戸の言葉にざわめきが広がる。

 

「この奪還計画は先の大規模侵攻だけではなく、四年前の第一次侵攻の犠牲者も含まれ、ボーダーにとっては過去最大の長期プロジェクトとなるだろう」

 

城戸は記者を見渡し、戦闘員だけでなくオペレーターや一般職員、エンジニアと幅広く募集してると告げ、会見は終わった。

 

「 大胆な事するねー」

 

小町も遠征の発表に驚いたようだ。

 

「また忙しくなるな……」

 

そして八幡はこれからの事を思いため息をついたのだった。


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